2018 年 10 月 17 日 のアーカイブ

親として悔いの残らぬ応援を!

2018 年 10 月 17 日 水曜日

 先日、あるところで弊社6年部会員のおかあさんに偶然お会いしたのですが、筆者のほうをまっすぐ見るなり、開口一番に「入試まであと3か月になってしまいました」とおっしゃいました。そう、いよいよ中学入試本番があと3か月後に迫ってきたのです。

 無論、入試の日程については筆者も承知していたものの、この言葉とそのときの表情から、親として身の引き締まるような思いをされているご様子がひしひしと伝わり、改めて入試本番が近いことを思い知らされたしだいです。受験生家庭には、それぞれに志望校への進学という夢があります。このおかあさんのご家庭のみならず、一人でも多くの受験生家庭の夢が叶うことを、心から念じずにはいられませんでした。

 さて、弊社の入試に向けた学習スケジュールは、仕上げ学習の段階へと向かっています。10月14日(日)には3回目の模擬試験が実施され、もうすぐその結果も手にされると思います。残る模擬試験は、11月11日(日)と12月2日(日)の2回のみとなりました。ここまでの模試の成績を点検しつつ、仕上がりに至っていない教科・単元の学習や、苦手の補強学習を無駄なくやっていかねばなりません。残る時間は限られていますから、いかにして効率よく学力を仕上げるかが問われます。なかなかエンジンのかからなかったお子さんもおありでしょうが、親から見て多少のんびりであっても、今までやってきたことにはそれなりの成果があるものです。したがって、「入試の結果は、これからのがんばりしだいなのだ」と心を決め、お子さんを精いっぱい応援してあげていただきたいですね。保護者の方々におかれては、「今からできる自分のベストを尽くそう!」と、ポジティブな観点に立った声かけをお願いいたします。

 お子さんはまだ小学生ですから、いくら受験生としての自覚が高まってきたとはいえ、今から入試までの日数や時間を踏まえて、「何をいつまでにどのようにやっていくか」を、綿密に手抜かりなく計算するのは難しいものです。したがって、大人の助言が必要な場合も多々あるでしょう。弊社の担当者から指示は出ているとは思いますが、保護者におかれても、やるべきことがちゃんと定まっているか、その進捗状況はどうなっているか、などを確かめながら、仕上げ学習が少しでも効率よく行われるようバックアップしてあげてください。。

 ところで、保護者の方々におかれては、お子さんの受験生活においてこれまで多くの心配をされてきたと思います。これから入試本番を迎えるまでの3か月は、さらに心配事が増え、精神的な負荷も増してくることが予想されます。しかし、ここが踏ん張りどころです。お子さんの人生で初めての大きなチャレンジが実りあるものとなるよう、入試が終わるまでを親としても子育ての仕上げのつもりで臨んでいただきたいと存じます。受験の結果はよいに越したことはありませんが、「精いっぱいわが子を応援してやれた」と、振り返られるような3か月間にすれば、お子さんにとってもベストを尽くした受験生活の実現につながります。 

 そこで今回は、入試に至るまでのラスト3か月間において、どのようなスタンスでわが子に接するべきか、ということを共に確認してみようと思います。子どもが目標に向かって最後まであきらめることなく努力する――それを可能にする親のありかたは、次の表の4つのうちどれでしょうか?(この表は、アメリカの心理学者の文献から引用しました)

 一見して、「望ましいのは“賢明”もしくは“寛容”という言葉の含まれたタイプだろう」と、どなたも判断されたことと思います。まさにその通り。

 では、どちらがより望ましいのでしょうか。アメリカの心理学者は、「『温かくも厳しく子どもの自主性を尊重する親』をもつ子どもたちは、他の子どもたちよりも学校の成績がよく、自主性が強く、不安症やうつ病になる確率や、非行に走る確率が低い」という調査結果を報告しておられます。そしてこのことは、もはや専門家の間で定説となっているそうです。

 無論、「賢明な育て方」のタイプがよいとしても、これまでの接しかたと大きく食い違っていてはお子さんが混乱することでしょう。筆者としては、「心からわが子を応援しているのだ」という気持ちを基本において、心配や批判の気持ちをわが子にぶつけないこと」といったような受けとめかたをしていただければよいと思います。今まで、つい親の不安や愚痴を口や表情に出していたかたは、それを控えていただくよう、切にお願いしたいですね。また、わが子が泣き言を言ったり、「もうだめに決まっている」と投げやりなことを言ったりしたときには、怒りや興奮に任せて叱り飛ばすのではなく、最後までベストを尽くすことが親の願いであると冷静に伝えてあげてください。つまり、弱音を吐かず、最後まで可能性を追求する姿勢で入試に臨むようわが子を励ませる親であってほしいと思います。

 泣いても笑ってもあと3ヶ月。みなさんのご家庭の受験に向けた挑戦が、大団円のうちに終了しますように!

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カテゴリー: アドバイス, 中学受験, 子育てについて, 家庭での教育