ようこそ、苦楽(くるたの)しい学びの世界へ!

2017 年 1 月 30 日

 中学入試の喧騒が噓のように収まると、いつの間にか2月が目前に迫っています。昨年の2月、「全員の希望が叶う結果をめざそう!」という決意のもと、私たち家庭学習研究社の指導スタッフは6年部の指導を開始しました。しかしながら、今や大半の中学校の入試が終了しています(4日に広島新庄入試Ⅱ、5日に三育学院入試Ⅱが予定されています)。

 弊社会員受験生の入試結果ですが、人気校の一つである県立広島中の合格発表は2月2日(木)に予定されています。それ以外の国・公・私立中学校の入試合格状況は、近日中に当HPにて公表する予定です(※1/31の夕方に公表しました)。なお、県立広島中の合格発表後は、他校の補欠の繰り上がりに多少の動きが生じるかもしれません。

 ともあれ、受験生の子どもたちの入試はおおよそ終わりました。最初に受けた広島大学附属中の入試に合格した段階で、残りの受験はキャンセルして早々と受験を終えたお子さんもいたようです。第一志望校に失敗し、泣いておられる受験生も見かけましたが、まだ僅か12歳の子どもたちのことですから、実力発揮がままならなかったケースも多数あることでしょう。ほんとうに胸が痛みます。

 ただし、最後まで受験をめざしてがんばってきたのですから、その努力に応じた収穫がどの受験生にも必ずあるものです。第一希望校に合格できなかったからと言って、この先の人生までも希望通りにならなくなるわけではありません。どの中学校に進学しても、これまでの努力を信じ、そして反省すべき点は正面から受け止めて、次なる人生のステージに向かって堂々と足を踏み出していただきたいものです。受験生のみなさんの、今後のますますの成長をお祈りするばかりです。

 さて、今回のブログテーマを見て、「なんだこりゃ!?」と驚き、いぶかしく思われたでしょうか。それとも、「ふむ、ふむ」と、意味を察していただいたでしょうか。これは、2月5日に折り込む予定のチラシのタイトルで、これから受験生活をスタートさせる子どもたちへのメッセージとして筆者が書いたものです。受験生活は苦しいけれども、それ以上の楽しさや喜びがある。そのことをお伝えしようと思いました。まずは目を通してみてください。

 苦しいのに楽しい。それを「苦楽(くるたの)しい」と表現する人がいます。これはスポーツの世界で耳にした言葉ですが、中学受験の勉強にも当てはまります。

 友だちが遊んでいられる時間に、自分は難しい勉強に悪戦苦闘している。それは苦しいことです。しかしながら、スケジュールに沿って机に向かい、学習メニューに取り組む生活を続けていると、しだいに様子が変わります。「やるべき勉強をしないと気が済まない」――そんな自分に気づかされるのです。勉強の面白味がわかり始め、やり遂げる喜びを感じるようになったのですね。

 学習の習慣ができあがると、さらに大きな変化が訪れます。「ああでもない」「こうでもない」と、試行錯誤する時間が楽しくなってくるのです。考えた末に、とうとう問題解決の突破口が見つかる! この瞬間の喜びは何にも代えがたいもので、それを味わったなら、もはやかつての自分には戻れません。勉強は苦しさより、それ以上の達成感や成就感が得られる大切な存在になったのです。

 このような域に達した子どもには、すばらしいプレゼントがもたらされます。それは、志望校合格だけではありません。知を追求してやまない、真に頭のよい人間に成長するための要件が整うのです。スポーツで大成した人が求道者のように鍛錬を続ける。それと同じなんですね。

 中学受験への挑戦を通じて、子どもを果てしない知の世界の入口に導く。それが中学受験を専門とする家庭学習研究社の使命だと私たちは考えています。なぜなら、おとうさんおかあさんの願いは、まだ見ぬわが子の将来の歩みに明るい見通しをつけることにあると考えるからです。

 お子さんを私たちにお預けくださいませんか? 苦しくも楽しい、永遠の学びの世界の扉を開くためのお手伝いをさせていただきます。学びに真摯に向き合う子どもを育てましょう。

 「苦楽しい」という言葉は造語です。何年か前に雑誌を読んでいるときに目についた言葉です。実は、筆者の趣味はロードバイク・ツーリング(とテニス)です。ロードバイクのことを、ある専門家は「自動車にたとえれば、スーパーカーだ」と語っていましたが、とても速く走れる自転車です。軽いものだと、重量は7㎏を切りますから、ママチャリの三分の一ほどしかありません。

 そんなバイクを走らせる楽しみの一つがヒルクライムです。何キロも続く坂道を、汗だくになりながら休むことなくかなりのスピードで駆け上がる。それは苦しいことこの上ないものですが、長い坂を登り切ったときの喜びや爽快な気分は何とも言えません。そして、一息つくと「あー楽しかった!」と、また次の坂道へのチャレンジの気持ちが頭をもたげてきます。

 無論、坂を登っているときの気持ちとしては苦しいというべきなのですが、テンポよく登れる調子のよい日には、苦しさと爽快な楽しさとが同居する、不思議な感覚が味わえます。筆者はふと、「この気持ちは、受験生が日々の取り組みで味わう気持ちに似ているな」と思いました。苦しいけれど、やらずにはいられなくなるもの。そして、やり切ったときの爽快な心地よさを味わえるもの。そうした側面に、受験勉強といろいろなスポーツの共通点があるように思うのです。

 この文章を書いた後、「『楽苦しい』としたらどうなのか」、とも思いました。しかし、これでは「苦しい」が主体になってしまい、勉強をやり遂げた後、坂を登り切った後の楽しい気分が打ち消されてしまいます。そこで、元通りに「苦楽しい」に戻しました。

 別の広報担当者に書いた文章を見せたところ、ネットか何かで調べたらしく、「『苦楽しい』という造語を初めて使ったのは、作家の遠藤周作氏(故人1923-1996)だという著述があります」と言っていました。真偽のほどは定かではありませんが、「作家の執筆作業にも大いに当てはまるな」と、納得したしだいです。

 日々受験勉強に打ち込む生活は、まだ小学生にすぎない子どもたちにとっては苦しいものです。しかし、やり遂げる経験と、そこにある楽しさや喜びを味わう経験を通して、勉強という営みの価値やすばらしさを知ることになります。そうして、いずれかの段階で一人前の受験生になっていくのです。

 「受験勉強は苦しいけれど、やらずにはいられないよ」――そんなお子さんにしませんか? もしもそうなったなら、受験を終えた後の人生もまさに前途洋洋です。なぜなら、目標を達成するために苦労を厭わない姿勢こそ、人生を成功裏へと導くいちばんの方法だからです。

LINEで送る
Facebook にシェア
Pocket

カテゴリー: がんばる子どもたち, 中学受験, 勉強について

おすすめの記事