このとき、家庭学習研究社が産声をあげた!  ~その2~

2008 年 11 月 18 日

 青年には、指導をするうえで大切にしているモットーがありました。それは、「丸ごと覚え込ませたり、一方的に解法を伝授したりする指導では子どもは伸びない。子どもが自分で真剣に考え、自分で問題を解決していくような勉強でなければならない」というものでした。これは、中学生を教えているうちに彼が行き着いた方針のようなものでした。当然のことのように、こうした考えを中学受験生の子どもたちにも適用して指導しました。

 しかし、たちまち大きな問題にぶつかりました。使用していた参考書には、灘や開成やラサールなど、全国の名だたる難関中学の問題がたくさん入っています。それらの問題は、普通の小学生では手も足も出ないほど難しいものでした。「こんな問題をやらせては、子どもの自信を失わせるだけだ。伸びるものも伸びなくなってしまう」そう考えた青年は、広島の中学入試で出されるはずのない難問を徹底的に排除し、子どもたちには「絶対にやるな」と言い聞かせました。その参考書に載っている問題のなんと4割あまりを大胆にも切り捨ててしまいました。そして、子どもにも理解できる基礎内容を中心に指導しました。

 青年の指導法は、子どもたちに大好評でした。子どもたちは毎回の授業を楽しみにして通ってくれ、休む者など誰もいないほどでした。自分自身の頭で考え、仕組みを見抜いたり、解決できる計算式を編み出したりする勉強が、子どもたちに勉強の本当の楽しさや喜びを教えてくれたのです。

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カテゴリー: 家庭学習研究社の歴史

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