平均+αの成績をあげるための作戦

2017 年 9 月 19 日

 弊社では、2週間を一括りにした単元構成のもと、2週目の週末には互いの学習成果を競い合うテスト(弊社では、「マナビーテスト」と呼んでいます)を実施しています。今回は、このテストで成果をあげるための重要ポイントを話題に取り上げてみました。

 早速ですが、受験勉強をしているお子さんの保護者に一つ質問をさせていただこうと思います。あなたのお子さんは、次の二つのうち、どちらの傾向が強いでしょうか。

 なかには、「C.成績がよくても悪くても、常に一生懸命がんばる」あるいは、「D. 成績に関係なく、常にやる気がない」といったようなお子さんもおられるかもしれませんね。おたくのお子さんがCのようなタイプなら、すばらしいですね。まさに理想的な取り組みをされています。いっぽう、Dのような状態になると、この状態から巻き返すのは簡単ではありません。少なくとも、周囲のサポートが相当必要になってきます。今すぐにでも対処する必要があるでしょう。

 アメリカの心理学者の文献によると、日本人、および東アジア諸国の子どもはBのタイプが多いそうです。いっぽう、Aのタイプは欧米の子どもに多いとされています。前述の文献の著者は、「日本やアジア諸国の子どもがアメリカの子どもよりも総じて学力優秀なのは、結果が伴わないときこそ反省してがんばろうとする姿勢が強いからだ」というようなことを述べておられました。

 またこのような気質が根づいているのは、「能力は遺伝で継承されるもの」と決めつけるのではなく、「努力を継続すれば、自分の能力は高められるものだ」という考えがアジア人に浸透しているからだと指摘しておられました。日本の子どもにBのタイプが多いのは、このような考えが背景にあるからでしょう。

 さて、これからが今回の本題です。親なら、大概わが子には、「成績がよくても悪くても熱心な取り組み姿勢を失わない、Cのようなタイプ」に成長してほしいと願っておられることでしょう。そういう成長の流れを築くうえで、よい方法なないものでしょうか。。まずもって言えるのは、「復習」を上手にできるようになることだと思います。復習は、状況をよい方向に変えるうえで最善の方法のひとつであり、成績に振り回されることなく前向きに勉強する人間になるための王道だからです。

 弊社の会員生で、復習をしないお子さんはごく少数です(ほとんどおられないと思います)。それなのに、成績が千差万別なのはなぜでしょうか。その理由のひとつも「復習」のやりかたにあるのではないかと思います。効果的な復習のやりかたが身についていないと、「勉強の空回り」の状態が続くだけでなく、成績が伴わないために「学習意欲の減退」「自信喪失」という問題も生じかねません。

 今、わが子の成績が思わしくないかた、「何とかして、せめて平均点はとれるようになってほしい」と願っている保護者のために、簡単ではありますが、成果につながる復習のポイントについて書いてみようと思います。復習の効果を理解し、勉強に前向きさが出てきたら、授業を活かす姿勢の向上にも波及していきます。わが子に適用できると思われたなら、ぜひお子さんにアドバイスをしてあげてください。

≪ マナビーテストで平均点を確保するための復習 ≫

1.「授業」を受けた日に「復習」をする習慣をつける
 塾の授業日には、帰宅後の勉強時間が限られます。しかし、そこを工夫して15分、20分でもよいからその日のうちに復習しましょう。学習で知識として残る記憶は、主に「意味記憶」と呼ばれるものです。この記憶の特徴は、「入りにくく、出しにくい(記憶に残りにくく、テストで思い出せない)」ということです。ですから、授業を受けても、まだあやふやなままの知識や考えかたは、忘れないうちに「復習」して定着させましょう。学んだ内容を早めに繰り返し脳にインプットすると、それだけ記憶に残り易くなります。授業から時間がたつほど忘却が進んで復習の効果は薄れます。復習は、授業後、テスト前、テスト後の3段階が基本となりますが、最初の復習をやっておくと、成績向上に反映されやすく、勉強に好循環を引き出す起点になります。。

2.授業で起こったこととセットで記憶する。
 ズバリ言えば、「授業」でボンヤリしないことです。授業で、先生は子どもに興味をもたせようと工夫して話をしています。その説明や、他の子の反応なども含め、授業で生じたやりとりに耳を傾けることが大切です。「この解きかたは、授業中に先生がこんな事例を使って話してくれたものだ」「E君がユニークな発想を披露した問題だ」などのように、授業のエピソードと一緒に学習事項を脳にインプットすると、「覚え易く、取り出しやすい記憶」になります(出来事の記憶を「エピソード記憶」と言います。エピソード記憶は、記憶に残り易く、再現しやすいのが特色です。このエピソード記憶を意味記憶に絡ませるのが、テスト成績を上げるコツです)。授業をろく聞かず、後で暗記しようとするのは最も能率の悪い勉強です。

