2017 年 3 月 のアーカイブ

子どもの前向きな努力を引き出すために

2017 年 3 月 27 日 月曜日

 前回は、5・6年部の開講後の最初のマナビーテストが終了したところで、「テストの結果を冷静に受け止め、今を起点に少しずつ状況がよくなるようお子さんをバックアップしていきましょう」ということをお伝えしました。それは、進学塾につきもののテスト制度をよく理解し、上手に活かすことが効率的な受験対策の実現に直結するからです。

 言うまでもありませんが、テストは子どもの現段階の学力(学んだことがどれだけ身についているか)を測るためのものです。能力を測るものではありません。落とした問題を点検すると、様々な原因がそこから見出せます。たとえば、単純ミスや思い込みが多数あった、覚えたはずのことを忘れた、思いがけない箇所が出題された等々。このような失点は、対処次第で未然に防ぐことができるでしょう。

 また、何よりもテスト結果は日々の取り組み次第でどのようにも変わります。テキストの各単元の導入部分を理解しているか。テキストの問題をやっているか。やった問題の○つけをしているか。間違えた問題をやり直しているか。授業の板書をノートに書いているか。授業後のおさらいをしているか。副教材をやっているか等々…。これらについて、定期的にお子さんと学習ノートを点検しながら振り返ることも必要です。親が子どもの勉強に関心を寄せ、率直な思いを伝えれば、お子さんは心を開いてノートを見せてくれるでしょう。

 問題点の在り処を子ども自身に気づかせ、少しずつ改善していけばよいのです。焦る必要はありません。しかしながら、とかく親はわが子の試行錯誤の様子を黙ってみていることができません。子どもは子どもなりの考えをもっています。そこで、親にいろいろ指図されると口答えをしたり反抗したりします。そんなとき、冷静さを失って激しく叱る親も出てきます。

 少々ならしかたありません。しかし、こうしたことが日常化すると、子どもの勉強に向かう姿勢自体が崩れてしまい、勉強嫌いになるなど、受験をめざしたこと自体に意味がなくなってしまいます。

 「わが子のことになると、どうしても感情的に叱ってしまう」と、悩んでおられる保護者がおられるのではないかと想像します。 そこで今回は、わが子への期待と愛情が適切に伝わる方法について考えてみようと思います。受験生活を通じて親子の絆を深めれば、お子さんは中学進学後も親を信頼し前向きな取り組みを失うことはありません。

子どもが率先して取り組む受験生活を実現しよう!

1.受験生活での約束事について親子で話し合う。
 毎日の学習生活の原則・ルールを、親子で話し合って決めましょう(学習計画についても、今の計画で問題ないか話し合いましょう)。受験生活での原則が明確であることは、勉強にも生活にもテンポが生じ、それが親にも子にも好影響を及ぼします。
 大切なのは、子どものプライドを尊重すること。叱るのではなく、子どもが自分で気づいて行動を修正するよう促せば、少しずつ勉強の自律性は高まります。

2.子どもへの「信頼」の気持ちを伝える。
 子どもは、「親に信頼されている」と感じるとやる気を高めます。親は指示・命令を控え、「計画通りやれるよね」と、信頼に基づく声かけをしましょう。
 やるべき勉強をしていないときには、咎めるのではなく、時間が来ていることを伝えましょう。親に言われてしているのではなく、自分からやっているのだという気持ちをへこませないことが重要です(子どもを追い込むと喧嘩になるだけ)。

3.勉強はリビングなど、親が見守れる場所でやらせる。
 勉強は、個室よりもリビングや食卓でさせましょう。小学生までの子どもは、親が見守ってくれている、ほめてくれる、という環境で勉強するほうが励みを得てやる気になります。
 また、小学生の子どもは「サボろう」という気がなくても、一人だと知らぬ間に楽しいことに流れがちです。自己管理ができる段階までは、親のサポートが必要です。
 勉強中は、ときどき子どもの様子を見て、激励してやりましょう。

