2013 年 3 月 18 日 のアーカイブ

6年部「保護者説明会」を実施しました

2013 年 3 月 18 日 月曜日

   

 新年度の講座が始まり、早速6年部の「第1回 保護者説明会」が各校で開催されました。以前この催しは、「父母教室」という呼称で、全校舎の会員家庭に一堂にお集まりいただいて実施していました。会場は広島市内の大きなホールで、数百名の保護者が参加される大規模な催しでした。


 しかしながら、この20年、30年で弊社の校
舎が広島県西 部一帯に広がったことや、「保護者と指導担当者の気持ちが通う催しに」という考えを反映し、現在は校舎単位での開催となっています。


 6年部の始まりは、中学入試に向けて本格的な受験生活が始まったことを意味します。おとうさんやおかあさんは、わが子のこれまで以上の自覚とがんばりを期待されていると思います。


 筆者は、たまたま「国語の学習について話をしてほしい」という要請があり、1校舎だけ保護者説明会をお手伝いすることになりました。久しぶりにこの行事で話をするにあたり、「何をお話ししようか」と思いをめぐらすことになったのですが、現場で指導にあたっている頃の自分と随分意識が変わっていることに驚かされました。


 以前は、かたどおり国語という教科の特性を踏まえ、「授業の受けかたや家庭勉強のしかた」についてお話しするだけだったと記憶しています。しかし、同じテーマでお話しするのでも、今は「この時期になっても、子どもは大人の期待するようにはなかなか変わらないのだ」ということを踏まえ、「焦らず少しずつの進歩をいかに引き出すか。家庭で見守る親にできるサポートはないだろうか」」という視点からも、お話しする内容を考えるようになったような気がします。


 6年部が始まると、大人は「入試まで1年を切った」ということを強く意識しますが、子どものほうはまだそこまで考えることができません。「無自覚で無頓着」「やる気になってくれない」「6年生になるのに、いつまでも幼稚なところが抜けない」といった見方をし、早くもイライラを募らせているおとうさんおかあさんもおられるのではないでしょうか。


 そこで筆者は、国語の話に絡めて、次のようなことをお話ししました。大筋は、「教員の養成を仕事にしておられる大学の先生の話」をヒントにしたものです。

 勉強することと、成果があがることの関係は、風呂の湯船に水を満たすのに似ています。はやく満杯にしようと意識しているときには、ちっとも増えてくれません。しかし、他のことなどに気を取られていると、ふと水が溢れ出ていることに気づきます。
 つまり、学力を上げよう、テストの得点をあげようと一生懸命のときには勉強の成果は目に見えてきません。しかし、焦らず継続しているうちにいつの間にか力がついています。勉強しているという意識がなくなるぐらい自然にやっていると、あるときふとレベルアップしていることに気づく。それが勉強というものなんですね。国語という教科の底上げには特に時間を要しますから、その傾向が他教科以上に強いようです・・・・・・。

 このことは、勉強以外にも当てはまるでしょう。スポーツなどでも「うまくなりたい」と願い、一生懸命練習しているときには手応えが感じられないことが多いものです。でも、あきらめずに努力を継続していると、あるときふとうまくなっている自分に気づかされます。


 6年部のスタート時は、これまで2年間かけて築いていた基礎学力の最終段階にあたります。そして、4月末で「基礎力の養成指導」を全て終え、5月のGW明けから「応用力の養成指導」へと移行していきます。


 「テキストが変わった」「勉強が難しくなってきたぞ」「先生の言うことが以前と違っている」――そうした変化を肌で感じることで、子どもはようやく少しずつ受験に対する意識や取り組みを受験生らしいものへとシフトしていきます。そうした意識が個々の心のうちに芽生えることで、「なんだか、クラスの雰囲気が変わってきた」というふうに感じ始めるものです。


 そこからの勉強が、ようやくほんとうの受験対策になるのだといってよいでしょう。先ほどお伝えしたように、大人は「入試まであと10カ月を切った」と意識し始めますが、人生経験の浅い小学生の子どもにとっての時間は、もっとゆっくり流れています。


 焦らず、日々のやるべき勉強を着実にこなしていくことを、まずは大切にするようサポートをお願いします。。「応用力の養成指導」の段階になったからといっても、すぐに子どもは対応できるわけではありません。弊社ではそのことを踏まえ、夏休みまでは「基礎から応用への橋渡し」を主眼に指導していきます。
 もう少し具体的に言えば、「基礎内容の見直しをしながら、もう少し難しいレベルの内容に取り組み、入試問題とのギャップをもう一段階埋めていく」という感じでしょうか。そうした変化に応じて、子どもたちの取り組みも少しずつ受験生らしいものになっていきます。


 おとうさんおかあさんにおかれては、お子さんが受験を意識し、志望校合格に向けて一心に学び始める日の訪れを楽しみにしながら、辛抱強く応援していただきますようお願いいたします。


 子どもの成長はある日突然感じられるものです。ほんとうは毎日少しずつ進歩しているのですが、子どもの言動からはっきりとそれがわかる段階に至るまでは時間が必要なのですね。そのことを胸に留めていただき、応援をよろしくお願いいたします。

   

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