2019 年 11 月 のアーカイブ

学院と清心の先生をお招きしたイベント 実施報告1

2019 年 11 月 25 日 月曜日

 11月15日(金)には、広島学院とノートルダム清心の先生をお招きしたイベントを実施しました。「学院と清心 素顔の魅力がここに!」という呼称の通り、両校のよさをできるだけ素のままにお伝えしようという趣旨の催しです。会場は東区光町(JR広島駅北口より徒歩6~7分)にある広島ガーデンパレスでした。今回は、そのときの模様を簡単にご報告しようと思います。

 当日の話者としてお招きしたのは、広島学院広報部長の倉光望先生とノートルダム清心校長の神垣しおり先生でした。お二人はそれぞれ学院と清心の卒業生であり、年齢も近いことから高校生時代にはすでに面識があったということを、筆者もかねてより伺っておりました。お二人は広報活動でジョイントされる機会も多く、しかも卓越したプレゼントークのできる方々なので、「まさに、この催しの意図にピッタリの先生がただ」と、確信をもってお声がけした次第です。

 この催しは、中学受験の専門塾である弊社の主催する催しです。そこで開始に先立ち、まずは広島の中学受験の状況をごく簡単にご紹介しました。

 近年は全国的に公立一貫校が数多く設立されています。広島県にも何校かありますが、いずれの学校も注目や期待を集めています。いっぽう、以前から数多く存在する私立一貫校はどうかというと、こちらも女子校や男子校の共学化や既存の私立高校の中高一貫校化などがあり、受験生の受け皿が増えています。今や、広島県の西部地区には国・公・私立の中高一貫校が23校あります。これは西日本では広島以外にあまり見られないことです。このように数多い一貫校のなかでも、広島学院とノートルダム清心は戦後間もなくの設立当初から高い評価を受け、以来今日まで私立の男女一貫校の最難関としての地位を不動のものにしています。したがって、弊社の会員受験生にとってもあこがれの目標校であるのは言うまでもありません。そのことをご紹介したうえで、当日のプログラムを開始しました。

 第1部は、「広島学院と清心の成り立ちと教育理念」というテーマを掲げました。私立学校にとって、建学の精神や理念は存在理由そのものです。これらなくして学校は存在し得ないものであり、何よりも大切なものです。「どうしても保護者に知っていただきたい」という思いでこのテーマを選びました。

 ただし、こうした話題について話すとなると大概は固い雰囲気になってしまいがちです。そこで、学院清心両校の学校設立の経緯や教育理念等について、コンパクトにまとめたお手製の映像(「広島市カトリック学校の歩み」)を制作されているということで、それを利用させていただきました。

 本催しの紹介ブログ記事でお伝えしたように、両校は戦後まもなく設立されたわけですが、その趣旨として共通しているのは、「教育の力で日本に再び光をともしたい」というという願いに基づいていることです。学校設立の場所として広島が選ばれたのは、何と言っても原爆が投下された地だということでしょう。アルペ神父は、原爆で自ら被ばくされたにも関わらず、リアカーを引いて被ばくされた方々を運んでは看病し続けました。そして、広島への支援を世界中に訴えられたそうです。そうした活動に呼応する形で、カトリックの修道会の方々が広島に私立学校を設立されるに至ったのです。

 ノートルダム清心が設立されたのは1950年ですが、これはナミュール・ノートルダム修道女会のシスターたちの働きによるものでした。「広島に原爆を投下したのはアメリカなのだから、被ばく地である広島に学校をつくるのがふさわしい」と考え、己斐の丘に私立の女子学校を設立されました(当時の様子が、ほほえましいエピソードとともに紹介されていました)。広島学院は、それから6年後の1956年に、旧浅野藩の別邸のあった古江の地(当時は雑木林)に、シュワイツェル神父達によって設立されました。費用は主にアメリカからの募金で調達されましたが、地価がアメリカよりもはるかに高いため、用地確保のための資金集めにはずいぶん難渋したそうです。これはほかの何かで知った話ですが、敷地を整えるにあたっては、神父自らブルドーザーを操縦されたとか。

