できる子は“切り替え”が上手!?

2018 年 4 月 2 日

 4月に入り、入学式や新学期が目前に迫ってきました。このところ弊社の教室には、大学受験を終えて進路の決まった生徒さんたちが、次々に報告がてら遊びに来てくださっています。

 みなさん立派な大学に合格されていて驚くことしきりですが、中学受験生のころの取り組みや性格的特性は中学高校生になっても変わらないようで、大学進学にも少なからず影響しています。小学生時代に望ましい学習姿勢を築いておくことの重要性を改めて痛感する次第です。

 さて、今回は学習成果をあげるうえで重要なポイントの一つである、生活や行動の“切り替え”を話題に取りあげてみました。お子さんの学習生活における問題点として、必ず保護者から相談を受けるのが、この“切り替え”です。どういうことかというと、「勉強を始める時間になったのに、いつまでもぐずぐずしている」「ゲームに夢中になると時間を忘れてしまい、勉強がおざなりになってしまう」などの問題が多くのご家庭で生じており、親をイライラさせているようです。

 弊社の教室に通う子どもたちの日常を振り返ってみると、だいたい下図で示したような領域で行動の切り替えが必要になってきます。

 これは人間の常ですが、楽しいことには「ずっとやっていたい」という気持ちが強く働き、辛抱の伴うことや辛いことには「できるだけ避けたい」という心理が働きます。両者のバランスを上手にとることが求められるわけですね。

 小学生と言えば、こうした行動の節度を体得していく時期です。本来なら、日常生活で試行錯誤しながら少しずつ身につけていけばよいのですが、目の前に中学受験が控えているお子さんの家庭ではノンビリしていられない切実な問題になりがちです。

 特に多いのが、前述のような「遊びや楽しみ」と「受験勉強」との切り替えがうまくいかないケースでしょうか。

 たとえば、お子さんが、いつまでもテレビにかじりついて勉強にとりかからなかったとき、親はイライラしてストレスが溜まるものです。そんなとき、あなたは次のうちのいずれに近い対応をされるでしょうか(なかには、こういう場面とは無縁のうらやましい家庭もあると聞いています。ほんとうにすばらしいですね)。

 さて、望ましいのがどの対応かについては、わざわざご説明するまでもないと思いますが、2と5が一般的にはよいとみなされているようです。ですが、子どもたちに聞いてみると、1や3の対応をされている家庭も少なくないようです。おそらく、これは親の本意ではありません。打てど響かぬわが子に対して堪忍袋の緒が切れた結果だろうと思います。(こんな事態に至らないようお願いしたいですね)。

 もし「いちばんよい対応はどれ?」と聞かれたなら、筆者は迷わず2を選ぶでしょう。なぜこの方法が望ましいのかというと、子ども自身の意志で行動を切り替えたことになるからです。

 人間だれしも同じだと思いますが、他者から自分について注意されたり叱られたりすると自尊心が傷つきます。まして子どもは頭ごなしに叱られると、いくら自分が悪いとわかっていても、反省の気持ちよりも反発心のほうが勝って意固地になりがちです。いっぽう、②のように子ども自身の自発性を誘導する言いかたをしたならどうでしょう。これなら子どものプライドが傷つくことはありません。意外とすんなり受け入れるものです。やがて、自分からやることに誇りをもつようになるのではないでしょうか。

 弊社の4・5年部では、「おかあさんの勉強会」という催しを実施していますが、この催しでのやり取りにおいて、同じようなシチュエーションへの対応として、2のような方法をとっておられるおかあさんが結構おられることを知り、感心したことを思い出します。

 言うまでもありませんが、行動の切り替えが上手にできれば、時間を有効に集約して活用することができます。いっぽう、いつまでも楽しみごとに執着し、やるべきことへの切り替えができないお子さんは、学習時間が不足するうえ、勉強の効率性も大きく劣りがちです。1年間、2年間の学習で大変な差が生じるのではないでしょうか。

 行動の切り替えはそんなに難しいことではありません。いかに習慣づけるかです。小学生のうちなら、親のサポートで如何様にも変われます。子どもは親から信頼されていると感じると、より親の期待に沿った行動をとろうとするものです。うまくやれていないときでも、叱るまえに「やれるよね」という気持ちをさりげなく向けてやればよいのです。もしも現状に不安を抱かれている保護者がおられるなら、ぜひ前述のような関わりを試してみてください。

 現代社会は時間を有効に使うことを強く求めます。仕事の世界では、受験勉強とは比較にならないほど行動の切り替えや時間管理が重要になってきます。しかしながら、子どものころにそうした行動様式を磨く経験をしていないと、「易きに流れる」姿勢が染み付いてしまい、‟わかっている”のに‟できない”人間になりがちです。よい習慣を、親の愛情と情熱で今のうちにわが子に植えつけてやりたいものですね。

勉強と遊びの切り替えが上手な子どもにできるのは今のうちです。受験のプロセスを生かしましょう!(合格力も間違いなくアップします)


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