4.指示や命令を避け、子どもに考えさせる。
 大人に言われた通りの勉強をしてよい成績をあげても、子どもの将来にはつながりません。自分で試行錯誤して這い上がれる子どもにしたいものです。
 子どもが問題に直面したときには、すぐに対処法を語って聞かせるのではなく、まずは子ども自身に問題点がどこにあるのかを考えさせましょう。
 長い受験生活で得られる最も大きな成果は、「自分で考えて解決する姿勢」を身につけることです。

5.どんなときにも感情的になって接しない。
「どんな立派な人間でも、わが子のことになると感情を押さえられないものだ」とよく言われます。親にとってわが子はそれだけ特別な存在なのですね。
 そんなわが子だからこそ、受験勉強に取り組む姿を冷静に見守り、応援してやりたいものです。受験生活は決して楽なものではありません。それだけに、受験までのプロセスで感じ取った親の期待や愛情は永遠に忘れないものになることでしょう。また、親にしても怒鳴りつけたい気持ちを押さえて子どもを忍耐強く導いた経験は、一生の思い出として残るに相違ありません。


 「こんなまどろっこしいこと、できるわけがない」と思われたでしょうか。しかし、こうした辛抱強い親の対応あってこそ、子どもは親の期待する人間に近づいて行けるのではないでしょうか。受験生活のプロセスは、子どもの人間としての枠組みの形成と軌を一にしているのですから。

 子どもは親に信頼されれば安心し、それに応えようという気持ちを高めます。「ちゃんとできるよ。やってみなさい」と励まされれば、「やれるかな」と思い、やってみるようになります。それが自信につながり、何でも自分でするようになります。また、親が取り組みのプロセスを見守り応援してくれたときには、子どもは心から喜びの気持ちをたぎらせ、次の行動に向けたモチベーションを高めます。

 テストで思わぬ失敗をしたとき、何よりも重要なのは「わが子に何かあったのだろう」と理解を示すことです。実際、理由なしにそのテスト結果はもたらされたのではありません。親がどんなときにも冷静に対応すれば、子どもも落ち着いて自分のしたことを振り返ったり、自分の考えを率直に親に伝えたりすることができます。親子が互いに気持ちを高ぶらせ、感情を露わにすることの続く毎日とは比較にならないほどのよい親子関係が築けることでしょう。何よりも子どもの勉強がはかどります。

 今回お伝えした点について、多少なりとも参考になる点、改める点はありませんでしたか? もしもあったなら、ぜひ意識して修正を試みてみてください。お子さんの表情が明るくなり、親の期待に沿った行動をとるようになるかも知れません。

 私ども学習塾の指導スタッフは、ご家庭でお子さんをサポートしておられる保護者の方々のご苦労を慮りつつ、お子さん一人ひとりが「自ら学ぶ姿勢」を携えた人間に成長されることを願って指導に当たってまいります。ご理解ご協力の程よろしくお願い申し上げます。


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スタート直後の今を起点に、上をめざそう!

2017 年 3 月 20 日 月曜日

 桜満開の春がまもなく訪れます。もうしばらくすると学校でも新学期が始まりますね。弊社では2月下旬~3月上旬に新年度の講座が開講し、子どもたちは一足先に一つ上の学年に進級しています。5・6年部においては、すでに第1回「マナビーテスト」が実施され、テスト結果の返却も終えています。

 このブログは、5・6年部生の保護者も多数ご覧になっておられると思います。そこで、敢えてこのタイミングで保護者の方々にお願いしておきたいことがあります。それは、わが子の日々の勉強の取り組みや、テスト結果への対応です。

 筆者もかつて息子を通わせて散々経験したことですが、わが子のテスト結果を見て何も思わない親なんていません。結果がよければ自分のことのようにうれしく、「この調子よ!」「さすが、うちの子!」と、わが子をほめ称え激励します。しかし、それよりもはるかに多いのは、わが子の成績に落胆する親ではないでしょうか。