 このように活字にすると、やはり堅い話になってしまいますね。両校に興味をもっていただいた保護者には、ホームページを閲覧したり、学校案内を取り寄せたりするなどして、詳しいことを確認していただければ幸いです。第1部のご報告の締めとしてお伝えしたいのは、「学院も清心も、金持ちが贅を尽くしてつくった学校などではなく、カトリックの信仰に基づき、慎ましい生活をされている信仰厚い方々が、「教育によって日本の復興を」と念じて尽力された結果誕生したのだ」ということです。

 第1部での、先生がたのコメントで筆者の耳に残ったことを簡単にご紹介しておきます。倉光先生は、「学院のパンフレットは毎年刷り直すことをしない」ということをお話しになり(校長が変わられたときだけ刷り直すそうです)、「学校の目標は不変である」「大学への合格実績よりも、学校の特色に関心を寄せてほしい」という熱い思いを語っておられました。また清心の神垣校長は、「心を清くし 愛の人であれ」という校是を踏まえ、「『どんな人が愛の人なのかな』ということを、6年間をかけて学ぶのが、清心での中学・高校生活です」と言ったようなことをお話しになりました。どちらの先生からも、「ただ大学への進学を視野に入れるのではなく、心の豊かな人間となるための学びの場として本校の教育に価値を見出してほしい」という、強い思いが感じられたことをつけ加えておきます。これは、学校設立の経緯を振り返ると大変納得がいくことですね。

 では、第2部の内容の紹介に移ろうと思います。第2部は、「学院・清心のイメージと実像」というテーマでお届けしました。以前のブログ記事にも書いたように、学院と清心は「お堅い」「優秀」「上品」といった固定観念に基づくイメージがつきまといます。おそらく、カトリック系・最難関私学・制服のデザイン・丘の上にある学校などの特徴が結びついてできあがったものでしょう。それはほんとうなのか、実際はどうなのかという視点から、「素のままの学院と清心」に迫ってみようと企画したプログラムです。

 学院→清心の順で、それぞれ「生徒さんのインタビュー映像」と「生徒さんのアンケート結果」をご紹介しました。お子さんや保護者のみなさんのイメージや予想とどれだけ一致しているでしょうか。

 学院の生徒さんへのインタビューの人選は、倉光先生に一任したのですが、中1とは思えないほどしっかりした生徒さんで、インタビューでの質問に対して理路整然と答えてくれました。多数の候補者の中から選んでくださったのだろうと思っていたところ、「廊下を歩いている生徒で、家庭学出身者を適当に見つけて声をかけただけだ」と、人選について意表をつく裏話をされました(「ルックスも考慮した」という冗談も交えて)。確かに、「いかにも学院生」と言わんばかりの清潔で整った顔立ちの生徒さんでした(筆者も先入観に染まっているようです)。

 この生徒さんによると、入学するまでは「真面目で勉強ばかりやっている学校」というイメージがあったが、入ってみると和やかな雰囲気で、休憩などの時間には友達と遊んでいる」そうです。「部活はサッカーをやり、今は文化祭に向けて合唱の練習に励んでいる」と報告してくれました。目下の目標は、「友達に成績で勝つこと」と語ってくれました。それを受け、倉光先生は「まだ自分のことしか視野に入っていないですね。これから6年間かけて成長し、他者に目を向けられる人間に成長してくれるでしょう」というコメントをしてくださいました。
 
 以下は、広島学院の中1と高3の生徒さんへのアンケートの結果を簡単にまとめたものです。

●学院生へのアンケート結果

 続いて清心の生徒さんへのインタビュー映像をご紹介しました。こちらは高校2年生の生徒さんで、きりっとした風貌で理路整然と話をされる生徒さんでした。「こういう頭脳明晰でしっかりとした清心生の先輩を見ると、受験生の子どもたちはさぞあこがれるだろうな」と思わせるものがありました。

