2017 年 7 月 のアーカイブ

家族関係・親子関係の3国比較調査

2017 年 7 月 31 日 月曜日

 毎日暑い日が続いています。親子共々、体調管理にはくれぐれも気をつけてください。

 先日、静岡県のある町で、来年度から小・中学校の夏休みを16日間に短縮することになったということを報じる記事が新聞誌面に掲載されていました。2020年に実施される指導要領から英語の学習時間が大幅に増えるため(年35時間増加)、このままではカリキュラムの消化が困難になるからというのが主な理由のようです。町の教育長は、「親や教員の負担減少、子どもの学力増強にも寄与する」と、メリットを説明しておられるとか。とは言え、夏休みが2週間ちょっととなると、長い夏休みだからこそ可能だったことがだいぶ制限されそうですね。もしもみなさんの学校に適用されたとしたら、どのように思われますか?

 夏真っ盛りのこの時期、このブログもしばらくお休みしようかと思ったのですが、先週月曜の更新日には千件近い閲覧がありました。ありがたいことなので、「今週も何か情報を」と思い直しました。今回は、家族関係・親子関係に関する保護者の意識を、日本とアメリカ、韓国との比較でまとめた資料をご紹介してみようと思います。

 この調査は総務庁青少年対策本部が平成6~7年に実施したもので、日本、アメリカ、韓国の0~15歳児をもつ父親と母親(各国とも約千名)を対象に、委託された調査員による個別面談形式で行われたものです。資料としてはやや古くなっていますが、短期間で大きく変化する質問項目ではありませんのでご紹介することにしました。

 では、最初の調査資料をご紹介しましょう。調査テーマは、子どもにどんな性格の持ち主になってほしいかを尋ねたものです。みなさんは、わが子にどんな性格を備えた人間に成長してもらいたいと願っておられますか。簡単なグラフ化が困難な質問のため、まず日本の調査結果を紹介してみましょう。

資料1 子供に望む性格特性

 日本の親の特徴として感じるのは、「他者への思いやり」や「人に迷惑をかけない」など、他者や公共の場への配力のできる人間になってほしいという願いが強いということではないでしょうか。外国人のかたが、ラッシュアワーのときでも乗車の順序を重んじ、理路整然と整列して電車を待つ多くの日本人の様子に驚いたり、街にゴミが少なく清潔であることに感心したり、道路が込んでいてもクラクションを鳴らしたりしないマナーのよさをほめ称えたりしているという話をしばしば耳にしますが、それは日本の親の重んじる美徳と無関係ではないでしょう。

 全体的に、日本と韓国は子どもに備わることを期待する性格がかなり似ていると言えるかもしれません。しかし、日本では第1位になっている「他人のことを思いやる心」は、韓国では11位になっている点が目立つ違いでしょうか。

 いっぽう、アメリカの親がわが子に備わってほしいと願う性格はかなり違っているようです。やはり、文化や価値観がかなり違っていることの反映でしょうか。日本では順位の低い「公正さや正義感」「落ち着きや情緒の安定」が、それぞれ2位と3位になっています。

 次の調査資料に移りましょう。テーマは、子育てをどんなものと感じているかを尋ねたものです。

資料2 子育てに伴う肯定的感情  (画像をクリックすると拡大表示されます。)
 子育ては、楽しみや生きがいである

資料3 子育てに伴う否定的感情  (画像をクリックして拡大表示)
 子育ては、つらく、苦労が多い

 アメリカや韓国の親は、子育てを「有意義で生きがいを与えてくれるもの」と、肯定的に受け止め楽しむ傾向が強いのに対し、日本の親はあまりそういった肯定的な受け止めかたをしていないようです。

 しかしながら、「子育ては、つらく、苦労の多いものだ」とはっきりと否定的な考えをしているかと言えば、そうでもないようです。むしろ韓国の親のほうにそういった感情が強いようです。日本の親は、「子育ては楽しいもの、生きがいとなるものとまでは思わない。しかしながら、ひたすらつらく苦労ばかりするものでもない」といった受け止めかたをする親が多いのかもしれません。これは親の考えかたが淡白というよりも、「子育ては好きか嫌いか、楽しいかつらいかといった二元論でとらえるべきものではなく、もっと奥の深いものだ」と理解している親が多いからかもしれませんね。

