家庭学習も新たなスタートを

2015 年 4 月 8 日

 春休みが終わりを迎え、いよいよ新学期が始まりました。新たなスタートを切ることで気持ちも新たに頑張ろうと思っている子どもさんも多いことでしょう。休み中も生活リズムを崩すことなく、規則正しく生活することができたでしょうか?

 当社をはじめ多くの塾では既に新年度の講座が始まっていますが、学校で新たな学年の学習がスタートする時期は、同時に家庭学習のあり方を見直してみるのにも絶好のタイミングです。そこで今回は、ご家庭でのお母さん・お父さんによるフォローも含めて、低学年期の家庭学習について書かせていただきたいと思います。

 みなさんのご家庭では、子どもさんは毎日すぐに机に向かっているでしょうか。
 基本的に子どもはみんな「楽しい」ことが大好きですから、勉強に関しても例外ではありません。ですから、自らすすんで机に向かう子や、問題を解きながら「面白い!」と口にする子達は、その子達にとっての勉強が「=楽しいこと」だと素直に感じられているという点が大きな理由になっています。
 一方、現時点で勉強に対して「面倒だな」とか「よくわからないから面白くない」などのマイナスイメージを抱いている場合、いくらお母さんから「目標をもって・・・」「自分のために」と言われたとしても、子どもにとって勉強することは単なる苦痛でしかありません。そうした中でも、「難しくてよくわからないけど、頑張って勉強しよう」という子がいれば、それはお母さん・お父さんから褒めてもらいたい(叱られたくない)という気持ちが強く心の中にあるからでしょう。
 筑波大学の心理学系の先生が示されているデータによると、低学年期の子どもの学習意欲のうち、最も高いものは「親に褒められたい・叱られたくない」であり、反対に最も低い位置づけにあるのは「目標を達成したい」だとされています。つまり、低学年期の子ども達は、「楽しい」と感じられるからこそ勉強しようと思うのであり、お母さん・お父さんから掛けられる温かい言葉を励みに頑張っている、ということになります。

 このように、家庭学習に取り組む際には、お母さんお父さんの声掛けによって、子どもの気持ちを上手に高めてあげることが非常に重要になるわけですが、その一つとして、新年度のスタートを迎えるこの時期に、親子で一緒に学習計画を立ててみるのはいかがでしょうか(先日も「ジュニアブログ」で書きましたが、4月を迎えるタイミングで再度おすすめします)。
 親としては、ついつい口を出したいところではありますが、親子で一緒に家庭学習の計画を立てる過程において、親がうまく子どもを導いて(誘導して?)、低学年の子どもであっても最終決定はぜひ自分自身にさせてみてください。
 学習計画が子どもの意向を反映させた(子どもが自分で決めた)ものになっていれば、もしなかなか腰を上げない状況になったとしても、「自分で決めた勉強の時刻になったよ。頑張ろうね」などと励ましながら、子どもの気持ちを上手に勉強へと向かわせることができるはずです。こうして温かい言葉をかけるのと、「いつまでテレビ見とるんね!早く宿題しんさいや!」とお母さんが感情を爆発させるのとでは、机に向かう子どもの気持ちは全く違うものになるのは言うまでもありません。

 もう一つ、子どもの学力形成を考える上では、家庭学習と授業の連携も重要です。
 当社は「家庭学習研究社」の名前の通り、子どもの学習の中心には「家庭学習」があるべきだと考えています。これは、「全て家庭で勉強すればいいのなら、塾や学校の授業は必要ない」という意味ではありません。家庭学習が中心にある学習サイクルの中で「授業」が果たす役割は、子どもが「楽しい」と感じられる経験や知的な刺激をたくさん与えることだと考えているのです。
 子どもが家庭において毎日課題に取り組むということは、どんな内容であっても、多大なエネルギーを要するものです。だからこそ、お母さんお父さんの言葉かけによって子どもの気持ちを高める必要があるのですが、ここで、授業での「楽しい」経験や記憶が、家庭学習に向かう子どもの背中をより強力に押してくれることになります。自分一人で課題に向かっていても、「先生があんな説明してたなあ」とか「授業でこの内容を勉強した時、○○くんが発表してたっけ」などの記憶が、課題に向かう気持ちを後押ししてくれるのです。
 ですから、子どもが塾や学校から帰ってきたら、「今日の授業はどうだった?」などと親子で会話をしながら、子どもの楽しかった記憶がより鮮明によみがえるような言葉かけをしてみてください。こうして授業と家庭学習を上手に連携させて、少しずつ家庭学習の習慣を身につけることができれば、この先の学力形成にもつながっていく大きな財産になるのは間違いありません。

 新学年になり、新たな生活・学習がスタートします。これからもご家庭での温かいサポートをぜひよろしくお願いいたします。

(butsuen)

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カテゴリー: 小学1~3年生向け

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