2017 年 9 月 のアーカイブ

母と娘の関係はわかりやすい?難しい?

2017 年 9 月 25 日 月曜日

 よく「男の子の子育ては手がかかる」といわれます。実際にお母さん方から「男の子は何を考えているのかわからない」といった声を耳にすることもあります。一方、「女の子は育てやすい」のかと言われれば、全般的な気質や性格面の男女の違いはあっても、そんなことはありません。「男の子は難しい」「女の子はわかりやすい」という感覚は、きっと長い時間育児に携わることの多いお母さんの実感にもとづくものが大きいのでしょう。
 そこで、今回は同性であるお母さんと娘さんの「母娘関係」について考えてみたいと思います。

 異性である息子さんとの関係は、お母さんの側にも「わかりあえない部分があっても仕方ない」という気持ちは少なからずあるものです。また、お子さんの側にも、お母さんへの甘えはあっても、べったりし過ぎない良い意味での距離を保つ感覚があります。ですから、「うちの息子は甘えん坊で困る」「なかなか言うことを聞かなくて・・・」ということはあっても、最終的にはある程度割り切って考えられるケースが多いはず。
 ところが、同性である母と娘の場合はそうはいきません。自覚の有無は別として、どのお母さんの意識の中にも「同じ女性なんだからわかりあえるはず」という考えがあるからです。もちろんこれが母娘の強いつながりを育む土台にもなるわけですが、この感覚が度を過ぎて「理解できるはず→どうしてわからないの」となってしまうと、つい娘に自分の考えを強引に押しつけたり、過去の自分を重ねて娘にも同じように振る舞わせようすることになりがちです。実際、中学受験を控えたご家庭でも、こうした母娘間のトラブルは少なくありません。

 母親と娘の関係は、互いの心理的距離や信頼度などによって、大きく4つに分類できるといわれます。
 1つめは、「依存型」です。母娘間の信頼関係を築けておらず、適度な距離を保って離れることもできていないタイプの母娘関係です。お母さんのタイプとしては、子どもより先に気づいて何でもやってしまう人や、子どもの行動に何でも口を出してしまう人が多いとされています。この場合、「お母さんはどう思うか」が子どもの行動基準になってしまい、母親の顔色や反応を見ながら行動するようになるのが特徴です。
 2つめは、「密着型」です。信頼関係は築けているが、適度な距離を保つことができていないタイプの母娘関係です。母娘ともに素直な性格である場合が多く、いわゆる「友達親子」といわれる母娘関係の多くもこのタイプに含まれます。一見良好な関係に見えますが、子どもが母親を信頼しているが故に、もし自分の意見が他にあっても「お母さんが言うなら」と比較的素直に従いますから、実際には母親の希望通りに子どもを動かしていることが多くなります。そのため、「依存型」と同様、子どもを精神的に自立させることが難しいタイプです。
 3つめは、「疎遠型」です。母と娘が離れることはできているが、互いの信頼関係がないタイプの母娘関係です。母親のタイプとしては、子どもとの適切な距離感をつかめず、必要以上に子どもを突き放してしまう人や、子育てより自分の趣味ややりたいことを優先させてしまう人が多いとされます。この場合、子どもは母親不信を抱えることになり、情緒が不安定になったり社会性が未成熟のまま年齢を重ねたりするケースが多くなります。
 4つめは、「自立型」です。母と娘が適度に離れることができており、信頼関係も築けているタイプの母娘関係です。母娘関係のあり方としては、これが理想的なかたちといえます。互いに相手を一人の人間として尊重し、意見を聞きあい、信頼しあえる関係です。ただ、状況や環境などによっては「依存型」や「密着型」に変わることありますから、必要に応じて関係性を見直すことも大切です。

 もしかしたら、上の4つのタイプ分けをご覧になって、「うちは『自立型』じゃないわ」と思われた方がいらっしゃるかもしれません。でも、ご心配なく。こうした母娘関係は、お子さんの年齢や発達段階などによって変わるものです。誰でも産まれてきたときには完全な「依存型」ですし、おそらく、お子さんが小学3~4年生になる頃までは「依存型」や「密着型」の傾向のあるご家庭が多いと思います。そこから、プレ思春期と呼ばれる時期に入る5年生以降、少しずつ母娘関係に変化が生じるという流れが一般的ではないでしょうか。

