2017 年 2 月 13 日 のアーカイブ

2017中学入試 弊社会員の受験状況

2017 年 2 月 13 日 月曜日

 中学入試を終え、受験生たちの進路もほとんどが決まったようです。現在、弊社の会員受験生家庭からお送りいただいた「受験の結果と進学校」の報告書の集計を進めています。進路選択の状況は、全ての会員受験生の進路を確認したうえでお伝えする予定です。

 今回は、弊社の会員受験生の受験校の選択状況に関する簡単な資料をお届けしようと思います。内容は、主要な中学校に、それぞれ会員の何%が受験したか、一人平均何校を受験したかというものです。来年度以降に受験されるご家庭の参考にしていただければ幸いです(弊社は受験校の選定に関与していませんので、家庭単位での受験校選びの参考になると思います)。

 

 

 まず男子から見てみましょう。男子の場合、修道にはほとんどの会員が受験しています。広島の男子受験生に最も人気のある私学の面目躍如といったところでしょうか。広島学院や広島大学附属の受験率ですが、この2校は難関として知られるため、受験するかどうかを学力の状態や合格の可能性から判断された結果であろうと思います。

 附属・学院・修道以外について見てみましょう。このところの受験生減少傾向にあって、全般的に合格を巡る競争が緩和されつつあります。そのため、「念のためにたくさん受けておこう」という考えが弱まり、上述の中学以外の受験校を城北かなぎさのいずれかに限定する家庭が増えました。城北となぎさの受験生が減少気味なのはそのためであろうと考えられます。なお、「城北かなぎさか」の選択においては、男子校か共学かという選択基準とともに、立地条件がかなり作用していると思われます。広島市の中央部、東部、北部地区の受験生は城北、広島市西部や廿日市市の受験生はなぎさを受験するケースが比較的多いという傾向が見られました。

 次に、女子の受験校選択についても見てみましょう。受験率がいちばん高いのは広島女学院で、8割弱の女子会員が受験しました。こちらも男子の修道と同様に、広島の女子受験生に最も親しまれている私学であることが伺える結果です。清心や広島大学附属は難関として知られます。やはり学力状態や合格の可能性を考慮した結果の受験率だと考えられます。

 安田女子中も、男子の広島城北と同じような位置づけにあり、このところ受験者数をやや減らしています。この後の資料でおわかりいただけると思いますが、以前よりも受験生一人当たりの受験校が減少しつつあることも多分に影響していると思われます。ただし、同校は交通の便(JR・アストラムラインの新駅)が改善されたことも影響してか、昨年比では受験生が増えている模様です。広島なぎさについては男子受験生と同様に、広島市の西部、廿日市市に住まいのある会員の受験比率が高くなっています。

 広島市立中等教育学校の設立により、共学志向の女子受験生に新たな選択肢が増えました。その結果、広島女学院、安田といった女子私学や、私立共学校である広島なぎさの受験者数に若干の影響を与えているように見受けられます。男子校の広島城北には今年若干受検者数を減らしましたが、市立中等教育は男子の受け皿にもなりますので、こちらへの影響もあるかもしれません。

 男女共通している傾向は、資料を見ての通り3校受験がいちばん多く、次が4校受験、その次が2校受験という順序になっていることです。かつて受験生が今よりもずっと多かったころには、4校受験は当たり前で、5校受験、6校受験もかなり見られたことを思うと、様変わりを感じさせられます。

 では、男子の受験校選択で気づいたことをお伝えしましょう。男子の場合、1校受験は極めて少数でした。受験校を調べてみると、「この学校以外は考えていない。ダメなら公立へ進学する」という強い意志が感じられました。結果は、合格、不合格の両方が見られました。最初に受けた中学校が本命で、そこに合格した後受験をすべてキャンセルされた受験生がありましたが、これは1校受験に含めておりません。

 2校受験はそこそこの数がありました。個別に調べてみると、学力に覚えのある受験生に見られる傾向としては、「広島学院と修道」という組み合わせがこれにあたります。また、学力的にそこまではいかない受験生の場合、「行きたい学校」と「合格の可能性の高い学校」の組み合わせで2校選んでおられるケースが多かったようです。

 3校受験は、高学力層では「附属・学院・修道」の組み合わせが代表的で、かなり多くありました。私学志向の強い受験生の場合、「学院・修道・城北かなぎさ」というパターンが主流で、これが一番多かったようです。4校以上の受験だと、かなり受験校選択のバリエーションが増えますので、いろいろな組み合わせがありました。

