新しい年の始まりに寄せて ~年頭のご挨拶~

2010 年 1 月 4 日

 明けましておめでとうございます。本年も、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 今、世の中は厳しい状態に陥っています。テレビを見ても、新聞を読んでも、暗いニュースばかりが目に飛び込んできます。気持ちが和んだり、勇気づけられたりする話題がほんとうに少ない昨今です。しかし、そんな世の中だからこそ前向きに生きることを忘れないようにしたいものですね。

 新しい年の始まりにあたっては、どなたも何らかの決意や夢を胸に留められたことと思います。家族の健康、仕事の充実、和やかな家庭生活の実現等々、いろいろおありでしょう。

 このブログを御覧いただいているかたの多くは、お子さんをおもちのおかあさんであろうと思います。

 そこで今回は、おかあさんがたに年頭に当たって一つご提案をさせていただきたいと思います。

 それは、「おかあさんが家族の光源になる」ということです。光源とは、文字通り「光の源」という意味です。「光」とは、いろいろな意味に解釈できるでしょう。たとえば、お子さんがやる気を失っているときには、「元気」を取り戻させる存在を意味します。成績が低迷して自信を失っているようなときには、「希望」や「勇気」を与える意味もあります。どうしてよいか迷っているときには、「決意」を促す作用も意味します。

 なぜおかあさんが「光源」か、と言うと、家族生活における中心的存在がおかあさんだからです。特に、小学生までのお子さんにとって、おかあさんは絶対的な存在です。そのおかあさんに、家庭内で、元気、希望、勇気の発信源になっていただきたいというのが、筆者からの提案です。

 どうでしょう。今年1年、「私が家庭内での光源になるよう、明るく前向きな生き方のお手本を実践しよう!」「子どものがんばりを引き出す、太陽のような存在になろう!」と決意しませんか?

 子どもが迷いなく勉強に打ち込むためには何が必要でしょうか。そう言われると、たいていの大人は「やる気」「向上心」「意欲」「探求心」など、子ども自身に帰する要素を連想します。確かにその通りですが、小学生の場合、それ以前に大切にすべきものがあります。「親が期待してくれている」「親が応援してくれている」「親が信頼してくれている」という、親から発信されることで成り立つ要素です。子どもの場合、これらがあって初めて「がんばろう」という気持ちは湧いてくるのです。

 これまでの親としての関わりを思い起こしてみてください。わが子に、前述のような活力の源を注いできたでしょうか。子どもの受験勉強を見守っていると、親はいつの間にかこの親としての重要な役割を忘れがちです。そして、「もっとがんばれ」「どうしてちゃんとやれないのか」と子どもに不満をもってしまいます。これでは親の期待の気持ちは届かず、子どもが張り切って勉強する状況は築けません。

 無論、中学・高校生になると状況は変わります。もはや親の見守りや応援をうっとうしがる子どももいるでしょう。しかし、小学生までの子どもにとって、親は「光源」そのものなのです。親が明るく照らしてくれてこそ、子どもは輝くことができるのです。

 いつだったか、このブログで「子育てとは子どもと別れるためにするものだ」という、有名なカウンセラーの先生の言葉をご紹介したことがあります。夫婦は一生をともにすることをめざしますが、わが子との関係はそうではありません。子育てとはわが子の独り立ちのためにするものなのですね。わが子が独り立ちしていくためには、成長に向けたエネルギーを吹き込む必要があります。それを「光源」という言葉で表現しました。

 おそらく、お子さんが大学に進学するときには、親元を離れていくケースが多いことと思います。そのときまであと何年残されているでしょうか。しかも、わが子が全面的に親に頼っている期間は小学生いっぱいまでです。この期間に親がすべきことは何でしょうか。そのことを考えたうえで、今回の提案をさせていただきました。

 小学生までの子どもは、頼りなく無自覚なものです。そして、全面的に親頼みの状態でいます。このことを忘れずにわが子に接してやりたいものです。そうすれば、がんばれないわが子に不満をもつのではなく、「親として何をしてやるべきか」という視点からわが子を見つめ、励ますことができるのではないでしょうか。

 おかあさんが光源となり、お子さんを常に明るく元気づけたなら、お子さんが「自分のやるべきことは何か」と考えないはずがありません。子どもの自立は、そういう流れで引き出すべきものだと思います。2010年が、全ての中学受験生のご家庭にとって、実り多い充実した年になりますように。


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