子どもの「叱り方」について考えてみませんか?

2016 年 11 月 21 日

 先日のブログ記事で、ご褒美を与えて子どもを頑張らせることについて書きました。今回は、これと関連して、わが子を「叱る」ことについて少し考えてみたいと思います。

 多くの育児本や雑誌などでは、「ほめる」ことが大きく取り上げられます。「できることなら、ほめて育てたい」というのは多くのお母さん方の望みでしょう。ただし、「ほめるだけでは・・・」というのも、多くのお母さん方が実感されていることではないでしょうか。そこで必要になってくるのが「叱る」ことです。
 「叱る」ことは、大きなエネルギーを必要としますし、場合によっては親子がぶつかり合うことにもなりますから抵抗をもたれる方も少なくありません。それでも、危険な行為をしたり他の子を傷つけたりしたときなど、「わが子を叱らねばならないとき」は、どの家庭にでもあるものです。こうしたとき、「ここで叱っておかないと」と頭ではわかっていても、つい叱らずに済ませてしまうということはないでしょうか。逆に、最初は軽く諭すつもりだったのに、一度叱り始めると興奮を抑えられずについ言い過ぎてしまうようなことはないでしょうか。

 子どもが良くないことをした際、何も注意することなくそのままやり過ごしてしまうのは、決して望ましい対応ではありません。そうした状態が続くと、子どもは「何が正しくて、何が正しくないのか」という判断基準を身につけることができないからです。
 逆に、叱る側が感情を抑えられず怒りをそのままぶつけてしまうのも、子どもの情緒面の発育に重大な影響を与えます。親から激しい怒りの感情をぶつけられることが重なると、子どもの情緒は不安定になりがちで、周囲への配慮や思いやりの心、健全なコミュニケーション能力に問題を抱えるようになるといわれます。
 つまり、わが子を叱るべき場面において、何も言わないことと感情的になってしまうことは、どちらもきちんと「叱った」ことにはならないのです。叱るのは、わが子に対する親としての深い思いがあるからこそ。その思いをしっかり伝える方法のひとつとして、ぜひ「適切な叱り方」を身につけていただきたいと思います。

 では、どんな「叱り方」が望ましいのでしょうか。いくつかのポイントを挙げながら考えてみましょう。

① 子どもの言い分を聞き、頭ごなしに子どもを否定しない
② くどくど叱らずに短時間で叱る
③ 問題の原因となったことだけを叱り、余計なことは叱らない
④ 他者と比較して叱らない
⑤ 感情的にならず、冷静に叱る

 いずれも大切なポイントですから、似た内容を育児書などで目にしたことがあるかもしれません。ただし、知識として知っていることと、実際の場面で実行できるかどうかは別のことです。親も一人の人間ですから、いつも冷静にこれらを頭に置いておけるわけではありません。今一度、普段の叱り方を振り返って点検してみてください。

 特に⑤には注意したいところです。先ほども書いたように、親の怒りの感情を一方的にぶつけるような叱り方は、子どもに良くない影響を与えてしまいます。叱る側にしてみれば、大きな声で怒鳴りつける方が「しっかり叱った」という気分になるもの。ところが、子どもにとっては、感情的な叱り文句はほとんど耳に入らず、「お母さん(お父さん)が何かに怒ってた」という記憶しか残りません。叱るときには、子どもに一つひとつの言葉を理解させるつもりで、冷静かつ毅然とした態度と口調で伝えましょう。
 もし自分がちょっと興奮しているなと感じたら、叱っている途中でも「ちょっと待ってて」と伝えて別の部屋やベランダなどで深呼吸をしてはいかがでしょうか。そして少し気持ちが落ち着いてから、また子どもの前に戻れば大丈夫です。自分の精神状態を自分自身で感じ取れるように、叱っているときこそ冷静さを失くさないことが大切です。

 もしできれば、普段の何気ない団欒の時間にでも、お子さんに「お母さん(お父さん)の叱り方って、どう思う?」などと問い掛けてみてもいいのではないでしょうか。これから本格的な思春期を迎えるとそんな言葉掛けにも素直に答えてくれなくなる時期がやってきますが、今のうちなら「あの時の叱り方は気分が悪かったよ」「叱られたときは悲しかったけど、後から振り返って反省した」などと率直な感想が聞けるかもしれません。そして、その言葉を親の側も素直に受け止めて、次の機会にはそれも活かした叱り方ができるといいですね。

 ほめることと叱ることはどちらも重要であり、それぞれが互いの教育的効果を高めあう関係にあります。普段ほめているからこそ、いざという時の叱る言葉に重みが生まれますし、叱るべき時に毅然と叱れているからこそ、普段のほめ言葉に大きな効果をもたらします。上手にほめることが大切なのはもちろんですが、それと同じく上手に叱ることができるのも、親にとっては非常に重要なスキルなのです。「ほめ上手・叱り上手」なお母さん・お父さんを目指して頑張ってください!

(butsuen)


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