中学入試まであと5カ月足らず・・・

2018 年 9 月 3 日

 夏休みが終わり、学校が再開しました。8月28日の朝、わが家の前を小学生の集団が通り過ぎていきました。小学校の夏休み期間は予め知っていましたが、子どもたちの登校の様子を目の当たりにして、「あっ、夏休みはもう終わったんだ」と、改めて気づかされました。「夏休みは8月末まで」という観念が染み付いていたせいでしょう。

 筆者の家は、広島市とは言え昔気質の残る田舎のほうにあります。そのせいか、子どもたちは大人の姿を見かけると、必ず「おはようございます!」と、一斉に元気なあいさつをしてくれます。それに応じて、筆者も大きな声であいさつを返します。子どもたちから元気のお裾分けをしてもらえる、とても気持ちのよいひとときです

 さて、夏休みの終了とともに、中学入試を控えた6年生児童をおもちのご家庭では、「あと入試まで半年もないぞ!」と、気持ちの引き締まる思いをされていることでしょう。そこで今回は、受験生家庭の保護者の方々に向けて今の段階でお伝えしておきたいことを書いてみようと思います。

 まず何よりも保護者にお願いしたいのは、お子さんがたとえ思い通りのステップを踏めていなくても、「焦りは禁物!」という戒めを、肝に銘じていただきたいということです。親が焦って子どもを急に振り回しても、子どもの側に「何とかしよう」という気持ちの構えができていなければ、逆効果を招くだけです。まだまだ夏休みが明けたばかりのこの時期ですから、お子さんも入試に向けた自覚は高まっておらず、一気に目に見えるほど取り組みが変わるなどということは期待できません。

 そのいっぽう、本番はあと5カ月足らずでやってきます。お子さんの気合が高まる日の訪れは、1週間でも2週間でも早いほうがよいに決まっています。大人のお仕着せでなく、子ども自身の自覚に基づいた受験生活をできるだけ早く実現させなければなりません。そこで弊社では、日頃の授業を通じて受験生の子どもたちに様々な働きかけやアドバイスをしていくほか、保護者の方々には入試本番までの仕上げ学習をより有効なものにしていくための情報をご提供してまいります。さらには、各中学校も入試の概要や学校の教育方針などを受験生家庭に知ってもらうために、「入試(学校)説明会」や「オープンスクール」などの催しをこの秋に実施される予定です。

 こうした働きかけや様々な催しへの参加等を通じて、子どもたちの受験に対する意識も徐々に高まり、勉強への取り組みも真剣さを帯びていきます。焦らず、さりとて後手を踏まないよう、いよいよ大詰めに向かう受験生活の充実に向けてがんばってまいりましょう。

 

1.6年部「第3回 保護者説明会」のご案内

 6年部の後期は、いよいよ本格的な入試問題に取り組みながら学力を仕上げていく、受験勉強らしい勉強の始まる時期です。学習内容は当然レベルアップしますし、期限を切りながら弱点補強をしたり、基礎内容の習得不足を補填したりするなど、わずかな期間も無駄にしない密度の濃い受験対策が求められます。

 上記催しでは、こうした仕上げ期の学習のスケジュールを保護者にご説明するとともに、前述のような基礎のやり直しを、どんな教材を使ってどう取り組んだらよいかについてもご説明します。また、受験生の多い主要校については、入試での出題傾向を分析した結果をお伝えし、対策ポイントの概略をお伝えします。

 人生経験の浅い小学生の受験ですから、仕上げ学習における成否のカギは保護者が握っておられます。この点を踏まえ、「仕上げ期の親の心得」についても、できる限り詳しくご説明する予定です。いちばん受験勉強がはかどるのは、受験に対する意識が定まり始める今頃から、入試直前のコンディション調整に入る1月上旬までの数カ月。その意味において、今回の保護者説明会は、「もっとも重要な保護者説明会」と言えるでしょう。お忙しい毎日をお過ごしとは存じますが、ぜひ参加いただきますようご案内申し上げます。

 

