2016 年 4 月 4 日 のアーカイブ

親のサポートの勘所は何?

2016 年 4 月 4 日 月曜日

 前回は、4・5年生までの子どもは自覚的な学習の遂行力が未発達であり、ある程度親が家庭での学習状況を把握したりサポートしたりする必要があるということを書きました(無論、指導現場の担当者はあくまでお子さん自身の自覚に基づく学習が実践できるよう、粘り強く働きかけなければなりませんが)。

 該当学年のお子さんをおもちのご家庭はどうでしょうか。弊社では、2週間に1回の割合で実施する単元テスト(マナビーテスト)のサイクルに合わせ、毎日の家庭学習の計画表を親子で相談のうえ作成していただくようお願いしています。この計画が8割以上実行に移せているようなら現状はまずまずと言ってよいでしょう。

 しかしながら、開講直後は計画通りやれていた勉強も、1~2カ月も経つと気のゆるみやマンネリが頭をもたげ、やるべき時間が来てもつい後回しになってしまうお子さんがいるようです。まだ受験というものがわかっていないうえ遊び盛りの年齢ですから、ある程度はやむを得ません。

 だからこそ、計画に沿って勉強する習慣を少しでも早く定着させてほしいですね。決めたことを決めた時間にやるのが当たり前になれば、次第にやらずにはいられなくなるものです。その段階に漕ぎつけるまでが大変ですが、いったんこのレベルに達したなら、本人はもとより保護者の負担もずいぶん軽減されるものです。家庭学習の習慣づけをぜひ大切にしていただきたいですね。

 また、親から見て一応やっているのに、テストの成績が今一つ伴わないといったケースもあるかもしれません。これはこれでそうなる原因があると思います。

 たとえば、わからない問題にいつまでも時間をかけて取り組んでしまう、苦手なタイプの問題を避けてしまう、好きな科目に取り組みが偏っているなど、勉強にムラがあるケースが考えられます。

 また、授業後の復習は必須ですが、それができていなかったり不完全であったりすると、テストの結果に必ず影響します。授業でテキストの問題のすべてを扱うのは時間的に不可能ですから、取り組んだテキスト問題の正誤チェックが家庭学習で必須となります。それをお子さんはやっておられるでしょうか。間違えた問題はやり直し(配布された解答に添付された「解説」も参考にする)をする必要がありますが、それを嫌がるお子さんもいます。

 テストの直前の授業では、2週間の単元のまとめ(がんばりチェック)をしていますが、さらに家庭でまとめをしっかりしておくと、よほど苦手な単元でない限り、親が落胆するほどの残念な成績になることはありません。もしもそのような成績であった場合、授業後の復習、テスト前のまとめの学習は無論のこと、さほど負担でないはずの副教材の学習(カリキュラムの進行に沿って、毎回のテストに一定数出題しています)にもほとんど手をつけていない可能性があります。

 以上からご理解いただけるかと思いますが、4・5年生部では、やりかたさえ間違えずに計画に沿って勉強すれば、どのお子さんにも相応の成果が得られる内容の学習をしています。それなのに、親の期待とは程遠い成績に甘んじているお子さんがいます。今のうちにその原因を調べ、巻き直しをはかっておきたいですね。少しずつの積み重ねの差も、1年間では大変な違いになってしまいますから。

 そこで、今から親がサポートして学習状況を改善していく方法についてお伝えしようと思います。あれこれ書くと却って難しくなってしまう恐れがありますから、今回は最も効果が得られる「ノート点検」に絞って書いてみようと思います。

 みなさんは、わが子がどのようなノートのとりかたをしているかご存知でしょうか。4年部では、お子さんがテキストの問題に取り組んだ後の○つけをお願いしています。したがって、大抵のかたはノートを見ておられると思いますが、5年生でも学習が軌道に乗るまではある程度親が目を通しておくことをお勧めします。

 なぜかと言うと、ノートのとりかた使いかたでお子さんの勉強の良し悪しがおおよそわかるからです。たとえば、ノートから次のような学習の内実がわかります。

1.授業で書き入れたノート(板書など)
授業で指導担当者が板書した内容が、ノートに書き写してあるかどうか。

2.テキストの問題への取り組み(練習問題など)
テキストの練習問題や発展問題などに取り組んでいるかどうか。20160404b

3.○×チェック(4年生)
テキストの課題(練習問題や発展問題)がどの程度できているかどうか。

4.間違えた部分のやり直しノート
間違えたテキスト問題のやり直しをどの程度しているか(力をつけるために必須)。

5.マナビーテスト前の学習(がんばりチェック)のノート
まとめの学習をどのぐらいやっているか。テスト準備に必須の学習。

6.副教材に取り組んだノート
アタックなどの副教材の答えをノートに書き入れているかどうか(指導担当者に提出しているお子さんのノートには、認印や励ましのコメントがある)。

 以上のように、受験勉強の骨組となる基本的な学習の状況が、ノートを見れば親にもすぐにわかります。ですから、ちゃんとした取り組みの跡があればほとんど心配は要りません。しかし、今挙げた6つのうちの半分以上に問題があれば、おそらくテストの成績はかなり厳しい状況になっていることが想像されます。

 4・5年生の勉強は、親の関心の度合いや熱心度がかなり勉強に影響します。指導担当者がしっかりとお子さんを引っ張っていかなければならないのは当然ですが、それでも4・5年生のうちは「塾は楽しい! でも、家での勉強は面倒くさい」という子どもはかなりいるものです。

 もう一度申し上げますが、親は「わが子が適切な勉強をしているかどうか」を見届け、そして必要に応じてアドバイスすることが今の段階では必要です。勉強内容に立ち入り、教える必要はありません。重要なのは親がわが子の勉強に関心を寄せ、常にほめて励まし続けることが、学習成果をあげるための最もよい方法であるだけでなく、お子さんの勉強の自立促進につながります。

 20160404ただし、気をつけたいのは、親はほめて励ますつもりが、つい小言や注意、叱責の言葉を子どもに浴びせがちだということです。これをやると、子どもはノートを見せることを嫌がるようになってしまいます。まずは少しでもよい点を見つけてほめてやり、直すべき点に気づかせながら上手にやる気を喚起していきましょう。できれば、「ここは、こう直さないと!」という言いかたではなく、「ここは、もっとよいやりかたがあるんじゃない?どうしたらいいと思う?」など、子どものプライドを尊重するようなアプローチが望ましいでしょう。問題点というものは、一気に改善できるなら苦労しないものだということを踏まえ、粘り強いバックアップをお願いしたいと存じます。

 もし、基礎力養成期の終了段階、つまり6年生の春までに、お子さんが自分なりの勉強法を確立できたなら、入試の見通しは俄然明るくなってきます。そのためには、子どもが間違ったやりかたに染まってしまわないよう、親が学習状況を見守りフォローしていきながら、徐々に子どもの勉強の自立へ導いてやりたいものです。

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カテゴリー: アドバイス, 家庭での教育, 家庭学習研究社の特徴