2013 年 5 月 のアーカイブ

6年部第2回「保護者説明会」を開催します。

2013 年 5 月 30 日 木曜日

 今回の記事は、弊社6年部の会員保護者向けに書いたものです。ですが、4、5年生のお子さんのおられるご家庭にも1年後、2年後の参考になるかもしれません。よろしければお読みください。

 6月には、各校の6年部保護者を対象とした「保護者説明会」が行われます。校舎の規模によっては、男女別、クラス別に行いますから、全部終えるのに2週間ほどかかる大がかりな行事です。

 6年部の「保護者説明会」は年間4回予定されていますが、今回が2回目となります。今回のメインテーマは「夏休み中の受験対策」です。そのほか、7月上旬から12月にかけて5回行われる「中学入試模擬試験」の日程や、その活かしかたなどについてもお伝えする予定です。また、各教科の入試の傾向を踏まえ、今後の受験対策をどのように進めていくべきかについて保護者の方々にご説明し、入試突破に向けた受験対策の流れを見通していただけるようご案内します。

 入試まであと8カ月を切りました。これからどのように学力を仕上げるかで入試結果も全く違ったものになります。6年部の会員保護者のみなさまにおかれては、これから秋にかけての家庭でのサポートについて大切な事柄をたくさんお話しいたしますので、是非とも参加くださいますようお願い申し上げます。

 以下は、この6月からの講座や行事に関する情報をごく簡単にご説明したものです。保護者説明会で、詳しいことを御確認ください。

 1.私学紹介イベント「私学がきみを呼んでいる!」 6月16日(日)

  毎年6月に開催している、6年部の会員親子を対象としたイベントです。広島の主要な私学の先生がた、それらの私学に通っている弊社の卒業生を招いて実施します。6月は、まだ受験生としての自覚が高まる前であり、またちょっと中だるみのおそれもある時期です。この催しで、「受験するんだ!」「あの中学校へ行きたい!」という気持ちが高まれば、夏休みの講座へとうまく橋渡しができるでしょう。是非、おとうさんおかあさんもご一緒に参加いただきたい催しです。会場は西区民文化センターホール、午前の部(10:00~)が女子校、午後の部(13:30~)が男子校となっています。

 2.広島県中学入試模擬試験  7月~12月(合計5回)

  例年7月から12月にかけて5回実施している公開模擬試験です。基礎内容の学習を終えた段階から、入試を直前に控えた12月まで、約1カ月ごとに実施しますので、学力の仕上げ状況をチェックするのに欠かせない模擬試験です。最終回は、私学(修道と広島女学院)のご厚意により、入試本番と同じ場所で実力を試すことができます。そういったことも理由でしょうか。最終回は広島県西部地区の中学受験生の半数以上が参加します。この模擬試験で得られるデータを大いに活かし、学力の仕上げに活かしていただきたいと存じます。

 3.中学受験夏期講習 7月22日~8月12日(19日間)

  夏休み前までの講座では、基礎内容の見直しと応用レベルへの橋渡しの学習をしてきました。この講座では、いよいよ入試問題に取り組みながら実戦的な応用力を養っていきます。もちろん、入試4教科の全てを指導します。ただし、まだまだどの教科も仕上がっていない段階ですから、入試問題のなかでも基礎からの出題に絞って取り組みます。授業は講義形式で、先生がこれまで学んできた事柄が、入試ではどのような形で出題されるのかをわかりやすく説明します。19日間で入試全範囲の重要事項を学べますので、ここで成果をあげるべくがんばれば、入試への見通しが俄然開けてきます。

  講習期間中に2回行われる実力判定テストは、どの程度本物の学力が備わりつつあるかを診断してくれます。結果を参考にして、以後の仕上げ学習に臨んでいくことで、一歩一歩入試に通用する学力へとグレードアップしていけるでしょう。

 4.夏期集中特訓 8月19日~27日(8日間)

  中学受験夏期講習と違って、こちらは演習形式で入試4教科の指導を行います。この夏期集中特訓から広島の中学校の入試問題が登場します。ただし、こちらも難解な問題は扱わず、基礎内容からの出題に絞って取り組みます。みっちり8日間入試問題に取り組むことで、子どもたちの顔つきも変わりますし、かなり手応えの味わえる講座となっています。この講座終了後、後期の講座開始にあたってテスト(がんばり度テスト)を実施します。このテストで、夏までの入試対策の総まとめを行います。

  入試問題への取り組みが始まることもあり、夏休み以後の受験対策は密度が濃くなってきます。ここから一気に学力を伸ばしていきたいところです。保護者説明会では、こうした流れを一人でも多くの子どもたちが築けるよう、家庭と塾との連携体制を築くための情報を提供して参ります。都合がつけば、ご夫婦でいらっしゃっても構いません。是非参加ください。

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夏休みを活かして学習習慣の改善を!