 親はわが子に大変な期待を抱いて塾に送り出しています。それなのに、のっけから期待に反する成績を突きつけられたとき、親のショックは並大抵のものではありません。成績によっては、不満や怒りを抑えきれなくなり、それがもとで早々と親子喧嘩に至ったご家庭もあるもしれません。

 しかし、こんな状況が今後も続いたならどうなるかを想像してみてください。やがて親は、「塾なんてやめてしまいなさい!」などと子どもを揺さぶるようになり、果ては本当にやめる事態になることもあり得ます。叱咤激励で何とか受験まで漕ぎつけても、まずよい結果は得られません。また、仮に受かったとしても、中学・高校での前向きな努力は期待できないのではないでしょうか。なぜなら、勉強に向かう姿勢が崩れてしまっているうえ、もっと大切な親子の信頼関係まで揺らいでいるからです。

 保護者の方々には、当面のテスト結果は参考までに留め、まずは今の勉強の取り組み状況をしっかりと把握していただくようお願いいたします。テスト結果が得られるはずのない勉強をしているかもしれません。仮によい成績を得ていたとしても、勉強自体は望ましくない場合もあるかもしれません。お子さんの毎日の取り組みを注意して見守ってみましょう。また、お子さんのノートに目を通してみましょう。そのうえで、今の取り組みかたについて親子で話し合ってみましょう。

 大切なことは、今を起点にしてゆっくりでもよいから勉強の質を上げていくことです。今の成績に振り回されないようお願いします。学力は入試の段階で仕上がればよいのです。むしろ、今問題点が明らかになったとしたら、そのほうがよいのではないでしょうか。今からコツコツ勉強を改善すれば、6年生であっても入試までには大変な進歩が見込めるでしょう。中途半端な状態で無駄に時間を費やすより、対処の方法を考えざるを得ない今の状況のほうが子どもの反省、努力、進歩の流れを築きやすいと考えるべきです。

 親の不満を小言や叱責という形でぶつけていると、直に親の働きかけは効き目を失います。児童期後半の子どもは、自分の問題なのに「親がうるさいから勉強する気になれない」などと言い訳をし、真面目に取り組まなくなりがちです。口は達者になっても、まだ自分を客観視できない年齢なのです。問題を放置したつけは、やがて自分の人生で払わされるというのに。しかし、これが子どもの現実です。ですから、「いかにして子どもをやる気にするか」「いかにして子どもの取り組みをよい方向に向かわせるか」は、現段階では親(大人)の関わりかた如何にかかっていると言えるでしょう。

 6年生の秋になると、受験勉強は佳境に入っていきます。このとき、自己を燃焼させるが如く熱心に勉強に取り組むわが子をイメージしてみましょう。筆者はこれまでたくさんの中学受験生を見てきましたが、6年生の秋に目の色を変えて勉強しているお子さんは、入試の結果が第一志望通りにならなかったとしても、その後で必ず巻き返せるエネルギーをもっています。そういう流れが今のわが子から見通せるでしょうか。4・5年生のお子さんの状態は、それよりもはるか前にありますから、「とても想像できない」と思われるかもしれません。ポイントは、「今のわが子なりに勉強を受け入れ、自分から取り組もうとする様子が見られるかどうか」にあります。パーフェクトには程遠い勉強でもよいのです。

 小学生の勉強が不完全であるのは当たり前のことです。まだまだ世間知らずの小学生なのですから。いけないのは、親がすぐに痺れを切らせて手も口も出し、子どもを叱りつけて無理やり勉強を強いることです。また、子どもの気持ちを傷つけたり、揺さぶったりする言葉を浴びせて奮起を要求することです。この方法は、受験の結果も、人間としての成長も得られない、最も避けるべき親の選択肢です。第一、親子関係に修復困難なヒビが生じてしまいかねません。

