夏期講座「読み聞かせの時間」

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2014年 8月 6日 水曜日 雨

 先日、夏期講座の授業の様子を見に行った際、子ども達のがんばりもあり、授業終了時刻よりもかなり早く学習を終える日がありました。そんなときは、計算プリントに取り組んだり、ナビゲーターと授業のおさらいをしたり、読み聞かせをしたりと、残り時間によって過ごし方も変わります。

 この日は、読み聞かせをすることになりました。何冊か絵本を持ってきたナビゲーターを子ども達が取り囲み、早速どの本にするか多数決をとりました。みんな目を輝かせて本を見比べ、「せーの!」で指をさしました。

 おまえうまそうだな1今回は、インパクトのある題名と迫力満点の表紙に魅かれ、宮西達也さんの「おまえうまそうだな」に決定!「ぼく、これ読んだ!でもこれがいい!」という子もいる程でした(確かに、この本を読むとその気持ちが分かります)。
わくわくしながらナビゲーターの周りに子ども達が集まり、お話が始まりました。

 このお話は、アンキロサウルスの赤ちゃんとティラノサウルスのお話です。大昔、一人ぼっちで卵から孵ったアンキロサウルスの赤ちゃんのところへ、ティラノサウルスがやってきました。大きな体で、目や口も鋭く恐ろしいティラノサウルスは、赤ちゃんをみて、
「ひひひひ…お前、うまそうだな。」と言いました。
すると、アンキロサウルスは、なぜか
「おとうさーん!」と言って、ティラノサウルスにしがみつきました。
意外な展開になりました。お話の中のティラノサウルスも、お話を聞いている子ども達も、「え?」と驚いています。
どうやらアンキロサウルスは、自分の名前は「うまそう」といい、ティラノサウルスは自分のお父さんだから、「うまそう」と自分の名前を呼んだのだと勘違いをしてしまったようです。

おまえうまそうだな3

戸惑いながらティラノサウルスは必死で否定しましたが、アンキロサウルスはすっかりお父さんだと思い込み、結局二頭は一緒に暮らすことになりました。
あたふたするティラノサウルスの様子や意外な展開に子ども達から笑いがおきました。また、一緒に暮らす中で、アンキロサウルスはお父さんから色々なことを学ぶ場面もユーモアいっぱいに描かれており、ページをめくる度に笑顔が見られました。

 しかし、結末に向かうにつれて教室がとても静かになりました。詳しくはご紹介できませんが、最後はせつなさと、不器用なティラノサウルスの大きな「愛」を感じることができます(ぜひ、作品を読んでいただきたいです)。お話が終わった後、しばらく何も言わずにナビゲーターの顔をじっと見る子ども達の姿が印象的でした。各々何かを感じるものがあったようです。

 今回の読み聞かせもとても素敵な時間となりました。ご紹介した「おまえうまそうだな」は、たくさんの方に読まれ、感動を与えた作品です。お話の温かくて大きなテーマは、低学年の子ども達にもしっかりと伝わりました。今回の読み聞かせを機に、夏休みを利用して、好きな本、普段読まない本、今回のような絵本など、ジャンルを問わず色々な本を読み、読書の楽しさをたっぷりと味わってもらいたいと思います(^^)

(makino)

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