 この生徒さんは、高2ながら部活に生徒会活動に積極的な活動をされている様子を報告してくださいました。清心での学校生活については、「ずっと6年間一緒なので、深いつながりができる」という点を長所にあげておられました。また、「みんな高い目標をもって努力をしているので、自分も同じように目標めざしてがんばれる環境です」と言い、「大学受験が近づいているので、部活もこれでおしまいにし、大学受験に向けてがんばります」いうようなことも話してくださいました。

 では、生徒さんへのアンケートの結果をご紹介しましょう。

●清心生へのアンケート結果

 第2部までで、随分長くなってしまいました。ここまで読んで(見て)いただき、どんな感想をおもちになったでしょうか。「だいたい想像通りだった」という人もおられれば、「思っていたのと全然違っていた」という人もおられるかもしれませんね。

 広島学院とノートルダム清心は言わずと知れた県内トップランクの進学校です。しかしながら、広島学院の倉光先生は、「本校を進学校という側面だけで見てほしくない」といったニュアンスのことを常日頃おっしゃっています。その理由は、今回の記事内容からおおよそおわかりいただけたのではないかと思います。私学人は、設立当初からの教育にかける熱い思いを大切にしておられるのでしょう。だからこそ、大学進学のことだけを視野に入れて入学するのではなく、学校の教育に対する考えをきちんと受け入れて成長してほしいのですね。このことに関しては、後半の記事を終えてまた簡単にまとめてみたいですね。どうぞよろしくお願いいたします。

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カテゴリー: 家庭学習研究社の特徴

第4回模試が終わりました

2019 年 11 月 18 日 月曜日

 11月10日(日)には、弊社主催の「第4回 中学入試模擬試験」が行われました。これで全5回の予定のうち、4回が終了したことになります。残るは12月1日(日)に実施する最終回のみとなりました。最終回は入試が近づいていることもあり、実際の試験会場となる私学、それも最も多くの子どもたちが受験する修道と広島女学院の教室をお借りして実施します。受験生のみなさんには、入試本番の雰囲気を事前に味わえるこの最終回でぜひ手ごたえをつかんでいただきたいですね。

 さて、最後の模試(12/1)から私学の入試解禁日(1/7)までの期間は1か月あまり(叡智学園の一次入試は11月24日に実施予定)です。この記事を掲載する11月18日の段階から数えると、入試の本格的な開始まであと40日ほどになりました。もはや「あれもこれも」と欲張った勉強をしたり、見通しのない行き当たりばったりの勉強をしたりする暇はありません。親子共々、「これからは、今までよりも何倍も重要性をもつ大切な毎日が続くのだ」という意識のもと、ラストスパートに迷うことなく邁進していただきたいですね。

 保護者の方々には、次のような点を踏まえて仕上げ学習のサポートをしてあげていただきたいと存じます。泣いても笑っても、入試本番まで残された日々はあとわずか。悔いなき受験対策を!


 入試が近くなると親子間のもめごとが起こりがちです。男子の場合、相変わらずの雑な勉強ぶりに親が業を煮やし、注意や叱責をしたことがもとで大喧嘩になったという話をよく耳にします。女子の場合は、入試の重圧で揺らいでいるわが子を励ましてやるつもりが、おかあさんも一緒に落ち込んでしまうといったようなことがありがちです。いずれも、親子の距離が近すぎるからのことでしょう。

 無頓着に見える男の子も、不安に揺れている女の子も、内面では「今こそがんばらねば」という思いを抱いています。この段階で保護者に求められるのは、無暗に檄を飛ばすよりも、「何も恐れることなんてない。今からできることをやればいいんだ」と、明るく背中を押してやることです。表面に見える様子は違っても、男女問わず親に「大丈夫だよ」という信号を送ってもらいたいのです。

 保護者にまずもってお伝えしたいのは、「親は冷静でなくてはならない」ということです。親が感情的になって、よいことは一つもありません。まずは今までの模試の成績を一緒に点検してみましょう。よかった回と悪かった回とでは何が違うのか。特にお子さんにとっては忘れたいところでしょうが、成績が悪かったときの原因を落ち着いて分析したいですね。

