勉強のできる子になるための最も基本的なこと

2010 年 10 月 18 日

 子どもを優秀にするにはどうしたらよいかということを考えるとき、大概の人は「いつの段階までに、どんな勉強を、どのようにさせたらよいか」などといったような才能開発的なことや、「よい塾はないかしら」といったようなことに注意が向くのではないでしょうか。

 確かに、そういったことも重要な要素ではあります。しかしながら、小学生の子どもの場合、もっと基本的で大切なことがあるのではないでしょうか。

 たとえば、基本的生活習慣を確立させることなどがそれにあたると思います。早寝早起きを励行し、テンポのよい生活、リズム感のある生活を送るようにすれば、それは子どもの健康によいということだけでなく、知的成長という意味においても大変大きな効果があると言われています。

 夜早めに寝れば、朝の寝起きはよくなります。また早めに起きれば、朝の一定時間は勉強に充てることもできるでしょう。脳科学者の書物を読んでいたら、「朝は脳のゴールデンタイムだ」というようなことが書かれていました。つまり、朝は一日のうちで脳が最も活性化する時間なのです。

 ですから、勉強も朝の時間をもっと活用したら、より成果があがるのではないでしょうか。人間の記憶は眠っている間に整理整頓されているからです。睡眠が十分に足りた状態で、朝起きてから勉強に取り組めば、いったん整理された記憶のうえに知識を強化したり、思考を稼動させたりすることができます。このほうが、学習成果が得やすいのは間違いないでしょう。

 先ほどの脳科学者の書物によると、夜になるとその日に体験したことが脳の中で、溢れかえらんばかりになり、整理のつかない状態になっているそうです。そういうときに勉強をしても、脳は活動的な働きをしてくれませんから、余り効率的とは言えません。

 また、勉強というものは「これで十分」という気持ちにはなれないもので、つい余分な時間を使ってしまいがちです。夜の学習に偏ると大抵は時間が先延ばしになり、夜更かしが多くなります。そうなると、勉強に集中力が伴わず、かけた時間ほどの成果は得られないものです。さらには、生活習慣も乱れがちになり、それがまた勉強のリズムを壊すなど、よいことはありません。

 朝の時間は1日の準備の時間でもあり貴重です。限られたこの貴重な時間を有効に活用しようという意識は、集中力を伴った学習につながります。「勉強は決めた時間に集中してやる」ということを心がけたお子さんは、中学受験準備の学習で成果をあげられるだけではなく、その後の長い学習生活で順調に学力を伸ばしていくことができます。

 そう言えば、いくつかの私学で「中学校に入学した生徒さんが、当面大切にすべきものは何ですか」と尋ねたところ、「生活習慣の確立」「学習習慣を定着させる」などの答えが複数返ってきました。また、「中学進学後に伸び悩む生徒さんもいるのではないかと思います。どんな理由によるのでしょうか」とお聞きしたときにも、「時間管理ができない」「計画に基づいた勉強ができず、宿題などもやらない出さない状態が続いた」などのような事例をお答えになりました。

 これらについて考えると、結局は根の同じ問題に行き着くのではないでしょうか。すなわち、学業での成功は、生活の規則性やリズム、テンポなどが大きく影響するということです。「早寝早起き」は、生活習慣の問題であり、体になじませ、体に覚えさせれば意識しなくても毎日繰り返せるようになるものです。そこから、行動に節度や集中力が自ずと生まれてくるのです。

 また、朝早く起きれば親子の会話もその分多くなるのではないでしょうか。親子の会話はコミュニケーションを豊かにするという効果に留まらず、子どもの語彙力や表現力、ひいては思考力の育成にも一役買ってくれるでしょう。これは、意識してそうするようなことではなく、あくまで副産物ではありますが、親子の会話には子どもを育てる力があるのです。子どもはいつでも親を見て学んでいます。親子で楽しい会話をたくさんしていれば、その場で親が話したことはその分だけ確実に子どもに浸透していくことでしょう。

 早寝早起きといったような生活習慣に関わる問題は、勉強には余り関係ないように思いがちですが、よく考えてみれば大いに関わりがあるのですね。子どもたちには、時間を効率的に使い集中力の伴った勉強のできる素地を築いてあげたいものですね。長い人生においては、そのことも大きなアドバンテージになるのです。時間や量を頼みにする非効率的な重苦しい勉強では、人生を自ら切り開いていく活力も能力も育たないように思います。


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