お子さんの中学受験を視野に入れておられるかたへ その1

2021 年 10 月 15 日

 10月半ばを迎え、秋も次第に深まってまいりました。毎年11月になると、冬休みの講座の会員募集とともに、次年度前期講座(2月開講)の会員募集が始まります。そこで、今回からの2~3回は、これからお子さんの中学受験対策を検討される保護者、弊社の教室への通学を視野に入れておられる保護者のために、弊社の学習指導に関する情報をお届けしようと思います。

 弊社は昭和42年に設立し、以来50年余りにわたって中学受験の専門塾として活動しています。ですから、おとうさんやおかあさんのなかには、かつて弊社の教室に通われたかたも少なくないと思います。そのようなかたは、すでに弊社の受け皿の形態(対象学年、校舎と設置場所、通学日数など)や指導の方針・システム等についてご存知であり、「いつから通うか」についても決定済みかもしれません。

 しかしながら、大半の保護者におかれては、弊社の校舎への通学をご検討いただくにあたっては、「どのような学習塾か」を調べる必要があると思います。そのような方々のために、まずもって弊社からお伝えしたいことは、「合格実績だけで選ぶのではなく、どのような方針のもとで、どのような学習指導を実践している学習塾か」を学習塾選びの基本においてご検討いただきたいということです。

 というのは、受験対策の勉強に取り組む時期はちょうど子どもたちの人としての特徴が定まっていく時期と重なっています。したがって、どんな受験勉強をし、どんな受験生活を送るかが、「人間としての特性」(性格や生活習慣、ものごとに取り組むスタイル、学問への造詣など)を形づくるうえで大きな影響を及ぼすことになります。お子さんが、親の望む方向へと成長することは、受験での合格以上に重要なことではないでしょうか。保護者の方々におかれては、こうした私たちの考えを踏まえたうえで弊社への入会をご検討いただければ幸いです(その結果、他塾を選ばれることもあるでしょう)。

 そこで今回はまず、「家庭学習研究社が基本におく中学受験とはどのようなものか」についてお伝えしようと思います。なお、弊社の受験指導は4年部からの3年間をベースにしています。以下の説明も4年生からの受験生活を前提にお伝えしていますが、5年生や6年生から受験対策を始めるご家庭も考えかたとしては大きく変わることはありません。来年度から受験対策開始をお考えのご家庭の参考にしていただければ幸いです。

私たちがめざす受験指導とはどのようなものか

 みなさんは、わが子のこれからの成長について様々なビジョンを描き、大きな期待を抱いておられると思います。弊社に興味をおもちのかたなら、学力形成や知的能力の開花については特に熱心な保護者がたくさんおられることでしょう。

 弊社は進学塾です。当然お預かりするお子さんの進学目標達成、すなわち中学受験での志望校合格のための指導をしています。しかしながら、人間形成途上に受験があるということは、合格を他の何にも増して最優先する猛勉強や、子どもの自立をないがしろにするような押しつけの勉強のもつ危険性に対して十分な対策や配慮をする必要があることを、私たちは決して忘れないよう肝に銘じています。すでに人間として固まっており、学習成果が全て受験生自身の責任に帰する高校や大学への受験とは、そこが根本的に違うところです。中学受験は、受験生である子ども自身だけでなく、家庭でわが子の養育にあたりながらサポートされる保護者、そして教室で指導に当たる学習塾のチームプレイで挑戦するものではないでしょうか。

 そこでまずは、このことを前提にした受験対策の構図を見ていただこうと思います。※画像をクリックすると拡大表示されます。

 さきほど、「受験は受験生、保護者、学習塾によるチームプレイである」と申しましたが、主役はあくまで受験生の子どもだということを忘れないようにお願いします。大人の言うことを聞いてくれる児童期の子どもに対しては、ともすれば保護者も学習塾も命令してやらせようとしがちです。これが原因で子どもの成長や自立がスポイルされることが少なくありません。勉強に積極的な子どもになるか、勉強嫌いの子どもになるかの分かれ目は、私たち大人の接しかたにあると言っても過言ではありません。

 図を見ていただくと、真ん中にこれから大きく成長していく子どもを置いています。そして、両脇に保護者と学習塾が控えています。保護者(家庭)と学習塾は、それぞれ役割は違っていますが、どちらも受験の主役である子どもが望ましい成長を遂げられるよう、サポートする脇役として位置付けられるでしょう。図にもあるように、家庭と学習塾はそれぞれ役割は異なるものの、互いに連携しながら子どもの学習環境を整え、伸び伸びと勉強に取り組む受験生活の実現に向けて協力します。

 家庭と学習塾が合言葉にすべきは「子どもの自立支援」です。勉強という観点から申し上げるなら、「子どもが自学自習の姿勢を築くよう応援する」ということです。「言うは易く行うは難し」という格言がありますが、小学生の子どもの学習の自立支援は、まさにこの格言を地で行くようなもので、大変な苦労が伴います。特に家庭で生活を共にしながら勉強のフォローをされる保護者の負担は相当なものだと言わざるを得ません。しかし、その苦労こそ大きな果実をもたらすものです。

 自分でやろうとしないから押さえつけてでもやらせる。もしもそれをやったとしたら、子どもの将来はどうなるかを考えてみてください。すでに何度もお伝えしているように、21世紀のグローバル社会を生き抜くたくましさなど、到底身につかないことでしょう。「自分からやろうとしない」理由は何か。そこを大人はまず考え、子ども自らが勉強に取り組もうとする姿勢を育まなければなりません。そのために、学習塾では勉強の奥深さや面白さ、謎を解いたときの感動を味わわせるような指導をめざします。ご家庭の保護者は、成績よりも努力をまずは重視し、自分からやろうとすること、予定をやり遂げることを評価の基準に置き、がんばったときには大いに喜び、子どもをほめ称えてやります。そういうことの積み重ねが、子どもの学びの姿勢に大きな影響を及ぼすのです。

 今回は、中学受験専門塾としての弊社の基本的な考えかた、受験生活の構図をお伝えしました。次回は、もう少し具体的な話をお伝えしてみようと思います。どうぞよろしくお願いします。

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