 ただし、幼い頃からあまりに依存や密着の傾向が強いと、いくらお子さんが年齢を重ねていっても「親離れ・子離れ」ができず、お互いを尊重する「自立型」の関係を築くことはできません。
 大切なのは、お母さんが母娘関係の現状を冷静に把握し、子どもの成長に応じて少しずつ掛ける手を離していくこと。わが子を温かく見守り続けることは、子どもが何歳になっても変わりませんが、お子さんを信頼して口や手を出すのは少しずつ減らし、お子さんとの距離を適切に保つ意識をもって接してあげてください。
 母と娘の関係は、非常に結びつきが強く、かたちを変えながら一生続いていくもの。そして、その土台は、本格的な思春期を迎える前、小学生の時期までに築かれます。お母さんが主体となって、ぜひお子さんと良好な関係を築いてくださいね。

(butsuen)


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平均+αの成績をあげるための作戦

2017 年 9 月 19 日 火曜日

 弊社では、2週間を一括りにした単元構成のもと、2週目の週末には互いの学習成果を競い合うテスト(弊社では、「マナビーテスト」と呼んでいます)を実施しています。今回は、このテストで成果をあげるための重要ポイントを話題に取り上げてみました。

 早速ですが、受験勉強をしているお子さんの保護者に一つ質問をさせていただこうと思います。あなたのお子さんは、次の二つのうち、どちらの傾向が強いでしょうか。

 なかには、「C.成績がよくても悪くても、常に一生懸命がんばる」あるいは、「D. 成績に関係なく、常にやる気がない」といったようなお子さんもおられるかもしれませんね。おたくのお子さんがCのようなタイプなら、すばらしいですね。まさに理想的な取り組みをされています。いっぽう、Dのような状態になると、この状態から巻き返すのは簡単ではありません。少なくとも、周囲のサポートが相当必要になってきます。今すぐにでも対処する必要があるでしょう。

 アメリカの心理学者の文献によると、日本人、および東アジア諸国の子どもはBのタイプが多いそうです。いっぽう、Aのタイプは欧米の子どもに多いとされています。前述の文献の著者は、「日本やアジア諸国の子どもがアメリカの子どもよりも総じて学力優秀なのは、結果が伴わないときこそ反省してがんばろうとする姿勢が強いからだ」というようなことを述べておられました。

 またこのような気質が根づいているのは、「能力は遺伝で継承されるもの」と決めつけるのではなく、「努力を継続すれば、自分の能力は高められるものだ」という考えがアジア人に浸透しているからだと指摘しておられました。日本の子どもにBのタイプが多いのは、このような考えが背景にあるからでしょう。

 さて、これからが今回の本題です。親なら、大概わが子には、「成績がよくても悪くても熱心な取り組み姿勢を失わない、Cのようなタイプ」に成長してほしいと願っておられることでしょう。そういう成長の流れを築くうえで、よい方法なないものでしょうか。。まずもって言えるのは、「復習」を上手にできるようになることだと思います。復習は、状況をよい方向に変えるうえで最善の方法のひとつであり、成績に振り回されることなく前向きに勉強する人間になるための王道だからです。

 弊社の会員生で、復習をしないお子さんはごく少数です(ほとんどおられないと思います)。それなのに、成績が千差万別なのはなぜでしょうか。その理由のひとつも「復習」のやりかたにあるのではないかと思います。効果的な復習のやりかたが身についていないと、「勉強の空回り」の状態が続くだけでなく、成績が伴わないために「学習意欲の減退」「自信喪失」という問題も生じかねません。

 今、わが子の成績が思わしくないかた、「何とかして、せめて平均点はとれるようになってほしい」と願っている保護者のために、簡単ではありますが、成果につながる復習のポイントについて書いてみようと思います。復習の効果を理解し、勉強に前向きさが出てきたら、授業を活かす姿勢の向上にも波及していきます。わが子に適用できると思われたなら、ぜひお子さんにアドバイスをしてあげてください。