 苦手な箇所が出たのか、やっていなかったところがたくさん出たのか、時間配分を誤って焦ったためにミスを連発したのかなど、理由はいろいろあるでしょう。しかし、「後悔先に立たず」という言葉があるように、大事なのは問題点の解消に向けて残る日々を最大限に生かすことです。失敗の原因としっかり向き合えば、自信を取り戻せるし、今からの仕上げ学習に確かな指針が得られます。「注意力をちゃんと発揮すれば、本来はこれぐらいできたはずだ」と思えば、「今度こそは!」と、模試最終回に向けて意気込みも増してきます。


 受験勉強の仕上がり具合を単元別にチェックするには、過去の模試の答案を一問一問見直すのがいちばんです。これまでのマナビーテストのときと同様に、模試の資料に添付されている設問別正答率表の★印三つまでの問題のうち、間違っていたものをすべて洗い出してみましょう。★印三つは平均的な難度の問題ですから、このレベルの問題はできるだけクリアしておきたいところです。無論、★印が二つや一つの問題は大半の受験生が正解を得ていた問題ですから、そこを失うと難度の高い問題で取り返す必要が生じてきます。これは楽なことではありません。まずは★印三つまでの問題で基礎力の仕上がりを点検し、補うべき単元や箇所を明らかにしましょう。そして、そこを埋め合わせていきましょう。

 弊社の会員受験生に配布している理科や社会の「アタック」は、基礎となる知識を一つひとつチェックしていくうえで大変役立つ副教材です。受験体験記「GET」の手記を拝読すると、多くの受験生が三回ぐらいはやり直し、徹底的に基礎事項の点検をしています。おたくのお子さんにも、ぜひそうした取り組みを継承していただきたいですね。蛇足ですが、つい先日実施した広島学院と清心の先生をお招きした催しで、広島学院の中1の生徒さんからいただいたコメントを紹介しました。受験生だったころの自分に対する「応援」と「アドバイス」ということで書いていただいたのですが、そのなかに「ちゃんとアタックちゃんとやっとけ!!」というのがありました。「あれをやっていたら、もっと受験でよい点がとれた」という確信があってのことでしょうか。これから受験するお子さんへのアドバイスとしても役立ちそうな言葉ですね。

 問題が「難しいぞ」と感じたら、とりあえず後に回し、できる問題をやり終えてから取り組んだほうが賢明です。入試では、最難関の私学でも合格最低線は百点満点換算で60~70点です。模試で★印が四つや五つの問題は、たとえ落としていても合否に影響ないと考えて構いません。「できそうだ」と判断した問題を確実に取る。これこそ合格への最大の条件だと心得てください。

 ところで、試験終了後に「できた、できたよ!」とはしゃいでいる子どもと、「できない問題が結構あった」と肩を落としている子どもとでは、どちらがよい結果を得ている可能性が高いでしょうか。明らかに後者です。なぜなら、「何を失敗したか」を明確に意識している子どものほうが、ミスが少ないからです。入試で少しでも時間に余裕ができたら、できたと思った問題の答えを点検し、ノーミスの答案をめざしましょう(できない問題があるのは仕方ありません)。模試の最終回では、このような意識をもってテスト問題に臨んでいただきたいですね。


 先ほど、6~7割できれば大概の学校は合格できるということをお伝えしました。このことに関連して子どもたちに意識してほしいのは、「定められた時間枠内で、ベストのパフォーマンスを発揮する」ということです。このことも、入試合格に向けた重要なポイントです。

