2016 年 7 月 のアーカイブ

子どもの自律性や積極性を育てる夏休みに!

2016 年 7 月 25 日 月曜日

 夏休みが始まりました。子どもにとってはうれしい夏休みですが、保護者のなかにはあまりうれしくないかたもおありかも知れませんね。

 小学生の子どもは静かにじっとしていることができません。まだ分別をわきまえていない年齢だけに、子どもの行動をすべて子ども任せにできません。親は心理的にも肉体的にも負担を強いられることになりがちです。夏休みの後半ともなると、「あー、早く夏休みが終わればいいのに…」と、ため息をつかれるおかあさんもおられるかもしれませんね。

 ただし、小学生は日々の体験を通して大きく変わる、成長上の重要な時期にあたります。一緒にいる時間が増える夏休みの期間を大いに活かすことも、親の重要な仕事ではないでしょうか。

 そこで今回は、夏休みを子どもの成長につなげるための親のアプローチについて、ご提案してみようと思います。ただし、大層なことをお伝えするわけではありません。思いつきで大変恐縮ですが、わが子の現状をよい方向に変えるうえで役立ちそうに思われたなら、試してみてください。

 「うちの子は何をやるにつけ覇気というか、積極性が感じられない」「親に言われたからやるのではなく、もっと自分から率先してやろうという姿勢をもってほしい」――わが子に対し、こんな不満をもっておられるかたはありませんか?

 このようなお子さんの特徴は性格的なもので、今更変えるのは難しいのでしょうか? 実は、多くの場合そうではありません。むしろ原因は親の側にあることが多いのです。何事につけ、親が指図をしたり叱ったりするなど、子どものお尻を叩くようにせきたててやらせていると、子どもは自分から率先して物事に取り組む姿勢を身につけることができません。

20160725a そこで、この夏休みには毎日必ず3回以上わが子をほめることを励行してみませんか? 子どもの気持ちに元気を吹き込むいちばんの方法は、親がほめることだからです。あまりにも当たり前のことで恐縮ですが、実行しているかたは思いのほか少ないのが現実です。

 なかには、「いつもほめているつもりですが」と、おっしゃるおとうさんおかあさんもおられるかも知れません。しかし、毎日両親から3回以上ほめられている子どもはそういるものではありません。ですから、これだけほめられれば子どもの気持ちが活気づくのは間違いありません。

 「子どもと接する時間が短いので、ほめる材料はそんなに見つかりません」とおっしゃるおとうさんもおられると思います。しかしながら、そういう現実が子どもの心によい作用を引き起こせない理由になってはいませんか? 仕事を終えて帰宅した後や、食事の後の団欒のとき、お子さんからその日の報告を聞いてやればいいのではないでしょうか。そして、少しでも子どもの努力や前向きさの感じられたことについて、ほめてやり、励ましてやればよいのです。

 親が自分のすることに関心を示し、がんばっていることを喜びほめてくれる。小学生の子どもにとって、それがいちばんうれしいことです。子どもはそういう親を尊敬しますから、親子の信頼関係強化にもつながるでしょう。また、日頃誠心誠意わが子をほめていてこそ、叱ったときの効果も得られるのではないでしょうか。

 ずいぶん前に書かれた本ですが、ある教育関係者の著書に子どもとの接しかたで心がけたいこと、慎みたいことについて書かれているくだりがあります。今回の記事内容とも符合しますので、ちょっとご紹介してみようと思います。

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 どうでしょう。いずれも当たり前のことのように見えますが、こうした接しかたを一貫してやり通すよう親が努力することで、子どもは人間的にも能力的にも優れた、立派な大人に成長していけるのですね。

 ある本に、「過保護と甘やかしとは別物である。いけないのは過保護であり、一種の暴力のようなものである」とありました。過保護は、人間としての自立を阻む行為です。自分で責任を負ったり、人を支えたりする能力が育つのを阻む行為です。反対に厳しすぎるのも子どもにはよくありません。子どもの気持ちを受動的にし、自発性や積極性の育つ芽を摘んでしまいます。

 子どものがんばりや美点を大いに認めてほめる代わりに、いけないときにはきっぱりと叱ってあげてください。それが子どもの自立にとってとても重要なことですし、子どもに内在する活力を増幅していくことにつながります。

 以上のように、子どもの行動に自律性や前向き、積極性を求めるなら、親は日々の子育てにおいてそれらが宿るよう働きかけることが求められます。この点について多少なりとも改める必要を感じられたなら、今までとは少し違ったアプローチを試みてはいかがでしょうか。親子の接する時間が増えるこの夏休みには、「子どもに活力を吹き込む」という観点に立ち、1日3回はわが子をほめてやりましょう!