≪ マナビーテストで平均点を確保するための復習 ≫

1.「授業」を受けた日に「復習」をする習慣をつける
 塾の授業日には、帰宅後の勉強時間が限られます。しかし、そこを工夫して15分、20分でもよいからその日のうちに復習しましょう。学習で知識として残る記憶は、主に「意味記憶」と呼ばれるものです。この記憶の特徴は、「入りにくく、出しにくい(記憶に残りにくく、テストで思い出せない)」ということです。ですから、授業を受けても、まだあやふやなままの知識や考えかたは、忘れないうちに「復習」して定着させましょう。学んだ内容を早めに繰り返し脳にインプットすると、それだけ記憶に残り易くなります。授業から時間がたつほど忘却が進んで復習の効果は薄れます。復習は、授業後、テスト前、テスト後の3段階が基本となりますが、最初の復習をやっておくと、成績向上に反映されやすく、勉強に好循環を引き出す起点になります。。

2.授業で起こったこととセットで記憶する。
 ズバリ言えば、「授業」でボンヤリしないことです。授業で、先生は子どもに興味をもたせようと工夫して話をしています。その説明や、他の子の反応なども含め、授業で生じたやりとりに耳を傾けることが大切です。「この解きかたは、授業中に先生がこんな事例を使って話してくれたものだ」「E君がユニークな発想を披露した問題だ」などのように、授業のエピソードと一緒に学習事項を脳にインプットすると、「覚え易く、取り出しやすい記憶」になります(出来事の記憶を「エピソード記憶」と言います。エピソード記憶は、記憶に残り易く、再現しやすいのが特色です。このエピソード記憶を意味記憶に絡ませるのが、テスト成績を上げるコツです)。授業をろく聞かず、後で暗記しようとするのは最も能率の悪い勉強です。

3.わからないことは無理に覚え込もうとしない。
 復習してもさっぱりわからないこともあるでしょう。そんなときには、基本的なところを優先してやり直し、難しい内容や問題には手をつけないことです。まして、テキストの問題を全部やろうとすると莫大な時間がかかり、しかもほとんど記憶に残りません。あげくに脳が疲弊・混乱してしまい、テストのときにわかっているはずのことまで思い出せなくなります。一生懸命考えて理解できるところまでやったら、それだけで十分な進歩が得られます。今の段階で難しすぎる課題には手をつけない勇気をもちましょう(やり直しの機会は必ずあります)。

4.あらかじめ決めた時間枠の中で最善を尽くす。
 よく働く頭の持ち主は、時間や労力に頼らない勉強をしています。ところが、やっているわりに勉強で成果のあがらない子どもの多くは、やたらと時間をかけ、その割にダラダラと実りのない取り組みをしているものです。また、親や周囲の大人も、「がんばっているかどうか」の尺度が勉強の時間や量だと思い込んでいます(その結果、夜遅くまで全部やり切ることを強要しがちです)。しかし、これでは頭はよくなりません。決めた時間枠の範囲で、自分の知力を総動員して取り組むほうが頭脳は鍛えられます。与えられた時間の中で、優先順位をつけて、必須のもの、基本的で重要なものを中心に効率的な勉強をする習慣をつけましょう。

5.「理屈を理解する→覚える」という順序を意識する。
 いくらテスト前の復習とは言え、テストでの得点だけを目当てにした丸覚えは望ましくありません。ほんとうの力にならず、すぐに忘れてしまいます。今やっている勉強は、当面のテストでよい成績をあげて励みを得るためにあるとともに、やがてやってくる入試本番に通用する学力を身につけるためにあります。4~5年生のうちは、基礎内容の習得が大きなテーマですから、単元の導入(テキストの「学習の要点」の部分)を精読すること、先生の説明を最後までしっかり聞くことを基本において、基本的な事柄の理屈を理解するような勉強を心がけましょう。それが後々生きてきます。

 

 どうでしょう。上記のような取り組みなら、テストの点数や順位のことはともかく、お子さんにとって苦痛にならないと思います。「授業をしっかりと聴く」「復習を無理のない範囲でする」ということを、当然のこととなるよう習慣づけましょう。

 小学生の勉強においては、「時間枠の中で集中して取り組む」「やれる範囲で努力する」ということを繰り返しながら頭の働きをよくしていくことが肝要です。勉強の態勢もできていないのに、強い負荷をかけると、勉強嫌い、吸収力の欠如といった問題が生じかねません。特に、勉強を「苦痛なもの」「嫌なもの」という観念が染みついてしまうと、せっかくの伸びしろを全部摘み取ってしまうことになりかねません。