 三つめの調査結果をご紹介しましょう。テーマは、子どものことについて夫婦でどのぐらい話しあうことがあるかについてです。

資料4 配偶者と子供のことで話し合う頻度  (画像をクリックして拡大表示)

※資料1~4 内閣府「子供と家族に関する国際比較調査」より

 3カ国とも、そんなに大きな違いはみられません。しかしながら、「よく話し合う」という家庭の割合は日本が最も少なく、5割前後です。韓国の7割と比べると2割ほど少ないですね。日本では、子どもの教育に関することは母親任せになる傾向が強いと言われています。できるならおとうさんにもう少し頑張っていただき、子どもに関する様々な事柄について今以上に積極的に夫婦で話し合いの機会を設けていただきたいですね。

 今回は以上で終わります。みなさんのご家庭の現状と比べて見られたでしょうか。「もっとこうしよう」と気づかれることは一つでもあったなら幸いです。また、「今の状態でいいんだ」という元気につながったなら、これもありがたいですね。

 わが子の子育ては、「今」を大切にすることの繰り返しです。わが子の成長を願う子育ての営みは、「苦しくも、楽しいもの」に間違いありません。後悔の残らぬよう、がんばっていただきたいですね。


カテゴリー: 子育てについて

勉強がはかどるシチュエーションって!?

2017 年 7 月 24 日 月曜日

 子どもたちが待ちに待った夏休みの到来です。子どもが1日家にいる生活は親にとっては負担になりますが、普段と違う生活スタイルを経験することは、子どもにとっては成長に向けたよいアクセントになるでしょう。夏の長期休暇を上手に活かし、いろいろな経験をさせてあげてください。

 学校への通学がなければ、当然家にいる時間はその分だけ長くなります。この時間をどう使うかをしっかりと考えなければなりません。子どもが小学生の場合、時間管理や行動計画を本人任せにできません。夏休みの学習や行動の計画がバランスよく立てられているかどうか、今一度チェックし、必要に応じてサポートしてあげてください。

 さて、今回は「勉強のはかどるシチュエーションとはどういうものか」について考えてみました。ちょうど夏休みが始まったところでもあり、そのことも加味していくつか提案させていただこうと思います。6年生の子どもたちは半年後受験が控えていますから、毎日の学習スケジュールもかなり密になっており、日中も大概毎日のように塾通いの予定が組まれていると思います(但し、受験生といえども小学生ですから、長時間集中は続きませんし、体力もまだありません。無理のない勉強で成果をあげる方法を考えることが肝要です)。今からお伝えするのは、それ以前の段階の児童のご家庭を念頭に置いています。参考にしていただける点があれば幸いです。

 勉強が好きで仕方がないという子どもはいません。それは大人も同じです。では、やるべき勉強をやり遂げる人間とそうでない人間との差はどこにあるのでしょうか。ホンダの創設者である本田宗一郎氏は「私は会社のために働くのではない。自分が楽しく遊びたいために会社で働くのだ」とおっしゃったとか。だから、どんなに仕事時間が長くなっても平気だったそうです。そう、やりたいことがあると、目標にしていることがあると、人間は少々苦痛なことでもがんばれるのですね。

 おたくのお子さんが楽しみにしていること、当面がんばりたいと目標に掲げておられることは何でしょうか。それはサッカーや野球などのスポーツでも、音楽などの趣味でも、さらには大好きなテレビ番組・アニメの視聴でも構いません。それらのスケジュールの前に勉強の時間を設定すると、「これが終われば、楽しいことが待っている!」という励みを得ることができます。このようなシチュエーションは、子どものがんばりを引き出してくれるものです。勉強の時間を工夫してみましょう。