 受験勉強のプロセスは、子どもの人格形成と軌を一にしています。それだけに、親の見守りやサポートはわが子を期待通りの立派な人間へと成長させる絶好の機会なのです。わが子には、どういう人間に成長してほしいのか。ここで改めて考えてみてください。

 弊社は、「子どもの望ましい成長に資する学習指導の実践」を指導の基本方針に掲げています。その「望ましい成長」とは、学習指導を通じて子どもたちを自立勉強のできる人間へと導くことです。このような学習指導を通して、子どもたちの学力形成を支援し、子ども自身の努力で縁を引き寄せた中学校に進学することが、その子どもにとって最もよいことだと考えています。いちばん難しい中学校に入りさえすれば、よい人生が待っているわけではありません。子どもが無理を強いられず、伸び伸びと学べる学校環境を得ることこそ、その子どもにとって一番幸せなことではないでしょうか。

 このような受験を実現したなら、子どもたちは中学進学後も自ら学ぶ姿勢を一層強固にし、自分で人生の目標を達成していくことができるでしょう。おとうさんおかあさんのお考えはどうでしょうか。受験はわが子の未来に向けた期待やビジョンによるものだと思います。それを実現してくれるのは受験の結果などではありません。どういう学びかた、生きかたをする人間になるかが、お子さんの将来を決定するいちばんのファクターだと弊社は確信しています(数多くの卒業生が、そのことを教えてくれています)。

 今から、焦らず少しずつわが子の勉強の自立を応援していきましょう。繰り返しますが、焦ることはありません。今の時期の勉強を、お仕着せでなく、子ども自身のものにしていく。そういう視点からわが子の勉強を見守り、相談相手になったり、努力の承認を行ったりすればよいのです。今よりちょっとでも進歩すれば、お子さんには次の段階が見えてきます。それを繰り返す毎日は辛抱の連続ですが、この方法なら絶対にお子さんは今よりも希望のもてる状態へと成長していくことができます。

 

 さあ、今を起点に亀の歩みで上を目指していきましょう!

 

 なお、親の(特におかあさんの)接しかたについて迷いや不安のあるかたのために、もう少し具体的なアドバイスを考えてみようと思います。もし考えがまとまれば、次回はそれをお伝えしたいと思います。


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2017「前期講座」4年部も開講しました!

2017 年 3 月 13 日 月曜日

  2017年度の「4年部前期講座」が、3月4日(土)に開講しました。また、低学年部門のジュニアスクール3年部玉井式国語的算数教室1~3年部も3月6日(月)~11日(土)に開講しました。これで、弊社の講座の全てが新年度の活動態勢に入りました。

 今回は、4年部の開講にあたってお伝えしたいことを書いてみようと思います。お子さんが対象でないかたも多数おられると思いますが、中学受験に向けた学習生活を送るにあたっての心構えや注意事項には共通する面も多々あります。お子さんがまだ低学年のかたも、すでに5、6年生になられたかたにも参考にしていただける面はあろうかと思います。よろしければ目を通してみてください。 

 お子さんは、4年部の学習を元気いっぱいに開始されたでしょうか。塾のテキストが目新しく、早速熱心に取り組みを始めたお子さんもおられることでしょう。ただし、お子さんはまだ学校では4年生に進級していません。なかには、まだまだ幼さを感じさせるお子さんもおられることでしょう。でも、ご安心ください。子どもというものは、環境の変化に短期間で順応しなじんでいくものです。4年部での学習生活のスタートが新たな刺激となり、勉強や生活の様子に変化が生じるかもしれません。弊社の指導担当者は、お子さんがたが塾での学習を受け入れ、少しでも早く学習の態勢を整えるようがんばってまいります。保護者の皆様のご理解ご協力をよろしくお願いいたします。

 さて、4年部は3年間に及ぶ受験対策の最初の1年にあたります。つまり、4年部から入会されたお子さんがたには、弊社の掲げる「ムリ・ムダ・ムラのない受験対策」の本道を歩んでいただくことが可能です。今回は、そのための第一歩をどのように踏み出すべきかについてお話しさせていただきます。

① 子どもの“がんばり”を引き出す重要なファクターとは!?