2.主要中学校「入試説明会」の日程

 9月~11月は、各中学校の情報収集に役立つ重要な催しが目白押しです。以下は、主要な中学校で開催が予定されている「入試説明会」の日程です。

 上記以外にも、多数の中学校で入試説明会が実施されます。目新しいところでは、県北部で初の公立一貫校として「広島県立三次中学校」が来春開校されますが、同校の入試説明会は11月18日(日)に予定されています(詳細は未定)。

 上表をご覧になってお気づきかと思いますが、学校によっては「オープンスクール」を同時に開催される場合があります。お子さんが実際に志望する学校の授業を受けてみたり、部活をちょっと体験したりできるなど、学校に対する理解を深め、興味関心を引き出すための仕掛けがたくさん用意されています。ぜひお子さんと一緒に参加されることをお勧めします。

 

3.弊社主催「中学入試模擬試験」(第3回~第5回)のご案内

 例年、弊社では広島の中学受験生を対象とした公開模擬試験を実施しています。全5回のうち、すでに第2回までが終了していますが、いよいよ受験校を絞り込む時期が近づいていますので、残る3回の模擬試験で学力の状態を入念にチェックし、お子さんに最適な志望校を選択するとともに、入試までの残り期間を最大限に活用した仕上げ学習を実現していただきたいと存じます。

 特に最終回の第5回は、多くの受験生が実際に入試に臨む私学を会場にして行われます。この回は最も多くの受験生が参加する模試であり、雰囲気もほとんど実際の入試と変わりません。大人と違い人生経験の乏しい小学生にとって、「本番そっくり」の疑似体験をしておくことは、入試で実力を発揮するうえで大変有効です。状況を想像していただくとお解りでしょう。何もかも初めての体験をするか、一度同じような体験をして織り込み済みであるかは、お子さんの精神状態に大きな違いを生み出します。体調にも気を配り、まずはできる限りのことをしたうえで、この模試最終回に臨んでいただきたいと存じます。

 最後に。これまで勉強のエンジンがかからず、やるべきことが中途半端のまま今日に至ったお子さんもおられるかもしれません。そういうお子さんの保護者に特にお願いしておきたいことがあります。「今からできる最善の努力をさせることが親の役割なのだ」と心得ていただき、「親は絶対にわが子に対してネガティブな発言をしない」ということを肝に銘じていただきたいと存じます。無論、これまでの勉強を振り返り、これからの受験勉強について話し合うことは必要です。そのときは、できるだけ冷静で穏やかな話し合いになるようご配慮を願いします。子どもを動かすのは親の愛情なのだということを忘れないでください。

 親の不満を伝えたり、入試の結果を悪いほうに予見する発言をしたりしても、お子さんにとって何らプラスになりません。最後まで親だからこそできる心からの励ましやサポートが子どもを奮い立たせるのです。こうした働きかけは、入試が終了した後の長い人生において何よりも得難い「親子の信頼関係」をもたらします。

 また、親から見れば「中途半端にしかやっていなかった」ように見える受験勉強も、相当な期間を使って基礎の反復学習をしてきているのですから、多少取り組みの甘さはあったとしても相応の成果は得ておられます。これまでの成績についても、全員が受験生の集団内での結果ですから、今一つに思えるのは当然のことだと割り切りましょう。必要なのは状況に応じた切り替えです。「焦らず、今から子どもの意識の高まりや努力を可能なかぎり引き出すことこそ親の務めなのだ」とご理解ください。

 それに、合格を巡る競争はかつてと比べると随分緩和されています。学力試験での選抜の場合、難関とされる中学校の入試であっても、4教科平均60%前後取れれば合格できるのです。「そうは言っても、やり残したことが多すぎる」と思われるご家庭もおありかもしれません。しかし、親が落ち着きを失ってむやみやたらと子どもを叱咤激励し、闇雲に勉強させても子どもは混乱するだけです。点数が上がらない教科は、「まずは基礎事項の埋め合わせを」と助言してあげてください。基礎内容の再点検(基礎のチェック用の副教材は、みなさんが活用されています)を丁寧に繰り返すことで、かなり巻き返すことは可能です。上記の催しなどを参考に、お子さんの意識を高めながら、今からできる最善の対策を実現していきましょう。

 中学受験は生涯で一度きり。わが子の成長につながる体験にすることが何よりも大切です。

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