やった“つもり”から、本当の勉強へ! その2

2014 年 6 月 12 日

 前回から、2014年の前期第1回「おかあさんの勉強会」の様子をご報告しています。1回で終わるつもりだったのですが、どんどん長くなり、子どもたちのアンケートの内容をご紹介している途中で一旦切り上げました。

 今回は、アンケートの結果の残りをご紹介するところから始めます。「マナビーテストの結果を見て、おかあさんはどんなことを言ってくれますか?」という質問に対する、子どもたちの回答(一部)です。 

 会員以外のかたのために補足すると、マナビーテストとは全会員が2週間に1回の割合で受ける単元テストのことです。4年生は算・国の2教科、5・6年生は理科・社会を加えた4教科の学習成果を競い合う形式になっています。

●4年部会員児童

・前よりはよくなっているじゃん!
・ミスはあったけど、テスト勉強をがんばっていたね!
・間違えていたところは、しっかり直していこうね。/もうちょっと復習がんばろうね
・今日もがんばったね。また成績が上がるといいね。
・ノートをきちんとまとめているね。
・順位は下でも、がんばれば大丈夫(と、やさしくはげましてくれる)。
・惜しかったね。これからもがんばってね。
・ランキングに名前が入ったら/80点以上だったら/ベスト10入りしたら・・・「よくやったね!」
・机をバンバンたたいて「バカバカバカ」と言う。20140612
・もっと勉強しなさい!/まだまだ勉強しないといけないね~
・もう~何でこんなにできないの!?
・100点をとりなさい!

●5年部会員児童

・次、がんばろう!
・簡単なところを間違えないように!
・結果が悪くても、その後の直しができればいいよ。
・間違えたところを復習しておこうね。
・間違った原因などをずっと一緒に考えてくれる。
・次もその調子でがんばってね!
・あなたはできるんだから、もっとやってよ。
・もっとがんばれ!/もっとがんばって!
・点に見合ったことを言ってくれる。
・塾をやめろ
・ふ~~~ん、あ~~~あ。
・何でいつも成績悪いん?/どしたん、この点?
・ちゃんとしたのに何で点が上がらないの?/点を気にしろ!
・きれいに書きなさい!

 子どもたちの回答を見ていると、家庭内の光景が目に浮かぶようです。上手な励ましの例も多数ありますね。その一方、「べからず集」のような対応も目につきます。親のストレスはいかばかりか、察するところもありますが、わが子のやる気に繋がる対応をお願いしたいものです。子どもたちの回答をぜひ、もう一度点検してみてください。子どもをやる気にさせるヒントが随分あるように思います。

 アンケートの結果をご報告したところで、次のワークに移りました。ワークのテーマは、「ノートチェックを、どう子どもに受け入れさせるか」というものでした。

 各数名のグループで、まずは順に「今、定期的にわが子のノートに目を通しているかどうか」を報告していただき、さらに「ノートを見て気づいたことを、どうわが子にフィードバックしているか」をお話しいただきました。

 この時点で、ノートチェックに関して悩みのあるおかあさんには、皆でアドバイスをしていただくようお願いしました。このテーマでは、落ち着いて考えながら話しておられるかたが多かったように思います。

 そして、このワークの締めくくりとして、「ノート点検で気づいた問題点を、子どもにどう伝えたら素直に改めるか」について話し合っていただきました。

 先ほどご紹介したアンケートの回答内容を点検すれば、親に求められる対応もある程度見えたのではないかと思います。より効果ある家庭学習の実現に向けて、親子の連携態勢を整えるためのヒントが見つかることを祈りながら、おかあさんがたを見守りました。

 さて、ノートチェックの態勢が整ったとしても、さらに問題があります。それは、子どもの書き込んだノートが適切かどうかの判断です。

 そこで、子どもたちが取り組んでいるはずの家庭勉強がどのようなものかを、改めておかあさんがたと確認しました。たとえば4年生では、算数・国語とも次のようになっています。

20140612b

 「読み直し」以外の勉強は、すべてノートに書き込まれていなければなりません。それにどの程度取り組めているかチェックするのが親の役割です。できれば、アンケートの回答にあったように、ほめたり、優しく激励したり、大きな花マルをしたり、シールを貼ったりと、子どもの励みになる対応をしていただければ、学習意欲の向上にも繋がるでしょう。

 上記のような学習の記録が必ずノートに記されているようなら、お子さんの勉強の歯車はしっかりと噛み合っていると言ってもよいでしょう。逆に、こうした勉強の跡がなければ、やるべき勉強が行われていないということです。

 ここまできたところで、時間もかなり押し迫ってきました。そこで、ノートチェックのなかでもいちばん重要なポイントについて話を進めていきました。それは、「間違い直し」です。

 間違い直しに上手に取り組むことで、受験校の全てに合格した今年の受験生の体験記(一部)を紹介し、間違い直し専用のノートを使って学力の定着をはかった受験生の見事な取り組みを参考にしていただきました。この受験生のノートづくりについては、本ブログでご紹介したことがあります(「効果ある勉強のすばらしい実践者」2014年4月7日掲載)ので、よろしければ読んでみてください。

 この受験生のノートに関する記述の多くは、6年生の時点のものです。4・5年生にはまだ実行はとても無理なことと思いますが、テキストやテストで間違えた問題をやり直すことがいかに重要かを、おかあさんがたにご理解いただくためにご紹介しました。

 ここまでの内容を受け、最後に「間違い直しをいかにフォローするか」というテーマでワークを行って、当日の勉強会を終了しました。

 成長途上にある小学生の受験生活は、親の関わりやサポートなしには成り立ちません。しかし、親にとってはかなりの負担です。さらに、勉強の内容に深入りせずに子どもの自立勉強を辛抱強く応援するのは辛いことです。しかし、それを最後までおかあさんがたがやり遂げられたら、お子さんは自立した学習者へと大きく前進していくことができます。

 いよいよタイムアップが迫ってきました。その日のまとめを簡単にしたうえで、おかあさんがたへの激励の言葉を述べて終了とさせていただきました。

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カテゴリー: 家庭学習研究社の特徴, 行事レポート

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