受験生活のスタートに向けて ~親の視点を明確に~

2017 年 12 月 25 日

 今年も残り少なくなりましたね。冬休みに入り、早速弊社においても「冬期講座」が始まりました。年が明けるとまもなく受験シーズンに突入しますが、学習塾にとっては次の年度の開講に向けた会員募集の最盛期を迎えます。今、塾選びを検討されているご家庭、弊社への通学を検討くださっているご家庭もおありでしょう。

 そこで、今回は「わが子の受験生活、受験勉強をどのような視点で親が見守り応援すべきか」について、保護者にお考えいただく機会になればと思い、そうした切り口から弊社の考えをお伝えしてまいります。

 受験は文字通り、「希望する学校に入学する資格を得るために試験を受ける」ということです。しかしながら、中学受験の場合は人間として完成の域には程遠い12歳の子どもが受験生ですから、どんな受験生活や受験勉強を経験するかが受験の結果はもとより、その後の子どもの知的成長や人生の歩みにも少なからぬ影響を及ぼします。したがって、望み通りの入試結果を得ることだけでなく、さらに先を視野に入れた受験のありかたを保護者がお考えになり、親の方針にフィットする学習塾を選択されることが肝要だと思います。合格を引き換えに失うものが大きくなる危険性は避けたいものです。

 まず、わが子の受験勉強開始にあたっては、「学力は生まれつきの資質に大きく作用される」という考えは望ましくありません。こういう考えに基づいてわが子の勉強を見守ると、運悪く勉強の成果が得られなくなったときに負の連鎖に向かいがちです。

 4年生までの子どもは、「がんばれば、成績は上がるものだ」と教えられると、素直にその言葉を信じてがんばろうとします。しかしながら、どの子どもも同じようにがんばっているわけですから、必ずしもよい成績がとれるとは限りません。元気の萎(しお)れるような成績を取ることだってあります。そこで、だんだんと、「自分は頭がよくないのかもしれない」という疑念に苛まれることも生じてきます。そんなとき、「もっとがんばれないのか」→「なんでこんな成績を取るんだ!」→「おまえには能力がないんだ」などと親や周囲の大人からネガティブな対応を受けると、余計に子どもは自分の能力に対して懐疑的になってしまいます。そうして、5年生の頃なると、「どうせやっても無駄です。ぼくは頭が悪いから」というような子どもも出てくることになります。

「がんばったなら、がんばった分だけ成長できるのだ」という信念を親はもつべきです。そして、その思いを強く子どもに伝え続けるべきです。成績が下がったなら、「必ず原因があるはず。点検してみよう」と子どもと一緒に振り返り、逃げないで努力を続けるよう励まし続けるべきでしょう。

 実際、筆者は多くの受験生家庭を見てきましたが、親をはるかに凌駕するほどの学力の持ち主になったお子さんは数えきれないほどいます。親が適切な学習環境をわが子に与え、わが子の努力を上手に引き出すような見守りや応援をすれば、子どもはいくらでも高い知力を獲得できるのです。物事をよいほうへと向かわせるには、このような考えを貫くことが重要ではないでしょうか。

 これに符合する話をちょっとご紹介しましょう。以下は、国立遺伝学研究所の所長を務めておられた先生のおっしゃった話です。

いろいろなところで講演をすると、そのあとで、「私の頭の悪いのは治らないのでしょうか」というような妙な電話のかかってくることがよくあるんですよ。そういうときは、「遺伝子が決めている以上のことはできません」と言います。たとえば、サルの真似をして、木から木へ跳び移ることはできないでしょうし、サルに言語を教えても、人間のように言語を操って思考して何かをするところまではできません。やはり、遺伝子で決めている範囲を逸脱することはできない。それは厳然たる真理だと思います。

 ただし、遺伝子が決めている範囲をすべて使っているかというと、実はほとんど使っていないと思うんですよ。僕だって、もし優れた指導者に出会えば、全然違う才能を発揮して、俳句のお師匠さんか何かになっていたかもしれません。そういう才能を発揮するような環境にいなければ、その才能があることも知らずに死んでいくわけです。( 中略 )

  自分が遺伝的にもらった才能というのは、自分が思っているよりはるかに広い。それを開拓するのが、学習するということです。たとえば、勉強するとか、体験するとか、教育を受けるとかすることなのです。だから、遺伝子で決まっている範囲を超えられないからといって、悲観する必要は全然ない。

 それでも食い下がる人には、「あなたは今までに、せっかく与えられた自分の才能の1パーセントしか使っていない。もう1パーセント使ってごらんなさい。あなたの才能は2倍になります」と言います。すると、皆安心して電話を切ります。これは冗談みたいですが、真実に近いと思います。

 どうでしょう。人間は自らに備わった能力のうち、ひとかけら程度しか生かせていません。もしも努力を怠らなければ、1%を2%ぐらいにはできるはず。そういう信念でおとうさんおかあさん自身も前向きに生き、そしてお子さんにもそういった考えで接し、努力を奨励しながら応援すべきでしょう。

 弊社の「受験体験記GET」に、「努力はきみを裏切らない」というフレーズを合言葉にしてがんばったお子さんの手記が載っていたことがありますが、その言葉は全ての受験生に当てはまるものだと思います。このような考えで勉強に取り組めば、自らの可能性を自ら開発していける人間に育つことは間違いありません。

 すでに何度もお伝えしましたが、中学受験での結果は子どもの全能力を判定するものではありません。中学受験はどちらかというと早熟タイプのお子さんが有利です。しかし、受験生のなかには奥手でゆっくりと成長するタイプのお子さんも多数います。大切なのは、目先の受験結果を得ることに心を奪われ、子どもに過重な肉体的精神的な負荷を課さないことです。子どもの心身の健全な成長という視点から見守り、その時点でできる最大限の努力を引き出すようなバックアップをお願いする次第です。

 くれぐれも気をつけたいのは、親がつねに先回りをして考え、一貫性のない指示をしては失敗を繰り返すことです。これではお子さんの将来の大成に向けた可能性の芽を摘んでしまいかねません。また、親への尊敬の気持ちや信頼を損なってしまう恐れもあります。温かく、我慢強く、泰然自若としてお子さんを見守り応援してあげてください。もしもそれが徹底できれば、お子さんの受験はマイナスに作用することはありません。

 弊社は、このような考えかたに同調してくださる保護者と連携し、子どもたちの将来の大成を視野に入れた学習指導を実践してまいります。お子さんが年齢を重ねるほどに自らの器を大きくしていく、そんな流れを想定し、ともにお子さんの成長を促してまいりたいと存じます。

 2018年度の講座は2月に開講(4年部は3月)いたします。保護者のお考えと一致するようなら、弊社への入会をぜひご検討ください。よろしくお願い申し上げます。


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