 小学生の子どもにとって、毎日生活を共にする親ほどやる気を左右する存在はありません。いつも親に小言を言われているか、いつも親の愛情や期待が注がれているかは、子どもの学習意欲に大きな違いをもたらします。しかしながら、親の愛情や期待を直接伝えるのは難しいものです。また、「勉強をがんばりなさい」といった剥き出しの表現は、直に効果がなくなってしまいます。

 では、どうしたらよいのでしょう。一つの方法は、子どもと楽しい話に興じる時間を設けることです。話題は何でも構いません。勉強の話題はむしろ外したほうがよいでしょう。遊びのこと、友だちのこと、面白い本のこと、今興味をもっていることなど、何でも構いません。勉強の予定されている時間の前に、10分、15分でよいので、毎日楽しい語らいの時間を設けてみてください。親が自分の話に耳を傾けてくれる、親が優しい笑顔で話してくれる、そういう状況で子どもが必ず頭に思い浮かべることがあります。それは、「自分が親に期待されていることは何か」「何をすれば親が喜んでくれるか」ということです。よって、団らんのあとは勉強への切り替えがスムーズにできるうえ、意欲の伴ったしっかりとした学習が実現すること請け合いです。

 心身とも未成熟な子どもは、何につけ集中できる時間が短いものです。ですから、「大人とは違うのだ」という認識をもつことが必要です。集中力の継続が難しい子どもに長時間の勉強を要求しても、成果はあがらないし勉強をますます嫌うようになるなど、よいことは一つもありません。

 特に集中できる時間が短いお子さんの場合、「決めた時間より早く終わったって構わない」と伝えてあげるのもよいかもしれません。また、15~20分刻みで休憩をするという手もあるでしょう。大切なのは、心を集中させて物事をやる姿勢を築くことです。それがうまくいけば、時間を頼みに勉強する子どもよりも遥かに将来に期待がもてるようになります(集中できる時間も徐々に長くなります)。早く終わらせるために、雑に済ませるようになってはいけませんが、多少のことは目をつぶっても、「集中してやる姿勢」がつくことを優先して見守るほうが収穫はより多いのではないかと思います。お子さんの現状を踏まえ、必要ならそうした観点からアドバイスをしてあげてください。

 今日では、大概のお宅にエアコンがありますから、室内の温度調節は思いのままかもしれません。しかしながら、夏の朝早く窓を開けたときに漂うひんやりとした冷気は、エアコンで管理された部屋よりははるかに勉強に能率よく取り組めるコンディションを提供してくれます。一度試してみませんか?

 朝早く起きるのが苦手な子どもの多くは宵っ張りの生活が染みついています。そうしたよくない生活習慣を断ち切り、早寝早起きをこの夏休みから実行してみてはいかがでしょうか。スッキリとした頭と涼しい部屋でお子さんの勉強は格段にはかどるようになることでしょう。なお、早朝に勉強に取り組むことの利点については、今年の6月19日に掲載したブログでご紹介している通りです。人間の体験したこと、学んだことは、夜寝ているあいだに整理整頓され、長期記憶として残る情報と忘却される情報とが選別されます。寝る前には混とんとしていた知識が、朝一番のときにはすっきりとまとめられています。この時間帯こそ、勉強がはかどる格好のタイミングに他なりません。

 前夜までの学習では頭に残らなかった知識も、頭も環境もすっきりとした早朝に再度入力されれば、「記憶に残すべき重要な情報」として脳に認識されることでしょう。はじめは嫌々でも、いったん定着すればこれ以上のものはない最強の味方なる。それが早朝の学習です。

 

 だいぶ長くなってしまいました。このほか、このブログで何度かお伝えしましたが、「リビングや食卓での学習」も、小学生にはとても有効です。自分だけの個室では、子どもは却って落ち着かず、漫画を読んだりボンヤリしたりするなど、生産性のない時間を過ごすことになりがちです。まだ親がかりの年齢においては、親が見守ってくれている場所でのほうが、気持ちが落ち着くのですね。そうして、ときどき親が声をかけ、激励してくれるのも励みになります。きょうだいも一緒に同じテーブルで勉強したり、親も読書の時間にして近くのソファで本を読んだりするなど、「みんなで充実した時間を過ごしている」という雰囲気ができあがれば、お子さんの勉強は一層活気を帯びることでしょう。

