“学ぶ力”は教室にみなぎる笑顔から

2010 年 12 月 27 日

 2010年も、余すところあと僅かになりました。中学受験を目前に控えた6年生のご家庭におかれては、新年をいつもと違う緊張の面もちで迎えられることと思います。悔いの残らぬ受験となるよう、体の健康や心のコンディションには十分気をつけてあげてください。

 年が明けると、すぐさま2011年度の会員募集活動が始まります。1月4日には、広島、呉、東広島のほぼ全域で会員募集のチラシを折り込みます。そして、その週の週末から毎週「会員選抜試験」を実施します。また、学習塾としての弊社の特色を知っていただくため、各校舎で「入会ガイダンス」という呼称の催しを行う予定です。どの校舎でも2月いっぱいまで数回実施します。これから入会を検討されるご家庭は、是非足を運んでみてください。

 今日のブログは、1月4日に折り込むチラシに書いた記事をご紹介してみます。2011年度の会員募集では、当社の推進する「学ぶ力を育てる学習指導」を切り口に広報活動をしています。このチラシにおいてもそれに関連する内容で弊社の理念をお伝えしました。

 教室の子どもたちに、「勉強は楽しい?」と尋ねてみました。さて、子どもたちはどう答えたでしょう。残念なことに、「楽しい」と「楽しくない」という答えが半々くらいでした。

 今度は、「塾って楽しい?」と尋ねてみました。すると、間髪を入れずに「楽しい!」という声が返ってきました。これはどういうことでしょう。

 子どもたちは受験をめざして勉強しています。内容は決して易しくありません。考えても、考えてもわからないことだってあります。勉強が楽しいばかりでないのは当然かもしれません。

 そんな子どもたちの勉強を、力強く後押ししてくれるもの。それが“学ぶ力”です。学ぶ力とは、学習意欲、好奇心、計画性、学習方法、集中力、継続力、他者と学ぶコミュニケーション力などです。これらは入試での出題対象にはなりません。しかしながら、一人ひとりの学習の推進力となり、学びの成果を保障してくれる大切なものです。

 では、入試で問われるのは何でしょう。多くの場合、学んで得た知識や技能です。受験指導をする者が気をつけなければならないのは、知識や技能の獲得に直接働きかけ、子どもを無理に鍛えたり暗記を強要したりすること。これでは学ぶ力を育ちませんし、勉強も塾も嫌いになってしまいます。

 そこで、再び「塾が楽しい!」という言葉に立ち返ってみましょう。勉強は楽ではないが塾は楽しい。それは、みんなで一緒に考える、互いにやりとりをする、先生の興味深い導入に聞き入る、解決の道筋を見出して手を挙げる、他者の勉強ぶりに刺激を受けるなど、やらされ勉強では経験できない手応えや躍動感があるからです。だから楽しいのです。

 教室中に弾ける笑顔。この笑顔こそ、授業を通じて子どもたちが楽しい時間を共有し、学ぶ力を育んでいることの証(あかし)です。家庭学習研究社はこの笑顔を大切にし、一人ひとりの学ぶ力を育てながら、それぞれの志望校へと子どもたちを送り出しています。

 学ぶ力の重要性については、以前行ったイベントの報告に絡めてお伝えしました。学ぶ力は、テストで直接問われるものではありません。しかしながら、子どもたち一人ひとりの学習活動を牽引してくれる偉大な力です。

 このチラシでは、学びの力となる要素のうち、「コミュニケーション」にスポットを当ててみました。「他者とのコミュニケーションが学ぶ力になる」と、いきなり言われてもピンとこない人も、この記事をお読みになればその重要性がおわかりいただけるのではないかと思います。

 ある教育心理学者は、学ぶ力としてのコミュニケーション力を、次のように説明しています。

  1.  ・先生が授業で話していることを理解できる力
  2.  ・どこがわからないかを自らはっきり表現して先生に質問できる力
  3.  ・友だちと教えあったり学びあったりするときのコミュニケーション

 今回の記事は、三つ目の要素に関わる点を切り口にして書いたものです。受験勉強を、合格点をとるための競争という側面ばかりに目を奪われると、他者と関わりながら学ぶなかで培われる大切なものを見失いがちです。先生の話に耳を傾ける、知りたいことをきちんと質問できる、友だちを教えあったり励まし合ったりする力。こうした姿勢や能力も、よく考えると子どもの学びを後押ししてくれる大切なものです。

 これらを培うことをしないで入試を突破したとしましょう。中学に入ってから、自分の力で学習を推進することができるでしょうか。訓練や暗記に偏った勉強をしていると、先生の講義を聴く姿勢が身につきません。学習対象について自分で考え、どこがわからないかを整理して先生に質問するといったこともできません。さらにはともに学ぶ仲間と情報交換をしたり励まし合ったりすることもできません。

 コミュニケーション力は、人間力の根幹をなすものであり、人間だけに与えられたすばらしい能力です。親御さんや学習塾は、成長期の受験生活でこの大切なものを子どもたちが育めるよう、ぜひとも配慮してあげたいものです。

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カテゴリー: がんばる子どもたち, 中学受験, 入塾について, 家庭学習研究社の特徴, 家庭学習研究社の理念, 行事のお知らせ

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