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カテゴリー: アドバイス, 子育てについて, 家庭での教育

もうすぐ夏の講座が始まります

2016 年 7 月 18 日 月曜日

 子どもたちにとって待ち遠しい夏休みがやってきます。毎年のことながら、うだるような暑さの続くこれからの季節は体が変調をきたしやすく、いかに元気な子どもたちといえども油断は禁物です。特に熱中症には十分な対策をお願いいたします。

 中学受験をめざしている子どもたちにとって、長い夏休みは学力を1ランクあげる絶好の機会です。夏休みの期間を上手に活用すれば、これまで達成できなかった様々な学習上の目標をクリアし、受験勉強の流れを一気に軌道に乗せることもできるでしょう。特に6年生は半年後に受験の本番がやってきます。この夏の休暇を1日たりとも疎かにせず、志望校合格への足掛かりを築いていきましょう。

 さて、このブログでも簡単にご報告しましたが、6月17日(金)には西区民文化センターにて、小学生をおもちの保護者を対象とした「夏のおかあさんセミナー」という催しを実施しました。そのとき、夏休みを子どもの善き成長の場にするための提案をさせていただこうと思っていたのですが、筆者のもち時間の関係もあり、お伝えしたいことを十分にお話しすることができませんでした。たいした提案ではありませんが、夏休みが直前に迫ってきたので、改めてこのブログでお伝えしておこうと思います。

① これまでの受験勉強、受験生活を親子で振り返ろう!
 大人であれ子どもであれ、毎日の生活を振り返ってみると、大概は似たようなことを繰り返しているのが普通です。それがともすれば惰性につながり、気がつけば無為のうちに時間ばかり浪費していることになりがちです。お子さんは今何年生でしょうか。受験をすることを視野に入れて始めた受験生活が、成果や手応えのある充実したものになっているでしょうか。

 夏休みの計画はすでに立てておられると思います。それを踏まえ、夕食後などに20~30分時間を設け、親子で今までの受験勉強や受験生活を振り返ってみてはいかがでしょうか。「何がうまくできていないか」も重要なポイントですが、できたらおとうさんやおかあさんから見て進歩が感じられたことも伝えてあげてください。そうして、成果と課題を親子で冷静にとらえ直し、この夏休みの学習に臨めば、夏休み中の勉強にも気合が入るのではないでしょうか。

② 親子それぞれに夏の目標を掲げよう!
 これまでの勉強を振り返ったところで、その内容も踏まえながらこの夏休み中の目標を掲げてみてはどうでしょうか。勉強面での具体的な数字を掲げても構いません。「計画通り最後までやり切る」、「苦手教科をしっかりやる」、「授業後の復習を怠らない」などもよいと思いますこれらに時間など、もう少し具体的な要素を絡めるとよいでしょう。また、生活習慣の規則性などに問題があるお子さんなら、「朝は決めた時間に必ず起きる!」といったようなことでも構いません。20160617b

 おとうさんかおかあさんが司会役になり、上手にこれまでの振り返りや目標を定める時間を演出してください。なお、家族みんなで共有する目標をもち、互いに励まし合いながら実行に移していくような雰囲気があると、お子さんがとても張り切ってがんばろうとします。おとうさんおかあさんも一緒に何らかの目標を掲げ、「今年の夏は、みんなでがんばろうね!」などと掛け声をかければ、お子さんにとって大きな励みになるでしょう。