 まずは弊社の中学受験指導とお子さんに期待する学力形成について考えてみましょう。4年生の段階では、ほとんどのお子さんは、「中学を受験するのだ」という意識はないと思います。まだ目標意識をもって学ぶことのできないお子さんを、勉強に向かわせる力となるもの。それは、勉強を通じて得られる楽しさや達成感、親の熱心な見守りと応援です。

 私たちは、このような段階の学習こそ最も大切なのだと考えています。というのも、何かのために学ぶのではなく、「やったらわかるようになった」、「できたとき、とてもうれしかった」などのような、学習の原点にふれる体験こそ子どもの学習意欲の基となるものであり、こうした体験を数多くすることで子どもの学習に向かう志向性が高まるからです。また、親はこの年齢期の子どもにとって絶対的な存在です。親が自分に何を期待しており、どうすれば認めてくれるかは、子ども自身の有りようを決定する重要なファクターです。おとうさんおかあさんにおかれては、毎日のわが子の取り組みをしっかりと見守り、がんばったら大いに誉めてあげてください。

 4年部では特別難しい課題は扱いません。子どもたちが一生懸命に考え、取り組んだら解決できる課題、頭をひねってある考えに到達したとき、大いなる満足感が得られるような課題を数多く提供するよう努めています。こうした課題に取り組みながら、子どもたちには学ぶということの価値を感じ取り、しっかりとした取り組みの姿勢を築いて欲しいと願っています。

②まずは学習の方法を体得し、自分なりの勉強方法を確立することから。

 学習成果をあげるには、まずお子さん自身が「どう学んだらよいか」を理解する必要があります。開講日のオリエンテーションでは、学習の進めかたについて簡単に手ほどきしました。ただし、お子さん一人ひとりが自分に合った学習法を身につけ、受験勉強を安定軌道に乗せるには相当な時間や経験が必要です。ご家庭においても取り組みの様子を見守り、必要に応じてアドバイスをしてあげてください。

 「通学コース」では、学習の内容面だけでなく、家庭学習(復習や副教材の学習)、授業の受けかた、ノートの取りかたなど、勉強を円滑に進めるための前提がしっかり整うよう指導します。4年部の学習は2教科(算・国)で、まだ負担は大きくありません。したがって、当面はこうした点に目配りをしながら、じっくりと基礎を固めていきます。保護者には、このような方針をご理解いただき、テスト成績のみに目を奪われるのではなく、学びの態勢づくりの面からのフォローをお願いいたします。

 また、「土曜コース」に入会されたご家庭については、お子さんが家庭学習を進めていくにあたり、保護者の手ほどきやフォローが継続的に必要になってきます。特に、答え合わせ(○つけ)は大人がしないと、お子さんだけでは正誤の判断はできません。まずは家庭学習の方法をお子さんが身につけ、計画的に勉強を進めていけるよう応援をお願いいたします。

 4年生は、まだ何かと頼りない年齢ですが、そのいっぽう僅か1~2年でめざましい変貌を遂げます。成長を引き出すまたとないチャンスなのです。それなのに、何もかも親が手を出すと自立のタイミングを逃してしまいます。必要なことは手伝いつつも、子どもが自分でやれそうなことは手を貸さずに見守ることも必要でしょう。この間合いを大切にすることが、すばらしい成長を引き出します。

③「学習計画」に基づき、着実に学んでいく姿勢を4年生のうちに。

 開講時に配布した、「学習のすすめ方」という冊子をご覧になったでしょうか。この中に、1週間の「学習計画」の見本があります。また、そのまま書き込んで利用できる「学習計画表」があります。すでに学習計画表に基づいて家庭勉強を進めておられるご家庭も多かろうとは思いますが、まだの場合、必ずお子さんと話し合いのうえ、学習計画を立ててください。

