2009 年 11 月 のアーカイブ

3年生冬期集中講座について

2009 年 11 月 12 日 木曜日

 今回は3年生の「冬期集中講座」についてご案内させていただきます。すでに何回かこのブログでご紹介させていただいたと思いますが、弊社の中学受験指導は4年部からの3カ年一貫指導を原則としています。

 現在小学3年生のお子さんをおもちで、お子さんの中学受験を検討しておられる方はありませんか? もしおられたなら、ご家族でご相談のうえ、ぜひこの講座にお子さんを参加させてみてください。この講座の特色については当ホームページにおいてもご紹介していますが、改めてここで少し詳しくお伝えしてみたいと思います。

 家庭学習研究社の中学受験指導部門である4~6年部においては、保護者の授業見学等はご遠慮いただいています。また、通常の授業にお試しでお子さんに加わっていただくようなこともしておりません。これは、講座の途中において外部からの参観者や授業体験者をお入れすると、ねらい通りの授業成果が得られなくなる恐れがあるからです。お一人を受けつけると、もはや年間ひっきりなしにそういうことをしなければならなくなります。それでは現在通ってくださっているご家庭に申し訳が立ちません。

 3年生「冬期集中講座」は、3カ年一貫指導のスタートを間近に控えた冬休みに、少しでも気軽に家庭学習研究社の教室で学ぶ体験をしていただこうと、8年ほど前から始めた特別な講座です。

 何が特別かというと、まず参加料金があげられます。せめてこの回だけは金銭的な負担を少なくし、参加していただきやすい講座にしようと、5日間の講習(4日間が授業で、最終日がテスト)ながら授業料はいただかず、教材費とテスト費用合わせて三千円という設定にしています。

 また、受験勉強を始めるにあたり、子どもたちには「難しい勉強をやらされるのではないか」という不安があるかもしれません。この講座では、受験勉強というのは決して大変なものではない。むしろ、考えることや解き明かしていくことの楽しさがたっぷり味わえる、すばらしいものなのだということを実感していただこうと思っています。そこで、この講座用の特別な授業を設計(算数・国語)し、すべての教室で同質の授業が実施できるよう準備しています。

 なお、最終日には4日間の講座で学んだことがどれだけ身についたかを全員で競い合うテストを実施します。毎年300名以上の3年生が参加していますが、その中で一人ひとりのお子さんがどれぐらいの成果をあげられたかを、後日資料にしてお渡ししています。このテストで一定の成績をあげられたお子さんには、弊社の4年部への入会資格を進呈することになっています。

 このテストがあるせいでしょうか。授業を楽しく元気よく受けるだけでなく、家庭にかえってからも一生懸命復習をされるお子さんがたくさんおられます。親子で「絶対、いい成績をとろうね!」と、張り切って勉強されているご家庭もあります。

 なにぶん、3年生のお子さんですから、意気込みが空回りをしてテストで失敗をし、ガッカリされるケースもあります。しかし、そこで奮起してこの講座のあとの「会員選抜試験」(入会試験)でよい成績をあげ、入会されるケースもあります。

 授業の楽しさと、テストでの緊張。お子さん方には今までにない体験を通じて、また一段と成長していく機会にしていただけたらと思います。テストがあることで、「よけいな緊張をしないか」と、ご心配になるおかあさんもいらっしゃるかも知れませんが、ご安心ください。授業担当者もそのことへの配慮をしますが、その必要は全くないくらい、お子さん方は無邪気に楽しく参加しつつ、笑顔のうちに最終日を終えておられます。

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カテゴリー: お知らせ, 家庭学習研究社の特徴

せっかく4年生から通っていただいたのに・・・・・・

2009 年 11 月 9 日 月曜日

  中学受験は、高校や大学への受験と違って、親がイニシアチブを握っています。とくに、受験勉強を始めた頃には、子どもも勉強の要領がわからず、親が関わらざるを得ません。

 それはいけないことではありません。むしろ必要なことです。しかしながら、親が手を貸したり助言をしたりする場合、「どこまで親がサポートすべきか」や「どの時点で子ども一人にやらせるべきか」といった判断を誤らないようにしなければなりません。この判断は、ほとんどすべての家庭における、受験の成否を決する重要なポイントとなっています。

