低学年部門「HWコース 親子勉強会」実施報告 その1

2016 年 12 月 5 日

 弊社の低学年部門(小学1~3年生対象)には、「ホームワークコース」(HWコース)という通学のない指導の受け皿があるのをご存知でしょうか。

 弊社の低学年部門は、直接の下部組織である「ジュニアスクール」と、外部から導入した「玉井式国語的算数教室」とがありますが、ホームワークコースはジュニアスクールに設置した特設コースです。現在の会員は60数名ですが、このコースを経て受験部門に進学した児童の成績がよいこともあり、少人数ながらも畳まずに続けています。1ヶ月分の家庭学習教材をお送りし、家庭でお子さんの取り組んでいただいたテストの添削をしています。

 20160105c先日(11月26日)、このホームワークコースの会員家庭親子(一部、ホームワークコースに興味をもっておられる会員以外のご家庭も参加されました)を対象に、「親子勉強会」という催しを開催しました。

 この催しは、日頃家庭で勉強に取り組んでいるお子さんと、お子さんのホームワーク(家庭学習用に弊社が提供しているプリント教材)の○つけやフォローをしておられる保護者にお集まりいただき、「より望ましい学習生活の実現に向けた契機にしていただこう」という趣向で企画したものです。この春初めて実施した催しですが、参加者は少数ながら好評をいただき、秋にも開催してみようということになりました。

 この催しの実施にあたっては、お子さんには授業の楽しさを味わう経験を契機に勉強に向かうモチベーションを高めてもらおうと考えました。また保護者には、低学年期の学習で大切にすべきことは何かということを軸に置きながら、家庭でのフォローのポイントなどについてお知らせしたほか、お子さんの授業参加の様子を参観していただきました。

 今回は、筆者が担当した保護者向けの説明の内容をかいつまんでご報告してみようと思います。次回は、お子さんの授業参加の様子や、参観された保護者の様子、アンケートにご記入いただいた催しの感想などを、別の担当者からご紹介しようと思っています。

 では、まず筆者が保護者にお伝えした話をご紹介しましょう。まず、「家庭での子どもの勉強が活性化するかどうか、成果をあげられるかどうかは、親の熱心度で決まる!」ということをお伝えしました。これは、長年低学年児童の学習指導にあたってきた経験と、ホームワークの○つけの具合(親の関わり)と、子どもの取り組みの姿勢や成績との関係を検証してきた経験に基づく私どもの見解です。低学年児童にとって親は絶対的な存在であり、親が勉強に関心を寄せ、熱心に関わるかどうかで子どもの取り組みも変わってくるのだということを、ぜひ保護者にお伝えしたいと考えました。

 小学校入学からの2~3年間は、学力を飛躍させるための種まきをする重要な段階にあります。そこで、次は「低学年時の学習はココを押さえる!」というテーマで、男子と女子の学習上のポイントについてお話しました。まず知っておいていただきたいこととして、知能は「結晶性知能」と「流動性知能」に大別されますが、言語や思考、判断に関わるのが結晶性知能で、学習活動の大半はこの知能の働きによって支えられています。20161205bところが、この知能の発達カーブは、男子と女子とでは異なります。男子のほうが遅れをとる確率が高く、中学受験に間に合わないケースもそれが原因になりがちです。そのことを踏まえ、男子のほうから話題を進めていきました。

 一般に男子と比べて女子は言語習得の流れがスムーズに進みます。したがって、男子よりも話し言葉の操作も書き言葉の操作も達者です。ところが男子はそうはいきません。いわゆる“幼稚なタイプ”が多く、語彙力の不足、読書量の不足、読解力の不足、思考力の発達の遅れといったように、言語活動の立ち遅れが学力形成のブレーキになりがちです(この話をしたら、思い当たる節があるのか、夫婦で顔を見合わせたり、知り合い同士で苦笑しておられたりする様子が見られました)。この悪循環を断ち切り、よい流れを築くための方策として欠かせないのが“音読の励行”であるということをお伝えしました。