 計画的に勉強を進める努力していると、勉強が習慣化しリズムが生まれてきます。そうなると、決めた時間に取り組むのが日課となり、「やらずにいられない」状態になっていきます。このレベルに達すると、本格的な受験勉強になってからの心配が無用になります。そして、中学入試まで理想のステップを歩めるようになります。さらには中学進学後も勉強で困ることがなくなります。その点においても、計画的な学びの姿勢がもたらす恩恵は、計り知れないものがあると言えるでしょう。

 ただし、今は学習習慣の重要性を言われても、お子さんにはピンとこないものです。そこで、親にはつかず離れずのサポートが求められることになります。

 なかには、家庭勉強をろくにしなくても高成績を得るお子さんもいます。しかし、5年生になると理科・社会が加わります。学習のレベルも次第に上がり、苦手教科の補強や復習が必須となってきます。ここに至ると、要領のよさや頭のよさだけでは通用しなくなります。つまり、受験対策が本格化すると学習の計画性や習慣が身についているかどうかがものを言うようになるのです。それまで行き当たりばったりの勉強をしていたお子さんが、急に計画性を身につけることは不可能です。

 とは言え、現段階ではお子さんが一人で妥当な学習計画を立てることは難しいと思います。おとうさんかおかあさんのいずれかが相談相手になり、習い事やスポーツ、楽しみなどとの兼ね合いも考慮しながら、無理のない実行できる計画になるようご配慮をお願いいたします。

 以上からお気づきかと思いますが、弊社では4年生から受験レベルの勉強に早く手をつけるのではなく、4年生から始まる「基礎力養成期(4年部~6年部4月)」の学習において、一人ひとりの子どもたちが確固たる学びの姿勢を築くことを最も大切なことだと考えています。

 「受かること」が受験の目標ではありますが、「受かった後」「受験後」を見通した勉強をしておくことの必要性は、中学進学後にどのお子さんも身にしみて感じることです。3年間の受験生活を楽しさや充実感を享受できる有意義なものにするためにも、中学進学後の人生の歩みを前向きで充実したものにするためにも、4年部から始まる「基礎力養成期」の学習を大切にしていただきたいと存じます。

  どんな受験生活を送るべきか、その判断を見誤らなければ、子どもたちの将来にはすばらしい可能性が開けていきます。家庭と塾とが見解を同じくし、子どもたちの望ましい成長につながる受験生活を実現させてまいりましょう。これから3年間、どうぞよろしくお願い申し上げます。


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2017年度の中学入試結果と進路選択状況

2017 年 3 月 6 日 月曜日

  中学入試が終了して約1ヶ月が経過しました。受験生のみなさんは、それぞれに進学先も決まり、新たに始まる中学校生活に向けて心を切り替えておられることでしょう。受験生のみなさん、ほんとうにお疲れさまでした。

 さて、弊社会員の受験生のみなさんから、受験の結果と進学先についての報告書をあらかたご提出いただきましたので、今回は中学校ごとの進学状況をお伝えしてみようと思います。来年度以降に受験を控えたご家庭の参考にしていただければ幸いです。

 以下は、広島県西部の主要な中学校の入試合格実績と、進路選択の状況をまとめたものです。

 弊社は、広島を代表する伝統的な私立6か年一貫校(広島学院、修道、ノートルダム清心、広島女学院)への進学を軸にした受験指導をしています。無論、伝統と言えば師範学校以来の長い歴史を有する国立の広島大学附属中学校も人気・実績共に高いレベルの学校であり、この学校を含めた5つの学校をメインターゲットに据えています。

 では、学校ごとに入試結果と進学の状況を簡単に概観してみましょう。まず広島学院ですが、合格者数こそ昨年(68名)よりも減らしたものの、今年は合格者の入学率が大変高く、55名の合格者のうち48名が同校に進学します。よって、入学者は昨年比3名の減少に留まりました。入学辞退者7名のうち、広大附属と修道に各3名、県立広島に1名が進学する模様です。広島の私学界きっての進学校の吸引力は、「さすが」と思わせるものがあります。

