家庭学習研究社で学ぶことの意義 ~その2~

2012 年 2 月 9 日

 前回は、弊社に通って学ぶことの意義について書こうとしたのですが、前置きが長くなり、肝心のことが書けないまま終わってしまいました。そこで、今回はいよいよ本題に入ろうと思います。

 とは言え、前回の流れでおおよそおわかりかも知れませんね。弊社の教室に通って受験することの意義。それは、「中・高一貫校進学後に要請される、学習の姿勢や手だてを身につけることができる」ということです。

 もう少し細かいことまでお伝えしましょう。小学校6年間は、人間としての行動様式の基本ができあがる時代です。教育学者によると、「人間としての原風景を形成する時期」だそうです。

 つまり、受験対策においてテストで点を稼ぐための勉強に明け暮れると、「勉強はテストで点をとるためにするもの」としか考えない人間になる可能性があります。または、何かを達成するための手段としてしか受け止めない人間になるかもしれません。

 これでは、勉強のよさや価値を知ることはできません。また、学んだ知識や考え方を実場面で活用していく姿勢や術(すべ)を身につけることはできません。即ち、ほんとうの学力を備えた人間にはなれないのです。社会に出て通用しないのは自明のことではないでしょうか。

 弊社は、固まらない年齢の子どもに必要な学習体験は、頭を使って考えながら自力解決すること、基本に叶った考えかたで課題を解決することだと考えています。だから、なるべく子どもの頭で考えて解決できるような問題に取り組ませるよう配慮しています。課題が難しくなれば、覚え込むか習練で答えを引き出せるようにするしか方法はなくなってしまいます。

 OECDが実施している“PISAテスト”は、学んだ知識や考えかたを実生活場面で活用する能力を問うことで知られます。このテストの結果、日本の子どもはこの種のタイプのテストに弱いことがわかっています。その一方、学校で学んだ知識技能を試される、TIMMSSの実施するテストのほうが好成績をあげています。このことは、日本の子どもは学んだ内容を活用する力、すなわち応用力に欠けているということを意味するでしょう。

 それは、そのまま受験勉強で身につける学力に適用しても頷けることです。入試で合格点をとることばかりに傾倒すると、実際の生活場面で応用する能力は育ちません。

 有名な解剖学者のY氏は、「学問とは文武両道である」と述べています。これは、学んで知識を頭に入れる(入力する=文)ことだけでなく、それを実際に使ってみる(アウトプット=武)ことも人間には必要で、この両方があってこそ学問を修めたと言えるのだということです。

 弊社においては、子どもたちに覚え込んでテスト対応力をつけさせるのではなく、単元の柱となる理論を、例題をもとに子どもたちに一緒に考えさせ、解決の切り口を一人ひとりが自力で発見できるよう導いています。そして、それをもとに、他の課題を一人で考えて解決するよう指導しています。そのため、家庭での復習は必須になっており、子どもたちは授業で学んだことを自力でできるようになるための学習に励んでいます。それだけではありません。テストの直前には、授業で再度学習事項の基本をチェックし直します。

 こうした学習なら、覚え込んでテスト対応力を磨くよりも、応用の利く学力を育むことができます。見たことのない課題にぶつかっても、原理原則をしっかりと自分の頭で理解した子どもは、試行錯誤の末、解決の糸口をつかめるようになるものです。これなら、PISA型の学力テストにも対応できるのではないでしょうか。

 中学校進学後、子どもたちはさらに高度な学問の世界に入っていきます。暗記やスキルのみでテストを切り抜けた子どもは、高度化する学習内容に早晩太刀打ちできなくなっていくでしょう。なにしろ、理科や社会はいくつもの領域に分かれ、どんどん難しくなっていきます。数学も、いろいろな分野へと枝別れし、高度になっていきます。そのときに必要になるのは、“考える力”です。学んだことをもとに、様々な角度から検証しながら解決の突破口を見つけていく能力です。

 今、公教育は新しい指導要領のもとで「詰め込みでもなく、ゆとり教育でもない、時代の要請に応えられる学力の身についた人間の育成」を図っています。しかしながら、現実には教科書が分厚くなり、難しい内容が復活しているのに、授業時数はゆとり教育時代と変わりません。そんななか、英語も導入されるのですから、ほんとうに詰め込みでない中身のある教育ができるのかどうか心配になってしまいます。

 専門家によると、PISAテストで日本よりも好成績をあげている国のなかには、フィンランドやオーストラリア、カナダなど、教科書の分量が今の日本よりもずっと少なく、授業時数も少ない国もあるようです。おそらくこういう国では、子どもに考えさせ、自力解決する姿勢をしっかりと育んでいるのだろうと思います。

 今の日本の子どもに必要なのは、時間や労力に頼った勉強と決別し、基礎基本をしっかりと身につけ、そのうえで試行錯誤しながら問題解決をする姿勢を培うことではないでしょうか。私たち家庭学習研究社がどの程度そういった姿勢の育成に寄与できるかはわかりませんが、少なくともそのことを意識した学習指導を実践したいと考えています。なにしろ、私たちがお預かりしているのは、高い次元で学力を修めていく可能性が極めて高い、教育熱心な家庭で育った子どもたちなのですから。


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