4年生の「読み」の力のバラツキにびっくり!

2009 年 10 月 1 日

 昨年の夏の講座でのことです。久しぶりに4年生の国語の授業に出ました。新規通学生のクラスだったせいか、子どもたちは少し緊張した面もち。でも、全員が熱心に授業に参加し、たくさん発表してくれました。久しぶりの授業は、私にとっても楽しい時間でしたが、テキストの文章を音読させてみてビックリしました。子どもたちの「読み」の能力に、大きなバラツキがみられたのです。

 ただ滑らかに読めるだけでなく、情感のこもった読み方のできる子どもがいるのには、感心させられました。しかしその一方、「このままでは苦労するぞ」と、心配になる子どもも少なくありませんでした。文節の区切り目を識別できず、もたもたする子ども。漢字が苦手で、読むのに難渋するする子ども。早とちりをして、同じ漢字をふくむ似た言葉と勘違いして読んでしまう子ども。「あまり活字にふれていないのではないか」と首を傾げるようなたどたどしい読みをする子ども・・・・・・。

 長年小学生の国語指導をしてきた私の経験から言って、4年生の時点で読みの上達の遅れている子どもは、この先国語で苦しむことになりがちです。授業の終わりにあたって、「今日、文章を読むときにつまずいていた人は、毎日音読の練習を15分~20分くらいはやっておこうね」と、念を押して言っておきました。読みの態勢を整えるうえで、音読はどうしても必要なプロセスだからです。

 なぜ音読をしっかり経験しないと、黙読の力が育たないのでしょうか。それは、活字を目で追って読み進める力は、音読を通して身につくものだからです。小学校入学したての子どもにとって、言葉とは、音声による言葉(話し言葉)に他なりません。ですから、この段階の子どもが文字による言葉(書き言葉)を目で見てすぐにその意味を理解できるようになるには、文字列を音声に変換し、話し言葉とつなぎ合わせる作業が不可欠になってきます。

 この作業をたっぷりと経験して音読が滑らかにできるようになると、やがて子どもは声に出さなくとも目で見ただけで文字のつながりが形成する言葉とその意味を理解できるようになります。音読が不十分なまま黙読に移行した子どもは、文章を目で追っていきながら内容をイメージ化していく力が弱く、読解力不足に悩むことになりがちです。

 すでにお伝えしたと思いますが、黙読が可能になるのは2年生後半から3年生にかけてだと言われています。それへの橋渡しとしての音読に習熟していると、黙読ができるようになってからの読書活動が一段と活発になります。本を読んで理解することが容易にできるので、読書がより楽しいものになるからです。読書時間が増えれば、それだけ文章を目で追って理解する脳の仕組みが鍛えられますから、黙読の態勢は一層整っていきます。こうして、個々の「読み」の能力差が顕在化してくるのが3年生終わり頃です。

 これをお読みになったかたのなかには、「うちの子は5年生で、黙読するのが遅いのですが、もう手遅れなのですか」とおっしゃるかたもあるかもしれません。そういう家庭のお子さんも、あきらめずに毎日音読の練習をしてみてください。そのとき、始めは親がフォローしたほうがよいと思います。

 音読の練習においては、一つの文章を間違えないように集中し読むようにし、読了までの時間を計測します。親は、お子さんが間違いのないように読んでいるかどうかを聞いてやります。また、音読のときには書かれている内容をしっかりと確かめながら読むようお子さんにアドバイスしてください。これをずっと続けているうちに、少しずつ滑らかに読めるようになっていきます。

 もし、わが子の黙読力に不安を感じたなら、一度文章を音読させてみてください。ちゃんと読めるようなら、黙読の力は間違いなくついています。逆に、ちゃんと読めないようであれば、今すぐにでも音読練習をしっかりとやっておく必要があります。
 


カテゴリー: アドバイス, 子育てについて, 家庭での教育

おすすめの記事