学びの飛躍をこの夏に! その2

2015 年 6 月 29 日

 前回は、6月19日に西区民文化センターで実施したイベント(学びの飛躍をこの夏に!)の前半の報告をしたところで終わりました。今回は、後半の内容をご報告しようと思います。

 前回の最後に、「この夏休みに達成したい小さな目標を掲げてはどうでしょうか」とご提案したことをお伝えしました。そして、目標達成に向けた努力を後押しする作戦として「3行日記」というものをつけることをご提案したことをご紹介しました。3行の日記は、自分の努力のプロセスを振り返り、より高みに向けて自己修正を図るうえで大いに役立つと思います。

 小学生の子どもに不足しているのは、自分の現状を俯瞰する「メタ認知(自分の認知の状態を認知する)」的な視点です。自分を常に振り返り、反省すべき点を修正していく姿勢をもつと、子どもはすばらしい進歩を遂げるものです。「小さな目標をもつ」ことと「3行日記をつける」こと。この二つをぜひ実行に移していただきたいと思います。

 それでは催しの後半の様子をご報告しましょう。

 再び話者が三篠校校舎長の杉原に戻り、今度は夏休み中の家庭学習についてご提案しました。この杉原担当分は、「家庭学習は、“生活習慣”と“学習習慣”の連携で実践を!」というテーマでお届けしました。以下は、杉原のお話しした内容をかいつまんでまとめたものです。

 決めた勉強をやりこなすには、前提として毎日の生活習慣がしっかりしていることが必要です。生活の習慣がリズムよく循環するなかに学習が組み込まれ、習慣として根づけば、家庭学習も規則正しく継続されるようになります。

 こうした流れからもわかるように、家庭勉強の計画も日によって変動しないよう、時間を固定させたほうがよい結果を生みます。まして暑い時期ですから、短い時間にテンポよく行うほうが能率も上がります。よくできる子どもほど、そういう勉強をしています。

 20150619tuika夏期講座期間中の家庭学習は、「授業の予習・復習」が中心となります。また、「がんばりチェック」と呼ばれるテスト前のまとめの復習があります。それらに加え、先ほどご提案した「夏休みの目標」に関わる取り組みもあるかもしれません。

 夏期講習の進行に合わせ、親はわが子が毎日の家庭学習で何を取り組むべきかわかっているかどうか、時々チェックしてあげてください。それが大丈夫なら、テストでもがっかりする結果にはなりません。全然わからない問題はそのままにしても結構です。今は、学習の態勢づくりに目を向けてください。それが整ってきたら、徐々にこだわりが生まれ、少々大変でも取り組むようになっていきます。

 なお、家庭内は、テレビやゲーム、漫画など、勉強の妨げになるものが多くあります。室内を落ち着いた雰囲気にし、よけいなものを置かないよう留意してあげてください。

 以上のような話をお伝えした後、杉原からの話の最後は、「日本人は、習慣化で物事をやり遂げる民族です」というテーマで少しお話ししました。

 20150629a朝のラジオ体操、朝礼、授業時の一斉挨拶、朝の清掃など、日本人は同じことを儀式的に習慣として繰り返すことを好みます。それは、物事をリズムよくやり遂げ、コンスタントに結果を得るうえで随分役立っています。子どもの学習についても、同じ時間帯に学習時間を定め、同じような手順で勉強を繰り返すことで習慣として根づき、勉強にリズムが生まれてきます。そうなると、やるのが当たり前になり、やらないと気が済まないまでになっていきます。そこまでになると、勉強をすることはもはや苦痛でもなんでもなくなっていきます。

 杉原は、習慣化(ルーチン化)が日本人の特性に合った物事の達成法であるということを、メジャーリーグで長く活躍するイチロー選手の例をあげながら強調しました。勉強も上手に習慣化していけば、誰でも相当な学力のもち主になることは可能です。先ほどの天才の話ではありませんが、もともと頭がよいから天才レベルになれるのではなく、努力を繰り返す力、つまり“習慣”の為せる業なのです。

 そのことを踏まえ、「この夏休みには、シンプルな計画に基づき、リズムよく勉強をやりこなしていく習慣を身につけましょう」とお伝えして話を終えました。

 三篠校の杉原が、家庭学習についてお話しした後、最後に広島校校舎長の三里が、「“授業”を大切にすると、家庭学習も楽になる!」というテーマでお話ししました。以下は、そのときの三里の話のおおよそをまとめたものです。

 では、授業についてご説明します。学校でも塾でも、学習指導の軸は「授業」にあります。授業をどう受け、家庭学習につなげるか、つまり、授業と家庭学習の連動性が成果の分かれ目です。そこで、今から夏期講座期間中の授業をどう活かすかについて簡単に説明します。

 5年生・6年生には予習が必要です。家庭での勉強で当該授業単元のわかるところ、わからないところをはっきりさせ、疑問点を明確にしたうえで授業に臨むのが、授業成果をあげるための基本です。

 4年生には「予習」はありません。授業では、指導担当者が上手に導入を図り、始めて出合う単元の柱となる原理を学んでいきます。そのうえで、テキストに載っている他の問題に取り組み、理解を深めていきます。20150629b

 こうした授業で成果をあげるには、先生の話を傾聴するということに尽きるでしょう。当社の授業は、問題を一斉に解かせて、あとで先生が解説するという形式ではなく、単元の中心となる理屈を先生の進行に合わせて一緒に考えるというスタイルを採ります。子どもに、大切な考えを自分で気づかせることを意図するからです。

 ですから、成果をあげるには、先生の話を集中して聴き、自分で解決法を考える姿勢をもつことです。これを繰り返すことで、子どもは勉強の進めかたをマスターし、家庭でテキストの学習を一人でできるようになっていきます。そのためにあるのが授業なのです。つまり、私たちの授業は自学自習の姿勢を身につけるためにあるんですね。

 家に帰ったら、授業で学んだことを定着させるべく、「復習」に取り組みます。授業で扱われた問題をやり直したり、他の類題を自分で解いたりする取り組みを通して、学力を磨いていきます。こうして、「授業」→「家庭学習」の反復を繰り返しながら、学びの態勢を整えていくわけです。いたってシンプルな仕組みですが、この学びかたこそ、中学から大学まで続く長い学校生活で成果をあげていくための基本的な学びとなります。

以上で、授業についての説明を終わります。

 CIMG0517mini今回も、Part.2までの紹介で終わってしまいました。今回ご紹介したのは、夏期講座期間中の「家庭学習」と「授業」についてですが、これらは受験勉強における車の両輪と言えるほど大切なものです。いつも会員家庭にお伝えしているおなじみのことがらではありますが、夏の講座の始まりにあたり、改めてご確認いただけたら幸いです。

 筆者が最後に担当したPart.3のご報告は、またいずれさせていただこうと思います。よろしくお願いいたします。

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カテゴリー: 勉強について, 子育てについて, 家庭での教育, 家庭学習研究社の理念, 行事レポート

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