2016後期「おかあさんの勉強会」を実施します

2016 年 10 月 10 日

  「おかあさんの勉強会」は、学習塾の催しとしては珍しい「ワークショップ形式」の催しです。2010年に「おかあさん塾」という呼称で初めて実施し、翌年に現在の呼称に改めました。早いもので7年目を迎え、今ではすっかり恒例の行事として定着しています。

 中学受験は、成長途上にある小学生の受験です。つまり、受験生はまだ分別をわきまえていない子どもですから、親のサポートが必須の受験だと言えるでしょう。したがって、見かたによっては受験生以上に親に負担がかかる受験だと言っても過言ではありません。とりわけ家庭で一緒にいる時間が多く、しつけや生活面の世話にも追われるおかあさんの苦労は、それこそ並大抵のものではありません。

20161010a  「おかあさんの勉強会」は、そんなおかあさんがたを少しでも応援したいと考えて始めた催しです。人間は、何かでストレスを感じたり、悩みが生じたりしたとき、同じような立場にある他者と交流する機会を得ると、随分気持ちが救われるものです。このような発想から、子育てと受験生のサポートという二重の負担を抱えているおかあさん同士が、忌憚なく話し合える場を提供したいと考えた次第です。ワークショップ形式という双方向性の催しにしたのはこのような理由からです。

 ただし、何でも自由に話すだけでは単なる気分転換の場にしかなりません。そこで、毎回おかあさんがたが悩んだり苦労したりしがちな問題点をテーマとしてとりあげ、それをどのように改善したらよいかを話し合っていただくことにしました。

 なお、これまでは「週3日コース」の会員家庭を対象としていましたが、今回から「土曜コース」のおかあさんがたにも参加いただけるようにしました。以下は、今回の勉強会の大まかな内容と流れを説明したものです。2回を通じたテーマは、「効果覿面!おかあさん必須のサポート術って!?」となっております。催しのあらましをご確認のうえ、興味をおもちになったら是非お気軽に参加ください。

第1回 「“やればできる”という自信を吹き込もう!」

 子どもの勉強が活性化するかどうかの鍵を握るキーパーソンは誰でしょう。それはおかあさんです。小学生の子どもは、親、特におかあさんを見て行動しています。それは、「おかあさんにがんばっているところを見てほしい」「おかあさんに認めてもらいたい」という強い願望があるからに他なりません。

 ところが、そのおかあさんから見たわが子はどうでしょう。生まれたての赤ちゃんのころはどんなときにも笑顔で接していたのに、大きくなるにつれていつのまにか対応が変わっているのではないでしょうか。特に、受験勉強が始まってからはどうでしょう。わが子の健やかな成長を見て喜ぶどころか、むしろわが子の勉強ぶりに不満を隠せないおかあさんが多いようです。受験がわが子を見る眼差しを変えてしまったのかもしれませんね。

 第1回目の勉強会は、はじめに「おかあさん次第で、子どものやる気や心もちは大きく変わってくるのだ」ということに気づいてもらいます。そして、わが子の現在の状況を振り返り、「子どもが自分自身の可能性を信じ、精力的に受験勉強に取り組めるようになるにはどうしたらよいか」を考えていきます。以下は、案内状でもご紹介していますが、当日の流れを記したものです。

1.あなたはわが子の受験勉強の現状に満足していますか?

 全員に、「わが子ががんばっている点、もっとがんばってほしい点」を振り返っていただいたうえで、よいところを認めて励ましているかどうかを話し合っていただきます。そして、子どもの勉強が意欲に満ちたものになるかどうかの鍵を握るのは、母親の対応だということに気づいてもらいます。

2.わが子に自信を吹き込むのも親の重要な役割

 これまで、わが子を不満の目で見ていたとしたら、何がそうさせたのでしょうか。まずはおかあさんがたにお子さんとの関わりかたに反省点はないか振り返っていただきます。

 そして、子どもの勉強に元気や自信を吹き込むために、親はどうわが子に接したらよいかを一緒に考えていただきます。グループ単位でアイデアを出し合ってもらいます。

3.子どものやる気を引き出すいちばんの方法って?

 各人のアイデアは家庭で実践していただくとして、この場の全員で共有する作戦も考えてみたいところです。全員が受験をめざす進学塾においては、勉強しても成績は上がらず、自信を失う子どもも出てきます。子どもがやる気を失わず、がんばり通すには何が必要でしょうか。それは、おかあさんの愛情に満ちたバックアップです。具体的には、日々の小さな努力をほめてやることです。そのことをみなさんにお伝えします。

4.ほめて自信をつけさせるための作戦を考えよう!