 復習」が根づき、成績が安定してくると、子どもはより上達を求めるようになり、しだいに負荷のかかった勉強を自らに課してでもがんばろうとするようになります。そうなってやっと一人前の受験生になったのだと言えるでしょう。そこまでが大変ですが、いったん流れができると、大人に無理強いされてやる勉強とは次元の違う、ほんとうに頭のよい取り組みのできる学習者へと成長していけることでしょう。

 なお、「難しい問題は無理にやらなくてもよい」と言われても、できない問題をそのままにすることに不安を抱かれるかたも多いことでしょう。しかし、まずは基礎レベルの内容を定着させること、無理のない勉強で計画的な取り組みや能動性のある取り組みを実現することを優先したほうが、結局は本人の成長につながります。勉強に疲弊し、意欲や自信を失わせることは絶対に避けるべきです。

 それに、今できない問題はずっとほったらかしになるわけではありません。基礎力養成期が終わり、応用力養成期に入る6年部の5月からは、それまでに学んだ範囲をレベルアップさせながら何回もやり直していきます。具体的には、6年部前期(5月~7月)、6年部夏期(7~8月)6年部後期(9月~12月)、6年部冬期(12月~1月)と、何度も入試の範囲全般の点検ややり直しをしていくことになります。そのときにやる気や自信を失った状態では何をやっても効果は得られません。

 お子さんの現状を振り返り、基礎レベルの学力定着が十分でないようなら、足元から固めていく作戦をお勧めします。まずは「授業の受けかた」「復習の取り組み」から見直し、少しずつ状況を好転させていきましょう。


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私学2校を訪問してきました

2017 年 9 月 11 日 月曜日

 夏休み期間中に広島市内の私学2校を訪問してきました。訪問の目的は、弊社の主催するイベントにご協力いただくための打ち合わせでした。

 お会いしたのは校長や教頭、広報部長など、学校の要職に就いておられる先生がたでした。せっかくのチャンスでしたので、学校が実践しておられる教育の現状や、生徒さんがたが私学6年間でどのように成長しているのか、などについてもお聞かせいただければと思い、仕事の目的以外のこともいろいろお聞きしてみました。

 訪問先は広島学院とノートルダム清心です。ご存知かもしれませんが、弊社では毎年11月に私学の先生をお招きして、「私立一貫校の教育とはどのようなものか、そのよさはどこにあるのか」など、私学教育にまつわるテーマを掲げたイベントを実施しています。今年は「カトリック系私学の教育の特色やよさ」をメインテーマに掲げました。弊社の宣伝やアピールは控え、私立学校をよりよく理解したうえで受験を保護者にご検討いただこうという趣旨を軸に置いています。

 なぜ広島学院と清心の組み合わせかについては説明無用かもしれません。両校は、カトリックの教義に基づいて設立された私学であり、開校の目的も「戦後の広島の復興を教育によって支援する」という点で同じであり、ともに戦後まもなくに誕生しています。さらには、開校直後から進学校として卓越した実績をあげ、今日に至るまで「広島の男女私立一貫校随一の進学校」としての地位を不動のものにしている点でも似ています。

 つまり、両校は広島で私立の一貫校をめざす子どもたちにとって最難関の私学であり、入りたくてもなかなか入れない“あこがれ”の存在です。それゆえ、やや「縁遠い学校」とみられる向きもありますが、学校のよさをある程度知ったなら、「もしも行けるものなら、ぜひわが子を行かせたい」と思われるだけの魅力を携えたすばらしい私学です。11月に実施するイベントでは、そうした学校のもつ魅力を十分にお伝えしたいなと考えています。

 この2校を訪問して、とても印象に残ったことがあります。お会いした先生がたが全員30年以上もの長きにわたって広島学院や清心で教育に携わっておられるということです。しかも、11月のイベントでお話しくださる先生は、いずれもかつて広島学院と清心で6年間学ばれた生え抜きのOBです。