 修道には121名が合格し、そのうちの66名が同校へ進学します。修道の入学辞退者の大半は広島学院への進学を選んだ受験生です。そのほか、広大附属、県立広島への進学を選んだ受験生もいます。ただし、修道の明るく自由な校風は広く行き渡っています。修道は、昔も今も広島の私学受験生の憧れであり、最もポピュラーな受験対象校であるのは間違いありません。以前このブログでもご紹介したように、弊社の会員男子の9割前後が同校を受験しています。

 広島城北には、今年48名の会員受験生が進学します。募集定員200名の、約4分の1が弊社会員ということになります(広島学院、修道についても占有率はほぼ同じです)。同校は、今年若干志願者数が減りましたが、これは受験者の全体的な減少傾向のなか、人気校の修道がかなり入りやすくなっていること、一人当たりの受験校数が減少傾向にあること、などのあおりを受けたものと思われます。ただし、文武両道で男っぽい雰囲気の校風に惹かれる受験生が毎年一定数います。同校のOBで学校愛に燃えた先生が多数おられるのも魅力です。

 女子の私学に移りましょう。まずはノートルダム清心から。今年は弊社から75名の合格者を輩出しました。そのうち、54名が同校に進学します。この数は、ちょうど募集定員の3割にあたります。合格者で他校に進学した受験生のほとんどは、広大附属もしくは県立広島に進学しています。女子私学最難関で、男子の広島学院と同じような立ち位置にある同校ですが、入学辞退者が20名あまりいます。それは、女子のほうが共学志向が強く、そちらを選択する受験生が相当数いるためです。また広島女学院のファンもおられ、そちらを選ばれるケースもありました。なお、昨年は広大附属との重複合格者14名が全員附属に進学しましたが、今年は19名の重複合格者のうち6名は清心への進学を選んでいます。私立女子一貫校のトップである同校のステイタスはしっかりと維持されているように思います。

 広島女学院は広島の女子私学でいちばんの歴史と伝統を誇る6か年一貫校です。毎年女子の受験生がいちばん多いことで知られます。ただし、近年は、県立広島、市立広島中等教育、広島なぎさなどの共学校がライバルとして浮上しています。そのため、以前より入学し易くなっていますが、女学院にあこがれる受験生は今なお多く、彼女らにとっては喜ばしいことかもしれません。自立した女性を育む同校のスピリットは伝統として受け継がれており、何よりも明るい校風が魅力です。今年は、同校に132名が合格し、61名が進学する模様です。この数は、清心同様募集定員の3割にあたります。同校合格者で他校を選んだ受験生の大半は、清心に進学しています。そのほか、広大附属、県立広島、市立広島中等教育、広島なぎさなどを選択した受験生もいました。

 安田女子中は、JRとアストラムの新駅が完成したことも影響してか、受験生の減少に若干ながら歯止めをかけることに成功しています。しかしながら、広島市の中央部、東区、安佐南区、安佐北区にかけては、市立広島中等教育学校が強力なライバルとなりつつあり、重複合格者がそちらに流れる傾向が見られます。また、広島市の西側は広島なぎさの吸引力が強く、そのためか弊社からの同校への入学者は17名と近年になく少ない数になりました。同校は、大学までの受け皿が整った教育環境が大きな魅力の一つであり、もっと選択されてよい学校だと思います。