2013 年 5 月 27 日 月曜日

 早いもので、6月に入ると夏の講座の「申込受付」が始まります。今年は、9日(日)に最初の募集告知チラシを折り込み、翌日の10日(月)から受け付けを開始する予定です。

 ホームページにも、夏の講座の案内を詳しく載せますが、これもチラシと連動していますので9日頃になると思います。4年生については、「これから受験生活のスタートを」とお考えのご家庭も多いことを踏まえ、夏休みの講座のみ「会員選抜試験」を行いません。お申し込みになればどなたも参加いただけます。「塾の勉強についていけるかどうかを試したい」「塾との相性を確かめてから」と思われるかたは、是非この夏の講座をご利用ください。

 今年は夏の講座のテレビCMを新たに制作しています。10日から1ヶ月間、広島テレビとホームテレビで放映します。CMの撮影にあたっては、弊社の教室に通う6年生のみなさんにご協力いただきました。わずか15秒のCMですが、撮影には何時間もかかります。しかし、子どもたちはCMがどうやってつくられるのか興味津々だったのでしょう。退屈そうな素振りを見せるどころか、「あっという間に終わったね」という感想を述べているお子さんもいました。

 CMはまだできあがっていませんが、子どもたちが元気ハツラツと学ぶ弊社の教室の雰囲気がそのまま画面に表現されていると思います。

 さて、今回は夏休み中の勉強について簡単にお伝えしてみようと思います。4・5年生は、「夏期講座」と「夏期集中特訓」が夏休みの講座として組まれています。

 「夏期講座」では、前期講座に引き続き、「基礎力養成期」のカリキュラムに沿って、新規単元を学んでいきます。いっぽうの「夏期集中特訓」は、夏休みまでに学んだ内容を演習形式で学び直す短期講座です。広範囲な内容を短期間に一気に学ぶため、慣れないお子さんには負担が大きいと言えます。初めて弊社の教室に通われるお子さんは、「夏期講座」のみに絞られたほうがよいかもしれません。

 6年生は5月から応用力の養成段階に入っています。夏休みの講座は、「中学受験夏期講習」と「夏期集中特訓」の2講座です。いずれの講座においても、いよいよ入試問題への取り組みを開始します(基礎内容からの出題に絞ります)。「中学受験夏期講習」では、入試に出題される全範囲の重要事項を講義形式で指導します。また「夏期集中特訓」は演習形式によって、入試問題の解法指導を行います。テスト形式の演習型学習は、入試問題への取り組みの開始と相まって、受験に対する意識を一段と高めるきっかけになるでしょう。

 以下は、夏休みの活かしかたについて書いたものです。夏休みの講座に通いながら、どういう点に留意して学ぶとよいかに焦点をあててみました。現会員のご家庭、これから通学を検討いただく家庭の保護者のかたの参考にしていただければ幸いです。 

★夏の講座の活かしかた

1.学習習慣を見直し、計画に沿った着実な家庭学習の流れを築く。

 受験勉強というと、「何を、どれだけ、どのように学ぶか」ということに関心が向きがちです。しかし、大事なのはそれだけではありません。時間になったらサッと机に着いて勉強する習慣、計画に沿って自己管理しながら勉強する習慣を築くことも大変重要です。学習習慣が身についていないお子さんは、無駄が多くて成果の薄い受験生活に陥りがちです。ですから、学習の習慣を固めておくかどうかは、長い目で見ると学力の伸びようや、入試での結果を左右する重要な問題です。
 夏休みは、受験勉強を軸に据えた生活を送ることのできる数少ない機会です。これまでの学習を振り返り、決めたことを決めた時間内にテンポよくやり遂げていく態勢を築いていきましょう。家庭勉強の態勢がしっかりとしたお子さんは、中学進学後も勉強で困ることはありません。