 このことはどんな意味をもつでしょうか。筆者がこのような立場・経歴の先生がたとの会話で感じたのは、たまたまこの学校で働くよう命じられたのではなく、「この学校で教師をしたい!」という強い意志をもって教師になられたからこその学校愛や生徒愛に満ち満ちておられるということです。いろいろな話題について語ってくださるそのご様子から、私学がどういう学びの場なのかを大いに感じとった次第です。こういう先生の教えを受けられること自体が、私学に進学することの重要なメリットであろうと思います。

 さて、少し早いかもしれませんが、11月に予定しているイベントの骨子についてご紹介しておきます。催しのタイトルは、「“生き抜く力”を育むカトリック系私学」(副題:思春期を飛翔の場にする教育環境がここに!)となって います。実施日時は、11月17日(金)10:30~12:00で、会場は広島ガーデンパレス(JR広島駅北口より徒歩約7~8分)です。対象者ですが、小学生の保護者ならどなたも参加いただけます。弊社の会員家庭かどうかも問いません。無料の催しですので、中学受験を視野に入れておられるかたの情報収集の場にしていただければ幸いです。

 では、イベントの構成を簡単にお伝えしましょう。

「“生き抜く力”を育むカトリック系私学」 構成

導入 ~広島学院とノートルダム清心の成り立ち~

 広島学院とノートルダム清心は、ともに第二次大戦後、焼土と化した広島の街の復興を教育によって支援しようという趣旨で設立されたカトリック系のミッションスクールです。まずは、話者としてお越しくださる先生から、両校に共通する成り立ちについて保護者にご説明いただきます。

第1部 学院・清心は、“夢”と“生きかた”を育む場

 広島学院とノートルダム清心は、完全6か年一貫教育の私学です。高校からの募集はありません。高校受験がないゆとりを生徒さんの内面の成長に活かしつつ、高いレベルの大学進学状況をどのようにして実現しておられるのでしょうか。第1部では、学力形成と人間的成長を両立しておられる2つの私学の教育実践の魅力を探っていきます。

1.私立6か年一貫校としてのわが校

 思春期前から青年前期までの6年間を、一つの理念に基づいた教育環境の下で過ごす。このことは、子どもの人間形成に多大な影響を及ぼします。そのことを踏まえ、私立6か年一貫教育の意義と、それを活かした自校の教育実践について両校の先生にお話しいただきます。特に思春期は親にとっても教師にとっても子どもへの対処が難しい時期です。しかし、だからこそこの時期の教育は大切なものです。両校の先生のお話を通じて、「私学教育の価値」を感じ取っていただければ幸いです。

2.進学校としての教育実践

 両校の生徒さんの大学進学状況、進路の傾向について簡単に解説します。県内でトップを行く進学校ですから、国・公立の大学、難関大学を漫然と志望するのではなく、学びたい学問、就きたい職業を視野に入れ、高いレベルで進学目標を達成している生徒さんが多数おられます。そうした進路選択の様子についてもお話しいただく予定です。

3.学院生・清心生の学校生活

 学院や清心の生徒さんが学校生活をどう受け止めているのか、どんな成長を遂げているのかなど、これからわが子を受験させる保護者の興味に沿った情報を提供するためのコーナーです。任意に選んだ中学生と高校生のクラスでアンケートを実施し、その結果を保護者にご紹介します。「人生の夢、将来の目標」「今の自分をどう思うか」「どんな点に学校のよさを感じるか」「ミッションスクールを感じる時って?」「学校で楽しい時間は?」など、様々な質問項目を通じて、両校の生徒さんの学校生活の実態をイメージしていただければ幸いです。

4.カトリックの教義に基づく心の教育

 広島学院とノートルダム清心は、いずれもカトリックの教義に基づいて設立された私立学校です。そこで、カトリック系の私学ならではの教育実践についてご説明いただきます。特に今回は、「ILプログラム(広島学院)、MJプログラム(清心)に話題を絞り、可能なかぎり詳しくご説明いただきます。愛情深い手作りの教育が、生徒さんの内面にどのような変化や成長をもたらすかを、ともに考えていただきます。

