2017 年 10 月 2 日 のアーカイブ

適正な“睡眠”が学習と生活のリズムをつくる!

2017 年 10 月 2 日 月曜日

 すっかり秋らしい凌ぎやすい気候になりましたね。秋は何をするにも適した季節です。お子さんがたには、勉強に、スポーツに、文化的活動に、大いにがんばっていただきたいですね。

 ところで、みなさんのお子さんは、毎日だいたい何時ごろ就寝されていますか? また、睡眠時間は何時間ぐらい確保されているでしょうか? ご存知かと思いますが、心身共に完成の域に達している大人と、発達途上の子どもとでは必要な睡眠時間が異なりますし、睡眠の役割自体にも違った側面があります。とりあえず、年齢ごとの適正な睡眠時間がどれぐらいなのかを資料で確認してみましょう。

 これを見ると、11歳の小学生の適正睡眠時間は9時間半となっています。想像されていた時間よりも長いのではないでしょうか。

 近年は、子どもの就寝時刻が遅くなってきており、まして受験勉強のあるお子さんなら、かなり遅くまで起きておられるでしょう。就寝時刻が遅くても、学校の始まる時間は変わりません。ですから、中学受験生の睡眠時間がこの目安よりも短くなるのは当然のことです。

 お子さんの現在の睡眠時間と、このグラフで示されている適正睡眠時間とを比べてみてください。適正な睡眠時間は人によって少しずつ違います。ですから、基準より少なくても問題ないお子さんもおられるでしょう。お子さんにとって睡眠時間が十分かどうかは、起床時の寝起きの状態や、日中のコンディションで判断できます。学校で眠気に襲われたり体がだるく感じられたりしているなら、睡眠不足がかなり慢性化している証拠ですから、睡眠時間の確保に向けて修正が必要です。

 というのも、必要な睡眠時間に対して足りない分は、日に日に加算されて体調に影響を及ぼします。こういう現象を“睡眠負債”と言います。睡眠負債が一定の水準を超えると、脳や体の働きに影響を及ぼし始めます。寝だめは利かないけれども、睡眠不足のつけはどんどん加算され、体調や日々の活動に大きな影響を及ぼすことを念頭に置き、お子さんの睡眠にも心配りをお願いします。

 寝だめが利かないのと同様に、1日あたりの睡眠時間も長ければ長いほどよいわけではありません。以前、広島県の教育委員会が「睡眠時間と学力の関係」について調査した結果をご紹介しましたが、もう一度確認してみましょう。

 調査対象は小学5年生(10~11歳)です。これをご覧になるとおわかりのように、算数も国語もいちばん成績がよいのは、睡眠時間が「8時間以上9時間未満」の子どもたちです。成績が突出して悪いのは、睡眠時間が「5時間未満」の子どもたちです。逆に充分睡眠が足りている「10時間以上」の子どもたちの成績も、いちばん成績のよい「8時間以上9時間未満」の子どもたちと比べるとよくありません。

 その理由ですが、特に専門家の見解を述べた記述が見つからないので私見を述べさせていただくと、「必要な時間を超える睡眠をとると、却って寝起きがすっきりとせず、脳の覚醒状態への切り替えスイッチが利かなくなるのかもしれません。前出の適正睡眠時間と比較してやや睡眠が足りないと思われる「8時間以上9時間未満」の睡眠時間をとっている子どもたちの成績がいちばんよいのは、軽微な不足状態のほうが熟睡につながり、朝のスッキリとした寝覚めを引き出していると考えることもできるでしょう。

 なお、早く寝床に着くときもあれば、真夜中まで起きている日があるなど、就寝時刻が不規則なお子さんは、寝ようとする時間になっても体温が下がらず、なかなか寝つけないために睡眠不足になりがちだそうです。さらには寝る直前にゲームやテレビなど、光による刺激を浴びると脳が興奮状態になって寝つきが悪くなり、その結果睡眠不足になるおそれがあります。

 また、弊社の教室に通って受験勉強をしているお子さんのように、曜日によって帰宅時間が遅くなる場合も、就寝時刻が不規則になりがちです。塾の前に学校の復習を済ませ、塾からの帰宅後の勉強は復習を軽く済ませるだけにするなど、就寝時刻の曜日による段差をできるだけ少なくするような配慮も必要でしょう。

 前述のように、睡眠が適正かどうかはお子さんによって少しずつ違います。今回お伝えした原則的な事柄を基準にしつつ、お子さんが気持ちよく眠り、気持ちよい学習や生活をされているかどうかも併せて振り返ってみてください。

 弊社の会員のご家庭のように、受験を控えたお子さんをおもちの保護者は、とかく「何をどれだけやったか」という学習面に気持ちが傾きがちですが、効率のよい学習を実現するうえで睡眠は重要な役割を果たしています。さらには、睡眠中に学んだ情報が記憶へと加工されています。睡眠の状態がどれほど子どもたちの頭脳の成長に大きな役割を引き受けているのかを念頭に置き、お子さんの年齢や体質などに合った睡眠の習慣が根づくようご配慮をお願いいたします。


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