2.授業と家庭学習の連携を強化する。

 授業で単元の主要な考え方や原則を学んだら、記憶がまだ鮮明なうちに家庭で学び直したり、類題に取り組んだりすることが大切です。この繰り返しで学んだ知識や考えかたが記憶され、学力として定着していきます。夏休みの講座期間中は連日授業がありますから、授業と家庭学習の連動性を高める絶好のチャンスです。通常の講座よりもずっと短期間に成果が現れてきます。

3.苦手教科や弱点の対策・強化、学習法の見直しをする。

 どんなお子さんにも苦手教科・苦手単元はあるものです。テストで全然できなかった問題をやり直してみたものの、わからないままになっていることはありませんか?ちょっと見直すだけでわかるようなものなら苦手とは言いません。多くの場合、苦手な部分は十分な補強が為されないままになりがちです。しかしながら、苦手は放っておくと、結局入試が近づいてから悩みの種になりがちです。夏休みは、苦手対策に時間がかけられる数少ない時期の一つ。夏休みの期間全体を見通し、過去のテキストやテストで割り出した苦手部分を計画的にやり直していきましょう。

4.早起きの習慣を定着させ、朝を有効に活用した学習ができるようになる。

 以前書いたことがありますが、朝は睡眠によって前の日の記憶が整理整頓されていますから、脳がスッキリした状態にあります。それを活かし、朝型の学習習慣をつけてはいかがでしょうか。ラジオ体操で毎朝早く起きる夏休みは、朝の時間を有効に活用する学習を定着させるチャンスです。日中はうだるような暑さの日も、早朝はしのぎやすいものです。その時間に勉強すれば、学習の効率も一層高まるでしょう

 

 人間形成の途上にある小学生時代の体験は、その人の学びかたや生きかたに大きな影響を及ぼします。よい学習習慣やよい学習の取り組みを身につけておけば、それは生涯にわたる財産になるものです。夏休みを大いに活かし、学習の習慣や取り組みを改善しておきましょう。

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軽食を摂って塾に行くと成果があがる

2013 年 5 月 20 日 月曜日

 お子さんは、塾への通学前に食事をしておられるでしょうか。あるいは、食事の代わりになるものを口にしておられるでしょうか。

 弊社の場合、平日の授業は夕方6時より少し前に始まり、終わるのは8時半(4年生は7時半過ぎ)ごろです。もしも何も食べずに塾に行ったら、学校の給食を終えてから家に帰って食事をするまで8~9時間もの時間があります。これは、体にも頭にもよくありません。

 「腹が減っては戦ができぬ」という諺がありますが、空腹は人間の活力を減退させ、課題遂行力にダメージを与えます。もしも何も食べずにお子さんが塾に行っているご家庭があったら、すぐにでも対応してあげてください。

 とは言え、塾への通学前にお腹一杯の食事を摂るのも望ましくありません。たっぷり食べると人間の行動意欲に関わる大脳辺縁系(脳の最も古い部分)の活動が鈍くなり、学習するときの集中力や思考力が低下するからです。心身が満ち足りた状態になると、人間の活動全体が鈍くなるのです。

 大脳辺縁系は、動物としての生き残り本能に深く関わっています。少し充足しない状況にあったほうが、脳は危機感を感じてセンサーを研ぎ澄ませるのでしょう。そう言えば、冬時の勉強にあたり、「あまり暖房を効かせるのはよくありません。室温は少し寒気を覚えるぐらいにしましょう。そのほうが頭の働きによいです」という話を聞かれたことがありませんか?脳の専門家によると、これなども同じ理屈からくることのようです。

 塾への通学前に軽く食事を摂っておくと、授業を受けている頃には少し空腹を覚えるぐらいの状態になります。それぐらいが頭の活動にはちょうどよいのです。受験勉強で塾に通う期間は決して短くありませんから、食事によるコンディショニング効果は相当大きいのではないでしょうか。

 ご存知かもしれませんが、脳の栄養源はブドウ糖です。ブドウ糖が枯渇すると思考能力は一気に低下します。そこで、血中のブドウ糖の量が減少するとセンサーが働いて脳が空腹感を覚えます。この空腹感を上手にコントロールすることが、学習の成果にも影響してくるわけです。

