勉強がはかどるシチュエーションって!?

2017 年 7 月 24 日

 子どもたちが待ちに待った夏休みの到来です。子どもが1日家にいる生活は親にとっては負担になりますが、普段と違う生活スタイルを経験することは、子どもにとっては成長に向けたよいアクセントになるでしょう。夏の長期休暇を上手に活かし、いろいろな経験をさせてあげてください。

 学校への通学がなければ、当然家にいる時間はその分だけ長くなります。この時間をどう使うかをしっかりと考えなければなりません。子どもが小学生の場合、時間管理や行動計画を本人任せにできません。夏休みの学習や行動の計画がバランスよく立てられているかどうか、今一度チェックし、必要に応じてサポートしてあげてください。

 さて、今回は「勉強のはかどるシチュエーションとはどういうものか」について考えてみました。ちょうど夏休みが始まったところでもあり、そのことも加味していくつか提案させていただこうと思います。6年生の子どもたちは半年後受験が控えていますから、毎日の学習スケジュールもかなり密になっており、日中も大概毎日のように塾通いの予定が組まれていると思います(但し、受験生といえども小学生ですから、長時間集中は続きませんし、体力もまだありません。無理のない勉強で成果をあげる方法を考えることが肝要です)。今からお伝えするのは、それ以前の段階の児童のご家庭を念頭に置いています。参考にしていただける点があれば幸いです。

 勉強が好きで仕方がないという子どもはいません。それは大人も同じです。では、やるべき勉強をやり遂げる人間とそうでない人間との差はどこにあるのでしょうか。ホンダの創設者である本田宗一郎氏は「私は会社のために働くのではない。自分が楽しく遊びたいために会社で働くのだ」とおっしゃったとか。だから、どんなに仕事時間が長くなっても平気だったそうです。そう、やりたいことがあると、目標にしていることがあると、人間は少々苦痛なことでもがんばれるのですね。

 おたくのお子さんが楽しみにしていること、当面がんばりたいと目標に掲げておられることは何でしょうか。それはサッカーや野球などのスポーツでも、音楽などの趣味でも、さらには大好きなテレビ番組・アニメの視聴でも構いません。それらのスケジュールの前に勉強の時間を設定すると、「これが終われば、楽しいことが待っている!」という励みを得ることができます。このようなシチュエーションは、子どものがんばりを引き出してくれるものです。勉強の時間を工夫してみましょう。

 小学生の子どもにとって、毎日生活を共にする親ほどやる気を左右する存在はありません。いつも親に小言を言われているか、いつも親の愛情や期待が注がれているかは、子どもの学習意欲に大きな違いをもたらします。しかしながら、親の愛情や期待を直接伝えるのは難しいものです。また、「勉強をがんばりなさい」といった剥き出しの表現は、直に効果がなくなってしまいます。

 では、どうしたらよいのでしょう。一つの方法は、子どもと楽しい話に興じる時間を設けることです。話題は何でも構いません。勉強の話題はむしろ外したほうがよいでしょう。遊びのこと、友だちのこと、面白い本のこと、今興味をもっていることなど、何でも構いません。勉強の予定されている時間の前に、10分、15分でよいので、毎日楽しい語らいの時間を設けてみてください。親が自分の話に耳を傾けてくれる、親が優しい笑顔で話してくれる、そういう状況で子どもが必ず頭に思い浮かべることがあります。それは、「自分が親に期待されていることは何か」「何をすれば親が喜んでくれるか」ということです。よって、団らんのあとは勉強への切り替えがスムーズにできるうえ、意欲の伴ったしっかりとした学習が実現すること請け合いです。

 心身とも未成熟な子どもは、何につけ集中できる時間が短いものです。ですから、「大人とは違うのだ」という認識をもつことが必要です。集中力の継続が難しい子どもに長時間の勉強を要求しても、成果はあがらないし勉強をますます嫌うようになるなど、よいことは一つもありません。

 特に集中できる時間が短いお子さんの場合、「決めた時間より早く終わったって構わない」と伝えてあげるのもよいかもしれません。また、15~20分刻みで休憩をするという手もあるでしょう。大切なのは、心を集中させて物事をやる姿勢を築くことです。それがうまくいけば、時間を頼みに勉強する子どもよりも遥かに将来に期待がもてるようになります(集中できる時間も徐々に長くなります)。早く終わらせるために、雑に済ませるようになってはいけませんが、多少のことは目をつぶっても、「集中してやる姿勢」がつくことを優先して見守るほうが収穫はより多いのではないかと思います。お子さんの現状を踏まえ、必要ならそうした観点からアドバイスをしてあげてください。

 今日では、大概のお宅にエアコンがありますから、室内の温度調節は思いのままかもしれません。しかしながら、夏の朝早く窓を開けたときに漂うひんやりとした冷気は、エアコンで管理された部屋よりははるかに勉強に能率よく取り組めるコンディションを提供してくれます。一度試してみませんか?

 朝早く起きるのが苦手な子どもの多くは宵っ張りの生活が染みついています。そうしたよくない生活習慣を断ち切り、早寝早起きをこの夏休みから実行してみてはいかがでしょうか。スッキリとした頭と涼しい部屋でお子さんの勉強は格段にはかどるようになることでしょう。なお、早朝に勉強に取り組むことの利点については、今年の6月19日に掲載したブログでご紹介している通りです。人間の体験したこと、学んだことは、夜寝ているあいだに整理整頓され、長期記憶として残る情報と忘却される情報とが選別されます。寝る前には混とんとしていた知識が、朝一番のときにはすっきりとまとめられています。この時間帯こそ、勉強がはかどる格好のタイミングに他なりません。

 前夜までの学習では頭に残らなかった知識も、頭も環境もすっきりとした早朝に再度入力されれば、「記憶に残すべき重要な情報」として脳に認識されることでしょう。はじめは嫌々でも、いったん定着すればこれ以上のものはない最強の味方なる。それが早朝の学習です。

 

 だいぶ長くなってしまいました。このほか、このブログで何度かお伝えしましたが、「リビングや食卓での学習」も、小学生にはとても有効です。自分だけの個室では、子どもは却って落ち着かず、漫画を読んだりボンヤリしたりするなど、生産性のない時間を過ごすことになりがちです。まだ親がかりの年齢においては、親が見守ってくれている場所でのほうが、気持ちが落ち着くのですね。そうして、ときどき親が声をかけ、激励してくれるのも励みになります。きょうだいも一緒に同じテーブルで勉強したり、親も読書の時間にして近くのソファで本を読んだりするなど、「みんなで充実した時間を過ごしている」という雰囲気ができあがれば、お子さんの勉強は一層活気を帯びることでしょう。

 長い夏休みですが、せっかく計画したことも実行に移せないまま、なんとなく過ごしているとあっという間に終わってしまいます。いっぽう、やるべき勉強をしっかりとやり遂げることができたなら、ただ学力が身に着くだけにとどまらず、子どもは自分に対する大いなる自信を得ることができます。また、生活習慣が改善されたり、計画に基づく行動姿勢が備わったなら、それらもこれからの人生の歩みに多大な貢献をしてくれることになります。

 この夏、お子さんが勉強のはかどる自分なりの方法を見つけられるとよいですね。


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