3.わからないことは無理に覚え込もうとしない。
 復習してもさっぱりわからないこともあるでしょう。そんなときには、基本的なところを優先してやり直し、難しい内容や問題には手をつけないことです。まして、テキストの問題を全部やろうとすると莫大な時間がかかり、しかもほとんど記憶に残りません。あげくに脳が疲弊・混乱してしまい、テストのときにわかっているはずのことまで思い出せなくなります。一生懸命考えて理解できるところまでやったら、それだけで十分な進歩が得られます。今の段階で難しすぎる課題には手をつけない勇気をもちましょう(やり直しの機会は必ずあります)。

4.あらかじめ決めた時間枠の中で最善を尽くす。
 よく働く頭の持ち主は、時間や労力に頼らない勉強をしています。ところが、やっているわりに勉強で成果のあがらない子どもの多くは、やたらと時間をかけ、その割にダラダラと実りのない取り組みをしているものです。また、親や周囲の大人も、「がんばっているかどうか」の尺度が勉強の時間や量だと思い込んでいます(その結果、夜遅くまで全部やり切ることを強要しがちです)。しかし、これでは頭はよくなりません。決めた時間枠の範囲で、自分の知力を総動員して取り組むほうが頭脳は鍛えられます。与えられた時間の中で、優先順位をつけて、必須のもの、基本的で重要なものを中心に効率的な勉強をする習慣をつけましょう。

5.「理屈を理解する→覚える」という順序を意識する。
 いくらテスト前の復習とは言え、テストでの得点だけを目当てにした丸覚えは望ましくありません。ほんとうの力にならず、すぐに忘れてしまいます。今やっている勉強は、当面のテストでよい成績をあげて励みを得るためにあるとともに、やがてやってくる入試本番に通用する学力を身につけるためにあります。4~5年生のうちは、基礎内容の習得が大きなテーマですから、単元の導入(テキストの「学習の要点」の部分)を精読すること、先生の説明を最後までしっかり聞くことを基本において、基本的な事柄の理屈を理解するような勉強を心がけましょう。それが後々生きてきます。

 

 どうでしょう。上記のような取り組みなら、テストの点数や順位のことはともかく、お子さんにとって苦痛にならないと思います。「授業をしっかりと聴く」「復習を無理のない範囲でする」ということを、当然のこととなるよう習慣づけましょう。

 小学生の勉強においては、「時間枠の中で集中して取り組む」「やれる範囲で努力する」ということを繰り返しながら頭の働きをよくしていくことが肝要です。勉強の態勢もできていないのに、強い負荷をかけると、勉強嫌い、吸収力の欠如といった問題が生じかねません。特に、勉強を「苦痛なもの」「嫌なもの」という観念が染みついてしまうと、せっかくの伸びしろを全部摘み取ってしまうことになりかねません。

 復習」が根づき、成績が安定してくると、子どもはより上達を求めるようになり、しだいに負荷のかかった勉強を自らに課してでもがんばろうとするようになります。そうなってやっと一人前の受験生になったのだと言えるでしょう。そこまでが大変ですが、いったん流れができると、大人に無理強いされてやる勉強とは次元の違う、ほんとうに頭のよい取り組みのできる学習者へと成長していけることでしょう。

 なお、「難しい問題は無理にやらなくてもよい」と言われても、できない問題をそのままにすることに不安を抱かれるかたも多いことでしょう。しかし、まずは基礎レベルの内容を定着させること、無理のない勉強で計画的な取り組みや能動性のある取り組みを実現することを優先したほうが、結局は本人の成長につながります。勉強に疲弊し、意欲や自信を失わせることは絶対に避けるべきです。

 それに、今できない問題はずっとほったらかしになるわけではありません。基礎力養成期が終わり、応用力養成期に入る6年部の5月からは、それまでに学んだ範囲をレベルアップさせながら何回もやり直していきます。具体的には、6年部前期(5月~7月)、6年部夏期(7~8月)6年部後期(9月~12月)、6年部冬期(12月~1月)と、何度も入試の範囲全般の点検ややり直しをしていくことになります。そのときにやる気や自信を失った状態では何をやっても効果は得られません。

 お子さんの現状を振り返り、基礎レベルの学力定着が十分でないようなら、足元から固めていく作戦をお勧めします。まずは「授業の受けかた」「復習の取り組み」から見直し、少しずつ状況を好転させていきましょう。


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