 話が脱線しますが、朝食を摂らずに学校に行くのはもってのほかです。なにしろ、脳は眠っているときもブドウ糖を消費しています。前夜に摂った食事で補給されたブドウ糖は12時間しかもちません。勉強などしなくても脳はブドウ糖を消費しますから、12時間経つと枯渇するのです。食事を抜いて学校に行くと、早々に脳の栄養源は使い切られてしまいますから、学習の能率に著しい悪影響を及ぼしてしまいます。

 近年、朝食抜きで学校に通う児童が多いという話をよく耳にします。また、ファーストフードなどの間食が多く、ちゃんとした食事を摂らない子どもが増えていると言います。これは体の発達にも脳の発達にも好ましくありません。みなさんのご家庭ではどうでしょうか。こういった食習慣の乱れは、一見たいした影響がなさそうに感じられますが、長い目で見ると成長上の損失に他なりません。

 ところで、脳の栄養源であるブドウ糖は、何をもとにどこでつくられるのでしょうか。食事によって体内に採り入れたものは、消化されてタンパク質や脂質、糖類などに分解されますが、そのうちの糖類が肝臓でブドウ糖につくり変えられて備蓄されます。その量は1回の食事で脳の働きの12時間分が限度だそうです。ですから、1日3回の食事を必ず摂ることは、子どもの体の発達にも脳の発達にも欠かせないことなのですね。

 ブドウ糖は糖質によってつくられるのなら、いちばん手っ取り早いのは砂糖がたっぷり含まれた甘いお菓子を食べることのように思えます。この方法はどうなのでしょう。確かに、その日の一時しのぎには効果があるでしょう。しかしながら、砂糖を多量に入含んだ食べ物は健康上の問題を引き起こします。ですから、ブドウ糖のもとになる食材としては、やはりご飯やパン類が望ましいと言えます。

 お子さんによって適量は違うかもしれませんが、たとえばおにぎり二つくらいが目安ではないでしょうか。お子さんのためにふさわしい軽食を研究してあげてください。

 子どもの夜の外出の是非はともかくとして、今や受験や学力補強のための塾通いはすっかり日本社会で定着しています。それが健康上の問題を引き起こさないよう、また意図する成果につながるよう大人が十分なケアをしてやる必要があります。今回の記事が、そうした面への気配りの必要性を改めて認識していただくきっかけになれば幸いです。

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今さら音読? いえ、今こそ音読! その2

2013 年 5 月 13 日 月曜日

 4月初めだったかと記憶していますが、このブログで音読について記事を書きました。今回は、その続編を書いてみようと思います。

 音読に関しては、いくら「大切です」とお伝えしても、お子さんは「面倒くさい」「たいぎい」と言い、親のほうも「何となく気が進まない」といったような反応をされるかたが少なくありません。お子さんの反応はともかく、親もあまり乗り気にならないのはなぜでしょうか。

 今回は、その理由について考えてみました。音読というと、「機械的訓練」というイメージがつきまとうからでしょうか。このような認識に立つと、「音読は、自発性や思考力の発達の妨げになるのではないか」という疑念が湧いてきます。実際のところどうなのでしょうか。

 確かに、音読は文章をひたすら声に出して読むだけの退屈な訓練に見えるかもしれません。「何度もワンパターンの訓練をして何の得があるのか」と、思われるかたがあっても不思議ではありません。しかし、この反復練習こそが子どもの“読み”の熟達に欠かせない重要な学習方法なのです。

 前回お伝えしたように、音読の反復練習によって文字列を目でとらえながら意味に変換していく脳内のシステムができあがります。読みの態勢づくりにとって、反復による学習こそ“命”なのです。また、繰り返し同じ文章を音読すれば、文章をまるごと暗唱できるようにすらなります。後述しますが、そこに大きな価値があるのです。

 こうした学習が「子どもの自発性を損なうのではないか」と、心配する人もおられるかもしれません。しかし、それは無用です。“読み”の態勢を築く時期と子どもの発達過程とがうまく連動しているからです。小学校低~中学年は、繰り返しを厭わない時期、単純な記憶に最も強い時期にあたります。声に出して読む学習を繰り返すのは、むしろ理に叶った方法なのです。

 この反復によって、読みの態勢が整うだけでなく、日本語の文の基本的な構造が脳に浸透します。これが後々までも役に立つことになります。よい文章を書けるようになるには、よい文章を暗唱できるまでに声に出して読む方法がいちばんです。これによって、よい文章がどういうものか、脳に浸透していくのですから。