 長い夏休みですが、せっかく計画したことも実行に移せないまま、なんとなく過ごしているとあっという間に終わってしまいます。いっぽう、やるべき勉強をしっかりとやり遂げることができたなら、ただ学力が身に着くだけにとどまらず、子どもは自分に対する大いなる自信を得ることができます。また、生活習慣が改善されたり、計画に基づく行動姿勢が備わったなら、それらもこれからの人生の歩みに多大な貢献をしてくれることになります。

 この夏、お子さんが勉強のはかどる自分なりの方法を見つけられるとよいですね。


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ポジティブな自己暗示で“やれる自分”を取り戻す!

2017 年 7 月 17 日 月曜日

 試験やスポーツなど、順位や勝敗を競うような場面において、あなたは「きっとやれるさ!」とポジティブに考えて臨むほうですか? それとも、「今回はダメかもしれない」と、ネガティブな心境に追いやられるほうでしょうか。

 どちらがよい結果につながるかは言うまでもありません。悪い結果を予測すると、頭も体も機能が低下し、得られるはずの結果を取り逃がしてしまいがちです。まして入学試験など、結果次第でその後の人生の歩みが変わる可能性のある重要な場面では、誰だってドキドキ緊張しますし、ネガティブな心理と闘うことを強いられます。こういう場面に強いタイプの人間でありたいものですね。

 しかしながら、おそらくこのブログを読んでくださっているかたのほとんどは、「私は本番に弱い」「勝負ごとでつい緊張し、失敗をしてしまう」と、自分のことを嘆いておられるのではないでしょうか。筆者自身、「私は本番で緊張しない。勝負事に強い」と胸を張っている人をついぞ見たことがありません。「よい結果を得たい」という願望が強ければ強いほど、よくない結果に対する不安が頭をもたげてくるのが人間というものなのでしょう。

 これは日本人に限ったことではありません。結果を得たい重要な場面を前にすると、国や人種を問わず人間はプレッシャーや不安などのネガティブな心理との闘いを余儀なくされます。それをどう押しのけるか、心の強さや心理コントロールの力が問われるわけですが、その微妙な個人差が成否を分けることになります。

 また、人間は自分の所属する集団の特性や、一般通念から見て不利なデータを示されると、実際の能力よりもパフォーマンスが低くなると言われます。この現象は「ステレオタイプの脅威」と言われるもので、ちょっと例を挙げてご説明してみましょう。

 アメリカで、次のような実験が行われました。60代、70代、80代の人たちを集め、年齢構成や能力が均等になるよう配慮した二つのグループに分けました。片方のグループには、「人間の記憶力は年齢とともに低下する」という内容の記事を読むように指示し、そのあとで単語の記憶力を試すテストをしました。同じテストを、テストの前にその記事を読まなかったグループにも実施しました。すると、前者は単語を44%しか記憶していなかったのに対し、後者は58%を覚えていたそうです。また、女子の大学生を対象とした数学の難問を解くテストでは、女子学生たちに「自分は女性である」ということを意識させる働きかけをしただけで、なんのほのめかしも受けなかった女子学生グループよりも成績が悪くなったと言います。

 「自分(たち)は、それが得意でない」という情報を前もって与えられると、パフォーマンスが落ちるのなら、その逆はどうなのでしょう。「自分(たち)はそれが得意である」と思うことでパフォーマンスを上げることはできないのでしょうか。

