2017 年 6 月 12 日 のアーカイブ

夏の旅行や家族行事を「体験学習」に

2017 年 6 月 12 日 月曜日

 梅雨が明けると、いよいよ夏休みが目の前ですね。学校が休みに入る夏休みは、比較的自由な時間を作りやすくなります。そのため、「普段はなかなかできない体験をわが子にさせてやりたい」とお考えのご家庭もきっと多いことでしょう。しかし、子ども達は長い休み期間であっても、お仕事をされているお母さん・お父さんは時間を作るのが難しく、家族で何かをするとなるとそれほどチャンスがあるわけではありません。

 もし、忙しい仕事の合間をぬって家族旅行に出掛ける計画があるのなら、その家族旅行をお子さんにとっての「体験学習」の場としてみてはいかがでしょうか。もちろん、普通に旅行に行くだけでも子どもにとっては十分貴重な体験なのですが、そこにもう一工夫することで、より効果的な勉強の場を作ることができます。
 準備から道中のやり取りや後片づけまで全て親がやって、子どもはそこに乗っかるだけ・・・では、貴重な体験の機会が半減してしまいます。せっかくの機会ですから、旅行の計画の段階から子どもに任せてみてはいかがでしょう。もちろん、全て任せるのは心許ないですから、学年や発達段階に応じたサポートは必要です。
 ・行きたい場所やしたいことなど、大まかな親の希望を伝えておく
 ・予算の上限をあらかじめ伝えておく
 ・あらかじめ決めたいくつかの選択肢を示しておく
 ・これまでの旅行プランに関して説明する ・・・など
 子どもに任せればなかなか進みませんから、おそらく、「自分で決めた方が早い」と思われる方が大半だと思います。ですが、そこをグッと抑えて、今回は温かく見守ることに徹してみてください。
 お子さんが高学年であれば、事前に旅行先の地図や資料などを準備して、その土地について親子で色々調べる機会を設けるといいですね。実際に現地に到着してから、「やっぱり思っていた通りだった」とか「地図を見て予想していたのと全然違うね」などと感じることも、子どもにとっては大切な勉強です。それを踏まえて家族で感想を述べあうというのも、家族旅行の楽しみを一層膨らませてくれるでしょう。
 お子さんが低学年の場合には、子どもだけで計画を立てるのはまだ少し難しいですから、旅行の計画を立てる段階から帰宅した後の振り返りまで、できるだけ親子で一緒に考えるようにしてみてください。それによって、単に「旅行先での出来事が楽しかった」というだけでなく、計画段階から「自分も参加した」という思いが大きな自信につながります。主体的に参加した旅行の経験は、普段なかなか得ることのできない貴重な「体験学習」になるのです。

 また、家庭で過ごす時間が増える夏休みは、家族旅行のような特別な行事だけでなく、毎日の生活の中でも体験学習を取り入れやすくなります。例えば、
 ・お父さんと一緒に日曜大工で何かを作ったり修理したりする
 ・お母さんと一緒に近所のスーパーまで買い物に出かける
 ・昼食や晩ご飯の準備を親子で一緒にする
 ・庭や近くのキャンプ場でバーベキューをする
 ・家族でデパートや娯楽施設などに出かける
 ・・・など、こうした身近な場面でも、子ども自身に役割を与えたり、自分で考えて行動させたりする活動を取り入れることで、子どもは様々なスキルを身につけていきます。このような勉強は、机について鉛筆を握っているだけではできません。周囲の働き掛け方次第で、日常の中には非常に多くの体験活動があふれています。
 お子さんにとって充実した夏休みを実現できるよう、ぜひ今から計画を立ててみてくださいね。

(butsuen)

LINEで送る
Facebook にシェア
Pocket

カテゴリー: 子育てについて, 家庭での教育, 小学1~3年生向け