 また、4年生からわが子を塾に通わせることで安心してしまい、家庭ですべきサポートがおざなりになるケースもまま見られます。弊社は、「受験勉強の面倒をすべて塾がみます」といった方針で指導する学習塾ではありません。家庭と学習塾との連携により、子どもの自立した学習を応援しながら中学入試の突破をめざしています。したがって、ご家庭に委ねる役割も多々あり、その点をご理解いただいていなければうまくいかない面も多いのです。

 せっかく4年生から通っていただいたのに、受験がうまくいかなかった例をご紹介してみます。これから受験生活に入るご家庭に参考にしていただけたらと思います。

ケース1:A君 いつまでも親頼みの勉強を続けたために・・・・・・

 いざ受験生活を始めたものの、わが子は一向に勉強の要領を得ません。業を煮やしたおかあさんは、テスト前になると猛特訓をA君に施しました。すると、成績は見る見る上がりました。「やればできるんだ!」――A君がこのように思い、自分から熱心に勉強するようになればよかったのですが、親が手を離すと、すぐに後戻り。そこで、いつの間にかテストのたびにおかあさんが特訓をしなければならなくなってしまいました。

 これに似た状況の家庭は少なくないのかもしれません。しかしながら、親が手出しを続けると、いつ手を引くべきか、そのタイミングを見失いがちです。どんな親だって、子どもが6年生になると、4教科とも教えることなどできません。6年生のあるとき、A君は筆者にこんなことを言いました。「先生、ボクは4年生のころ優秀者のニュースに名前が載っていたんだけど、知ってる?」そのとき、「そうか、すごいね。これからも名前が載るようがんばろうね!」と答えたことを思い出します。

 しかしながら、A君の名前が再び成績優秀者リストに掲載されることはありませんでした。親に頼らせると、子どもは独り立ちのタイミングを逃します。親の手が及ばなくなったとき、そのことの重要性に気づいても、もはやどうすることもできなくなってしまいます。

ケース2:B君 成績だけで親が安心してしまった?

 B君は、とても頭のよい子どもでした。家でさしたる勉強もしないのに、4年生のころはテストでいつもよい成績をあげていました。そんなB君でしたから、家庭での学習計画など全く立てていませんでした。指導担当者がアドバイスしたのですが、耳を傾けてくれません。親御さんも、「塾に勉強について行けているのだから」と、とくに何も言わないまま子ども任せにしていました。

 こういう状態で、6年生になってもよい成績を維持し、入試でも結果を出せるお子さんがごくまれにいます。しかし、こういうやり方ではやがてどこかで壁に突き当たってしまいます。家庭で勉強することなしに、人生で成功できるだけの知的能力は身につくはずがないのですから。

 B君の行き詰まりは、6年生の応用力養成の段階でやってきました。課題が入試問題のレベルになってくると、基礎の習得段階で筋道立てて考える姿勢を培っていなかったB君は、にわかに行き詰まってしまいました。しかし、B君は途方に暮れるばかり。見かねて親があれこれ言い始めたものだから、親子喧嘩が毎日のように繰り返される事態に陥りました。

 このころになって、親御さんからしょっちゅう相談を受けるようになったのですが、入試は近づくばかりで対策らしいことは何もできませんでした。踏んだりけったりの状況のなか、B君の中学入試は終わりました。

 日々の過ごし方の中に子どもの真実があります。どういう勉強でこの成績を得たのか。それが大切です。小学生の受験勉強の場合、親が子どもに任せきりでも、手を出し過ぎてもいけません。適切な間合いを計りながら、少しずつ自立した勉強へと向かっていくべきです。
 

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カテゴリー: アドバイス, 中学受験, 子育てについて, 家庭での教育

県西部3地区でイベントを開催します

2009 年 11 月 5 日 木曜日

 中学受験というと、“過酷な受験生活”“合格巡る熾烈な競争”“親子共々大変”など、ネガティブな側面ばかりが噂され、「実相について知りたくても、正鵠を射た情報がなかなか得られない」ということを側聞します。受験指導を生業(なりわい)とする私たちですが、自分たちの認識する中学受験とは随分違った情報を鵜呑みにしている保護者がおられてびっくりすることもあります。

 お子さんの中学受験を視野に入れておられる方で、これから学習塾選びを検討される方はおられませんか? また、中学受験に興味はあるものの、まだ“ふんぎり”がつかないでいる方はおられませんか?