 テストの時間制限がハンディとなりがちなのは、長文を読み通すのが遅いお子さんでしょう。こういうお子さんは、日頃の家庭勉強において読みにかける時間を設定し、その時間枠内に読み切る練習をしておいたほうがよいでしょう(普通に読んだときの時間を計り、それよりも少ない時間を設定する)。「読むのが遅い」と気にしていたお子さんも、時間的な条件の下で読む練習をすると、読みのスピードが速くなります。今まで知っている限り、読むのが遅いことを気にかけていたお子さんのほとんどは、最終的には集中して一気に読む練習をすることでこの問題を克服しています。

 また、問題を解く順序を臨機応変に判断できず、途中の難問を解こうと時間をかけ過ぎてテストに失敗をしがちなお子さんも、本番ではこのようなことのないようにしたいものです。こちらも、日頃のテスト練習や家庭勉強のときに「時間枠の中で最高の結果を得るにはどうしたらよいか」を意識し、機械的に問題番号順に解くのではなく、難しい問題が一定数あるようなら、確実に解ける問題から手をつけていき、粘れば解けそうな問題に取り組む時間を確保するなど、柔軟な対応ができるよう練習しておくとよいでしょう。

 どなたもご存知のように、試験問題は難易度順に配列されているわけではありません。いきなり難問に出くわすことも多々あります。そういうときに機転を利かせられるかどうかも、入試で問われる学力に関わる重要要素だと言えるでしょう。

 以前、読むのに手間取ってはテストで失敗を繰り返す息子さんに、「あなたは読むのに時間をかけ過ぎる。文章は読まずに、問題にすぐ手をつけなさい」とコーチをされたおかあさんがおられました。「答えは、傍線の前後を読めば見つかることが多い」という理屈で言われたようですが、大人のように経験に基づく知識をたくさんもちあわせない小学生に、このような方法は通用しません。文章を短時間に集中して精読し、内容をしっかりと把握することは文章読解の基本中の基本です。このお子さんの入試の結果は、ここで申しあげるまでもありません。

 

 残された入試までの期間はあと僅かです。しかしながら、入試に向けて自覚を高めてからの子どもたちは、これまでよりも数段集中力の伴った勉強ができるものです。やっと本気になってから、わずか1~2カ月のうちに、見違えるほど力を伸ばしていくお子さんもいます(男子に多く見られます)。あきらめず、さりとて欲張り過ぎず、今から何をすべきかをしっかりと見定めた受験勉強を実現してまいりましょう。

 入試が近づくと、受験校を決めたり、入試手続きをしたりと、親の側にもいろいろとやるべきことが待っています。もうしばらくすると、6年部の「保護者説明会」の最終回を校舎ごとに実施します。この回において、入試直前の受験対策や志望校への願書提出、保護者の心得などについてお伝えする予定です。これから入試本番まで、親子共々負担が増えてまいりますが、「ここががんばりどきだ」と心に決め、最善のラストスパートを実現していただきたいですね。

 上述のように、つい先だって広島学院と清心の先生がたをお招きした催しを行いましたが、その際、どちらの私学の先生も保護者に対するお願いとして、「受験をしたことで、お子さんの心に傷が残らぬよう配慮してください」といった趣旨のことを述べておられました。志望校に受かることよりも、そのことのほうがお子さんがたの将来に大きな影響を及ぼすことをよく知っておられるからでしょう。「おとうさんおかあさんにおかれては、今というときを大切にした毎日のもと、お子さんが無事に入試当日を迎えられるよう精一杯応援してあげてください」とおっしゃっていました。

 子どもの奮起は親の愛情を背にしてこそ実現します。最後まで、わが子を信じて応援してやりましょう!

