あなたの子どもの睡眠時間は足りている?

2016 年 6 月 20 日

 CIMG1541先週の金曜日(6月17日)には、西区民文化センター会議室にて「夏のおかあさんセミナー」を実施しました。予約も申し込みも無用の催しですので、「どれぐらいいらっしゃるかな?」と、期待と不安の面持ちで当日を迎えましたが、驚くことに会場の席がぎっしり埋まり、用意した補助椅子でかろうじて全部のかたにお座りいただけました。多数のご来場、ありがとうございました。

 この催しの内容ですが、以前本ブログでご紹介した流れの通り3つの話に分け、筆者を含めて3名でお話ししました。筆者はこのブログの大半を書いているので、ときどきブログの検索ワードをチェックしています。圧倒的に多いのが「やる気」「意欲」という言葉です。多数のご家庭が、お子さんの学習意欲について不満や悩みを抱えておられるようです。そこで、筆者は「子どもの学習意欲と親子関係とには密接な関係がある」ことをお伝えし、子どものやる気を高めるための方策などに時間を割いてお話ししました。

 ご来場のかた全員が最後まで熱心に耳を傾けてくださり、心より感謝しています。また、多数のかたがアンケートに熱心で好意的な感想をお書きくださいました。今後の行事の企画に活かしてまいりたいと存じます。

 さて、予定していたブログの話に変わります。今回は睡眠についてお伝えしようと思います。先日、子どもの睡眠時間について書いてみようかと思い立ち、いろいろ調べてみました。そのとき、新聞社系のサイトに次のような資料が掲載されているのが目に留まりました。

20160620 この資料は、経済開発協力機構(OECD)が2009年に調査した加盟国の平均睡眠時間の比較調査結果を紹介したものです。

 これを見ると、調査対象国のうち日本人の平均睡眠時間は7時間50分で、韓国の次に睡眠時間が少ないことがわかりました。最も多いフランスとは約1時間の違いがあります。

「えっ、8時間弱なら結構睡眠は足りているんじゃない?」と思われたかたもおありでしょう。この調査は様々な年齢層を対象に行われており、大人の睡眠時間はこれよりかなり少ないものと思われます。

 2015年の「国民生活時間調査」(NHK放送文化研究所)によると、日本人の平均睡眠時間は平日で7時間15分、土曜が7時間42分、日曜が8時間3分でした。そのうち、30代は平日で6時間59分、40代は平日6時間50分とありました。みなさんの睡眠時間と比べてみてください。

 なお、調査対象者数など詳しいことは確認しておりませんので、ご了承ください。

 同様の調査が始められた1960年代の日本人の平均睡眠時間は、現在よりも約1時間多かったというデータがあります。ここ数十年で、少しずつ睡眠時間が減少傾向にあったことが調査報告書に記されていました。ただし、このところこうした傾向に警鐘が鳴らされているためでしょうか。2015年の調査結果は、その前の調査(2010年)と比べ、睡眠時間の減少はほぼ止まっているそうです。

 子どもについてはどうでしょう。大学の先生の著書に次のような著述がありました。

 20160620b「子どものからだと心白書(2003年)」によると、3~4歳児の平均睡眠時間は、3歳で9.6時間、4歳で9.7時間となっています。この調査の10年前と比べると、3~4歳児で約30分睡眠時間が短くなっています。また、小学生の平均睡眠時が8時間43分、中学生が7時間51分、高校生が6時間54分となっています。この調査の35年前と比べると、小学生で39分、中学生で46分、高校生で56分も睡眠時間が短くなっているのです。

 子どもの睡眠時間も、ここ数十年で減少の傾向を示しているようですね。日本の子どもの睡眠時間は、最初にご紹介したOECDの調査結果でおおよそ想像がつきますが、やはり外国の子どもより少ないようです。前述の大学の先生の著書によると、日本の中学生よりもアメリカの中学生のほうが約30分睡眠時間が長く、ヨーロッパ諸国の中学生は日本の中学生よりも約90分も睡眠時間が長いというデータが紹介されていました。

 睡眠が不足すると、どんな問題が生じるでしょう。注意力や判断力など、生きていくうえで不可欠な能力が正常に働きません。慢性の睡眠不足にあると、どういうことになるか、おおよそ想像がつくのではないでしょうか。

 次回は、子どもの睡眠不足、不規則な睡眠が生活や学習にどのような影響を及ぼすかについてお伝えしようと思います。

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カテゴリー: 子どもの発達, 子育てについて

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