 広島大学附属中は国立の伝統校であり、広島で知らない人はいないほどの有名校です。募集は120名と少ないうえ(男女各60名ずつ)、附属小からの内部受検による合格者が十数名~20名程度募集定員の120名に含まれます。よって、広島で最も入学困難な中学校です。ただし国立学校のため、大学受験までの面倒見などの比較で、例年男子は広島学院や修道のほうを選択する受験生が多い傾向にあります(男子には、女子のような共学志向はあまりありません)。今年は、男子合格者34名のうち、同校へは9名が進学する予定です。入学辞退者25名のほとんどは広島学院に進学する模様です。いっぽう、女子受験生には附属は圧倒的な人気です。入学者の大半は附属を選びますが、数百名受検してわずか60名(今年度の外部受験者の合格発表数)しか合格できない難関です。合格者の過去の成績を見ると、4教科とも穴がないすばらしい学力の持ち主ばかりです。附属中への女子進学者は、理系にも強い将来の楽しみなお子さんの集団と言えるでしょう。

 私立の共学校を採りあげてみましょう。広島なぎさ中は、ひところ注目を集めていましたが近年は志願者数が減少気味です。まだまだ広島県内に広く認知が行き渡っているとは言い難く、広島市の中心部~西部、廿日市市あたりからの受験生が多い傾向にあります。スマートで明るい校風は、一度同校を訪れてみたならすぐに感じ取れると思います。今年、同校へは男子24名、女子13名、合計37名の会員が進学します。同校の女子受験者が少ないのは、広島女学院や安田女子、市立広島教育学校など、男子以上にライバルが多数あることも影響していると思われます。

 近畿大学附属広島中東広島校は、東広島市域の受験生の受け皿として毎年一定数の入学者があります。同校は大学受験で立派な実績をあげており、もっと注目されてよい私学だと思います。今年は、同校へ男子が7名、女子が12名、併せて19名が弊社から進学する予定です。広島市内の校舎からも何名かが進学します。

 公立一貫校については先週のブログでかなり詳しく書きました。公立一貫校は、首都圏には21校あります。志願者が千名を超える人気校も相当数あるようです。公立一貫校の受検生が多い原因の一つとして、「受検準備が短期間で経費の負担も少ない」ということが指摘されています。言葉は悪いですが、「ダメ元」という発想の受験生も一定数いるようです。しかしながら、志願者数を確かめればわかるように、高い競争倍率の学校が多く、広島県内の2校も例外ではありません。基礎学力を整えたうえで、分析的思考、論述能力を高めるなど、系統立てた対策が求められます。特に県立広島の合格を巡る倍率は非常に高く、合格者の入学手続き率も高くなっています。今年は弊社から39名が合格し、そのうち30名が同校に進学します。昨年あたりから男子にも人気が高まっており、今年は男女15名ずつが弊社から入学します。県立広島を受験する児童の特徴は、「県立広島絶対」もしくは「国公立一貫校へ」という考えが強いということでしょうか。同校に合格したものの、他校を選んだケースを調べてみると、男子の場合は広大附属2名、広島学院が2名でした。女子では、広大附属が2名、広島女学院が2名、市立広島中等教育が1名でした。

 その他、弊社からの合格校は、崇徳中、比治山女子中、山陽女子中、広島新庄中、武田中、AICJ中、広島大学附属東雲中、広島大学附属福山中、ラ・サール中、愛光中でした(3月4日現在の資料に基づきます)。

 最後に。お子さんに一番ふさわしい学校は、必ずしも入学難易度の高い学校とは限りません。今回調査してみて、それぞれの家庭やお子さんの好みや学校との相性で進路を決定された家庭も相当数あると感じました。難関の学校に受かると、「行かないともったいない」という気持ちになるものですが、入った後の6年間を見通し、わが子にふさわしい教育環境であるかどうかも考える必要があると思います。

 いずれにせよ、保護者の方々にお願いしたいのは、「この学校がいちばんふさわしい学校なのだ」という信念をもち、気持ちよくわが子を送り出してやることです。受験生全員が第一志望の学校に進学するわけではありません。だからこそ、親にはそうした配慮が求められるのではないでしょうか。親にとってはわが子がいちばん。わが子に縁のできた学校がいちばんなのです。 


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