 これに関して、ヘルスコミュニケーションの専門家である蝦名玲子(りょうこ)先生の著作のコラムに、次のような興味深い記事が掲載されていました。

 自信があるとき、人は身体を開き、自分のパワーを見せつけるように大きく見せる「力強いポーズ」をとるものです。陸上で1位になった選手、サッカーでゴールを決めた選手、部下を叱る上司、子どもを叱る親や教員などはみんな、胸を張り、手を広げたり、腰のところに両手を置くスーパーマンのポーズをしたりして、大きく見せています。

 逆に、自信がないとき、人は身体を閉じ、「弱いポーズ」をとります。猫背になり、手や足を組んだり、うなだれたりして、まるで他人にぶつからないようにするように、小さくなるものです。

 社会心理学者のエイミー・カディ博士の研究では、2分間、「力強いポーズ」をとると、それだけで「テストステロン」という支配性ホルモンが増え、「コルチゾール」というストレスホルモンが減ることを確認しています。そして自信をもって、アサ―ティブに自分の気持ちを表現するようになり、ストレスを感じにくくなったのです。

 一方、2分間「弱いポーズ」をとると、テストステロンが減り、コルチゾールが増えたという結果が得られました。そして、内気になり、ストレスを感じやすくなったのです。

 さらに興味深いのは、これが研究室の中だけではなく、人生を左右する大事な局面でも使えることが確認された点です。カディ博士は、2分間、一方のグループには「力強いポーズ」を、もう一方のグループには「弱いポーズ」をとってもらい、その後、何を言っても無表情な面接官による就職面接を受けてもらうという研究もしました。その結果、事前に「力強いポーズ」をとっていた人たちのほうが全体的に高く評価され、「採用したい」と言われたといいます。

 身体と心はつながっています。身体は心を変化させ、心は行動を変えさせ、行動は結果を変えます。このことを忘れずに、テストや受験、体育祭や文化祭など、何か大切なイベントのまえに子供が自信を失くしているようであれば、2分間、「力強いポーズ」をとるように伝えましょう。すると、その2分間で、体内物質が変化し、心もついてきてくれるはず!

 「力強いポーズ」――これは試してみる価値がありそうですね。人間のパフォーマンスと体内で分泌されるホルモンとには強い相関関係があると言われます。「力強いポーズ」が自分を肯定的に表現する姿勢を促し、パフォーマンスを高めます。それが自信につながり、やる気や実行力のもととなる体内物質を分泌させる。こういったプラスの循環を生み出すのです。

 小学生の子どもは、親の働きかけ次第でどんなふうにも変わっていきます。この「力強いポーズ」を2分間試みること、それを促してみてください。そして、子どもの変化に応じてタイミングよくほめ、子どもの自信が高まるようサポートしてみてはいかがでしょうか。また、親が率先して「力強いポーズ」を実践し、自然とお子さんがそういったしぐさを実行するよう促してみるのもよいでしょう。親なら誰だって、わが子が何事も自信をもって積極的に取り組んでくれることを願っているものです。今回の情報は、こうした成長への流れを築くきっかけにできるかもしれませんね。

 子どもが期待通りに行動していないと、まして、注意の声に反発したりすると、親はつい懲らしめの言葉を浴びせがちです。しかし、これは逆効果にしかなりません。この夏休みから、前述の蝦名先生が「2分間で自信を高める魔法のような方法」と述べておられる、このポーズをお子さんに試してみませんか? それは、わが子への関わりをプラスの方向へと転換するよい契機になるでしょう。


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当社イベント「私学がきみを呼んでいる!」ご報告

2017 年 7 月 10 日 月曜日

 去る6月25日(日)、広島市西区民文化センターにて、当社イベント「私学がきみを呼んでいる!」を開催いたしました。これは、当社に通う6年部会員生のご家庭を対象とした催しで、私学の先生や生徒の生の声を実際に聞いてもらい、志望校選びに役立ててもらいたいとの思いから、毎年この時期に実施しているものです。
 本来は会員生のご家庭しか見ることのできない催しですが、今回は、このブログをご覧の皆さまにもちょっとだけご紹介したいと思います。