 女子の場合はどうでしょう。女子の1校受験は男子よりも多く見られました。これは男子の場合と違い、安田女子などで専願という形式の受験を利用されるケースがあることによるものです。

 女子の2校受験で目を引いたのは、「附属・清心」の組み合わせです。これは、弊社のトップ層に見られる受験パターンで、「附属の可能性は厳しい(合格発表数が僅か)ものの、合格の可能性があるはず。清心合格には自信がある」といったタイプの受験生が、このような強気の受験をされているようです。無論、違った考えから2校の受験を選択されているケースも見られます。

 3校受験は「附属・清心・女学院」のパターンが代表的です。私学で受験校を組む場合、「清心・女学院・安田かなぎさ」のパターンがかなりの比率を占めます。4校受験となると、男子同様にいろいろな組み合わせが可能になりますから、ここでは割愛します。

 なお、近年は公立一貫校の県立広島や、広島中等教育学校も多数の受検生を集めています。県立広島は東広島市にあるため、弊社では地元の東広島校の受検生が中心となります(地元では大変な人気です)。この中学校を受ける会員は、広島大学附属や清心、広島女学院など、広島市内の有力校と組み合わせる例が多いほか、東広島市にある近畿大学附属と組み合わせるケースもかなり多く見られます。最近では広島市内の校舎に通う会員で、安芸区などの広島市東部(JR沿線に住まいがある)在住の受験生もかなり受けるようになりました。また、以前は共学志向の女子受験生に人気が偏っていましたが、徐々に男子の受検が増えています。合格後、同校への進学を選択する広島市域の受験生も増加しています。

 市立広島中等教育学校は、完全6か年一貫教育の公立学校に衣替えしてから、毎年着実に受検者を増やしつつあります。今年は去年に引き続き、5百名以上の受検がありました。受検するのは、主に安佐南区・安佐北区在住の受験生ですが、これは同校が安佐北区の桐陽台という団地にあり、通学可能な地域がかなり限定されることに起因するものと思われます。同校を受検する会員は、広島大学附属・広島市内の私学(2~3校)との組み合わせが多いようです。比較的受験校が多いのは、同校が公立であることから、学力試験ではない選抜形態(適性検査)をとっているため、合格への見通しを得にくいことも影響しているものと思われます。なお、設立当初は同校を合格しても実際に進学する受験生は僅かでした(ほとんどが女子)が、今年の進路報告書を見ると、男女とも進学先に選ぶケースがかなり増加しています。

 県立広島中学校、広島中等教育学校への進学希望者の増加により、弊社では学力の仕上げ期に入ると、両校の適性検査対策のための指導も各校舎で実施して対応しています。両校への合格者も徐々に増え、今年はいずれも30名以上の合格者を輩出しています。ただし、大学までの学力形成の道筋を踏まえるなら、適性検査対策といううわべの準備に留まらず、確かな基礎学力を備えておくことが重要なのは言うまでもありません。また、適性検査自体も基礎学力なしには受からない内容にシフトしつつあります。これから両校を受検されるお子さんも、学力の基礎をしっかりと固めていきましょう。

 以上、駆け足で弊社会員の受験校選びの様子をご報告しました。これから受験される受験生家庭の参考になれば幸いです。

 

低学年部門の催し案内 「玉井先生教育講演会」2/18(土)

 「玉井式国語的算数教室」の創始者、玉井満代先生の教育講演会を2月18日(土)に開催いたします。玉井先生は国際派のキャリアウーマンで、世界の情勢と子どもの教育をつなぎ合わせ、これから社会に出ていく年齢の子どもの教育について建設的な提案のできる貴重な識者のひとりです。

 玉井式は、インドやシンガポール、マレーシアなど、アジアで諸国で評価され、急速に浸透しつつあります。玉井先生は現在もインドに出張中とのことですが、こうした仕事に従事しておられる玉井先生だからこそ、肌で感じておられることがあると思います。

 このたびの講演会では、「今の小学生が大人になってからの社会を見通し、どのような教育が求められているか」についてお話しくださる予定です。実施日時や会場は当HPにてご案内しています。無料ですので、もしお時間の都合がつけば、ぜひお気軽にお越しください。玉井先生のユーモアに満ちた情熱あふれる講演は、多くの保護者にわが子の教育について明確な指針を与えてくれるとともに、日々の子育てに元気を吹き込んでくれることでしょう。

 なお、この催しは低学年部門の主催ですが、4年生以上のお子さんの保護者で興味をおもちになったかたがおありでしたら、どうぞ遠慮なくお越しください。歓迎いたします。

 

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カテゴリー: お知らせ, 中学受験