2013年の終わりに

2013 年 12 月 30 日

 子どもの1日は長いと言われます。人生経験が少なく、日々の体験を通じて新しい刺激をたっぷりと吸収するからでしょう。いっぽう、大人は毎日やるべきことがいろいろあり、スケジュールに追われて時間を過ごしています。日々の体験を新鮮な気持ちで受容するゆとりはなく、あれやこれやと七転八倒している間に1日が終わってしまいます。

 これを1年間というスパンでとらえても同じことが言えるでしょう。子どもにとっての1年はとてつもなく長い時間ですが、われわれ大人にとっては1年などあっという間であり、「ああ、気がつけばまた一つ年をとったのだなあ」と思うことの繰り返しです。まさに“光陰矢のごとし”です。

 ただし、最近の子どもは毎日やることが多いようで、時間に追われるように感じるという点では大人とそんなに違わなくなっているのかもしれません。

 今年ももはや残り二日となりました。世の中の動向は慌ただしく、この先どうなるのかという不安を抱く人も少なくありません。新聞を見ても、消費税の増税問題、原発の再稼働の動き、集団的自衛権の問題、特定秘密法案の国会通過、普天間飛行場の移設、中国や韓国など隣接国とのきしみなど、国としての大きな問題やわれわれ国民の生活に深く関わる様々な問題が、毎日誌面から消えることはありません。来年こそは、未来に希望のもてるよいニュースがたくさん聞ける年にしたいものですね。

 さて、今年の7月に「本ブログのビュー数が45万件に達しました」とご報告いたしましたが、あれからさらに8万あまりの閲覧があり、53万ビューを超えました。ブログ開設時には思ってもみなかったことです。20131230_a進学塾のブログなのに、主として子育てに焦点を合わせた記事を書いており、それが予想外の大きな反応をいただいた原因かもしれません。実際、子どもの「自立」「やる気(意欲)」「自信」といったテーマを掲げている記事が、最も多く読まれています。

 なぜ子育てに関わる記事をメインに据えているのかと言いますと、「小学生の受験には、子育ての視点が不可欠だ」という意識があるからです。中学受験は12歳の子どもの受験です。受験準備のための学習は平均して2年あまり。弊社では、ゆとりをもった受験対策をという意図で4年生からの3年間で受験対策を行っています。

 この受験準備にあたる9~12歳という年齢期は、人間としての特性が定まっていく段階にあります。どのような学力観に基づき、どのような受験勉強をするか、どのような受験生活を送るかが、以後の学力形成のみならず、人生の歩みに多大な影響を及ぼします。そのことの重要性を思うと、「受かるためならどんな方法でもよい」という気持ちには到底なれません。

 一部の資質面で突出したお子さんなら、それこそどんな受験対策であろうと順応してやりこなせるでしょう。たくさんの難問を目の前にすると、闘志ややる気がどんどん湧いてきて、片っ端から克服していけるお子さんもいます。

 しかしながら、大多数のお子さんにとって受験勉強は相当な負担です。方法を間違えると、勉強に対する受け止めかたや、勉強に向かう姿勢が歪んでしまうおそれもあるでしょう。本ブログに興味をもってくださった保護者の方々には、「受験に至るプロセスこそ、子どもの人間形成を左右する重要なものなのだ」という認識のもと、毎日の取り組みを通してお子さんが成長していけるようご配慮をお願いいたします。

 子どもが大きな目標をもち、親がそれを応援して見守る。この経験は、子どもにとっても親にとってもかけがえのないものです。子どもにも、親にも楽しいことよりも辛いことのほうがたくさんある生活になりがちですが、悩みながら共に苦労することで、子どものなかに親を信頼し尊敬する気持ちが育ちます。親が一貫した姿勢で優しく厳しく激励すれば、それはお子さんの人間形成に多くのよい影響をもたらすことでしょう。

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 まだまだ心もとない点の多い小学生ですから、親にはもどかしい思いが絶えずつきまといます。しかし、「どうすればわが子の奮起と実行を引き出せるか」を考え、様々な働きかけに腐心することの繰り返しが重要なのです。それによって、子どもの“自立”という子育ての一大テーマを成就することができるのですから。

 今年は、「絆」という言葉を随分耳にしましたが、お子さんの中学受験を介して親子の絆が深まれば、それこそ受験の結果以上の大きな収穫ではないでしょうか。だいいち、この収穫さえ手に入れれば、お子さんの人生の歩みも自ずと見通しが立ってくるでしょう。

 なお、合格に向けた作戦は、私たち学習塾(進学塾)が必死で研究して取り組むべき重要なテーマです。家庭学習研究社は、昭和42年の創設以来、「小学生が無理なく取り組める勉強で、いかにして進学の希望を叶えるか」ということに照準を合わせて活動しています。今後とも、そのことに全力で取り組んで参りますので、ご理解ご支援の程よろしくお願い申し上げます。

 それではよい年をお迎えください。

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カテゴリー: ごあいさつ, 家庭学習研究社の特徴, 家庭学習研究社の理念

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