③目標実現に向けて見守り応援しよう!
 夏休みが始まったら、お子さんが毎日やるべきことを意識してがんばれるよう、交替で声をかけてやりましょう。そして、がんばっているときにはそれを喜び、ほめてあげてください。おとうさんやおかあさんも、自分が掲げた目標のことをさりげなく話題にし、「今日もちゃんとやれたぞ!」などと子どもに刺激を与えるとよいでしょう。

 家族みんなが目標に向かってがんばっているのだという雰囲気があると、子どもは大きなモチベーションをそこから得られます。また、自分のやっていることに親が関心をもってくれると、気持ちに張りを得ることができます。反対に、家族全体で何らかの目標を共有する雰囲気がなかったり、自分のしていることに関心を寄せられなかったりすると、意欲を継続できず、実行力はだんだんと下がってしまいがちです。それは、何事も親がかりの小学生ですから当然のことです。

 また、これは言わずもがなのことですが、やるべきことができていないとき、すぐに咎めるような言いかたをするのは禁物です。「あれ、勉強の時間が来ているようだね」などと、子どもを上手に促すような言葉かけをしてあげてください。

 低学年児童に関しては、次のような手順で目標が実行できるよう応援してあげてください。
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 これまで何度もお伝えしましたが、子どもに相談するというスタイルは日本人にはなじみがありませんが、子ども自身が「自分で決めたことだ」と思うよう導く方法だとご理解ください。ある程度の選択肢を親が示し、「どうしたらよいと思う?」などと語りかけ、子どもが納得して決めた目標になるよう導くやりかたです。

 小学生までの子どもは、親の期待や愛情を継続的に注入していくことで、がんばりのエネルギーを得ていきます。親が子どものすることに関心を寄せ、定期的に声をかけてやり、がんばっているときには承認のサインを送る。その繰り返しを通して次第に成長し、自分自身の意志でがんばる態勢ができていきます。親の辛抱強い応援は必ず実を結びます。

お子さんが素晴らしい成長を果たす夏休みになりますように!

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カテゴリー: アドバイス, 家庭での教育

「帰宅から夕食まで」の時間帯を大切に

2016 年 7 月 11 日 月曜日

 早いもので、もうすぐ夏休みがやってくるような時期になりました。新しい学年に上がって3か月余りが経過しましたが、お子さんは新しい学年での生活に慣れ、落ち着いた生活を送ることができているでしょうか。
 もし、なかなか日々の生活を鑑定軌道に乗せることができていないようであれば、まずは家庭での生活リズムを安定させるという点に意識を向けるといいかもしれません。

 では、各家庭での子どもの生活リズムを考える場合、まずはどこから目を向ければよいのでしょうか。早寝・早起きを心がける、しっかり食事をとるなど、ポイントはいくつもあると思いますが、意外と見落としがちなのが、学校から帰宅して夕食を迎えるまでの時間帯です。
 毎日わが子が学校から帰ってきた後で何をしているか、思い出してみてください。まず手を洗って、うがいをして、おやつを食べて・・・という感じでしょうか。中には、カバンを置いたらすぐに遊びに出かけて行ってしまう子もいるでしょうし、帰宅したらすぐに習い事の準備を始めなければならない、というご家庭も少なくないでしょうね。

 ただし、小学生、特に低学年の時期の家庭学習を考えた場合、「帰宅してから夕食をとるまでの時間帯」が非常に大きなウェイトを占めています。習い事などの事情がある場合を除いて、可能な限り、宿題や毎日取り組む課題などはこの時間帯に取り組むのが望ましいですね。
 帰ってきたらおやつを食べてテレビを見て、宿題は晩ご飯の後で・・・、というご家庭もあるかもしれませんが、それだとなかなか集中して取り組むことができません。大人でも、食後の後片付けをするのは気が重いように、夕食を採ってお腹が膨らんだ後で、気持ちを切り替えて何かに集中して取り組むというのは、なかなか難しいものです。
 ですから、宿題や家庭での学習は夕食までの時間帯に集中して行い、夕食以降の時間帯(夕食後から就寝まで)は、基本的にお風呂に入ったり明日の準備をしたりするための時間だと考えた方がいいでしょう。寝る直前まで「あれもしなきゃ、これもしなきゃ」とバタバタ過ごすより、明日の準備をしながらゆったり過ごした方が、リラックスした気分で布団に入って熟睡することにもつながります。

