子どもの計画実行力を高めるためには!? ~その1~

2013 年 11 月 11 日

 今回の記事は催しの報告です。後期第1回「おかあさんの勉強会」は、11月6日(水)の広島校実施分をもって全校舎の日程を終了しました。筆者はこの催しの企画担当者であり、手伝いがてら2~3の校舎に参加させてもらいました。

 20131111cこの回のテーマは、このブログ記事のタイトルの通りです。このテーマを設定したのは、前期の勉強会で「効果的復習のしかた」について話し合っていただいたとき、あるおかあさんが「復習のしかたを云々する前に、時間どおり机に着いてくれなければどうにもなりません」とおっしゃったのがきっかけでした。

 どうでしょう。おたくのお子さんの計画実行力はどんな具合でしょうか。決めたことをやろうと思うが、いざとなると勉強が億劫になりがちで、ついついズルズルと予定時間になってもテレビを見たり、遊びがやめられなかったりする。そんなお子さんに、おかあさんがイライラされているという話をときどき耳にします。

 学力の向上は、毎日の積み重ねあってこそですから、おかあさんがイライラされるのも無理はありません。辛抱堪らず注意をしたところ、子どもの思わぬ反抗にあい、気がつくと大喧嘩になっていた、などということもあるのではないでしょうか。小学生の子どもといえども、高学年になると口も立ちますから、親のほうが興奮してしまうこともあります。

 この勉強会では、まずおかあさんがたに「お子さんの家庭学習の現状」についてチェックしていただきました。それをもとに、最初のワークを行いました。チェック項目は、「計画通りに勉強できているか」「計画通りにできない原因は何か」「計画通りにやっていないとき、これまでどういう対応をしてきたか」というものでした。

 これらのチェック項目について、二人一組で互いに書いた内容を報告していただいたのですが、筆者が参加させていただいた校舎ではたちまち教室中に声が響き渡るほどおかあさんがたの熱心なやりとりが始まりました。それから、4~6名ごとに編成したグループで、「子どもが計画通りにできない原因」について話し合っていただきました。

 おかあさんがたの見解がまとまったところで、今度は「子どもたちは、家庭学習の現状をどう自覚しているか」について、各校舎で調査した結果をお伝えしました。この調査には、合計三百数十名のお子さん(各校舎の任意に選んだクラスで調査を実施)に協力いただきました。

 その調査内容は、次の通りです。

1.家庭での学習計画は立てていますか?
2.授業のない日は、家でどれぐらい塾の勉強をしていますか?
3.学習計画通りに勉強していますか?
4.計画通りに勉強できないとき、その理由はどんなことですか?
5.どうしたら、もっと計画を守れるようになると思いますか?

 1の結果ですが、3分の2以上のお子さんは学習計画を立てていました。2の学習時間は、4年生が1~2時間、5年生もあまり変わらないのですが、「3時間以上」というお子さんもかなりいました。校舎の責任者は、これについて「実質3時間以上できているお子さんはほとんどいないと思います」とコメントしていました。3の「計画通りにできているか」という質問に対しては、二百名近いお子さんが「だいたいしている」と答えていました。ただし、「あまり守れていない」「ほとんど守れない」というお子さんも90名近くいました。

 質問の4と5に関しては、子どもたちの書いている内容を簡単にご紹介してみましょう。
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 (5)の調査結果には驚きました。まるでおかあさんがたの意見を集めたかのような答えです。子どもたちは、どうすべきかわかっているんですね。「どうしたら計画が守れるようになるか」では、「おかあさんに特別優しくしてもらえたら」というのがありますが、小学生らしい回答で、思わずニッコリしてしまいました。

 この調査は不意打ちで実施したものです。それなのに、子どもたちは完璧と言ってもよいほど、どうしたら計画を守れるようになるかわかっています。これはどういうことなのでしょう。

 おそらくは、日頃からおかあさんが一生懸命アドバイスをされているのではないでしょうか。子どもたちは、それこそ耳にたこができるぐらい、おかあさんからいろいろ言われているのかもしれませんね。実は、「どうすべきかわかっているのに実行できない」という問題が、この調査から見えてきたように思います。では、わかっていることを子どもたちが実行に移せるようになるには、どうしたらよいのでしょうか。

※長くなってしまいましたので、続きは次回にしようと思います。

 

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