 このたび弊社では、そんな方々を対象とした催しを実施します。「子どもの人間力を育む中学受験とは」と題したこの催しは、中学受験を単なる学歴獲得の手段として捉えるのではなく、子どもたちが建設的な人生を歩んでいくために身につけるべき“人間力”を育むための場とすることをご提案するために企画したものです。

 さきほど、中学受験に対するネガティブな側面に関する噂について触れましたが、この種の話はどうしても誇張されやすいのはしかたないことかもしれません。しかし、噂を鵜呑みにすることで思わぬ不幸が生じる怖れもあります。

 受験する以上、「わが子に合格を得させてやりたい」と思うのが親心です。しかし、そのためにすべてが受験優先の生活を子どもに強いたり、子どもの気持ちを無視した受験勉強になったりしたのでは本末転倒です。大人の合格へのこだわりが、子どもの側に立った望ましい受験勉強・受験生活から逸脱させてしまう。それはあってはならないことです。

 中学受験を実り多きものにするためのポイント。それは、“子どもの望ましい成長”という視点を、大人が最後まで見失わないでいられるかどうかではないでしょうか。目の前にある“合格”というハードルだけに気を取られるのではなく、もっと先の子どもの人生の歩みまでを見通すのです。

 では、子どもの望ましい成長に資する中学受験とはどういうものでしょうか。それがこの催しの切り口であり、「子どもの人間力を育む中学受験」というテーマは、当日ご提案する内容をひとことで言い表したものです。

 学歴を得ても、社会に出てから要請される能力がバランスよく身についていなければ、それは“絵に描いた餅”に過ぎません。他者とコミュニケーションを上手にとったり、自分が果たすべき責任を全うしたり、問題を打開するための提案をしたり、リーダーシップを発揮したりするなど、今日の社会を生き抜いていくために欠かせない能力というものがあります。

 これらは一般に“人間力”などと言われていますが、この人間力を身につけるうえで、小学生時代は大変重要な時期にあたります。そして、子どもの人間力を育みながらの受験生活は、子どもを取り巻く周囲の大人、とりわけ保護者の方々と学習塾が配慮すれば実現できるのです。

 当日は、人間力を育む受験生活を実現しつつ、いかにして中学入試を突破するかについて、より詳しく具体的にお話しいたします。学力を伸ばすことと、人間として備えておくべき資質を磨いていくこととを両立させるには、学習塾の指導の枠組みや指導の具体的な方法がその目的にマッチしたものでなければなりません。また、子育てにあたりながらお子さんを見守り応援しておられる、保護者の方々との連携も不可欠です。これらについて明確な指針をご提供することで、弊社のご提案する中学受験の全体像をつかんでいただけることと思います。

 なおこの催しは、県民文化センター、弊社呉校、弊社東広島校の三会場で実施することになっております。いずれの会場も内容は全く同じです。お話しするのは、指導現場を預かる者(校舎責任者)と、システム・教材開発の担当者、筆者の三名です。日程等、詳細は当ホームページでご案内しています。

 興味をおもちになったなら、ぜひお越しください。すでに弊社の教室にお子さんが通われている保護者の方も、受験に対する基本的な考え方を捉え直す場にしていただけると思います。もしもご都合がよろしければ、お気軽にご来場ください。お待ちしています。

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カテゴリー: 中学受験, 入塾について, 家庭学習研究社の理念, 行事のお知らせ

