2015 年 2 月 9 日 のアーカイブ

清々しき旅立ちに向けて

2015 年 2 月 9 日 月曜日

 中学入試が終わり、入学にあたってのオリエンテーションを終えた学校もあるようです。弊社の各校舎には、会員受験生の進路報告書が7~8割ぐらい届いています。あと少ししたら、合格者数だけでなく、弊社の受験生の進路選択状況をご報告できると思います。 

 さて、今回のブログですが、昨日折り込んだチラシの「清々しき旅立ちに向けて」というタイトルの記事についてコメントを付け加えてみようと思います。まずは、記事の内容をご紹介しましょう。

 長い受験生活がとうとう終わったね。志望校合格の喜びを味わっている人もいる一方、悔しい気持ちでいっぱいの人もいるかもしれないね。けれど、新たなスタートラインに立っているという点では、みんな同じだ。春になったら、きみたちは中学生。そして、その先に続く果てしない道程を歩んでゆく。それは、人生という旅だ。

1.入試への挑戦を通じて、きみたちは自分の器を大きく育
  てた。

 目先の楽しさを味わえるものがいくらでもある今の時代に、受験という大きな目標にチャレンジしたきみたち。「なんでこんなに勉強をしなければならないのか」と思った時もあっただろう。しかし、目標に向かってあきらめることなく努力し、とうとう最後までやり遂げた。それはすごいことだよ。そして、この挑戦を通じて、きみたちは自分という器を大きく育てあげたにちがいない。どうだろう。きみたち自身、入試への挑戦を通じて自分への手応えを感じているのではないかな?

2.受験勉強で身につけた“勉強法”は未来への宝物だ。

 いつだったか、受験を終えた会員生がこんな言葉を残していた。「入試が終わっても、毎日机に向かわないとなんだか落ち着かない」――この言葉は、受験がもたらしてくれた宝物が何かを教えてくれるだろう。きみたちは、受験という目標を掲げ、その実現に向けて授業と家庭学習とのサイクルをひたすら繰り返してきた。もちろん、しっかりやり遂げた日ばかりではないだろう。友だちと競い合い、励まし合いながら、時には反省しながら、少しずつやるのが当たり前になってきたんだね。そうやって身につけた学習習慣や勉強法は、ずっと先まで通用する宝物なんだよ。

3.本当に大事なものは結果ではない

 入試では、全員が満足する結果を得ることはできない。しかし、たとえどんな受験結果であってもそこに向けたがんばりは必ずこれから生きてくる。本当に大切なのは“どの中学校に進学するか”ではなく、“中学校でどのように学ぶか”だ。きみたち一人ひとりにとって最も大切なことは、これからの人生を充実させることなんだからね。受験を通じてきみたちはたくさんのことを学んできたよね。どの中学校に進学しても自分の夢を育て、実現することはできる。この経験を生かしていけば、きっとすばらしい未来を切り開いていけるさ。

 自分を信じて、また、これまでの反省を謙虚に受け止めて、新たな中学校生活をスタートさせてほしい。どんなときにも、前を向いて、胸を張って進んでいこう!20150209_flower
 きみたちのこれからの活躍を、私たちも応援しているよ。がんばれ!

 この記事は、随分前に筆者が書いたチラシ記事を参考に、弊社の若手広報担当者が改めて同じタイトルに基づいて書いたものです。

 記事の内容は、弊社が中学受験の価値について一貫してお伝えしているものです。人生を長い学びの旅に例えるなら、中学校入学は学習者としての旅立ちと見立てることができるでしょう。この旅立ちにあたっては、相応の準備と心構えが必要です。中学受験に備えた長い学習の日々は、この旅立ちに向けた準備の期間だと言えるでしょう。この準備期間で子どもたちは様々な収穫を得ています。20150209

 一つ目に取り上げたのは、「目標を掲げ、達成めざして全力でぶつかる体験が、子どものすばらしい成長を引き出す」ということです。入試への挑戦に向けて、最後まであきらめずに受験勉強をやり通した。この経験は、やり通したことへの満足心と自信を子どもに植えつけます。それが、これから始まる長い学習の旅を支えてくれるに相違ありません。

 二つ目について。中学校では一人ひとりの生徒は一人前に扱われます。もはや手とり足とり教えたり、事細かにアドバイスをしたりしてくれる人はいません。まして、優秀な生徒の集まる中学校では、レベルの高い学習を自律的に進めていくことが求められます。そんな環境においては、自分で学習を管理し推し進めていく姿勢をもっていることが大前提となります。受験準備のプロセスで身につけた学習の習慣や学習方法は、学びの推進力としてこれから活かされるのです。

 三つ目ですが、「受験の終了は、新たな出発点に立ったことを意味する」ということをお伝えしました。志望校合格の喜びを味わった子どもも、残念な気持ちをかみしめる結果となった子どもも、中学校進学でまた一からがんばっていかねばなりません。問題なのは『これから』なのです。

 新たに始まる中学校生活で、これまで培ってきたものを活かしていけば、次のハードルを乗り越えることが可能です。受かっても慢心せず、希望が叶わなくても落胆せず、次なる中学校のステージで一層の努力を怠らないようにしたいものです。そうすれば、きっと明るい未来が開けてくることでしょう。

 子どもたちの将来を見据えた学習指導の実践。――これは弊社の中学受験専門塾としてのアイデンティティのようなものです。「子どもたちの合格の夢を叶えたい」と願って指導していますが、同時に「日々の努力が明日のさらなる成長に向けた力となるような指導を心がける」ということも、肝に銘じて忘れないようにしています。今回のチラシ記事は、そうした私たちの思いを背景にしています。

 前述のように、以前同趣旨のチラシ記事を書いたことがあります。そのときにこんなことがありました。ある日某私学の先生とお会いしたとき、「先日のチラシの記事は、あなたが書いたのでしょう?」と切り出され、さらに「うちの娘がおたくの塾に通って受験したので、あのチラシを娘にも読ませたんですよ」と言われました。

 その言葉に、胸がドキドキしてきたのを思い出します。その先生の娘さんは大変優秀で、いつも6年生女子でトップランクの成績をあげておられました。先生はさらに言葉を続けて、「『あのチラシの文面に書いてあることをどう思うか』と、聞いてみたんですよ」と言われました。ますますドキドキしてきました。

 「すると、娘が『ここに書いてある通りだと思う』と言いました。娘がそう思っているとすれば、親としてはとてもうれしいです」とおっしゃいました。この言葉に、筆者はほっとするやら恐縮するやらで、何とも言い難い気持ちに襲われたことを記憶しています。

 弊社の教室の指導担当者は、「合格の喜びに浸っている受験生の背後に、希望の叶わなかった子どもたちがいる」ということを忘れないようにしています。また、「合格を得たかどうかよりも、受験への挑戦のプロセスで何を身につけたかのほうが重要だ」と認識しています。

 間もなく始まる新年度の講座においても、子どもたちの明日につながる指導を肝に銘じて指導してまいりますので、引き続きご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申しあげます。

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カテゴリー: 中学受験, 家庭学習研究社の特徴, 家庭学習研究社の理念