 もう一つ、この「帰宅してから夕食をとるまでの時間帯」を大切にしていただきたい理由として、親子が密なコミュニケーションをとるのに適した時間帯であるという点が挙げられます。
 学校から帰って来た子どもと何気ない会話をしながら、表情や仕草によく目を配って、学校で充実した時間を過ごしているか、悩みや心配事を抱えていないかなどを読み取ってあげてください。160530②
 学校から離れて時間が経てば経つほど、子どもは「学校での顔」から「家での顔」に変わります。帰宅と同時に自分の部屋に直行してしまうのでは、その変化を感じ取ることが難しくなってしまいます。「家事の手が空いているときに話せばいいか」ではなく、帰宅直後の親子のコミュニケーションの中で、わが子の様子をしっかり見てあげてください。もし親の目の届かないところで何かが起こっている場合には、何かしらのサインが出されているはず。それを見逃さないという意味でも、この時間を親子で過ごす時間帯として活用していただければと思います。

 さらに、こうして子どもの身の回りの出来事について毎日親子で会話をかわすことは、学力面でも大きな効果をもたらします。
 親子の会話を密に行うことによって、子どもは楽しみながら語彙力を向上させることができますし、自分の思いを筋立てて相手に話すという行為を通して、物事を客観的・理論的に組み立てる訓練にもなっています。実際、こうして学校での出来事や自分が感じたことなどを毎日家族に話している子どもは、総じて学力が高いという結果が調査によっても示されています。
 近年学校では、様々な学習を深めるために論述やグループ討論など、言語能力を高める活動が積極的に取り入れられていますが、自分の身近で起こった出来事について家族であれこれ話している子どもは、毎日家庭でそれに準じた活動を重ねている・・・といえるのかもしれませんね。

 このように、「帰宅から夕食まで」の時間帯は、子どもの学力形成や良好な親子関係の構築という点で、非常に大きな意味をもっていることがおわかりいただけたでしょうか。
 そして、今回ご紹介した点を総合的に考えると、ぜひ夕食までの時間帯を活用して、以前もご紹介した「リビング学習」をおすすめしたいところです。「リビング学習」に関しては、続けてご説明すると長くなってしまいますので、いずれ回を改めてお伝えできればと思っています。

(butsuen)

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カテゴリー: 子育てについて, 家庭での教育, 小学1~3年生向け

親の養育タイプと子どもの育ちの関係

2016 年 7 月 7 日 木曜日

 みなさんは、わが子がどんな人間に成長することを願っておられますか? いきなり突飛な質問をされて驚かれたでしょうか。改めてお伺いします。この質問に対して、みなさんはどのような答えを用意されるでしょうか。無論、誰かに伝えるわけではありません。自分自身の心のなかで、親としての期待はどんなことかを改めて確かめてみてください。

 このブログをお読みいただいているかたの多くは、小学生の子どもをもつ保護者であろうと思います。言うまでもありませんが、小学生はまだ人間形成の途上にあり、まだまだしつけをしなければならない段階にあります。毎日の子育て場面でどうわが子に関わるか、その積み重ねが子どもの人間的側面を特徴づけていくことになります。

 そこで今回は、親の子育ての姿勢と子どもの成長の方向性の関係について考えてみたいと思います。みなさんの子育ての方針は、子どもに対する期待を踏まえてのことであろうと思います。ですから、大概の保護者は「どんな子育てをすると、子どもはどんな人間に成長するのか」ということにある程度以上の関心がおありでしょう。

 親の養育傾向と子どもの成長との関係を専門的に研究した学者としては、ダイアナ・バウムリンド氏が有名です。氏は3~4歳児とその親を対象とした研究の結果、親の養育姿勢を3つに分類し、それぞれのタイプごとに児童期、青年期になった段階の子どもの人間的特徴を明らかにしました。

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 それぞれの養育タイプについて、もう少し詳しくご説明してみましょう。