 20161205すでにこのブログにおいて何度もお伝えしましたが、音読がスムーズに行われるようになると、自然と黙読への移行が促されます。声に出さずに活字の流れから意味を吸収できるようになった子どもは、読書を好むようになり、それが語彙の増強、思考力・読解力の伸びという連鎖をもたらします。音読を親が奨励し、子どもが文章を声に出して読めば、親も子ども自身もちゃんと読めているかどうかわかります。ただし、お子さんには「ちゃんと読めているかどうか」の判断をするのはまだ難しいものです。そこで保護者に、当分の間音読のパートナーを務めていただくようお願いしました。

 無論、読みの熟達のみに気を奪われてしまうのも問題です。家庭でお子さんと会話をする時間を設け、親の言いたいことを伝えるだけでなく、子どもの話にも耳を傾けていただくようお願いしました。男子は話しかたが稚拙でまどろっこしいもの。しかし、学校でも塾でもそのまどろっこしい話の相手になってくれる人はいません。そこで親に求められるのは、子どもが話したいことを頭の中でまとめ、順序立てて話ができるようになるための練習台になってやることです。これは親しかできません。

 いっぽうの女子については、低学年時に放っておくと育ちにくい流動性知能の発達に目配りをしていただくようお願いしました。流動性知能とは、図形の空間認識や識別、速さなどの単元に深く関わる知能です。この知能は、理屈で考えたり学習事項を覚えたりするのではなく、瞬間的に反応することで問題を解決する神経系の知能です。こうした分野の学習は、女子よりも男子が優れていると思われがちですが、9歳前後までにこうした領域の刺激にふれる体験をすれば女のお子さんも状況は随分変わってきます。

 なぜ男女で差が生じやすいのかというと、男子は放っておいても砂場遊び、積み木遊び、タングラム、レゴ、模型自動車遊びなどを通じて、流動性知能に刺激を当てています。ところが女子はそうではありません。女子のお子さんは、静的で色彩豊かな遊びを好みます。たとえば、人形の着せ替えごっこ、買い物ごっこ、塗り絵など。ですから、意図的に流動性知能の発達を促すための働きかけをしてやる必要があります。

 弊社の高学年部門に通い、トップレベルの成績をあげる女子児童の大半は、広島大学附属中学校やノートルダム清心中学校などに進学していますが、理系にも強いお子さんが相当数います。彼女らは、先々難関大学の理数系に進学する゛リケジョ”になる確率が極めて高いと言えます。そういう流れを意識するなら、またそういった進路を親が期待するなら、低学年期の学習に流動性知能の発達を促す仕掛けが必要です(無論、計算操作の習熟や算数的な思考の育成も重要です)。

 筆者のもち時間は30分でしたが、こういった事柄を欲張ってしゃべっているうちにどんどん時間が無くなってしまいました。それでもお伝えしたいことをしゃにむにしゃべり続けたのですが、教室いっぱいにおられたおとうさんやおかあさんがたが、ニコニコ笑顔で聞いてくださったり、しきりに頷いてくださったり、熱心にメモを取ってくださったりしている様子が目に入り、大変励まされました。

 この後もたくさんのことを欲張ってお伝えしました。「流動性知能と結晶性知能の発達の特徴」「低学年期の学習で成果をあげるための条件」「学びの能動性を育てる親の働きかけとは」「日本の親に欠けているものは何か」「子どもに反省を促すときのアプローチ法」など、駆け足でお伝えしました。

 後半は急ぎ過ぎてじっくりとお話しできなかったのが残念でしたが、当日参加くださった保護者がみなさん熱心で、その日のスケジュールが全て終わった後も質問をくださるなど、本当に頭の下がる思いをした次第です。終わった後、「今日はこの催しを実施してよかったね」とスタッフみんなで言い交わしたほどでした。


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