 小学校の5・6年生だって遅くありません。国語の能力に不安を感じているお子さんは、毎日少しの時間でもよいですから音読練習を繰り返すべきです。それによって、文字列から言葉を取り出し、意味を理解していく脳内の態勢が、練習に応じて整っていきます。感受性期、臨界期などという言葉がありますが、それは最適な時期を意味するものの、その時期を過ぎれば効果がなくなるわけではありません。

 また、意外に思われるかもしれませんが、音読は子どもの自発性を奪うどころか、積極的な読みの姿勢を育ててくれます。どういうことかというと、読みの態勢がある程度整ってくると子どもは自然と読むことへの欲求を高め、自分で本を読んだり、活字から知識を得ようと行動し始めたりするのです。それが読みの楽しさを実感する経験につながり、読書好きの子どもへと成長させていきます。活発な読書は、ますます読む力を伸ばしますから、好循環の連鎖を引き起こしてくれます。

 前述のような人間の特性を、「自発性使用の原理」と言います。ある技能の習得が一定レベルに達すると、人間は自ずとそれを実際に活用しようと行動を起こし始めるのです。これはフランスのジャーシルドという学者が唱えた説ですが、人間の活動の様々な面に当てはまります。逆に、読みたがらない子どもは、読もうにもうまく読めないから苦痛なのです。もともと本が嫌いなわけではありません。読むことで受けられる恩恵に浴すことができないければ、読もうという気が起こらないのは当然です。

 思考力についても同様のことが言えるでしょう。音読が子どもの考える姿勢をスポイルすることはありません。音読によって、自分の読みの状態を自ら検証したり、自分の声を通して著述内容を理解しようとしたりすることで、むしろ自ずとものを考える姿勢を備えた人間に育っていくのです。

 以上からもわかるように、音読は学習に欠かせない基本的能力を形成してくれる優れた学習法なのです。音読について、「積極的な行動学習である」とか、「自学自習のもっとも基本となる形態である」と指摘する専門家がおられますが、決して誇張ではありません。声に出して読むのは目で読むよりもはるかに子どもの積極的な意志を引き出しますし、また子ども自身が一人でできるシンプルな勉強なのですから。

 今のうちに音読をたっぷりとやっておきましょう。音読を嫌がらずに張り切って取り組むようにするためには、しばらくはおかあさんのサポートが必要かも知れません。その場合、ぜひ実行していただきたい大原則があります。それは、元気よく大きな声で読むということです。

 以下は、専門家の著述を参考に、大きな声での音読がいかに子どもの知的成長を促すかについて簡単にまとめたものです。

大きな声で読むことの効能

音読の効能は、黙読の準備以外にも多々あります。特に、大きな声で読むと次のような効果が引き出されます。

1.大きな声で読むと、元気がでる。
   →やる気・積極性名称未設定-2
2.大きな声で読むと、間違いに気づく。
   →自己評価
3.大きな声で読むと、内容がよくわかる。
   →学力向上
4.大きな声で読むと、よく覚える。
   →黙読より効率的
5.大きな声で読むと、周囲も活性化。
   →明るい家庭に

 どうでしょう。大きな声で元気よく音読することが、こんなにも子どもの知的成長を引き出してくれるのですね。普段音読をしないお子さんが、いきなり音読するのは少し恥ずかしいかもしれません。ですが、音読の様々な効能を踏まえるなら、何としても取り組んでいただきたいものです。ぜひ、おかあさんから「音読をやってみよう!」と励ましてあげてください。お子さんのすばらしい成長に向けた転機になるかもしれません。

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前期「おかあさんの勉強会」を実施します

2013 年 5 月 6 日 月曜日

 子育ての途中にわが子の受験がある。それは、親にとって大きな負担です。高校や大学受験なら、勉強のことは子ども自身に任せることができるでしょう。しかし、小学生の受験の場合、そうはいかないことが多いものです。

 なにしろ、子どもはまだ義務教育期間中にあり、全面的に親頼みの生活をしています。それでいて、精神的な独り立ちに向けた準備をしていく重要な段階にあります。そんな時期の受験勉強だけに、親にはつかず離れずの見守りと応援が求められます。そのさじ加減が難しく、思うに任せぬ子どもの勉強ぶりにストレスを溜めるおかあさんは少なくないようです。

