おまえならできる、あなたならできる

2009 年 5 月 18 日

 親なら誰しもわが子に対して「こうあってほしい」という期待があります。しかし、小学生の子どもは、小学生という年齢ゆえに何をするにつけても未熟で無自覚なものです。親の期待と現実とのギャップは親を苛立たせます。そこで、心ならずも叱りとばしたり、「バカ」という言葉で子どもを傷つけたりするようなことも起こりがちです。

 しかしながら、こうした親の態度は子どものやる気を促すどころか、物事に取り組む意欲をしぼませたり、自分への自信を失わせたり、親への反発心を招いたりするなど、逆効果になりがちです。未熟な子どもの取り組みをよくする方法はないのでしょうか。

 リクルート社から東京の公立中学校の校長へ転じ、「夜スぺ」などのユニークな学力増強方策を提案して話題になった、藤原和博氏のことをご存知の方も多いことと思います。その藤原氏の著作に、ジャーナリストの櫻井よしこ氏の親子関係についての記述がありました。参考になるのではないかと思い、おおよその内容をご紹介してみます。

 ジャーナリストの櫻井よしこさんは、おかあさんに幼いころからことあるごとに「あなたなら必ずできるよ」と、励まされて育ったそうです。

 櫻井さんの一家が、ハワイに住んでいたときのこと。おとうさんが事業に失敗し、レストランを閉鎖して日本に引き揚げることになりました。当時、ハワイ大学の学生だった櫻井さんは、一人ハワイに残る決心をしました。おとうさんの反対を押し切って、ハワイに残るにあたっては、おかあさんのいつもの言葉、「あなたならできる」が力になったそうです。

 しかしながら、住まいはない、仕送りもない、身内もいないなか、どうやって暮らしていくのか、すべてが五里霧中でした。途方にくれた櫻井さんでしたが、おかあさんの「あなたなら必ずできるよ」という言葉を思い出しては、励まされたそうです。とにかく、何らかの行動が必要です。大学の先生を訪ねて相談した櫻井さんは、住まいの提供者を見つけ出したり、学費を捻出するための奨学金を得る手続きをしたりと、問題の一つひとつを解決していきながら窮地を脱することができました。

 学生生活が何とか維持できるめどが立ったら、今度は生活費を稼がねばなりません。この問題も適当なアルバイトが見つけ出してクリアすることができました。

 この櫻井さんの並はずれた行動力は、わが子を信じるおかあさんの大きな愛情あってこそ発揮されたものだと言えるでしょう。支えてくれた大学の先生も、おかあさんとのことをほとんど聞いていなかったにも関わらず、櫻井さんにとってのおかあさんの存在の大きさを見抜いていたそうです。

 かなり前に読んだ内容を思い出して書きましたので、若干間違いがあるかもしれません。「母親の深い愛情」のすばらしさについて記憶に残っている話であり、ここで紹介させていただきました。 

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カテゴリー: アドバイス, 子育てについて

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