子どもの人生の基盤を築くのは“今”です!

2015 年 9 月 28 日

 今回は、まだほんとうの意味で入試を意識する前の段階にある4~5年生までのお子さんの学習について、筆者が保護者の方々にお伝えしたいことを書いてみようと思います。

 中・高一貫の私学の先生がたによると、いつも授業の予習や復習を怠らず、しっかりした自己管理のもとで勉強を進めている生徒が多数いる一方、予習や復習をおろそかにしたり宿題をため込んでしまったりする生徒も一定数いるそうです。同じ条件の入試を突破して入学したはずの生徒が、どうしてこのような状況に至るのでしょうか。

 同様のことは、大学生にも少なからず当てはまります。晴れてめざす大学に進学したのちも、決して気を緩めることなく専門分野の学業に熱心に打ち込み、自らの才能を開花させていくすばらしい学生がいる一方、同じように狭い関門を突破して志望大学へ進学したというのに、入学後はろくに勉強をせず、いざ試験のときには他人のノートを借りてその場しのぎの対策をする学生がいます。このような違いは、どうやって生じるのでしょうか。

 これは社会人にも。言えることでしょう。経験のない様々な仕事を、しっかりとした段取りや情報収集、十分な準備で次々とやりこなし、会社の要請に応えられる人物がいる一方、言われた仕事を言われたようにしかできない人物もいます。また、言われたことしかできないのはまだしも、言われたことすらまともにできない人物も少なくないと言われます。これらの人物は、学歴上はたいした違いはありません。これはどういうことなのでしょう。

 以上のような話は、どなたも幾度となく耳にされたことがおありだと思います。今や、学歴や学校歴などの看板は、その人物の能力をはかる「参考資料」の一つにしかすぎません。入学偏差値の高い中・高一貫校にも、誰もが憧れるような有名大学にも、名前の通った一流企業にも、「できる人間」とされる人たちと、「できない人間」とされる人たちがいるのです(とても残念なことですが)。

 このブログ記事をお読みくださっている保護者の方々は、もちろん「わが子には、『できる人間』に成長してほしい」と願っておられることでしょう。その願いは、親の働きかけとお子さん自身の努力があれば必ず実現できます。

 なぜなら、中学生以降の学業面の成果を決定づけるのは、小学生いっぱいまでの生活や勉強のありかただからです。人間の性格や生きかたの原型は小学生時代までに形成されると言われます。落ち着きがあるか、それともおっちょこちょいか。こうした性格的特徴は、子どものころ明確になり、あとから変えることは大変難しいということはみなさんご存知でしょう。物事への取り組みかたや、勉強の仕方なども同じで、いったんその人間の様式として固まるとおいそれとは変えられません。そうして、後々までも善きに悪しきに人生の歩みに影響を及ぼします。

 中学入試を視野に入れておられるご家庭の場合、この受験対策の毎日をいかに過ごすかによって、以後の状況が随分違ってくることでしょう。今、お子さんはどんな受験生活を送っておられるでしょうか。塾での勉強をお子さんが受け入れ、楽しく塾に通っておられるでしょうか。家庭での勉強の習慣は定着しつつあるでしょうか。授業の予習や復習は軌道に乗りつつあるでしょうか(弊社は、4年生には予習を課していません)。こうしたことの一つひとつがお子さんの行動の自律性や主体性を築くための土台となるのです。

 小学生の受験勉強は、全くの子ども任せにはできません。ある程度親が関わりながら、いかにして子ども自身を軸とした学習へ転換させていくかが必要になっていきます。いつまでも親が手をかけたり、無理やりやらせたりしたのでは、子どもの自律的な学習姿勢は身につきません。また、保護者のなかには「子どもの学習を全て学習塾が管理し、丸ごとサポートしてほしい」と望むかたもあるかもしれません。しかしながら、この方法は学習塾の利益にはなっても、お子さんの将来に貢献することはほとんどありません。確かに、毎日の勉強を全部塾が管理すればテスト成績は上がるでしょう。それと引き換えに、子どもは自律性や主体性という人生を有意義にするうえで最も大切なものを失う恐れがあるのです。

 まずは、毎日のお子さんの勉強ぶりを見つめ直してみましょう。自分からやろうとする姿勢が根付きつつあるようならすばらしいですね。それを大いにほめて喜んでやりましょう。「自分でやり遂げた」という手応えを味わう。そして、それを親が喜んでくれる。この繰り返しこそ、「できる人間」に成長するための大切な第一歩なのです。

 20150928cできる人物の特徴は、自分の考えや行動に軸があり、何をいつまでにどのようにしてやり遂げたらよいかを自分で判断できる点にあります。自分の手に余る案件に遭遇したら、先輩や他者に相談したり意見を求めたりしながら、その時点でできる最善の解決策を見出そうと努力をします(自分の力が及ばない場合、他者の協力を取りつけることも自立した人間の重要な要素です)。そういう人間にわが子がやがて成長していくことをイメージしてみてください。そして、わが子がそのような人間に成長していくためには、どう関わったらよいかを考えてみましょう。きっとこれからの親としての振る舞いが変わってくるのではないでしょうか。

 「そうは言っても、なかなか現実を変えるのは難しい」「これまで、自立した勉強ができるようサポートしていなかった」「とりあえず、親として何をどうしてやればよいかわからない」――そんなかたもおられるかもしれませんね。そんなかたは、このブログの過去の記事をいろいろ当たってみてください。筆者だけでも500回以上の記事を書いています。参考にしていただける記事があるかもしれません。

 また、おかあさん同士で受験生活のフォローについて話し合える、「おかあさんの勉強会」という催しも実施しています。今年の秋実施分のテーマとおおよその内容をご紹介しておきましょう。

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 なお、この催しは、弊社の「4・5年部週3日コース会員」のご家庭が対象となっています。数名ずつグループになっていただき、二人一組で、またはグループ全員で楽しく会話を交わしながらテーマに沿って成果を得るための方法を考えていく催しです。

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 いずれの校舎でも、まだ受け付け可能です。興味をおもちになったら、ぜひ参加してみてください。


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