【第1部:これであなたも私学博士!?】
●映像による学校紹介
 各学校で作製された映像や画像を見ながら、家庭学習研究社出身の当該学校の生徒さんに、自らの学校の魅力をプレゼンテーションしてもらうパートです。学校について説明してくれる先輩たちは、家庭学の卒業生でもあるそれぞれの学校の中学3年生なのですが、みなさん堂々と素晴らしいプレゼンを披露してくれました。これだけ大きな会場のステージ上にたった一人で上がり、数百名の観客に向かって話すというのは、なかなかできない経験のはず。かなりの緊張もあったとは思いますが、どの学校の先輩たちもとてもわかりやすく丁寧に説明してくれました。小学生時代を知る当社のスタッフも、「3年でこんなに成長するんだなあ」と感動していましたよ。素晴らしい学校紹介をありがとうございました。

 

 

 

 

 

●参加型クイズ&トーク
 ここでは、各私学に関するクイズを出題して、会場のみなさんに「グー・チョキ・パー」を挙手してもらう形式で参加してもらいました。楽しみながら学校の事を知ってもらえる「クイズ&トーク」で、6年生の子ども達やお母さん・お父さんに大いに盛り上がってもらいました。会場からは、クイズの正解を発表するたびに「やったー、合っとった!」「えー、なんでー」といった声が、あちらこちらからあがっていました。
 また、学校に関するクイズの正解発表の際には、解説を兼ねて各学校の先生方から学校生活の様子や教育活動などについてお話しいただきました。それぞれの学校独自の取り組みを聞くことができ、満足された保護者の方や6年生も多かったようです。

 

 

 

 

 

【イベントアトラクション】
 第1部の締めくくりは、アトラクションです。毎年様々な学校から、クラブやサークルの素晴らしいパフォーマンスを披露していただいているのですが、今年は、女子の部では「安田女子中学校バトン部」の皆さん、男子の部では「広島学院中学校『曲芸戦隊ジャグレンジャー』」の皆さんにお越しいただきました。
 いずれも素晴らしい演技を披露していただき、会場は大いに盛り上がり、終了時には割れんばかりの大拍手が起こりました。イベント終了後のアンケートでも、「アトラクションが素晴らしかった」「アトラクションの演技を見て、学校に興味がわいた」といった声も多く聞かれました。アトラクションを担当していただいた両校の皆さん、素敵なステージをありがとうございました。

 

 

 

 

 

【第2部:私学で夢をかなえよう、がんばれ中学受験生!!】
●制服紹介
 15分間ほどの休憩をはさんだ後は、第2部に入ります。最初は、各学校の先輩たちと先生による制服紹介です。生徒さん達が、それぞれ冬服や夏服、合夏服などを実際に来て登場してくれました。部活のユニフォームや道着などを紹介してくれた学校もありました。特に女子にとっては興味深いパートだったようで、客席の6年生の女の子たちは熱心に見入っていました。憧れの学校のお姉さんの制服姿を見て、1年後には自分が通う姿をイメージできたのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●先輩からの受験アドバイス~私学の先輩に聞いてみた!アレコレ!~
 続いては、先輩たちからの受験アドバイスのコーナーです。各学校に在籍する家庭学出身の生徒さんと先生方に協力していただき、中学受験生時代のエピソードや得意・苦手科目の勉強法、現在の中学校生活について、皆さんに語っていただきました。会場の6年生にとって、3年前まで自分達と同じように家庭学で頑張っていた先輩たちの生の声は、とても心に響くものだったようです。終了後のアンケートにも、「どんな風に勉強すればいいか教えてもらえた」「先輩たちのアドバイスを元にこれから頑張りたい」などの6年生からの声がありましたし、保護者の方々からも「生徒目線の声が聞けてよかった」「親が言うよりはるかに深く伝わった」「子どものモチベーションが上がったようだ」といった感想をいただきました。

 

 

 

 

 