① 権威がある親 20160710c
「子どもを自立した人間に育てよう」という明確な方針をもち、子どもの置かれている状態に応じて、臨機応変に導いていくタイプです。親の要求を一方的に押しつけるのではなく、子どもとのコミュニケーションを大切にし、子どもの要求にも耳を傾けながら、何事も自分で考えて行動するよう励ましサポートしていきます。子どもの逸脱に対しては、巻かれてしまうのではなく、必要なときには厳しい姿勢で臨みます。親の権威を振りかざすのではなく、真に権威を携えた親と言えるでしょう。

② 権威主義的な親20160710a
 親の当てはめた価値観や基準に基づき、子どもをコントロールしようとします。子どもには服従を求め、歯向かうことを許しません。子どもが親の思い通りに行動しない場合、やるべきことがきちんとやれない場合は、厳しく叱り罰を与えることもあります。子どもの意思や考えを尊重することはなく、言われたことを責任も取ってやることを子どもに求めます。子どもの自発性を尊重しようという姿勢はなく、親のコントロールに従うことを常に子どもに求めます。

③ 甘やかす親20160710b
 子どもに立派な人間になってもらいたいという願いはあっても、そのための子育ての方針が定まっておらず、何かにつけ子どもの我儘に巻かれがちな傾向があります。そのため、家庭は常に混乱しがちです。子どもに対し、やってよいことといけないことの線引きを明確に教えることができず、子どもにルールに則って行動しようという規範の意識が育ちません。したがって、子どもは成長に伴って集団内でトラブルを頻繁に起こすことになりがちです。

 バウムリンド氏の研究は、1970年代のものです。したがって、最近ではもっと詳しい分析をしている研究資料も数多く見かけます。しかしながら、今となってはシンプルな分析ですが、それだけに子育ての傾向と子どもの成長の道筋との関係がわかり易いとも言えるでしょう。

 筆者が指導現場に立っていたころは、こういった研究資料を見たことがなく、随分勘違いをしていたものです。たとえば、クラスをかき乱し、教室を混乱させがちな男子児童にてこずったことがありますが、そういう子どもの親について誤った想像をしていました。こういう子どもの親はこわいタイプではないかと勝手に思い込んでいました。

 ところがあにはからんや、いざ面談でおかあさんにお会いすると全然違うのです。「いつも息子が御迷惑をおかけしていると思います。ほんとうにすみません。親の言うことなんか全然聞かない子なんです。遠慮なく、どんどん叱ってやってください」などと言われるのです。そういうことが何度か続いて、やっと得心しました。親のコントロールが効かないから、子どもがあんなふうになってしまうのです。

 いっぽう、自己表現を控え、いつもひっそりとおとなしい感じの子どもは、「きっとおかあさんも、おとなしくて優しいんだろうな」と思っていると、これが全く違っているのです。非常に厳しく子どもに接しておられるタイプの親だったのです。

 こうしてみるとおわかりのように、「子どもは親が育てたように育つ」のですね。子どもの性格は、親の関わりかたに対する反応として形成されるもののようです。それを踏まえると、②のようなタイプの子育て、③のようなタイプの子育てのどこが問題なのかがわかってくるのではないでしょうか。

 ただし、子育てのタイプを①②③とはっきり認識できる親は稀でしょう。たとえば、普段は①のようなタイプを志向していても、何かのはずみで子どもが意固地になったり、親が看過できないような行動に及んだりすると、突然②のようなタイプに変身してしまうタイプのかたはおられませんか? 実は、そういうタイプの親が最も多いということを聞いたことがあります。

 みなさん、①のタイプをめざしてがんばってみてください。少なくとも、うまくいかないことがときどきあったとしても、子どもには納得のいく子育てであるのは間違いありません。したがって、親が何を望んでいるのかを子どもは理解しています。決して間違った方向に走ってしまうことはありません。

 受験生活においても、①のタイプの親であることを軸にしてお子さんに接することが望ましいでしょう。おそらく多くの保護者は①のタイプを志向されていたでしょうが、改めて①のタイプのよさを思い起こし、子どもの自立した学びを応援する親であるようがんばってください。また、②や③の傾向があったと振り返っておられるかたは、徐々に①のタイプへとシフトしていくことをお勧めしたいですね。

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