全国玉井式研修セミナーに参加してきました!

2015 年 10 月 5 日

 先日、「第3回全国玉井式『国語的算数教室』『図形の極』研修セミナー in OSAKA」に参加してきました。これは、全国各地にある玉井式の講座を導入している塾や小学校などが一堂に会して、事例研究の発表や意見交換などを行うものです。
 そこで今回は、その会の大まかな流れと概要などをごく一部ではありますが、簡単にご報告させていただきます。

 当日は、第1部の冒頭で、玉井式の創始者である玉井満代先生から、ご挨拶と玉井式の今後の展望についてお話しされました。
 その後、当社の低学年部門責任者も含む全国各地の塾の代表取締役の方々からお祝いの言葉があり、「国語的算数教室」や「図形の極」を導入している塾や小学校からの事例発表、インドで開講している玉井式の学習塾の取り組み紹介などが行われました。
 第2部では、参加者が6つのグループに分かれ、それぞれが分科会として、実際の現場での課題や反省点などについて積極的な話し合いが行われました。

 会の冒頭で玉井先生がお話しされた内容のうち、いくつかご紹介できる範囲でお伝えさせていただきたいと思います。
 まず、これから「玉井式の目指すところ」を挙げられました。それは、子どもの自己肯定感を高めること、読解力を向上させること、低学年における「数の概念」の理解を目指すことの3点です。
 最初に、日本の子ども達の自己肯定感の低さについて触れられ、高校3年生の約83%が「自分はダメな人間だ」と思っているというデータを紹介されました。幼いころから競争を排した学習スタイルや、偏差値のみによって学校を選ぶ進路指導など、従来の日本型の教育では子ども達の自己肯定感は高まっていかない。玉井式をはじめとする新たな形の教育やカリキュラム内容での学習を広めることを通じて、日本の子ども達に自信をもたせられるようにしたいというお話をされました。

 次に、読解力の向上に関しては、「国語を学ぶ」そもそもの目的について話されました。なぜ国語を学んで国語力を高めるのかといえば、本来の目的は、自分の考えや感じている内容を他者に正しく伝えるためであって、これまで行われてきたような「テストで高得点を獲得するために熟語や単語を数多く暗記する」といったものではありません。
 そうした「伝え合う」力を育むための工夫の一つとして、アニメーションやタブレットの映像において子どもに語りかける言葉は、単調な機械音声ではなく、きちんと声優が声を吹き込んで「人が人に語りかける」形式を大切にしている点を挙げられていました。タブレット活用を主とするICT教育は、本来子どもの五感に訴えかけるものであるはずなのに、無機質な機械が発する音声が流れるだけでは心に響くことがない。だから、玉井式では例え手間や時間がかかったとしても、声で感情を表現できる一流の声優を登用して、子どもの心に働きかけることにこだわっているという説明をされました。

 三つめの低学年における「数の概念」の理解を目指すという点に関しては、「暗記ではなく、イメージさせる」ことの重要性を説かれていました。実際、国語的算数教室のカリキュラムにおいては、計算の手法を学ぶ以前に、数の概念の理解や数を操作するイメージを固めるための学習に時間をかけます。
 例えば、玉井式における分数の学習においては、「通分」や「約分」などの手法を習う以前に、まず分数の基本概念を繰り返し学びます。そして、実際に分数計算をする際にも、単に機械的に答えを求める計算方法を学ぶわけではありません。「10分の5」+「2分の1」であれば、通常ならすぐに通分をした上で計算することになりますが、「どちらも『半分』である」という理屈がわかっていれば、通分のやり方を知らなくても答えを求めることができます。他の単元も、単に計算方法を暗記させて答えを求めさせるのではなく、まずはその数の大きさや操作をしっかりイメージして、それをもとに答えを求める考え方が身につくよう、カリキュラム設計にも工夫がなされているのです。

 他にも、奈良の小学校やインドの玉井式直営塾からの事例発表や、参加塾が意見を交換しあう分科会など、盛りだくさんな内容でした。今回が3回目になる「全国玉井式研修セミナー」ですが、回を追うごとに参加団体(塾や小学校など)が増え、研修内容も充実したものとなって、参加する私達にとっても非常に良い刺激を受けることができました。

 今回、全国各地の多くの塾の方々と交流することができ、当社の参加スタッフ一同、大いに刺激を受けて帰ってきました。玉井先生を中心とする玉井式の教材作成に関わる皆さんの思いや、それを導入している全国の塾の皆さんの熱い思いを感じ、当社も負けずに子ども達が楽しく学べるような素晴らしい学習環境を作っていきたいと、改めて強く感じた次第です。

(butsuen)

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カテゴリー: 家庭学習研究社の特徴, 小学1~3年生向け, 行事レポート

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