 「おかあさんの勉強会」は、3年ほど前から始めた行事です。お子さんの受験生活で生じる問題を、おかあさん同士で話し合い、情報を交換したりアドバイスし合ったりする場があれば、随分気持ちが楽になります。また、家庭で子どもを励ましたりフォローをしたりするときに必要な知識を学べれば、受験勉強の能率を高めるために役立てることができるでしょう。

 今春は、校舎ごとに2回行う予定です。対象は、「週3日コース」の4・5年部会員家庭となっています。実施時期は、5月の下旬から6月の中旬にかけてで、案内や申込用紙はGW明けにお子さんに配布いたします。また、この催しは無料です。

 本日は、各回の大まかな内容をご紹介します。

第1回 「成績アップは効果的復習から」~親子で立てよう復習大作戦!~

 受験勉強は、学習成果としてのテスト成績を見ながら行います。成績がよければ手応えを感じ、「もっとがんばるぞ!」という意気込みが湧いてきます。がんばる → 成績が上がる → やる気が出る → さらにがんばる、といった好循環の流れが生じれば、大概そのお子さんは成績上位者の常連になり、高い水準の学力を身につけることができます。無論、入試でも希望通りの結果を得ることができるでしょう。

 しかしながら、運悪く成績が伴わない状態が続くと、自信がだんだんと消失し、やがてやる気もしぼんでしまうものです。やる気に満ちていたはずのお子さんが、まかり間違うとそういう悪循環に陥ることがあります。

 では、テストの成績を上げ、自信をつけるためにはどうしたらよいのでしょうか。その鍵を握るものの一つが「復習」です。本催しでは、復習がなぜ大切なのかを脳の記憶の仕組みを通して考えていきます。そして、復習の効果的な取り組みかたをお伝えし、各家庭のお子さんの現状をどう修正すればよいかについて、ヒントを見出していただければと考えています。

 そうして、この勉強会を通じて得られた気づきをもとに、上手な復習を実現するための「親子共同作戦」を練っていただくことを提案する予定です。

 なお、復習で成果をあげるためには「ノートの使い方」を工夫することが大切です。上手なノートの実例を示しながら、学力はどういう学びによって身につくのかを、おかあさんがたにもよく理解していただくことを意図しています。

 第2回 「やる気を引き出す親の関わり」~小学生の学習意欲大研究!~

 「うちの子はやる気がなくて困ります」「どうやったらやる気は高まるのでしょうか」――こういったおかあさんがたの悩みをよく耳にします。このブログの閲覧数で最も多いのも、子どものやる気を高める方法について書いた記事です。

 そこで2回目の勉強会では、「子どものやる気」にスポットを当てて共に考えていこうと思います。とかく大人は、「もっと意欲を出しなさい!」「何でそんなにやる気がないの!?」と、直接やる気に言及した語りかけを子どもにしがちです。しかし、これでは問題の解決には至りません。

 実は、子どものやる気には日常生活での親子のコミュニケーションが大きく作用しています。子どもは、親を見てやる気を高めたりしぼませたりしているのです。ですから、子どものやる気についての現状は、よきに悪しきに親がもたらしたものだとも言えるでしょう。

 この催しでは、この点について少し詳しくご説明し、子どもに対してどう振る舞い、どう語りかけることが意欲の向上につながるかを、共に考えていこうと思います。

 

 1回目は「学習方法」、2回目は「やる気」をテーマに掲げましたが、この二つは学力形成における車の両輪とも言えるものです。この両方に働きかけることで、お子さんの学習の活性化に向けて少しでもお役に立てば幸いです。

 無論、どちらも学習塾がお子さんに直接働きかけるべきことです。しかし、生活と学習が一緒になっている家庭でも同様の働きかけをしていただければ、より多くの効果が得られるでしょう。

 また、受験生活にストレスが伴うのは子どもも同じです。受験生活では、不安や失望に苛まれることも度々あります。そんなときも、おかあさんのあたたかで適切な励ましがあれば、お子さんはどれだけ気持ちが救われることでしょう。

 ともあれ、おかあさんがたが集まり、わが子の受験についていろいろ話し合うだけでも随分気持ちが楽になるものです。そうした効能も意図しています。あまりしゃちほこばった気持ちではなく、気軽に参加してみてはどうでしょうか。

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