第2部 私学に通う6年間を大いなる成長の場にするために

 学校について知りたいこと、教えてほしいことがあっても、学校主催の説明会では気後れして質問しにくいものです。

 例えば、勉強に行き詰った生徒はどうなるのか、何らかのバック・アップをしてもらえるのか、などは多くの保護者が「聞いておきたい」と思われるのではないでしょうか。そのいっぽう、親としては、「わが子が勉学で躓くことなく、充実した学校生活を送ってほしい」と強く願っておられます。トップ進学校での学習生活を有意義なものにし、さらに学力を飛躍させている生徒さんにはどのような特徴があるのでしょうか。また、そういう生徒になるために、今からどんなことを心がけたらよいのでしょうか。そういったことも大変重要であり、保護者にとって知りたいことだと思います。

 第2部では、このような親の関心事を取りあげ、質問への応答というかたちで先生がたにお話しいただくことにしました。

 以上が本イベントのおおよその構成・内容です。弊社は中学受験専門の進学塾です。前途ある小学生をお預かりするわけですから、受験の結果だけに目を向けるのではなく、お子さんの将来の飛躍につながる受験生活の実現を応援することが使命であると考えています。今回の催しも、そうした視点に基づいて企画しています。 

 ご協力いただく広島学院とノートルダム清心の先生も、お子さんがたが中学・高校の6年間で大いなる成長を果たすことを心から願っておられます。また、そうなるための秘訣も心得ておられます。私学で長く教鞭をとっておられる先生がたのお話は、受験生活のスタートにあたって多くの示唆を与えてくれることと思います。興味をおもちになったら、ぜひお気軽にお越しください。

 なお、イベントの詳細については、10月末から11月上旬にかけてHPやチラシなどでご案内いたします。どうぞよろしくお願い申し上げます。


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子どもの奮起を促すフォローを!

2017 年 9 月 4 日 月曜日

 後期の講座が始まり、いつも通りの「塾の授業+家庭学習+マナビーテスト」のサイクルによる学習生活が始まりました。

 子どもの勉強の様子を見ていると、秋は最も勉強に身が入り、成果が目に見えて出てくる季節です。今から暑苦しさが徐々に弱まり、しのぎやすくなってきます。それから何をするにも最適の気候が続き、やがて肌寒さを感じる晩秋に至るまでの期間は、およそ3~4カ月ほど。これだけ勉強にふさわしいコンディションが続くわけですから、大いに学力の飛躍を実現したいところですね。

 ただし、心身ともに未完成な小学生と、大人に近づきつつある中学・高校生とでは、受験に臨む意識や取り組みに大きな隔たりがあります。年齢ゆえ、当然のことながら体力や集中力も未発達です。ですから、子どもを見守る親の大半はもどかしい思いや苛立ちを余儀なくさせられることになります。

 このような心もとない状態から、少しずつの進歩や変化を引き出し、いかにして子どもの成長にダメージを及ぼさないで合格に漕ぎつけるか。それが、大人に求められる視点であり、そこが中学受験の成否を分けるポイントだと言えるでしょう。

 もう少し具体的に言えば、子ども自身の勉強に向かう主体性を尊重しつつ、受験勉強のメニューや時間、取り組みかたに問題が生じないよう側面から適切に配慮することが、私たち大人に課せられた大きな使命だと思います。しかしながら、みなさんご存知のように、何が適切か不適切かの判断は子どもたち個々によって少しずつ違いますし、その判断は大人にとっても難しいものです。さらには、親にとってわが子のことだからこそこみあげてくる感情をコントロールしなければならないという問題があります。

 この親の関わりかたの難しさを感じるのは、何も受験勉強だけではありません。親がわが子に何か取り組ませるとき、どうしても冷静さを欠いてしまったり、感情が先走って子どもの進歩にとって逆効果を招くような言動に及んだりしがちです。

 あるとき、テニスの雑誌(テニスは筆者の趣味のひとつです)を読んでいるとき、気になる著述がありました。それは、ジュニア育成で有名なテニススクールのコーチが書いておられたものです。私の目に留まったのは、「子どもがかわいそうになるとき」というタイトルで書かれたコラム記事でした。内容は、テニススクールにわが子を通わせている保護者の言動で、「これでは子どもがかわいそうだ」と思わざるをえないことがらについて書かれたものでした。ちょっとご紹介してみましょう(一部割愛しています)。

① 子どもをもっと褒めてほしい(怒る親が多すぎる)
② 試合内容を勝敗だけで、感情論的に評価しないでほしい。
③ 勝ったら褒めて、負けたら怒るはNG。特に低年齢には勝敗よりも楽し
  かったか、日頃のプレーができたかを聞いてほしい。