●先生からの受験アドバイス
 このパートでは、各学校の先生方から受験勉強のアドバイスや今年度の入試に関する情報をいただきました。志望校の先生から直接お話を聞ける貴重な機会ですから、客席の6年生と保護者の皆さんも、ペンとメモ帳を手に真剣な面持ちで聞かれていました。また、先生方からはあわせて学校案内行事などのご案内もありました。オープンスクールへのご参加を検討されている方は、各学校のホームページ等をチェックされてみてはいかがでしょうか。

●受験生の皆さんへの応援メッセージ
 最後に、先輩たちと先生から、会場の6年生に向けたメッセージをいただきました。1校ずつ順番にお願いしたのですが、いずれの中学校も思いを込めた熱いメッセージを伝えてくださいました。客席からは1校ごとに大きな拍手が起こり、素晴らしい会の締めくくりになりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 各学校の先生方や先輩たちのご協力のおかげで、とても素晴らしい催しとなりました。アンケートの満足指数も全体的に高く、足を運んでいただいた6年生達や親御さんにもご満足いただけたのではないかと思っております。
 最後に、この催しにご協力いただきました各学校の先生方、生徒の皆さん、お忙しい中本当にありがとうございました。この場を借りまして、改めて御礼申し上げます。

 さて、受験生の皆さんはもうすぐ夏休みを迎えます。小学校最後の夏休みということで、大いに思い出作りに励みたいところではありますが、入試を考えれば、この夏は苦手科目克服やラストスパートへの土台作りのためにも非常に大切な時期です。このイベントでもらったエネルギーを胸に、中学受験生として最後まで全力を尽くしてくださいね。応援しています!

(butsuen)


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読書傾向と読解力には相関関係がある!?

2017 年 7 月 3 日 月曜日

 お子さんは本を読むのが好きですか? どんな本を好んで読んでおられますか? 読書時間は1日あたりだいたいどれぐらいですか? 今回の話題は、読書と読解力とに明確な関連性があるのかどうかを話題にとりあげてみました。

 みなさんは、子どもの読書と読解力や国語力とに何らかの関係があると思っておられるでしょうか。小学生と言えば人生で最も語彙の増加が著しい時期です。以前発達心理学者の調査データをご紹介したことがありますが、人間の一生でいちばん語彙の増加率が高い時期は9~10歳(小学4年生)の1年間で、実に前年比40%近くに及ぶ語彙が増えます。また、増加数でいちばん多いのは10~11歳(小学5年生)の1年間で、6300語余りもの新しい語彙を獲得します。そのことと読書には有意な関係があるのでしょうか。

 いつだったか、弊社の教室に通っているお子さんのおかあさんとお会いしたとき、「うちの子はオタク系で、暇さえあれば本を読んでいます」と苦笑いをしておられました。ちなみに、そのかたのお子さんは、マナビーテストで総合1番を取ったことがあり、「やはり、読書は学力に影響を及ぼすのは間違いないのだろう」とそのときは思いました。

 ただ、このような情報では読書と読解力の関係についての確かな根拠にはならないので、何らかのデータ的な示唆の得られる資料がないかと探してみました。すると、電気通信大学大学院情報理工学研究科の猪原啓介先生の著作に、PISA調査の結果に基づき、「読書と読解力の関連性」について指摘しておられる箇所があるのが目に留まりました。参考になるかもしれないのでご紹介してみましょう。

 PISA調査は、2000年に始められたOECD加盟国の15歳生徒(日本では高校1年生)を対象とする国際的な学習状況に関する調査です(一部非加盟国も参加)。ご存知かと思いますが、「読解力」「数学的リテラシー」「科学的リテラシー」の3つを調査の柱としています。PISAというと、2003年度の「読解力」調査において、参加40カ国中の平均値に近い14位だったことから、「PISAショック」という言葉が生まれたことが記憶に新しいところです。この結果が公表されるまで、「日本の子どもの学力は高い」というのが一般的認識でしたから、日本中に激震が走るほどの驚きをもって受け止められ、日本の子どもの読解力低下がセンセーショナルに報道されました(直近の2015年度実施分においては、70カ国中の8位)。このPISAショックは、「ゆとり教育路線」の軌道変更に大きな影響を与えたと言われています。