4年生の1年間の活かし方  ~その2~

2009 年 11 月 2 日 月曜日

 10月26日の記事に引き続き、今回も子どもの言葉と思考の発達を促すために、4年生の1年間をどう活かすかについて提案をさせていただきます。

 前回は、子どもの思考力や表現力のベースアップをはかるための、読書と会話について書きました。今度は、自分で考えて行動する自立性や積極性を引き出す方策についてご提案させていただきます。

 4年生は、まだ1年、2年先のことを考えて行動することができません。ましてや中学入試がどのようなものであるかを踏まえ、そのための対策や準備を自分でしていくことなどできません。ですから、今やるべきことの意味や重要性を認識して勉強することを子どもに望むのではなく、もっと別の観点からやるべき勉強への実行を促すことも必要になってきます。

 そこでご提案したいのが、「何ごとにつけ、子どもに関わることは子ども自身に決めさせる」ことです。「やりなさい」という指示や命令で勉強することを促すのではなく、「自分で決めたことだからちゃんとやる」という気持ちを子どもから引き出すのです。

 そういうやり方がうまくいくかどうかは、日頃から親が子どもを一人前の人間として扱い、子どものやることを信頼するよう努めていなければなりません。そして、子どもに対しては、「結果よりも努力しているその姿を見ることこそ、親にとってはうれしいのだ」という気持ちを常に伝えてやる必要があります。

 日頃から、子どものことについては子どもと話し合い、子どもに決定するよう導く。勉強の割り振りについても、「親はアドバイスをするが、やるのはあなただから、どういうふうにやるかは自分で判断しなさい」という姿勢で子どもと話し合い、子ども自身に決めさせるのです。そして、やりきろうとする努力こそ、親が期待していることなのだということを上手に伝えてやるのです。

 こうした親のもとで育った子どもは、自立心、行動力、責任感を育むことができます。そして、何よりも自分に対する自信をもつようになります。当たり前のことですが、困難なことをやり切るには、「自分に対する自信」がなくてはなりません。自分に自信をもてるかどうかは、当面の入試を乗り切るだけでなく、人生を乗り切るために不可欠な条件とも言えるものです。

 これも以前当ブログでご紹介したことですが、日本の子どもたちは他国の子どもたちと比べて自分に対する自信がもてないでいます。理由はいろいろあるかもしれませんが、一つは「親が何かと手を貸しすぎる」ことだと思います。受験は将来の進路を決めるほど重要なもの。その受験を乗り切るために親が手を貸し過ぎては本末転倒な事態を招きかねません。

 小学校4年生から5年生にかけて、子どもは自分という人間に目を向け始めます。そんな時期に受験をめざした勉強を始めるのだということを、親も踏まえておく必要があります。前回書いたように、親が手を貸してテストの成績をあげたのでは、いつまで経っても子どもは自分に自信がもてないし、自分の責任においてものごとをやり切ろうとする姿勢は育ちません。

 まずは、小さなことも含め、お子さんに自信とプライドをもたせるよう接することをお願いする次第です。親にすれば、「いちいち子どもに相談しても、どうすべきかは決まっているんだから」という気持ちもあるでしょう。しかし、そうやって指示や命令で子どもをコントロールしている限り、子どもは自立を果たせません。

 子どもが自分のやるべきことを自覚し、自分でやり遂げる。そうなるために親として配慮したいことをここで再度まとめてみましょう。

  1. ・子どもを一人前の人間として扱い、子どものすることを信頼してやる。
  2. ・子どもに関わることは、子ども自身に決めさせるように導く。
  3. ・結果を重視するのではなく、がんばりを見届け、そのことを親の評価軸にする。

 おそらく、親はもどかしい思いを余儀なくされるでしょう。目の前のテスト成績にこだわるなら、いても立ってもいられない気持ちに襲われるかもしれません。しかし、親が目を向けるべきは勉強のサポートではなく、子どもの自立です。子どもの自立に向けた支援こそ、中学受験対策の勉強を始めた段階における親のいちばんの仕事なのです。

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カテゴリー: アドバイス, 子どもの発達, 子育てについて, 家庭での教育