2015 年 8 月 19 日 のアーカイブ

家庭学習を計画通りに進めるための一工夫

2015 年 8 月 19 日 水曜日

 長かった夏休みも、残り少なくなってきました。子ども達にとってはあっという間に過ぎていった休み期間だったかもしれませんね。
 さて、夏休みに入る前には多くのご家庭で学習計画を立てられたと思いますが、それに沿って家庭学習を進めることはできたでしょうか?もちろん「予定通り・計画通りにできました」というご家庭は問題ありませんが、その一方で「しっかり話し合って計画を立てたはずなのに、途中でうまくいかなくなってしまった」「宿題を予定通りすることができなくて、大急ぎで片づけているところ」というご家庭も少なくないのではないでしょうか。
 その原因は様々だと思いますが、大半のケースは、立てた計画が子どもの現状に合っていなかったり、最初の計画を途中で見直すことなく「やりっ放し」の状態になってしまっていたことにあるのではないかと思います。

 そこで、夏休み明けからの家庭学習を計画通り円滑に進めるための対策法のひとつとして、「PDCAサイクル」の要素を取り入れることをおすすめします。
 PDCAとは、「①計画(Plan)」→「②実行(Do)」→「③点検・評価(Check)」→「④改善(Act)」の4段階を繰り返すことによって、対象となる業務などを継続的に改善していくことをいいます。
 これを、当社の低学年部門の取り組みを例に挙げて、毎月末に実施している「実力確認テスト」や「ステップアップテスト」をペースメーカーとして設定する形にアレンジしてみましょう。

① 計画(Plan)
・・・月末のテストを目指して、お子さんの現状に合わせた「今月の目標」を掲げてみてください。例えば、「次の実力確認テストでは、前回の得点を1点でも上回る」や「次のステップアップテストでは、苦手な算数で平均点を超える」など、その1か月で達成可能だと思える目標を、親子で話し合って決めましょう。
 続けて、「今月の目標」の達成のために毎日取り組むべき具体的なルーティン(「◯時からは、前回の授業プリントの振り返り」「◯時から、計算練習帳1ページ」など)を考えて設定してください。そして、これが毎日習慣化させるべき家庭学習の内容になります。

② 実行(Do)
・・・①で掲げた「今月の目標」の達成に向けて、毎日のルーティンとして決めた学習に取り組んでみましょう。その際、前章でご説明したとおり、習慣として定着するまでは無理をすることなく、あらかじめ決めた時刻や分量を守った上で、こつこつと継続させることが大切です。

③ 点検・評価(Check)
・・・毎日の取り組みが自分自身でも確認できるように、1か月分の「取り組み表」や「頑張りカード」のようなもの(簡易なものでかまいません)を準備してあげるとよいでしょう。毎日のルーティンを終えた後で、計画通りに取り組めた証として、その表やカードにシールを貼るなどすれば、子どもも楽しく取り組めて、かつ毎日継続する励みになるはずです。

④ 改善(Act)
・・・月末のテストが終了した後、「今月の目標」がどの程度達成できたかという点や、ルーティンとして設定した内容が適切だったかなどの点を親子で一緒に振り返り、その反省を活かして、翌月末のテストに向けた新たな「今月の目標」を再び設定します。

 このように、月に1度実施される「実力確認テスト」や「ステップアップテスト」に向けた準備を当てはめると、サイクル1周がちょうど1か月になりますから、子どもにとっては見通しがもちやすく、家庭学習のリズムも作りやすいはずです。
 もちろんこれは一例ですから、塾のテストに限らず、学校で実施されるテストや習い事のタイミングなど、子どもが目標として捉えやすいものをペースメーカーとして設定すれば、毎日の家庭学習の習慣づけにもうまくつなげられるはずです。

 このサイクルをうまく継続させていくコツは、特に“点検・評価”や“改善”に力を入れることです。
 最初に計画を立てることに関しては多くのご家庭で取り組まれていることと思いますが、それをしばらく続けているうちに、継続させるための修正や工夫をいかに施すかという点が疎かになってしまいがちです。計画だけ立てて後は放っておく・・・のではなく、毎日の「取り組み表」を工夫して、日々の取り組み状況をいつでも確認できるようにすることや、テスト終了後の見直しや新たな目標の立て直しなどを毎回きちんと行うようにすれば、最初に計画を立てたまま「やりっ放し」状態になってしまった、最初は頑張っていたのにいつの間にかフェードアウトしてしまった・・・といったことは起こりません。

 今回ご説明したような取り組みを通して家庭学習を習慣化することができれば、少しずつ成果があらわれてくるはずです。子どもが自分ひとりでこうした工夫や配慮を行うことはなかなかできませんから、保護者の方がお子さんの様子を見ながら、あせらず地道に働きかけてあげてくださいね。

(butsuen)

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カテゴリー: 家庭での教育, 家庭学習研究社の特徴, 小学1~3年生向け