 PISA調査においては、読解力の調査項目に付随して読書状況に関する質問も設けられています。2009年の調査においては、日本の生徒約6000名が参加し、「趣味としての読書」「読む本の種類・頻度」というテーマで質問が行われています。これらの質問は、日本の15歳生徒の読書傾向や読書量がある程度掌握できる資料になるのではないかと思われます。

 まず、「趣味としての読書」に関する調査内容と、その結果を見てみましょう。

質問:「あなたは、普段、趣味としての読書をどのぐらいしますか。当てはまる番号に1つ〇をつけてください。
選択肢:「1.趣味で読書をすることはない」「2.1日30分以下」「3.1日31分~1時間未満」「4.1日1時間~2時間」「5.1日2時間より長い」 ※あとの説明の都合で番号をつけました。

 ここで知りたいのは読書時間と読解力テストの相関関係です。それぞれの選択肢を選んだ生徒の読解力テストのスコアを算出して得られた結果をお伝えしてみましょう。読解力の平均スコアがよかった順に並べると、4(552)→3(550)→5(537)→2(536)→1(492)となりました。

 この結果について、前述の猪原先生は「ここからは、あまりにも読書ばかりし過ぎていると読解力の成績が下がってしまうが、基本的には読書量と読解力の成績には正の相関関係があることが読み取れる」と述べておられます。

 次に、「読む本の種類・頻度」と読解力との関係に関する調査結果を見てみましょう。まずは質問の内容をご紹介しましょう。

質問:「あなたは、次のものを自分から進んで読むことはどれぐらいありますか。(1)~(5)のそれぞれについて、あてはまる番号に1つ〇をつけてください」
選択肢:「まったくか、ほとんどない」「年に2~3回」「月に1回ぐらい」「月に数回」「週に数回」
本の種類:(1)雑誌、(2)コミック(マンガ)、(3)フィクション(小説・物語など)、(4)ノンフィクション(伝記・ルポタージュなど)、(5)新聞

 選択肢のうち、「まったくか、ほとんどない」「年に2~3回」「月に1回ぐらい」を選択した者を「読まないグループ」、「月に数回」「週に数回」を選択した者を「読むグループ」として、二つのグループの読解力の成績が比較されました。そして、その結果が次のようなグラフで示されています(調査を実施した国立教育政策研究所の表<2010>をもとに作成)。

 このグラフをご覧になればおわかりいただけるように、「雑誌」と「コミック」では「読まないグループ」と「読むグループ」で読解力の成績の差はあまり見られないのに対し、「フィクション」「ノンフィクション」「新聞」では、「読むグループ」の読解力は「読まないグループ」のそれよりも明らかに優れていることが見て取れます。

 特にフィクションでは両者のスコアに大きな差が見られます。これには明確な因果関係があるのでしょうか。筆者の憶測にすぎませんが、フィクションを読むことに熱心な子どもは、活字で表現された仮の世界を、想像をたくましくしながらイメージする力に長けており、それが文章読解にも効力を発揮しているのではないでしょうか。

 ともあれ、二つの資料を通じてわかったのは、

ということです。やはり、成長の途上にある年齢期に読書に勤しむということは、活字文化の継承者となるうえでの前提になる大切なことだと言えそうです。

 先ほど、マナビーテストで1番を取ったお子さんのエピソードをご紹介しましたが、本が大好きであるいっぽう、勉強すると決めた時間には集中して取り組んでいるからこそ成果をあげておられるようです。読書を心から楽しむためにはやるべきことをしっかりとやる。このけじめがうまく作用してこその成果でしょう。最近読んだアメリカの心理学者の著作によると、このような自己制御力こそ、人生での成功において最も必要とさせるものだそうです。

 みなさんのご家庭においても、このけじめをルール化するなど工夫し、お子さんが読書を楽しむ毎日を実現してあげてください。小学生の今のうちなら、読書がもたらせてくれる様々な恩恵に浴することができます。


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