夏期集中特訓が始まりました

2012 年 8 月 20 日

 早いもので、夏休みも残り少なくなってきました。弊社の中学受験部門(4・5・6年生)では、いずれの学年も盆明けからの夏休みの残り期間を利用して、「夏期集中特訓(全8日間の日程)」を実施します。

 「特訓」というと、勇ましい響きがありますが、通常の授業がほぼ全て「講義」の形式で行われているのに対し、「演習」中心の指導をしているということを踏まえ、ネーミングで差別化を図ったものです。長時間猛特訓をするといったような指導をしているわけではありません。

 この特訓では、4・5年生はこの春から夏休み前までの通常講座での学習範囲、および夏休み前半に実施した「夏期講座」での学習範囲の定着度をチェックしながら、より理解を深めていくことをめざします。

 また6年生は、いよいよ中学入試の問題への取り組みを開始します。夏休み前半の「中学受験夏期講習」では、中学入試で出題される全範囲の基礎内容の総仕上げをめざして学んでもらいました。

  教科書の全範囲の学習は4月末で終了していましたが、その時点では入試問題を解けるレベルには到底達していません。そこで、5月の連休明けから夏休みの直前までは、基礎内容のおさらいをしながら入試レベルの学習段階への橋渡しを行ってきました。そして、夏休みに入ってからの「中学受験夏期講習」で、さらに1ランク上の学力へと、無理のないように学力レベルを上げていったわけです。こうして、着実にステップアップをはかったうえで、「夏期集中特訓」では、いよいよ広島の中学入試で出題された問題(基礎的なレベルに限定)を扱っていきます。

 通常の講座では、「授業」を軸に指導を行っています。そのためか、「問題演習」を軸にした集中特訓においては、普段の子どもたちとは違った真剣さが漂っています。おそらく、問題を解くことで自分の実力を確かめたり、深めたりする学習が、子どもたちにとっては目新しくて新鮮なのだろうと思います。

 この夏期集中特訓の留意点について簡単にお伝えしましょう。まず4・5年生ですが、通常講座では特定の単元について学び、限られた範囲内で出題されるテストを受けていました。しかし、集中特訓ではより広い範囲の内容をテスト演習の形で学びます。ですから、これまで学んできたことが定着していないと問題に対応することができません。

 お子さんが、「これならできる」と受け止めた問題のところは、これまでの学習が力になっている証拠です。逆に、「分からない」と感じる問題が続く箇所があれば、その単元はまだまだ理解不十分だと思って差し支えないでしょう。

 この「夏期集中特訓」を通じて、「分からない」と感じた単元の埋め合わせの学習をしておけば、上の学年に進んでからの学習の土台を整えることになります。また、どこが分かり、どこが分からないのかを自分なりに分析するような姿勢を少しでも強化しておけば、秋からの学習を効率的に進めていく力にもなります。

自分がどれぐらい分かっているかを客観的に掌握していくことを「メタ認知」などと言います。メタ認知的な学習姿勢は、学習の高度化に欠かせない重要なものです。広い範囲の学習を一気に進めていくこの特訓を通じて、自分の状態を掌握しながら学ぶ姿勢をより高いレベルで養っていただきたいと思います。特に最終日のテストの結果は、お子さん自身が学力の定着度を自己チェックするだけでなく、以後どこを強化すべきかなどについて親子で話し合うことも必要でしょう。

 なお、夏の講座から弊社の教室に通い始めた4・5年生のお子さんにとって、この特訓はかなりハードです。学習範囲が広く、内容もそれなりに高度ですから、歯が立たない課題もかなりあることでしょう。今から追いつくための課題を見つけるくらいの気持ちで構いません。焦る必要はありません。全然分からない単元があれば、指導の先生に相談し、今から計画的に埋め合わせをしていきましょう。

 6年生のお子さんにとっての「夏期集中特訓」は、入試問題がどれぐらいのものかを肌で感じ取る最初の機会です。総合問題の形式にもふれ、実際の入試問題がどういうものかも、ここに来てかなり分かってくるでしょう。今まで培ってきた学力がどれぐらいのものかを、ここでぶつけてみるぐらいの意気込みでがんばってほしいですね。

 特訓が終了したら、自分の学力が通用するところ、まだまだレベルアップが必要なところを仕分けし、9月からの後期講座に向けて、1日も休むことなく弱点の補強向けて努力する必要があります。毎年のことですが、後期の初日には「夏休みがんばり度テスト」があります。このテストで、夏の総決算をすることになります。よい結果を得れば、大変な自信になります。少しでも手応えを得たほうが、気分よく勉強できますから、毎日の学習をしっかりとやりこなしていきたいところです。

 いずれの学年のお子さんにも言えることですが、ボンヤリしているとあっという間に夏休みは終わります。特訓開始から夏休み終了までの期間を悔いの残らないぐらいにがんばれれば、収穫もそれだけあるものです。

 学校の宿題や課題のいろいろあり、夏休み最後の1週間は大変かも知れません。今から段取りをつけ、どうやるべきことを裁いていくか、それも重要な能力です。夏休みの終わりが大わらわにならぬよう、今から戦略を練っておいてはどうでしょうか。
 

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カテゴリー: 家庭学習研究社の特徴

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