2013 年 12 月 のアーカイブ

ほめかた次第で子どもは変わる! その1

2013 年 12 月 2 日 月曜日

 師走を迎えると、いよいよ受験シーズンが近づいてきたことを実感します。昨日は、弊社主催の模擬試験の最終回(第5回)を行いました。毎年恒例となっていますが、最終回は修道と広島女学院のご厚意により、この私学2校を会場にして男女別で行いました。今年は男子約700名、女子約600名の参加があり、おそらく県西部の受験生の半数以上が参加されたと思います。

 人生経験の浅いお子さんがたにとって、志望校を会場に行われる模擬試験は、本番の雰囲気を体験しておくまたとない機会になったことでしょう。もしここで失敗をしてもがっかりすることはありません。模擬試験の目的の一つは、そういう経験をしておくことにあるのです。もし思い通りの成績が得られなかったなら、その原因をよく振り返り、本番で取り返せるよう対策を行えばいいのです。受験まであと1カ月半ほどあります。悔いの残らぬよう最後までやるべきことをしっかりとやっておきましょう。

 さて今回は、2013年度後期第2回「おかあさんの勉強会」(弊社4・5年部「週3日コース」会員のおかあさん対象)の様子や内容をご報告しようと思います。

 この回の勉強会は、「ほめかた次第で子どもは変わる!」というテーマで行いました。内容は、タイトルでお察しになったことと思いますが、同じほめるのでも、ほめかたのちょっとした違いで子どもに及ぼす効果は随分と違ってきます。「子どもはほめて伸ばせ!」とは、昔からよく言われることですが、ほめさえすればよいとは限りません。場合によっては逆効果を招くこともあります。また、親は「わが子をしっかりほめている」と思っていても、子どもはそう受け止めていないこともあります。

 この勉強会では、まず「おかあさんがたが、お子さんをどれぐらいほめているか」を自己チェックしてもらいました。選択肢は、次の4つです。

 1.しょっちゅう(毎日のように) 2.かなり(1日おきぐらい)
 2.ときどき(週1~2回程度)  4.あまりほめていない(めったにほめない)

 みなさんはいかがでしょう。どれにあてはまるでしょうか。筆者が参加させていただいた校舎では、1が3~4人、2が5~6人、3が10人、4が1人でした。4に手を挙げてくださったかたには、「正直に手を挙げていただき、ありがとうございます」と申し上げました。とても優しそうなおかあさんでした。

 自己チェックの項目は、このほか「最近、どんなことでお子さんをほめましたか」と、「ほめて子どもをよい方向へ導くということに、難しさを感じておられるかたは、その状況を簡単にお書きください」というものでした。

 おかあさんがたの現状認識を確認したところで、今度は「おかあさんにほめられることについてどう思っているか」を子どもたちにアンケートで調べた結果をご紹介しました。

 このアンケートは4・5年部生全員ではなく、各校舎で任意に選んだクラスで行ったものです。結果は次のようなものでした。

20131202_a 

 この結果を見てどう思われたでしょうか。よくほめておられるおかあさんもかなりおられますが、「ときどき」がいちばん多いことがわかりました。また、「あまりほめてもらっていない」と答えた子どもも相当数いるようです。

 (2)の「どういうときにほめられると、うれしくてやる気がでるか」の結果ですが、多かった答え(網がけ)4つのうち、3つは「成績ではなく努力や姿勢を見て欲しい」という子どもの気持ちが見て取れます。

 おかあさんがたに「どのぐらいほめているか」を振り返っていただき、また、「おかあさんに、どれぐらいほめられているか」に関する子どもたちへのアンケート結果をご紹介したうえで、最初のワークを始めました。

 ワークの内容は、「最近どんなことで子どもをほめたか」を、グループ内で互いに報告し合い、感想を述べ合うというものでした。このワークの目的は、「子どもたちが、おかあさんにどのようにほめられたいと願っているのか」を踏まえ、子どもの願望に添ったほめかたをしているかどうかを改めて振り返っていただくことでした。「子どもの願望に添う」とは、子どもにおもねることではありません。子どものやる気に火をつけるためです。

 一回りしたら、次は「ほめることの難しさ」について、それぞれのおかあさんがどのように感じておられるかを語っていただき、それをもとにみなさんで話し合っていただきました。

 ワークが終わったあとは、弊社から「ほめるのが難しいと感じているおかあさんの立場に立ち、そのようなケースを想定した対処のありかた」についていくつかのヒントを呈示させていただきました。内容は、次のようなものです(一部割愛)。

20131202_b

  1について。成績でほめようとすると、ほめるチャンスが少なくなってしまいます。また、子どもは「努力を認めて欲しい」と願っているのに、その思いに応えずに成績本位で子どもを見ると、親を尊敬する気持ちもしぼんでしまいかねません。少しでも努力した点を見逃さずにほめてやることから、状況は少しずつ変わっていくのではないでしょうか。

 について。このブログへのアクセス・キーワードを見ると、「子どもにやる気がない」というのが毎日たくさんあります。そういう家庭のお子さんでも、全てにやる気がないということはないと思います。勉強面以外にも目を向け、少しでもよいところをほめてOKサインを出してやることから、状況の変化を引き出そうという提案です。

 3について。ほめてやりたいが、どうしても叱らねばならないことがある。そういうとき、ほめるのが先か、叱るのが先か、という問題が生じます。やんちゃでお調子者のタイプの子どもには、先にほめ、あとで叱るのが基本です。内気なタイプの子どもには、その逆がよいとされています。なぜかというと、あと言われたことのほうが子どもの心に強く残るからです。気の弱いタイプのお子さんは、一旦叱ったあと、そのあとでがんばっている点を指摘し、よい点を大いにほめてやると、子どもに元気や自信が生まれてきます。

 について。苦手や欠点にばかり目を向けると、自信が揺らぎますし勉強も活性化しません。苦手のある子どもは、逆に必ず得意な教科ももっているものです。それをほめて自信をつけさせ、そこで得たエネルギーを苦手教科対策へと向かわせるような流れを築いてやればよいのではないでしょうか。苦手のある子どもは、親が注意を与えなくてもそれを気にしているものです。親は子どもに得意教科がある点をほめてやれば、自然と苦手のほうに目を向け、何とかしようとするようになるものです。

 今回も長くなりましたので、次回に続きをご紹介します。

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