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カテゴリー: アドバイス, 中学受験

年長児対象 玉井式「冬の体験授業会」のご案内

2019 年 11 月 11 日 月曜日

 お子さんは現在何歳ですか? 今回は、弊社の指導対象年齢に至る直前の、年長児を対象とした催しについてご案内します。,現会員で、年長児のきょうだいをおもちのご家庭におかれては、無料の催しですのでお気軽に参加していただきたいと思います。また、お知り合いに年長児のお知り合いをおもちのかたがおられれば、誠に勝手ながら内容をご確認のうえ、この催しのことをお伝えいただければうれしいです。どうぞよろしくお願いいたします。

 早速、本題に入らせていただきます。この年長児を対象とした催しは、低学年児童向けに弊社が導入している「玉井式国語的算数教室」を実際に体験していただくために実施するものです。

 この講座は、そのユニークな呼称もさることながら、内容的にも大変個性的な講座です。「国語的算数教室」とは、「国語指導の要素(読解力育成)を併せもった算数教室」ということから名づけられたもので、基本的には算数学力の育成をめざしています。また、「玉井式」という冠は創設者である玉井満代先生の考案に基づく講座であるということを示しています。

 弊社はこの講座を8年前に正式導入しましたが、たちまち予想を超える評判をいただき、2年目には180数名の児童に通っていただくまでになりました。以来、毎年コンスタントに一定の通学生を抱える人気講座として定着しています(全国では約1万2千人の児童が受講しています)。

 この講座のいちばんの特色は、一般の低学年児童向け講座と異なり、基礎技能や知識を教えるのではなく、高学年以後に育ちにくい算数・数学の感覚的素養を磨くことに焦点を当てていることです。本ホームページでもう少し詳しくご説明していますので、まずはそちらをご覧いただき、そのうえでこの記事に戻っていただけるとわかり易いと思います。ご面倒ですがよろしくお願いします。

 ところで、人間の能力のなかには経験した分だけ脳が反応してその方面の素養が高まる時期をもつものがあります。これを臨界期、敏感期などと言いますが、この資質開花の最適期を過ぎると、同じ経験をしても同様の反応を引き出すことが難しくなります。

 たとえば、算数の図形や速さなどの単元は苦手とする子どもが多いことで知られます。これらの単元で求められる感覚的素養(直感力など)は、幼児期から9歳頃にかけての遊び(積み木・レゴ、タングラム、おもちゃ・砂場遊びなど)や学習を通して磨かれるものだと言われています。また、国語の読解力の能力差は、正式な文字学習が始まる小1からのおよそ3年間の読みの習熟に向けた学習の量的質的な違いがもたらします。読解力は大人になってからでも伸びますが、小学校入学からのおよそ3年間の伸びようはすさまじいもので、ここをうまく通過すると語彙力や思考力が一気に伸び、高い学力の持ち主になることができます。言うまでもありませんが、全ての教科の学習は、言語(特に文字言語)を介して行われるからです。

 ここで、人間の知的活動を支える2つの知能について簡単にご説明しておきましょう。前述の算数に関する感覚的な素養は、理系の学問に必須の能力で、流動性知能と呼ばれています。いっぽう、国語の読解力に象徴される言語系の能力は結晶性知能と呼ばれています。私たちが学問を修め、知的活動を推進していけるのは、この2つの知能の働きによるものなのですね。

 玉井式「国語的算数教室」は、学力形成を支える2つの知能が最も伸びる可能性をもつ児童期前半を生かし、アニメーションを使った楽しい学習を通して効果的にポテンシャルを高めることをめざしています。玉井式は、それを「イメージング力の育成」という言葉で謳っていますが、上述の流動性知能と結晶性知能の発達を促すこととリンクしています。たとえば、図形の見えない部分をイメージする、物語の重要場面をイメージするなどは、この2つの知能の働きによるものです。こうしたイメージングの能力を、アニメーションの活用によって上手に引き出しています。親しみやすいアニメーションは、子どもたちの興味・関心を引き出し、集中して課題の対象や場面をとらえる姿勢をもたらすからです。

 今回の体験授業会の対象は、まだ就学年齢に達していない子どもたちです。したがって、時間的にも短いため、講座のハイライトとなる重要な部分のみに的を絞って体験いただきます。

 少子化がすっかり定着した今日、産業界では人手不足が恒常化し、特に理系に強い人材が男女を問わず求められています。低学年児童期という固まらない段階で、理系の学問で求められるセンスや直感力を養っておけば、先々の可能性が大いに広がっていくことでしょう。

