2021 年 2 月 15 日 のアーカイブ

受験対策のための‟塾通い”はいつからがよい?

2021 年 2 月 15 日 月曜日

 中学受験のシーズンが終わりました。受験生のみなさんは長い受験生活から解放され、久々に受験勉強も塾通いもないゆったりとした毎日を過ごしておられることでしょう。いっぽう、学習塾も一息つきたいところですが、新年度の講座の開講が控えています。弊社では2月27日の土曜日にオリエンテーション(開講式)を実施し、翌週の月曜から授業を開始する予定です。

 とは言うものの、学校を軸とした学習サイクルの年度替わりは4月です。お子さんは無論のこと、保護者におかれても受験準備の開始に向けて気持ちがまだ定まっていないケースが少なくないことでしょう。実際のところ、弊社においても入塾希望者の動きはまだまだこれからも収まるわけではなく、毎年学校の新学期開始頃まで新規会員を受け入れています。

 そこで今回は、「受験勉強をいつ始めるか(塾通いをいつから始めるか)」を検討されるご家庭に参考にしていただくための情報をお届けしようと思います。

 この話題については、すでに何度かこのブログに弊社の考えをお伝えしたと記憶しています。いちばん多いのは4年部からの入会者です。ここ1~2年の受験生の履歴を調べてみると、約65%のお子さんが4年部からの入会者です。5年部からは30%強で、6年部からはほんの僅かです。しかも、6年生から初めて塾に通い始めるお子さんは極めて少ないのが現実です。ただしゼロではありません。そして、僅か1年足らずの受験勉強で立派な結果を得るお子さんが毎年おられます。

 弊社は、最大多数のお子さんが無理なく学力を仕上げられるよう、4年部からの受験対策をお勧めしています。ただし、弊社がそうお伝えしても、ご家庭の都合やお考え、受験生のお子さんの意向もおありでしょう。また、何らかの経緯で突然受験を思い立たれるケースもあります。ですから、「2年から3年の準備期間がスタンダードである」という程度にご理解ください。

 では、4年部からの受験対策開始と、5年部からのそれとの違いはどこにあるのでしょう。

 4年部と5年部で大きく異なるのは、4年部の指導教科が算数と国語であるのに対し、5年部は理科と社会が加わり、4教科となる点です。これに伴い、通学日の授業は4年生が2時限、5年生が3時限(理科と社会は交互に学ぶ)となり、授業の終了時刻も5年部のほうが遅くなります。また、4年部では予習が不要であるのに対し、5年部では予習(年齢的な負担を考慮しています)が必要となります。

 受験勉強のスタートが1年遅れになることから、「5年部からの入会では不利があるのか?」という心配をされるかたもおありでしょう。実際のところ、さほど気にされる必要はありません。ハンディが若干あるのは、算数が先取り指導となっているため、4年部の段階で5年生の教科書範囲に進んでいるということでしょうか。ですが、あくまで教科書の水準に少し上乗せをしている程度ですから、さほど心配される必要はありません。国語については単元割がないため、カリキュラム上のハンディはありません。読み書きの基礎ができていれば全く問題はありません。理科と社会は全員が一斉に一からスタートします。

 算数の先取り指導をするのは、入試レベルの学習と教科書レベルの学習のギャップが大きいため、仕上げ指導に時間と手間がかかるからです。弊社では、6年部のGW(ゴールデンウィーク)までに小学校課程の学習を一通り終わり、そこから8カ月余りかけて入試レベルの算数力へと段階的に引き上げていきます。受験生の子どもたちにできるだけ無理をさせず、うまく学力のグレードアップに成功することが学習塾のノウハウとして重要であり、きっちりと仕上げていかねばなりません。急ぎ過ぎたり、詰め込み過ぎたり、負荷を上げすぎたりすると意図する算数学力が身につかず、難関校の入試突破は期待できなくなりますし、中高一貫のハイレベルな学習環境で数学力を伸ばすのも難しくなってしまいます。

 ともあれ、以上の説明をお読みいただいたかたは、「じゃ、4年部から入会することのメリットって何ですか?」という疑問をもたれそうですね。私たちは、もしも「4年部からでも5年部からでも入会が可能です」と保護者に言われたなら、「4年部からの入会をお勧めします」と申し上げます。それは、大まかに言うとつぎのような理由によります。

~4年部からの入会のメリット~

.入試対策の柱となる算数と国語の学力を、基礎からじっくりと
  習得していける。

.算数と国語の家庭学習を通して、学習の習慣づけや学びの態勢
  づくりに注力できる。

.子どもが取り組んだ問題の〇つけを通して、受験生らしい勉強
  への移行期にあるわが子の現状を知ることできる。

.学校と塾とのダブルスクールが本格化する前に、受験生活の
  ‟慣らし運転”ができる。

.本格的受験勉強の前に、学ぶことの楽しさに触れる経験がたっ
  ぷりとできる(最後までやり抜く力が醸成される)。

.親もゆとりをもって家庭環境を整備し、バックアップ態勢を
  築ける。

 以上のような要素は、受験学習が本格化してから生じがちな問題を解消できる点で重要な役割を果たします。お子さんが年齢相応よりもしっかりされ、基礎学力も身についておられれば、5年生からの入会でも問題ありません。保護者の方々はよくご存じかと思いますが、勉強の収穫は必ずしも時間や労力に比例しません。質が伴わない勉強では、いくら早くから塾に通っても成果は上がりません。

 もしも受験までの期間にゆとりがあり、子どもの心身の成長と歩調を合わせながら受験準備ができたなら、そのほうが安心です。この考えに沿い、環境整備や下ごしらえをしたうえで無理なく受験体制へと移行することを保護者が望まれるなら、4年部から入会いただきたいというのが弊社の考えです。

 今春からの受験勉強開始を考えておられるご家庭におかれては、今回の記事も参考にしていただき、ぜひ弊社の教室への通学(入会)をご検討いただきますようお願いいたします。

 なお、今回の記事では通学に関する詳しい情報や指導の内容については触れていません。本HPの案内や、案内書等でご確認ください。開講後(3月)も各校舎で「入会ガイダンス」という呼称の説明会を実施いたします。お迷いの場合は、この催しに参加いただき、校舎責任者の話をお聞きのうえ入会をご検討いただければ幸いです。このガイダンスの日程は、本HPにてお伝えします。

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カテゴリー: 中学受験, 入塾について, 家庭学習研究社の特徴