2017 年 12 月 4 日 のアーカイブ

第5回「広島県中学入試模擬試験」が終了しました

2017 年 12 月 4 日 月曜日

 昨日、弊社主催の模擬試験が、修道中学校と広島女学院中学校を会場にして行われました。今回の模擬試験は最終回で、いよいよ受験生の子どもたちは実戦モードへ突入していくことになります。毎年会場を提供してくださっている修道学園さんと広島女学院さんには、心より厚く御礼申し上げる次第です。

 例年もそうですが、5回目の模試は最終回であること、実際の入試会場となる私学で行われることもあり、いちばん参加者が多いのが特徴です。今年は男子700名以上、女子600名弱の参加がありました。この数は昨年とだいたい同じぐらいであり、これをもとに入試本番を予測すると、来年の入試における主要校の受験応募者数は、昨年比で横ばい前後になるのではないかと予想しています。

 参加された受験生の保護者で、このブログを読んでくださっているかたもおありでしょう。手応えはいかがだったでしょうか。毎年同じようなことを申し上げますが、実際の受験会場と同じところで試験を受けると、本番と変わらないぐらい心臓がパクパクするような状況に追いやられるお子さんがいます。 

 初めての強い緊張に襲われ、「わけが分からなくなって大失敗をしてしまった」と、気持ちのしおれているお子さんはおられませんか? もしもおられたら、おとうさんおかあさんには「よかったね、練習で。模擬試験は本番で失敗しないための経験をするためにもあるんだよ」と、励ましてあげてください。実際、その通りなのですから。

 模試の終了後はすぐさま採点をしました。それから、データ分析をししたうえで近日中に受験生家庭に答案と各種資料をお届けします。もうしばらくお待ちください。

 模擬試験の結果で最も気になるものの一つが、「合格可能性の判定」であろうと思います。合格の可能性について高い判定が出ると、もう受かったかのように浮かれるお子さん(特に男子)もおられますが、実際に受かることを保障するものではありません。逆に、合格の可能性が50%未満、特に20~30%以下と出たら、「もう入試合格は絶望的になった」と、元気を失うお子さんもおられるかもしれません。しかしながら、この判定はあくまで過去の統計的なデータに基づいて引き出したものであり、たくさんの例外も伴っていることを忘れないでください。

 なかには、「低い可能性のデータを打ち負かすべく、挑戦してやろう!」と、開き直ってがんばった結果、低い可能性の判定を覆して見事合格したお子さんもいます。どんなデータが出ようが、模擬試験は所詮練習に過ぎません。そのことを忘れず、本番で最高のパフォーマンスを発揮するためのよき踏み台にしていただくことが、私たちの願いです。

 模擬試験をはじめ、様々なテストを受けたとき、学力の増強にとって最も貴重な資料となるのは返却されたあとの答案です。返された答案を一問ずつ点検しましょう。教科ごとに、自分の力をちゃんと出せた問題、全然わからなくて落とした問題、不注意などのミスで落とした問題など、丁寧に洗っていけば、より正確なお子さんの現状が掌握できるものです。

 不注意やミスのせいで落とした問題の数・点数は、ものすごく多いのが普通です。それが12歳前後の小学生の現実なのです。そのことを踏まえ、本番で取れる問題を確実に取っていき、できない問題まで焦って余計な時間を費やさないようにすることを頭においてほしいですね。お子さんには、「冷静に、落ち着いて」を合言葉に、無駄な失敗を極力減らすことが合格への道につながるのだとアドバイスしてあげてください。

 実際、有力私学の先生が、「同じ条件で同じ問題にもう一度取り組ませたら、子どもたち個々の成績や順位はまったく変わります」とおっしゃっていました。事実、弊社のマナビーテストにおいても、1番をとったお子さんが後に受けたテストで100番以下の成績を取っていたのを見たことがあります。小学生の受験は、まさにミスとの闘いなのです。自分のうっかり癖に歯止めをかけ、いかに通常の力を発揮するかが、入試におけるほんとうの挑戦だといっても過言ではありません。

 とは言え、まだまだ仕上げ学習の途上にある科目や単元もあることでしょう。基礎的な問題ができていない場合、弊社の会員児童なら、理科や社会科は「アタック」と呼ばれる一問一答式のチェック問題集を一通りやり直し、その後は思い出すのに手間取った問題、できなかった問題を二度三度くり返しやり直しておきましょう。今よりも二問三問分巻き返せば、それだけで入試での順位は随分上がるのは間違いありません。1点の差に、10人20人以上ひしめいているのが入試なのです。

 なお、受験生本人も、保護者も、ついつい忘れてしまいがちですが、入試は満点を取れるかどうかを試すテストではありません。制限時間の中で一定の正解を引き出せるかどうかを試し、上位者から合格者を決めていくテストです。その基準としては6割前後(トップ私学の広島学院でもそれぐらいです)とれれば基準を満たすのだということを忘れないでください。落ち着いて、できる問題をしっかり得点し、平均で6割ぐらい正解を得ればいいのですから、冷静さの度合いが勝負の分かれ目です。

 なお、自己チェックの姿勢がまだ十分に育っていないお子さんや、チェック自体が甘いお子さんもおられるかもしれません。その場合、保護者が一緒に返却された答案を見直し、前述のような点検をしてみることをお勧めします。ただし、もはや本番は迫りつつあります。つまらないミスがたくさん見つかっても、決してお子さんを怒鳴ったりしないでください。それよりも、「これだけのミスをなくしたら、すごいことになるよ!」と、プラス思考で励ましていただきたいですね。

 泣いても笑っても、あとひと月余りで入試本番がやってきます。ここから大切なのは、コンディション調整と、気力の充実、やるべきことを絞り込んで無駄のない対策をやっておくことに尽きるでしょう。欲張らず、焦らず、落ち着いて、効率のよい仕上げ学習の実現に向けてがんばるよう促してあげてください。みなさんのお子さんにとって悔いの残らぬ入試となりますように。

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カテゴリー: アドバイス, 中学受験