 女のお子さんは、放っておくと流動性知能の発達を促すような遊びの体験が不足し、算数を苦手としてしまうケースが多々あります(男子と女子では、遊びの志向性が大きく異なります)。いっぽう、玉井式の講座を受講した子どもたちの算数の成績は総じて良好です。特に女子はその成果が如実にデータにも表れています。このことは、理系の能力や適性に明確な男女差があるのではなく、才能を芽吹かせる体験をするかどうかのほうが重要なのだということを教えてくれるでしょう。

 お子さんの将来の進路の選択肢を考慮に入れるなら、児童期の段階で文系・理系に偏るのは望ましくありません。お子さんに宿っているかもしれない可能性の芽を、しっかりと育ててあげたいものですね。

 興味本位でも構いません。親子一緒のイベントのつもりでも結構です。就学前ですから、文字の読み書きを求める課題はありません。ぜひ一度参加してみてください。

 なお、本ホームページでご案内しているように、当日はお子さんには授業を体験していただきます。保護者には、簡単に玉井式の説明をした後、授業の様子を参観いただきます。さて、お子さんは興味津々に目を輝かせて授業に参加くださるでしょうか。お楽しみに!

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カテゴリー: お知らせ, ジュニアスクール, 小学1~3年生向け, 行事のお知らせ

2019「3年生冬期集中講座」のご紹介 ~全4日間~

2019 年 11 月 4 日 月曜日

 今回は、来春小学4年生に進級予定のお子さんを対象とする、冬休み期間の短期講座についてご案内します。対象年齢のお子さんをおもちでしたら、ぜひ参加をご検討いただきたいと存じます。また、もしもお知り合いで該当するご家庭がおありでしたら、この講座についてご紹介いただけると大変ありがたいです。どうぞよろしくお願いいたします。

 ご存知かと思いますが、弊社は広島県内の国・公・私立の中・高一貫校への受験(受検)を専門とする進学塾です。50年余り前の設立当初は、広島学院、修道、ノートルダム清心、広島女学院、広島大学附属への進学指導を活動の軸としていましたが、現在は他の私立一貫校や公立一貫校への進学指導にも力を入れています(実績については、当HPでご紹介しています)。

 ただし、私たちは単に子どもたちの志望校合格に向けた学力育成だけに注力しているわけではありません。中学進学後のさらなる学力伸長も視野に入れた学習指導を実践しています。

 目の前の受験合格だけを目的とするなら、入学試験で問われる知識や技能の習得に的を絞って指導し、ひたすら受験での得点力を子どもに身につけさせる方法もよいでしょう。しかしながら、それでは中学進学後に求められる学習姿勢の確立がおざなりになってしまいます。たとえば、大勢の教室で行われる授業にしっかりと耳を傾ける、授業後の復習をきちんとやりとげる、たくさんの宿題を優先順位に基づいてやりこなす。こうした自律的な学びの姿勢が未熟なまま中学に進学すると、後々まで苦労を強いられることになりがちです。

 中学受験の助走から中学校への入学までの時期(児童期後半)は、子どもが個性を確立していくとても重要な段階にあります。こうした時期に、テスト対応のみに明け暮れることによってもたらされる弊害は、ここでくどくど述べるまでもなく、みなさんご承知のことと思います。ところが、「どうしてもわが子をこの学校に入れてやりたい」という親心から、前述のような懸念があることに目をつぶり、合格優先の受験対策に走ってしまわれるケースもあるようです。

 こうした点に鑑み、私たち家庭学研究社は「子どもの学びの自立」や「確かな学習習慣の確立」などを、入試に対応する学力の育成と同等の重要な目標に掲げて指導にあたっています。無論、進学塾ですから最善の入試結果が得られるよう努力しているのは言うまでもありません。ただし、こうした方針を実行に移すにあたっては、大きな障壁となる問題が存在します。それは、子どもがまだ幼いため、学びの自立に向けたもどかしいステップを、子どもの成長に合わせて支援しなければならないということです。これは大変忍耐の要ることであり、易しいことではありません。しかし、「この勉強で受かったなら、先々も大丈夫だ」「この学びの姿勢を継続すれば、どの学校に進学しても大丈夫だ」という、大きな見通しを立てられるという点で、「これ以上の方法はない」と、私たちは確信しています。

