おかあさんに求められるリーダーシップとは!? その1

2014 年 11 月 13 日

 今回は、弊社の各校で実施した「後期 おかあさんの勉強会」の第1回目の内容をご報告します。この回は、「おかあさんに求められるリーダーシップとは!?」(副題:子どもの自立を促進する子育て研究)というテーマで実施しました。

 筆者はこの催しの企画・立案者です。そこで、実際に行われている様子を確かめるため、ある校舎の勉強会に参加させていただきました。会場の教室に足を踏み入れると、すでにおかあさんがたが笑顔で談笑されていました。おそらく前期(春)の勉強会で知り合い、仲よくなられたのでしょう。「こうしたことも、双方向性のある催しのよい点なのだな」と改めて実感することができました。

 さて、このテーマで勉強会を進めるにあたっては、「そもそもおかあさんのリーダーシップって、どういうものなの?」という質問が出てきそうですね。そこでまず、親のわが子に対するリーダーシップとは何かについて簡単にご説明しておきましょう。

 親はわが子に対して、「こういう子どもであってほしい」という期待の気持ちをもっています。中学受験生の親であれば、「毎日、予定した勉強にしっかりと取り組んでほしい」「テストでよい成績が得られるよう、がんばってほしい」と願うでしょう。

  こうした期待や願いを現実のものにするにあたっては、子どもが「おかあさんの言うような行動をとろう」「おかあさんの望むような人間でありたい!」という気持ちをもっていなければなりません。子どもにこのような気持ちを起こさせる無言の力。それが「親のリーダーシップ」なのだということを、参加されたおかあさんがたにお伝えしました。

 つまり、親のリーダーシップとは相手を強制する力ではありません。子どもの心のなかに、自然と「親の期待に添おう」という気持ちを宿らせる力なんですね。

 ただし、親子は血縁という極めて強い絆で結ばれた関係であり、毎日生活をともにしています。距離が近すぎるため、つい親は「子どもは親の言うことを聞いて当然」と無意識に思い込みがちです。

 むしろ、適当に距離のある関係のほうが互いを気遣う気持ちが湧いてくるのではないでしょうか。その証拠に、親はわが子だとつい「言うことを聞きなさい!」といった命令口調になりますし、わが子が口答えをしようものなら思わず怒鳴ってしまうことすらあります。これでは親のリーダーシップはうまく機能してくれません。おたくではどうでしょう。

 こういった点をおかあさんがたにお伝えしたうえで、まずは最初のワークに入りました。ワークというのは、あるテーマに基づいておかあさんがたに話し合ってもらうことを言います。

 最初のワークのテーマは、「親の期待や気持ちはわが子に十分伝わっているだろうか」「今のところ、受験勉強は親の期待に沿った方向で進んでいるだろうか」「がんばれないときは、どういう理由でがんばれないのだろうか」といった内容で、各グループをさらに細かく分け、2人1組で話し合っていただきました。一通り話を交換し終えたところで、今度はグループ全体の話し合いに移りました。内容は、2人1組で話し合った内容を受け、現状をどう思うかについて気軽に感想を述べ合うというものでした。

 子どもの行動、勉強への取り組みは、親がどのようなリーダーシップを発揮しているかで違ってきます。子どもが自分のすべきことを理解し、率先して取り組むようになるには、親はどのようなリーダーシップを発揮すればよいのでしょうか。

 そこで次は、「リーダーシップにはどのようなタイプがあるか」を、全員で確認していただきました。筆者がファシリテーターの資格を取得した、ある民間教育団体(世界の80か国以上にネットワークがあります)の資料によると、親のリーダーシップのスタイルは、次の5つに分けられています。

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 さて、どのタイプが理想的な親のリーダーシップでしょうか。もはや説明するまでもないでしょうが、(5)のタイプです。

 勉強会では、5つのタイプの特徴を上表を使っておかあさんがたにご説明しました。そして、「リーダーシップのタイプは個人内に1つだけあるというよりも、いくつものタイプの要素を併せもっている人のほうが多いということ、その中で最も強く出ているものがその人のリーダーシップのタイプであると受け止めてくださいということをお伝えしました。

 説明を一通り終えた後、2つ目のワークに入りました。今回も、まずは2人1組で話し合ってもらいました。ワークの内容は、「理想のリーダーシップである(5)のタイプの親になるために、今課題となることは何か」「子どもが期待通りにしてくれないとき、どう対応しているか」というものでした。理想と現実のどこにギャップがあるのかを気づいていただくのが、このワークのねらいです。

 一通り話し終えたところで、今度はグループ全体で「(5)のリーダーシップに徹することができるか。難しいと感じるとしたら、その理由はどんなことか」というテーマに基づいて話し合っていただきました。

 みなさんお気づきになっておられるかと思いますが、子どもを自立型人間に育てるには、(1)のように子どもを我儘放題にしてもいけないし、(3)のように親が全てをコントロールしてもいけません。(4)のように、まだ行動規範の身についていない子どもに判断を委ねるのも間違っています。

 ではどうしたらよいのかですが、(5)のタイプの説明に重要なキーワードがあります。それは、「境界線」という言葉です。次回、この境界線という言葉の意味と活かしかたを中心に、おかあさんの勉強会の後半をご報告させていただきます。よろしければお読みください。


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