④ 家族内で意見が食い違い過ぎて、結果子どもが犠牲になっている。
⑤ 試合後のネガティブなダメ出し。
⑥ 試合に負けるとすぐに「テニスをやめさせる」とか言う。
⑦ 負けた試合の帰り、車中が地獄(後日、子ども談)
⑧ 子どもに、お金がないとしょっちゅう言っている。
⑨ 親に信念がないせいか、スクールを転々とし、子どもはその度に違うこ
  とを言われ、混乱してしまい、一番の犠牲者になっている。

⑩ 親がテニスのアドバイスをして、それを実行しないと試合後メチャク
  チャ怒られる。

 どうでしょう。シチュエーションをテニス教室から弊社のような進学塾での勉強に置き換えても、当てはまることがたくさんあるように思います。テニス教室であれ、学習塾であれ、わが子に対する愛情や期待があるからこそ、通わせているのは間違いありません。ですが、親の思惑通りに上達しないとき、どうしてこんなふうに支配的に感情的に振る舞ってしまうのでしょうね。

 ①~③について。子どもの奮起を引き出す最も有効な方法は、子どもの努力を見逃さずにほめることです。結果にかかわらず親にほめてもらえることは、子どもにとってこの上なく幸せなことであり、がんばりのエネルギーとなります。しかるに、「①どんなにがんばっても親がほめてくれない」、「②③一生懸命やっていたのに、成績が悪いと親に感情剥き出しで怒られる」といったように、結果第一主義で子どもに接し、結果が伴わないと感情に任せて叱ったしまう保護者が相当数おられるようです。

 ④について。例えば、取り組みに関する考えかたが夫婦それぞれに違い、足並みがそろっていないと、子どもはどうしてよいかわからなくなりがちです。テニスではプレーが混乱しますし、受験勉強においても、どう取り組んでよいか子どもはまごつきます。

 ⑤~⑦について。子どもをけなしたり、揺さぶったりしてがんばらせようという意図でしょうが、「わが子のふがいなさに対する怒り」が強過ぎるのが気になります。子どものやる気をスポイルしてしまうだけでなく、親への反感や不信の気持ちをもたせてしまうのではないでしょうか。そうなると、テニスをやらせたことも受験をめざすよう促したことも、無意味になってしまいます。

 ⑧について。弊社の会員児童に「親に言われて嫌に思うことは何か」についてアンケートを取ったとき、「塾にお金がかかっていると言われること」というのが結構あったことを思い出します。「こんな成績じゃ、お金がもったいないから塾なんてやめなさい」と言われたお子さんもいるようです。無論、親としてはつい子どもの現状に業を煮やして出た言葉なのでしょうが、お金のことをもちだされてやる気が高まる子どもはいませんし、むしろ親への尊敬の気持ちが台無しになるおそれがあります。

 ⑨⑩について。どちらも、指導担当者を信用せず、親が口を出している点が気になります。⑨については、成果が得られない根本の原因を把握することが先決でしょう。⑩については、「親の言うとおりにしなければ叱られる」という状況では、アドバイスが適切であるかどうか以前に、子どもは実力発揮どころではなくなってしまいます。

 思い通りにならないわが子を見ると、親はなぜか感情の勝った対応をしてしまいます。溢れるほどの愛情や期待があるからこそ、わが子の現実を受け入れられなくなってしまうのでしょう。筆者は、保護者にお話しする機会があると、「受験の見守りと応援は、親にとっては我慢と、忍耐と、辛抱の連続です。最後までわが子への期待をあきらめずに愛情深くサポートしてあげてください。それが子どもの心をいつか奮い立たせるときがやってきます。そのときが来るのを信じましょう。決して親が先にあきらめてはいけません」と申し上げています。

 どんな状況でも自分を信じ、最後まで応援してくれる存在。子どもにとって、それは親や家族しかありません。思い通りにならないときは、一緒に悔しがり、「どうしてうまくいかなかったのかな?」と優しく問いかけてやりましょう。そんな親の姿勢が子どもを動かさないはずがありません。きっとお子さんは、「親の期待通りの人間になりたい」と心から思い、やる気を少しずつ行動に転化させていくことでしょう。


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