2018 年 4 月 9 日 のアーカイブ

テスト制度を正しくとらえて活用を!

2018 年 4 月 9 日 月曜日

 2018年度の前期講座の開講後、「マナビーテスト」が2回実施されました。まだ年間の講座スパンから見ると序盤が始まったばかりですが、なかには早々と焦りを感じている保護者もおられるかもしれません。

 というのも、学習塾のテストでは学校ではなじみのない‟順位”がつきます。「何人中何番」というのが、教科ごとに、さらには総合成績という形でついてきますのでかなり刺激的です。当たり前のことですが、テストでの成績は子どもたちの能力を判定するものではありません。子どもたちが、メニューとして与えられた勉強にどの程度しっかり取り組めていたかどうかを、全体集団の中の位置づけを含めて判定するものです。 

 データがよかったとしても悪かったとしても、「どういう理由でこの成績がもたらされたのか」をしっかりと掌握し、問題点を見出して改善していくことが肝要です。それによって、お子さんの学習状態は着実によくなり、学力も伸びていきます。そのための道しるべとしてテストは存在します。

 ところが、数字にはある種の魔力があります。悪いデータを何度も突きつけられると、「やっぱり能力がないんだ」と気分が落ち込み、勉強に取り組む気持ちが萎えてしまうお子さんも出てきます。逆に、4・5年部の基礎段階では、やるべき勉強を疎かにしていてもよい成績がとれることがあります。これを勘違いしてしまい、「勉強なんかしなくても大丈夫」と高をくくっていると、伸びるはずの学力が全然伸びないことになりかねません。

 まだ講座が始まったばかりのうちにこそ、テスト制度の役割に正しく向き合い、テストを上手に活用する方法を体得していただきたいですね。今回の話題は、そのために取り上げたものです。

 ここで例をもとに考えてみましょう。お子さんの算数の成績がよかったとします。しかしながら、その理由が次のようなものだったとしたら、今後も大いに期待がもてるでしょうか。

1.テスト範囲が、たまたま得意にしている単元だった。
2.テスト前に慌てて取り組んだ問題が偶然たくさん出た。
3.真面目に勉強していないのに、いつもよい成績がとれている。

 上記のような理由でよい成績をあげていたとしても、それ自体にあまり価値はありません。1や2のような場合、成績が上がったのをきっかけにしてやる気が出て、以後よくがんばるようになるケースもありますが、多くは一過性の好成績で終わってしまいがちです。というのも、不断の努力の価値を学ぶ経験につながっていないからです。また、3のように勉強しなくてもよい成績をとっていたお子さんは、学習の高度化に備える努力を軽んじたために、入試レベルの学習に至ると壁に突き当たってしまいます。

 弊社のマナビーテスト(4・5年部)は、次のような視点から出題しています。

 ①について考えてみましょう。毎回のマナビーテストでは、授業で扱った大切な考えかたが理解できているかどうかを問います(テキストの「学習の手引き」や基本問題の理解)。基礎を学ぶ段階の授業では、単元それぞれの特性に合わせ、筋のよい正攻法の考えかたや解きかたを指導しています。それが、入試レベルの問題に取り組む段階で非常に重要になってくるからです。

 次に②について考えてみましょう。弊社は子どもたちの中学進学後の学習を視野に入れ、家庭で勉強する習慣を身につけることを重んじています。学習のレベルが上がれば上がるほど、学習の自律性が問われることになるからです。そこで、受験勉強の全てを教室指導で賄うのではなく、授業後に家庭で復習をし、さらに発展的な学習に取り組むなど、家庭での自己管理に基づく学習と組み合わせた受験対策を推進しています(土曜コースの場合、授業で扱う導入的内容も全て家庭で取り組みます)。テストでの出題も、このようなシステムとの連動性を踏まえています。家庭でしっかりと自主学習をしておけば、必ず報われるようになっているのです。 

 最後に③について考えてみましょう。副教材は、家庭での継続的な取り組みで基礎を定着させていくためにあります。やればちゃんと報われるのだということを子どもたちに実感してもらうため、算数の計算スキルのほか、国語の漢字、理科・社会の基礎知識などもマナビーテストの出題に毎回反映させています。ですから、毎日の家庭学習のスケジュールにも、必ず副教材の取り組みの時間を設けるよう指導しています。

 「授業をちゃんと聴く」「家庭で復習・発展学習をする」「家庭で副教材に取り組む」――この三つを大切にすれば、テストでがっかりするような結果を招くことはありません。もしもテスト成績が悪ければ、上記の学習が機能していないことが予想されます。保護者の方々にお願いしたいのは、「わが子が授業をしっかり聴いているかどうか」「家庭勉強を予定通りこなしているかどうか」という観点から、お子さんと話し合ったり、お子さんを励ましたりすることです。ときどき、お子さんの学習ノートも見てあげてください。ノートに授業の板書がちゃんと書かれているかどうか、テキストの課題に取り組んでいるかどうかを確かめれば、学習の状況がある程度わかります。

 最後に繰り返しますが、テスト成績はお子さんの能力判定ではありません。どの程度がんばれているか、今の学習内容がどれぐらいものにできているかを判定するものです。テストデータをもとに、お子さんの一層の努力を促すべく、上手に導いてあげてください。くれぐれも尋問口調にならないよう気をつけてください。アドバイスや話し合いのはずが大喧嘩に至っては、元も子もありません。

 無論、各教科の指導担当者も適宜お子さんの状況に合わせてアドバイスいたします。望ましくない状況を放置し、徒に時間を浪費しないよう保護者の方々と学習塾との連携でお子さんをバックアップしてまいりましょう。


カテゴリー: アドバイス, 家庭での教育