広島学院と清心が身近になる! その1

2014 年 11 月 24 日

 今回と次回は、広島を代表する私学である広島学院とノートルダム清心の校長先生をお招きして実施したイベントの様子をご紹介します。広島学院からは三好彰校長、ノートルダム清心からは今﨑成志校長にお越しいただきました。

 このイベントは、呉(11月12日)・東広島(13日)・広島(14日)の3会場で実施しましたが、呉と東広島では会場(弊社の教室)がほぼいっぱいに、また広島では百数十名収容の会場(広島ガーデンパレス)が満席となり、さらに補助席までいっぱいに埋まり、盛況のうちに終了することができました。ご来場いただいた方々には心より感謝申し上げる次第です。また、3日間にわたって熱意溢れるお話を賜った校長先生がたには、この場を借りて厚く御礼申し上げます。

 イベントの趣旨は、以前このブログでお伝えしたとおりです。私学のよさを保護者により深く理解いただこうと企画した催しです。

 ここ数年は同趣旨の催しを実施していますが、今年は「広島学院と清心が身近になる!」と題し、男女最難関私学の校長先生のお話に直に触れることによって、また両校の授業の様子を映像でご紹介したり、両校の生徒さんに実施したアンケートの結果をご紹介したりすることによって、私立学校というものはどういう教育を実践しているのか、そのよさはどういうところにあるのかをつぶさに感じていただこうというのが今年の企画意図です。

 また、学校の素顔にふれることによって、「高嶺の花」のように受け止められがちな広島学院とノートルダム清心に親近感や興味をもっていただければと期待して実施しました。

 では、当日の内容をかいつまんでご報告いたしましょう。

① 広島学院、ノートルダム清心はこんな学校です!

 さて、まずはプロローグから。「広島学院、ノートルダム清心はこんな学校です!」というテーマで、両校の校長先生に学校の成り立ち、今日に至るまでの歴史、学校の校是・特色など、私立学校の根幹を成す要素について各5分の設定でお話しいただきました。以下は、校長先生の言葉です(内容は簡略にしています)。

学院 イエズス会(男子修道会)が、1956年に設立した男子の中・高一貫校です。世界中に存在するイエズス会の学校と同じく、「若者教育は世界の変革である」という理念のもと、自分の置かれた場で自分の能力を活かして活躍し、世界を変えていこうという信念をもって生きていく人間の育成に努めています。

 「能力の高い生徒が入学してくれるので、その能力をより大きく伸ばして社会に貢献できる人間を育てることを旨としています。ただしそれだけでなく、本校の生徒には、ものを見る目、しっかり考える力、深く感じる心、簡単にくじけない強い心、人の心の痛みに寄り添う心、人の喜びをわがこととして喜ぶ心を携えた人間に成長できるよう、心の教育にもあたっています。

 なお、広島学院はいわゆるミッションスクールですが、キリスト教の信者を増やすことを目的にした学校ではなく、その意味ではミッションスクールではありません。もちろんカトリックの人間観や世界観、カトリックの雰囲気は大切にしています。厳しさも必要ですが、優しさや思いやりの雰囲気の中で人間を育てようとしているところが、カトリック校としての特色でしょうか。

清心 今から65年前の1950年、戦後間もない時期にベルギーのナミュールにあるノートルダム修道女会のシスターが、広島の地に女子教育を目的として設立した学校です。

 「心を清くし、愛の人であれ」という校是は、修道女会の創始者であるマザージュリーの教えに基づくもので、現在世界に数多くあるノートルダム修道女会の設立した学校で共通の精神になっています。

 マザージュリーは、フランス革命の時期に生きた人で、不幸にも23歳から53歳までほとんど寝たきりの生活を送った人です。にもかかわらず、子どもたちの教育に熱心に取り組んだ人で、「神様は善いお方です」と、子どもたちにイエスキリストのよさを教えました。そして、お祈りを欠かさぬ生活のなかで奇跡的に歩けるようになり、やがてノートルダム修道女会を設立されました。

 このマザージュリーの精神は今も引き継がれています。日頃私たちは一人で生きているつもりになりがちですが、神様にかけがえのない命を与えられて生きていること、周囲の人に助けられてこそ生きられるのだということを自覚しなければなりません。それがお互いを思いやることにつながります。本校の生徒には、そうしたことを在学中に心に浸透させ、恵まれない人に手を差し伸べる人に成長してほしいと願って教育にあたっています。

② 学院生・清心生はどんな授業を受けている?