 ほめるということは、簡単そうで意外と難しいものです。4・5年生ともなると、見え透いたほめかたは逆効果にしかなりません。そう、ほめるには相応の根拠が必要なのです。

 そこで弊社から、「親子で相談して当面の学習上の目標を掲げませんか?」という提案をします。目標に向かってがんばるわが子を見守りながら、子どものやる気と奮起を促すようほめてやるのです。

 とりあえず、おかあさんそれぞれに目標設定に関するアイデアを温めてもらいます。その後で、グループごとに個々のアイデアを練り直していただきます。無論、お子さんがそれを受け入れてくれなければ何にもなりませんから、帰宅後は親子で話し合いをしていただきます。

 第1回はここまでで終了し、ほめて自信とやる気を吹き込むためのより具体的な親の関わりを、2回目でより具体化させていきます。

 

第2回 「上手にほめて、やる気を引き出そう!」

 心理学者によると、小学校の中~高学年の子どもの学習意欲を支える最も大きな要素は、「親の期待するような人間でありたい」という願望だそうです。子どもがこのような気持ちを背景にして受験勉強に励むようになるには、前提となる条件があります。それは、親子の強い信頼関係です。

20161010c わが子のがんばりを見てほめると、親を信頼し尊敬する気持ちが子どもに宿ります。「どんなときにもおかあさんは自分を見守り、温かく応援してくれる」――わが子がこのように受け止めたなら、少々のことで挫折したり勉強を放棄したりすることはありません。それどころか、必死になって努力を続けていくに相違ありません。

 第1回の勉強会の最後に、子どもに当面の目標をもたせること、そしてその目標達成に向けたプロセスを見届けながら、ほめて励ますことをご提案しました。ほめる機会を得るための場を積極的に設けることになるからです。第2回の勉強会においては、ほめるということについてさらに踏み込み、「どんなタイミングでどうほめるか」ということについて一緒に考えてまいります。

 では、第2回目の勉強会の流れや内容をかいつまんでご案内しておきましょう。

1.ほめて励まし、奮起を促す作戦は親しかできない!

 この勉強会では、わが子をほめてがんばらせるためのより具体的な作戦を考えていきますが、その前に第1回目の最後にご提案した「当面の目標を子どもにもたせ、その達成に向けたプロセスをほめるための場にする」ということが、どの程度実行に移せているかどうかを報告し合っていただきます。

 家庭でのわが子の生活や学習を絶えず見守り、前向きさや努力の様子が感じられたらすかさずほめる。それは生活を共にし、子どもにとって絶対的な立場にある親しかできないことです。そのことを改めて確認し、わが子に自信とやる気を吹き込むことへの決意をしていただきます。

2.子どもはどんなほめかたを望んでいる?

 子どもが歓迎し、やる気や自信を取り戻すほめかたとはどういうものでしょうか。それを端的に教えてくれる資料をご紹介します。それは、子どもたち自身に実施したアンケートの結果です。親のほめかたと、子どもが望むほめかたとにギャップはないでしょうか。とても参考になる資料です。

 このアンケートは、弊社の4・5年部の大半の校舎で実施したものです。子どもに励みを与える声掛けのしかたも、このアンケートの結果を見ればわかるのではないでしょうか。アンケートの結果をご紹介した後、グループごとに感想や、得られた反省点・指針などについて話し合っていただきます。

3.子どものモチベーションを高めるほめかたを研究しよう!

 効果が得られるほめかたには一定の原則があります。学者や専門家の著作のなかから参考になりそうな情報、特に共通してあげられているルールのようなものをピックアップしてみなさんにご紹介します。親が子どもをほめるとき、多くの親がついやってしまう共通の間違いがあります。それは、子どもにプレッシャーを与えるほめ言葉を使ってしまうことです。そうした例を交えながら、子どもが親を信頼し、心からがんばろうという気持ちを引き出すほめかたを、一緒に研究していきましょう。

4.ほめた言葉は永遠に子どもの心に宿る

 小学生時代に築いた親子関係は一生もので、強い絆で結ばれた関係か、子どもの反発や不信を内包した関係かで、後々まで影響が残ります。受験の結果を求めるあまり(それも親心ゆえのものですが)、子どもの親に対する気持ちをゆがめてしまうような接しかたは厳に戒めるべきでしょう。

 受験生活が、子どもにとって大いなる成長になるにはどうしたらよいか。その答えは、「親のほめかた」を研究することで見えてくるでしょう。最後に、「子どもの受験で一番大切にすべきものは何か」をみなさんで確認して、この勉強会を終了します。

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 なお、「おかあさんの勉強会」は2回を通じての参加を原則としていますが、ご都合等で1回しか参加できないかたの申し込みも受け付けます。

 また、お子さんの通学校舎の開催日の参加が困難な場合、他校舎の催しに参加されても構いません。その場合、予め袋町本部(082-248-2081)にその旨お電話でお知らせください。

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カテゴリー: 子育てについて, 家庭での教育, 行事のお知らせ

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