2014 年 12 月 15 日 のアーカイブ

模試の最終回(第5回)が終わりました

2014 年 12 月 15 日 月曜日

 12月7日(日)には、弊社主催の模擬試験の最終回を実施しました。最終回ということで、これまでで一番多くの参加者がありました(男子受験生645名、女子受験生625名)。

 先だってのブログ記事でご紹介したように、今回は修道と広島女学院のご厚意により、両校の校舎を会場としてお借りしての実施となりました。実際の入学試験会場と同じ場所で練習をする体験は、「入試がどんなものか」を体験しておくという意味において、大いに役立ったのではないかと思います。試験会場をご提供いただいた両校には、改めて感謝申し上げる次第です。

 さて、県西部地区の入試解禁日まで余すところ1か月あまりになりました。模擬試験の結果は、できるだけ迅速に受験生のご家庭にお届けいたします。ここでの結果を冷静に分析し、残る日々を有効に活かした仕上げ学習を実行していただきたいと存じます。

 受験本番に向けての準備や心構えについては、昨年のこのブログにてお伝えしたと記憶しています。また、先月17日に掲載した記事においても、いくらかアドバイスをさせていただきました。ですが、初めてわが子の中学受験を経験されるご家庭におかれては、様々な不安のよぎる毎日をお過ごしかもしれません。

 ちょうど先日、知り合いのかたのお子さんが受験されるということで、拙いながらメッセージをメールにてお送りしたところです。今回は、それをベースにして受験生の保護者の方々に励ましの言葉をお伝えしようと思います。

 受験生をもつと、親はいろいろと気が揉めるものです。親の精神状態は子どもにも伝播しがちです。特に子どももナーバスになる今からは、自然体に徹し、受験本番が迫っていること、親の不安をことさら話題にしないことも大切であろうと思います。今から受験終了までは、親は自然な笑顔を旨としてお子さんと接してあげてください(無理なつくり笑顔も無用のもの。ご注意を!)。20141215a

 大人と違って小学生の子どもの場合、毎日の経験の積み重ねを通じて日々随分成長しているものです。1日のもつ意味がとても大きいんですね。筆者もかつて6年生の指導現場に長くいましたが、12月、1月になると、子どもたちの表情や言葉が随分変わってきていることに驚かされたものでした。

 もはや、子どもなりに受験のことを受け止め、「どうしたら受かるか」を一生懸命考えています。親は、自分の不安をわが子にぶつけてしまうのではなく、子どもの様子をさりげなく見守り、必要最小限の手伝いやアドバイスをすればよいのではないでしょうか。

  大分前のことです。1月のある日、所要で弊社の校舎に移動したところ、面談室から6年生と思しき女子児童が涙を浮かべながら出てくるのを見かけました。「受験直前に、受験生を泣かせてはいけないよ」と、冗談交じりに担当者に声をかけたところ、「泣かせたのは僕じゃなく、おかあさんみたいなものですよ」と、困ったような表情をしました。

 なんでも、その女の子の家ではおとうさんが単身赴任中で、おかあさんは受験の結果がよくないとご主人に申し訳が立たなくなると思い悩み、娘さんに「もしあなたが受験に失敗したら、一緒に死のうね」と言ったのだそうです。こうなると、もはや激励どころではなく、娘さんにとっては脅迫まがいの逆効果にしかなりません。「何ということを…」と、しばし絶句したものでした(幸い、入試では志望校に合格したそうです。事件にならなくてよかったですね)。

 さて、話が横道にそれてしまったので、本題に戻ります。最終段階の仕上げで何をすればよいかの判断材料の一つが、前述の模擬試験最終回のデータであろうと思います。仕上げ段階に至って、落とした模試問題の全てをできるようにするのは不可能に近いことです。今からできる範囲の対策で、ものにできるレベルの事項に絞って対策を講じるほうが賢明でしょう。

 模擬試験は失敗を経験しておくためにあるようなものです。失敗したと思えば、どこを失敗したのかを考えるのが当然ですが、そこで親が手を差し伸べるような親子関係もあれば、お子さんがおかあさんの助けを不要とするような関係もあるでしょう。

 自分なりにいろいろ考えて次への対応法を考えられるお子さんなら、もう子ども任せでもよいのではないかと思います。無論、どこをテコ入れすべきか、どういうスケジュールで仕上げていくかについて、親子で話し合える関係なら、それもありだと思います。

 結局、お子さんが入試会場に入ってしまえば、親は何も手伝えません。そのときに、「うちの子なりに精いっぱいやるだろう」という思いに至るよう、今からバックアップしてあげればよいのではないでしょうか。

 先日のブログにも書きましたが、入試は制限時間内に6割、7割とれる子どもを探すためにあります。完ぺきを求めているわけではありません。決められた時間枠のなかで、自分のベストを尽くす。取れる問題をしっかりと取る。そういったつもりで臨めば、気持ちも不安定にはならないし、重圧に負けることもないでしょう。

 なかには、直前まで見苦しいくらいあれこれ取り組む子もいますが、百害あって一利なしです。今までちゃんとやっていれば慌てることはなかったはずです。急に知識を詰め込もうとしても、混乱や不安を助長するだけ。今からの対策は、無理なくできる範囲にとどめたほうが賢明です。

 模擬試験最終回の結果を受け、親子で入試に臨む心構えをざっくばらんに一度話し合えば、あとはわが子が自分で気持ちを定め、自分のできることをしっかりとやり遂げるのを見守ってやればよいのだと心得てください。入試の結果はどう傾くかわかりませんが、そうした親の愛情深い見守りは子どもの心にちゃんと浸透するものです。この入試体験は、親にも子どもにもかけがえのないものになることでしょう。

 お子さんが自分のもてる力を存分に発揮し、悔いを残すことなく入試を終えられますように!
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カテゴリー: アドバイス, 中学受験