 校長先生がたに、学校の根幹を成すスピリットや歴史について語っていただいたところで、つぎは実際の教育の場、つまり教室の様子や授業をご紹介しました。はじめにやや重いテーマの話をしていただいた校長先生がたにちょっとお休みいただく意味もあります。20141124

 授業がどのような雰囲気で、どのように行われているかを知るには、普段のままの授業をお見せするのがいちばんです。そこで、広島学院、清心に弊社スタッフが出向き、たくさんの授業を映像に収めさせていただきました。また、休憩時間や昼休み、昼食の様子などもカメラに収め、各5分ぐらいにまとめた映像をご覧いただきました。

 みなさんは、学院と清心の授業というと、どんな様子を思い浮かべられるでしょうか。おそらく、具体的なイメージはともかく、ハイレベルな内容を相当なスピードで進めているのだろうということを、多くのかたが想像されるのではないかと思います。実際、その通りでもあるのですが、意外だったのはどちらの学校の生徒さんも授業中に笑顔を浮かべるシーンが多く見られたということです。厳しいなかにも楽しさが伴う充実した授業が行われている様子を感じ取っていただけたのではないかと思います。

③ 学院生・清心生に聞きました!

  つぎは、生徒さんが自校をどのように思っているか、自校のよさはどこにあると思っているのかについてアンケート調査をした結果をご紹介しました。広島学院の高1・2クラス、ノートルダム清心の高2・2クラスにお願いしました。なお、清心も高校1年生にお願いするつもりでしたが、今﨑校長が直接授業を担当されているということで、高校2年生にお願いすることになりました。

 さて、アンケートの結果をご報告しましょう。

 学院生・清心生へのアンケート結果 (PDF 3.3MB)

 いかがでしょう。両校ともカトリック系の私学であること、私学の最難関校であることのほか、学校の立地条件が非常に類似していることもあってか、生徒さんがたの学校に対する受け止めかたもかなり似ているように思います。

 学校の授業映像を流し、生徒さんへのアンケート結果をご紹介したところで、次は両校の校長先生にコメントをいただきました。簡単にご紹介しましょう。

清心 「本校生徒が『トイレがきれい』ということを特色としてあげていますが、実は前校長のときにトイレの改修をすることになった際、生徒たちに『工事業者さんと話し合って、自分たちの納得のできるトイレをつくってみなさい』と伝え、その結果できたのが今の学校トイレです。昔から、『トイレと玄関を見れば、その家庭がわかる』といったようなことが言われていますが、生徒たち自身が『清潔で使いやすいトイレを誇れる』と思っていることはうれしいことです。

 また、最近は個性的な生徒が本校には増えてきています。たとえば、フィギュアスケートで世界ジュニアグランプリを獲得した生徒がいます。また、宝塚に興味をもち、そこの試験に受かった生徒もいます。この生徒は、もともと医学部志望で勉学にもしっかりと取り組んでいた生徒でした。多様な方向性を見出す生徒がいるのはよいことだと思います。

 「やっぱり清心が一番」と答えた生徒が、8割を超えているのは、学校としてとてもうれしいことです。思春期を経て大人に近づき、批判的な精神も十分に育っている年齢の生徒が、『学校大好き』と思っていることはとてもありがたいことです。私自身、今も体育の授業を行っていますが、ときには厳しく生徒に臨むこともあります。そういった中での結果ですからよりうれしく感じます。私自身もそうですが、子どもとの信頼関係をいかに築くかということが、本校の教師が一番心がけていることです。

学院 アンケートの対象である高1は、思春期・反抗期の終わり頃にあたります。そんな時期の生徒のほとんど(9割あまり)が学校をよいように受け止めているのは、おそらく友人関係のよさがあってのことだと思います。また、他の調査でも同様の結果が出ていますから、おそらく学校を好きなのは事実であろうと思います。私は、昨年まで30数年間数学の教師をしてきました。しかし、今は校長をしている関係で授業をもっていません。高1の生徒は私のことをあまり知らないと思いますが、「どんな校長か」の質問によいコメントをしているのは、紳士的配慮をしてくれているのでしょう。

 授業映像では、ずいぶん集中して先生の話を傾聴し、引き締まった表情をして映っていますが、あれはカメラが入っているのでそれを意識したのでしょう。残念ながら、授業で寝てしまう生徒もいます。それで学業で後れをとる生徒もいますが、本校の厳しい入試を乗り越えられた生徒ですから、能力ではなく生活の乱れが原因だと思っています。最近は、携帯やスマホ、ゲームなどで夜中まで起きて寝不足になる生徒が結構います。そういったことがブレーキになって、うまくいかなくなるのです。こういうことにならないためにも、入学前から規則正しい生活習慣や、ちゃんとした家庭学習の習慣をつけておくことが必要ですね。

 

 随分長くなってしまいました。後半は、次回ご紹介します。後半の話題は、広島学院と清心のよさや凄さがよくご理解いただけるとともに、両校に親しみを感じていただける内容だと思います。実際、終了後のアンケートに、「学校に親しみを感じられるようになりました」というコメントが多数ありました。

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カテゴリー: 私学について, 行事レポート

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