 今回ご紹介する「3年生冬期集中講座」は、中学受験部門の入り口にあたる4年部の会員募集の一環として毎年実施している短期講座です。この講座に参加していただければ、お子さんには家庭学習研究社の授業(指導)がどういうものかを知っていただけるでしょう。また、保護者には家庭学習研究社の学習指導の基本的な手法や考えかたの一端をご理解いただけるのではないかと思います。

 無論、僅か4日間の講座(しかも最終日はテストのみ)です。この講座において学力が見違えるほど向上するわけではありませんし、学びの習慣や姿勢についても同様です。弊社がこの講座で意図しているのは、主に次のようなことです。

 勉強のよさや面白さに触れる体験。これは学習の意欲を高めるとともに、能動的な学びの姿勢を築くうえで不可欠なものです。また、学び直すことの効果を実感する経験をすると、復習の大切さを理屈のうえでも体感的にも理解し、「やらずにはいられない」という確固たる習慣が身につきます。授業のある3日間、その都度「今日はどんな授業だった?」とお子さんに尋ねながら、「やり直しが大切だよ」と言って促し、授業で使ったプリントを一緒に見ながらサポートしてあげてください。その結果、お子さんが最終日のテストで手応えが得られたなら、以後の学習によい影響が出てくるでしょう。

 無論、弊社は進学塾ですから、ほとんどのご家庭は中学受験を視野に入れておられると思います。しかしながら、これまでの勉強のプロセスはおそらく様々でしょう。授業の内容に対して、「易しい」と感じるお子さんもおられれば、「難しい」と感じるお子さんもおられるかもしれません。

 易しいと感じるお子さんには、問題の答えが合っていた場合でも、「どうしてこうなったの?」などと問いかけながら、考えかたをしっかりわかっているかどうかを確認するとともに、丁寧に考えて解くよう促してください。また、「難しくてよくわからない」と感じるお子さんの場合、無理にわからせるよりも、基本的なことがらに着目し、じっくりと考えたらできるところまでやっていただければよいと思います。大切なのは、パターンを覚えて正解する力をつけることよりも、知識を真に活用できる力を身につけることです。したがって、子どもたちには本講座を通じて考えることの楽しさや醍醐味を味わい、理詰めで問題解決にあたる姿勢を少しでも身につけていただきたいと願っています。

 なお、最終日に「まとめのテスト」を実施します。このテストで、「授業」と「家庭での復習」の組み合わせに基づく弊社のシステムに則った学習の成果を確かめていただきたいと存じます。「授業が楽しかった」、「家で復習したらテストでも手応えが得られた」――このような感想をもたれたなら、ぜひ弊社の4年部への入会をご検討ください

 もう一つお伝えしておきたいことがあります。それは、最終日のテストは単に講座での学習成果を確かめるだけでなく、弊社の4年部への入会の判定材料にもさせていただくということです(一定の成績をあげたお子さんには入会資格を進呈)。保護者におかれては、3日間の授業をただ受けるだけでなく、授業後の復習にも関心を寄せていただき、お子さんの復習をしっかりとサポートしてあげていただきたいと存じます。

 本講座には、毎年250~300名の子どもたちが参加しています。そして、テストでの成果を確認のうえ、多数の子どもたち(ご家庭)が入会しておられます。無論、「まずは試してみよう」というお気持ちでの参加も歓迎いたします。「塾に行かせてみようか」「中学受験にちょっと興味が湧いてきた」という段階のご家庭におかれても、ぜひ参加してみてください。費用はできるだけかからないよう配慮した講座ですので、お子さんの学力状態や反応を確かめるだけの目的で参加されても得られるものはあると思います。どうぞお気軽に!

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