2019 年 12 月 11 日 のアーカイブ

これからの時代の中学受験のありかた その1

2019 年 12 月 11 日 水曜日

 今回は、お子さんの中学受験を視野に入れておられるご家庭に向けた情報をお届けします。主として「中学受験の役割や意義」、「これからの時代の受験勉強はどのようなものであるべきか」について、弊社の考えをお伝えしたいと思っています。もしも保護者の方々の方針やお考えと、弊社のそれとが一致するなら、ぜひ次年度講座への入会をご検討いただきたいと存じます。

 早速ですが、「中学受験を思い立たれたきっかけは?」とお尋ねすると、みなさんはどうお答えになりますか? おそらく様々な答えが返ってくることでしょう。一般的に言って、最も多いのは「周囲に中学受験の経験者がいたから」というものです。きょうだいが経験されたことや、親戚やお知り合いに中高一貫校に通うお子さんがおられたこと、近隣に私学通学生が多いなどですが、環境のもつ影響力には大きなものがありますね。

 次は塾選びについての話題です。近年は親自身が経験者であるケースも少なくありません。そのかたが家庭学出身であれば、迷うことなく「わが子も家庭学へ」になるのかと思いきや、なかなかシビアな目で塾選びをされているかたもおありです。わが子の将来に関わることですからしかたありません。

 驚いたのは、「うちの子が生まれて以来、家庭学のチラシは全てファイルしています」というおかあさんがおられたことです。「指導方針がブレないか、一貫性が継続されているかどうかを確かめようとした」のだそうです。これには「ありがたい」と思うと同時に、冷や汗が出るような思いを禁じ得ませんでした。幸い、3年生の終了時点で「ブレなかった」と判断いただき、お子さんは晴れて家庭学に入会され、入試でも第一志望に合格されました。やれやれ。

 極端な例をご紹介しましたが、弊社にお子さんを預けてくださる理由でいちばん多いのは、前述のように「指導の方針が、親の考えと一致しているから」というものです。弊社が50年余りも世知辛い塾業界で生き残って来られたのは、「学習指導の方針が保護者に受け入れられたからだ」と、筆者は思っています。

 ご存じかも知れませんが、弊社のチラシは「メッセージ性」を重視しており、合格実績の表示は控えめにしています。それは、経営者の次のような指示によるものです。「私の考えるチラシの役割は、どのような方針で学習指導に当たる塾かを、わかり易く保護者にお伝えすることだ。合格実績に目を通さない保護者はいないのだから、大きなスペースを割く必要はない」――この考えは的を射たものだと、今でも筆者は思います(塾のイメージは地味になりますが)。また経営者は次のようにも言っています。「合格は子ども自身の努力によって得たものだ。学習塾は、その手伝いをしたに過ぎないのだから、自分の手柄のようにアピールすべきではない」と。これも確かにその通りだと思います(これまた、塾のイメージを地味にしてしまうんですね)。

 保護者は、それぞれ塾選びの目安にする“ふるい”をおもちだと思います。何を重要視されるか、何をふるいにかけるかはみなさん違います。ここまで筆者がお伝えしたことに、あまり価値を見出されないかたがおありでも、決して不思議ではありません。

 さて、次は中学受験の特殊性に話題を移します。中学受験の最大の特徴は、受験勉強のイニシアチブが大人にあるということです。受験生が大人のような知識や判断力をもち合わせていない小学生だからです。難関校への受験となると、求められる勉強は質量ともに半端なものではなくなります。そこで問題となるのは、勉強にかかる負荷の匙加減です。それを大人が適切に判断してやらないと、負担が過度になるだけでなく、子どもの健全な成長にも影を落とす危険性があります。

 どういうことかというと、受験準備にあたる時期の子どもは、ちょうど人間としての個性が形成される段階と重なります。この成長の節目において、子ども不在の過重な勉強を強いると、勉強への歪んだ考えを染みつかせてしまいかねないし、やらされ勉強を続けることで自律性を欠いた人間に育ってしまいかねません。弊社は、その危険を冒すほどの度を越した勉強で受験をすべきではないと考えています。「どんな受験勉強、どんな受験生活を経験したか」が、「どんな考えや行動様式をもった人間になるか」と、密接につながっているということを忘れないでいただきたいですね。

 無論、特別能力の高い子どもや、早熟タイプの子どもは、そういう過酷と言えるほどの勉強を難なくやりこなしてしまうケースもあります。しかし、皆が皆そういうわけにはいかないのも事実です(大切なわが子です。「うちの子は大丈夫」と決めつけないで、慎重に判断を)。

 次は、中学受験の真の目的について考えてみようと思います。「受験の目的とは何か」と問われたなら、みなさんはどうお答えになりますか? おそらく、「○〇中学にわが子を行かせるため」といった返事よりも、「よりよい学校環境を求めて」のことであり、「高いレベルの教育を受け、将来の人生設計における選択肢を幅広いものにするため」、あるいは「将来の夢を実現させるため」といったような将来的な視点に基づく返事をされるかたが多いのではないかと思います。少なくとも言えるのは、めざす中学に受かりさえすれば、後はどうでもよいと考える人など一人もいないということです。

 弊社の中学受験指導における基本理念は、「子どもの望ましい成長に資する学習指導を実践する」というものですが、これは前述のような大多数の保護者の願いを汲み取って生まれたものです。中学受験対策の勉強は、目先の合格だけにこだわってはいけない。子どもの将来の大成を視野に入れたものであるべきで、日々の勉強の積み重ねが子どもの血となり肉となって人間の器を大きくしていくものであるべきだ、という考えに基づきます。具体的にはどういった指導をするのかについては、本HPにある程度詳しくご説明しています。また、案内書をご請求いただいたなら、より詳しい情報を確認いただけますので、よろしくお願いいたします。

 さて、まだお伝えすべきことがたくさんあるのですが、だいぶ文字数が多くなってしまいましたので、今回はここで終わられていただきます。続きは次回お伝えしようと思いますので、よろしくお願いいたします。

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カテゴリー: 中学受験, 入塾について